この日は本当に暑く、過去の“さんぽ”の中でも屈指の過酷さを極めていましたが(笑)、それ故に本気の夏を体感できた1日でもありました。写真と共に、そんな夏の“さんぽ”を楽しんで頂ければと思います!
●日時…2010年8月16日 ●路線距離…10.0km ●駅数…15駅
江ノ電の旅は、藤沢駅から始めるのが良いかもしれません。鵠沼の住宅地を抜け、江ノ島駅を過ぎると海が見え、そして徐々に鎌倉の街並みに入っていくのが奥ゆかしいです。路線距離こそ10kmしかありませんが、その車窓の変化はあり過ぎるほど、見所の詰まった路線でもあると思います…。そんな旅の始まりの起点、藤沢駅は、デパートの中にホームがあるという形態の、ある意味で江ノ電で最も近代的な駅でもありますが、それでもどこかノスタルジックな雰囲気を醸し出しているのは、やはりこの鉄道が持つ魅力によるところでしょう。いきなり旅気分を盛り立ててくれるわけです。
江ノ電の時刻表は、実にシンプルです。それは早朝・深夜を除き常に12分間隔で、藤沢駅発の時刻を見ると、毎時00、12、24、36、48分発となっています。これなら時刻表もいらないくらいでしょう。…逆に、これ以上の増発は出来ません。全線単線で、列車同士が行き違い出来る駅も限られ、しかも現在それらはフル活用しているからです。列車は2両編成を基本とした車両を繋ぎ、4両編成で走っている事が多いですが、元々が小型車でもある為、よく混んでいるようなイメージがあります。まあ、基本的に自分が江ノ電に乗る時期というのは夏が多く、しかも観光客がよく利用する時間帯に限られる為、たまたまそうなのかもしれませんが、江ノ電は都心から1時間で来れるような場所でもある為、こういった方達にもよく利用されているのは事実です。この日も例外ではなく、藤沢駅発車の時点で、かなりの立ち客が目立つ感じになっていました。
江ノ電に使われている車両は、2両編成が基本…と書きましたが、それら2両分は全て連接車〔鉄道さんぽ 3.(JR東日本、京葉線編)参照〕となっていて、急カーブでも曲がれやすいようになっています。また、右下の写真を見ても分かるように1両は短く、この後紹介する併用軌道区間を有する鉄道でもある為、よく路面電車に分類されそうになるのですが、扱い的には普通の鉄道となっています。しかし、こういった車両、線形の特徴から、付近の街並みに驚くほど溶け込んでおり、これもまた江ノ電の魅力の1つになっているのだと思いますね。それぞれの駅の個性も強く、本当は1つ1つ紹介したいくらいですが、ここでは主な駅・路線風景に留めておきたいと思います。
藤沢駅を出て、最初の行き違い駅が鵠沼駅です。ここまで藤沢駅から約5分掛かるので、ここで藤沢駅行きの列車とすれ違って、その列車が再度藤沢駅に着くのが、前の列車が発車してから約10分後…。江ノ電は12分間隔で運転されているので、基本的に藤沢駅で折り返しの為に停まっている時間は約2分…という事になります。藤沢駅に列車がやってきて折り返して発車するまで、いつも短い時間で発車している感じがあるのですが、こういった事情があるわけですね。全線単線という状況ならではだと思います。
話しが逸れましたが、鵠沼駅周辺の道路は狭く、車もろくにすれ違いが出来ないような状況の街並みでしたが、これが鵠沼という土地らしさを表しているような気もしました。大通りが近くにないので、閑静な住宅街…という感じでしょうか。そこに時折聞こえる江ノ電の走行音、そして踏切の音だけが、時間の動きを作り出し、また、夏のワンシーンを展開させているようにも思いました。この駅の鎌倉方には、遠くに江ノ島を臨む事が出来、いよいよ海が近付いたと感じさせますが、まだ海が見えるのは少し先の区間になります。
この後は路線を右に左とカーブを繰り返しながら、江ノ島駅に到着です。実際の江ノ島までは少し歩きますが、駅から一本道なので迷う事はまず無いでしょう。中枢の駅、また、江ノ島観光の拠点駅でもあるので、何となく明るい雰囲気が漂っているようにも感じられます。
この駅から次の腰越駅までが面白いです。路線は道路との併用区間に入り、さながら路面電車のような風景が展開されるのです!…更に言えば、1両が基本の路面電車と比べると、こちらは最大4両編成ですから、いくら小型車と言えど迫力が違うわけです。また、この道路があまり広くない(商店街ですからね…笑)という事もあって、ますますスリル感が倍増されているように見えます。よく車に当たらないものだと感心してしまいますね…(笑)。
併用軌道区間に入ったところに、かつて江ノ電を走っていた昔の車両の先頭部が入っているお店を見付ける事が出来ます(左下写真参照)が、このお店こそが、江ノ電名物?江ノ電もなか…と作っているお店でもあり、実際、この運転部分でお菓子が作られています。ここから眺める、線路の上を走る現役の車両達…というのも何とも興味深い光景ですが、行き交う列車を見守っているようにも感じられ、何とも和やかな思いにさせられますよね。是非、注意して観察してみて下さい(笑)!
走っている車内からは、やはり運転台からの景色が気になってしまいます…。
そして、こんな緊張感のある区間(笑)が終わると、まるで路地裏にあるかのように腰越駅へと到達していきます。写真で見ても狭さは伝わると思いますが、更にこの駅は3両分しかホームが無く、4両編成の列車が停車する際は、1両分だけホームからはみ出して停車、右下の写真のように、1両はドア扱いもせずに乗降を行います。車内ではその旨は何度も案内していますが、やはり慣れない人は戸惑ってしまうようです。実際、自分が今回乗っていた時にも、これらの事に気付かずに、腰越駅で降りれないお客さんがいたくらいです…。これもまた、江ノ電お馴染みの風景…(笑)?
さて、こんな腰越駅を出ると、暫く狭い区間が続く…という感じですが、これが一気に目の前が広がる風景に出合います。そう、海に出るのです。…この瞬間が、江ノ電の車窓の中で最も華やかな瞬間ではないでしょうか。混んでいる車内からも、喜びと驚きの声が上がるくらいです。ひとまずは海に釘付け…という感じでしょうね。そして、その海の風景は暫く続くので、やはり印象的な区間になっているに間違いありません。
海に出て暫くすると、鎌倉高校前駅です。道路を挟んで反対側はもう海…という感じで、これぞ湘南の駅という雰囲気満点です。鎌倉高校は、駅前の道を線路方向に進み、最初の踏切の道を左に曲がって坂を上って行けば辿り着きますが、この踏切の風景はとても有名で、もしかしたら誰もが一度は見た事はあるのではないでしょうか(右下写真参照)…。坂の上から踏切を臨み、その向こうは無限に広がる雄大な海…。何とも素晴らしい光景であると共に、江ノ電がよく似合う“絵”でもあるのです。如何に江ノ電が海と共に歩んできたか分かるというものです。そんな事を思いながらも、炎天下の中、身体は汗だらけではあったのですが…(笑)。
鎌倉高校前駅を出るとすぐに、江ノ電唯一の信号所、峰が原信号があります。駅は設置されてないものの、列車の行き違いは可能で(日中は必ず行います)、海を見ながら対向車を待つという風情も良いかもしれません。元は鎌倉高校前駅が行き違い駅になっていたのですが、並行する道路の拡幅に伴い、現在の場所が選ばれたのだそうです。その為か、ここではよく藤沢行きの列車が先に到着して、鎌倉駅行きの列車を待っているようなイメージがあります。
稲村ケ崎駅を過ぎると、これまで並行してきた海と離れ、少し山間に入って行きます。やはり近くを走る道路は狭く、走る列車にしても車にしても、どちらも肩身が狭そうにしているのが面白いです。恐らく江ノ電の沿線で一番ひなびた雰囲気を走る区間ですが、カーブが多く、そんなに速く走れないのも、そういった雰囲気を後押ししているように思います。この稲村ケ崎駅から次の極楽寺駅の間に、江ノ電の車庫が設置されています(右下写真参照)。
次の極楽寺駅は、駅名の由来となった極楽寺の真ん前に位置し、ここもまた風情溢れる駅だと思います。駅の鎌倉方には極楽寺トンネルが控え、その向こうはいよいよ鎌倉旧市街です。鎌倉という土地は、どうしても山を超えないと入れない場所にありますが、現在でもその入り方は変わってないと思わせるような地形でもありますね。ちなみに極楽寺駅は、鎌倉高校前駅と共に、関東の駅百選に選定されています。
極楽寺トンネルを抜けて、すぐ左側にある神社が御霊神社です。この神社は裏側からも入れますが、表から入るには、まず江ノ電の踏切を越えて入らなくてはならないという、なかなか面白い構造になっています。如何に江ノ電が古くから走っていて、そして如何に昔から街に溶け込んで存在しているか…という事ですよね。ちなみに、この辺りの線路に面している住宅も、やはり江ノ電の線路を経由しないと玄関に達せない構造になっている所が幾つかありました。ここを過ぎると長谷駅。鎌倉大仏の最寄り駅ともなっています。
昨今では、鎌倉大仏がかなりメジャー化?(外人に特に…)した事により、長谷駅~鎌倉駅は常に混雑している区間にもなってきた感じがありますが、ここから鎌倉駅までは、後5分という道のりです。そして、鎌倉駅までの最後の交換駅が長谷駅でもありますので、列車の運転形態的には、先程説明した藤沢駅~鵠沼駅間と似たような状況がここにはありますね。とにかく、鎌倉駅まではあと3駅です。
…という事で、終点鎌倉駅に着きました。藤沢駅からは34分の旅です。鎌倉駅も藤沢駅と同じく、発時刻が毎時00、12、24、36、48分となっているので、基本的に鎌倉駅での折り返しも2分弱ぐらいしかありません。江ノ電車両は、今日も休みなく働き続けるのです!
…如何でしたでしょうか。営業距離がたったの10kmという路線の割りには、本当に見所が沢山といった感じだったと思います。しかし、これでも相当端折ったのです。そもそも今回は、バラエティに富んだ車両についてあまり説明をしませんでしたし、その中には300形という、車齢50年もなる車両も含まれています。この車両は2両1編成しか残っていなく、そして夏場はあまり出番が回ってこない(この日も車庫で休憩?中でした)ので、今回は説明は省きましたが、この車両こそが江ノ電のイメージ・リーダーと称する人も多く、まだまだ江ノ電には魅力が一杯です。そして最初に話した通り、やはり江ノ電には夏という季節が似合うのです。
首都圏から約1時間で行けてしまうこの路線。全線乗っても34分ですし、そもそも江ノ島という場所が著名な観光地であるので、行く理由は沢山あると言っても良いでしょう。何だかんだで一度くらいは乗った事があると言われそうな路線でもありますが、今一度、江ノ電の魅力に触れてみては?…と思った1日でした!
☆江ノ島電鉄のHP…www.enoden.co.jp/
JR京葉線を走る車両というのは、現在、通勤型だけで、E331系、209系、205系、201系の4種類があります。このうち205系は、当初から京葉線に投入された、先頭車前面の形状が従来とは異なる車両と、山手線や南武線、埼京線、中央・総武緩行線から転入されてきた車両があるので、見た目には違う車両のようにも見受けられます。また、JR武蔵野線からの直通電車もやってきます。
しかし、今年の夏からはE233系という新しい車両が導入され、E331系以外は全て置き換え対象となっているらしく、車両のバラエティさから言えば少し単調なものになってしまうに違いありません…。そもそも、E331系は試験的要素の強い車両であるので走行する機会は少なく、基本的に京葉線は、E233系の路線…というようになってしまう筈です。
209系や205系の一部は、E233系の導入によって、他の路線に転属されるらしいのですが、今や首都圏の通勤路線では最古参の車両である201系は、これで間違い無く営業路線を引退となるでしょう。今やJR東日本では、JR中央快速線に2編成と、ここ京葉線に4編成が残るのみとなってしまいましたが、中央快速線では今年の10月に完全引退で、京葉線も、そろそろ終わりが見えてきた感じです。
つまり、色々とバラエティのある状態の京葉線に出会えるのは正に“今”であり、だからこそ、今回この路線を選んだという次第です。また、京葉線は珍しく、平日と土・日のダイヤが著しく異なっている路線でもあり、それぞれにしか運転されない列車・車両もあるので、基本の日にちを6月27日の日曜日とし(ピアノトリオのライブの前の時間に実行…笑)、6月14日の月曜日にも、ちらっと行ってきまし(笑)。色々と前置きが長くなってしまいましたが、そんな状況下の路線という事を、少しでも知って頂ければと思います!
●日時…2010年6月27日(予備日…6月14日)
●路線距離…43.0km ●駅数…17駅(西船橋への支線を除く)
京葉線は東京~蘇我間を結ぶ路線ですが、東京駅から京葉線に乗った事のある方は、その移動距離の半端無さに驚くかもしれません…。東京駅の東海道新幹線乗り場の近く、八重洲南乗り換え口からその通路は続き、約300m程の移動をし、そして更に地下深く潜っていかなければならないのです。特に、地下鉄丸ノ内線、JR横須賀・総武快速線からが遠く、恐らく、乗り換え時間が10分あっても、相当ギリギリな感じになってしまう事と思います。
これは、京葉線のホームが地下にあり、道路でいうと鍛冶橋通りという、かなり有楽町駅寄りな場所に位置している為ですが、それならば…と、有楽町駅から行ってみる道のりも紹介します(もちろん、いったん駅からは出なければなりませんが)。JR有楽町駅の国際フォーラム口を出て、そのまま国際フォーラムに向かって歩いていきます。そして、国際フォーラムの入口を右側に見つつ、そのまま東京駅寄りに進んでいくと、地下に進める入口(右下写真参照)が見えてくる筈です。ここまで、有楽町駅からは徒歩5分弱といった感じでしょうか。あとは地下に下りていくだけで、場所によっては、こちらからの方がスムーズと思う事もあるかもしれませんね。特に、地下鉄有楽町線からの乗り換えは、そう思いそうですが、地下鉄有楽町線を利用する人が京葉線に乗る時と言うのは、基本的にこの先の新木場という駅を使うというのが、皮肉と言えば皮肉です…(笑)。
さて、京葉線の東京駅ホームは2面4線あり、ここからは特急“わかしお”や“さざなみ”、そしてJR武蔵野線からの直通車両、そして快速や普通という種別もあるので、乗る時は注意しないといけません。今回は鉄道さんぽという事で、各駅停車で向かっていきたいと思います。
東京駅を出て次の駅の八丁堀駅は、地下鉄日比谷線と乗り換えられる駅で、快速も停まる重要な駅?なのですが、その次の越中島という駅は、京葉線だけの単独駅で、しかも普通しか停まらない駅(半分以上の列車が通過していきます)なので、乗降客数が非常に少ないです。調べてみると、なんと東京23区のJRの駅では、一番利用者数の少ない駅でした。そもそも、京葉線の列車の本数というのが、他の路線と比べると少なく、普通列車に至っては、1時間に4本しか運転されていないのです。つまり約15分毎…という事ですが、東京駅から2つ目の駅で、このような駅があるというのも不思議な感じはしてしまいます。ここまで地下駅であるので、地上からも目立たない駅ではあるのですが、都会から忘れ去られた場所…とでも言いましょうか(笑)。なかなか他では味わえない駅でもあります。
越中島駅を出ると地上に出て、開放感のある潮見駅に到着します。この駅は6月14日の平日に降りてみた駅だったのですが、越中島駅と同様、普通しか停まらない駅なものの、意外と利用者数は多かったように感じました。確かに辺りを見回してみると、以前は倉庫や鉄工所ばかりの場所だったのに、いつの間にかマンションや大型商業施設なんかも出来たりして、新しい街のような雰囲気を醸し出しておりました。ここで、JR京浜東北線から転入してきた209系500番台(左下写真参照)と、編成を途中で分割させる必要がある為に必ず201系を使う、貴重な平日のみの運転の通勤快速『成東・勝浦行き』(途中の誉田という駅で、行き先が2つに分かれる列車です…右下写真参照)を撮っておきます(この列車を写真に収める為に、平日という日に繰り出しました…笑)。
次の新木場駅は、地下鉄有楽町線や、東京臨海高速鉄道りんかい線等が乗り入れる、京葉線にとって乗り換え客の多い駅で、実際、朝の車内の混雑状況は、蘇我駅から来た列車はここまでがピークとなっています。自分も、基本的に京葉線に乗りに行く…と言ったら、有楽町線で新木場駅まで行く事が殆どです。乗り換えも簡単ですしね。それくらい、東京駅での乗り換えが面倒という話しでもあるのですが…(笑)。
ここからは暫く海沿いを走ります。お陰で風に弱く、よく“強風の為運転見合わせ”という文字をよく見ます。京葉線が運転見合わせになると、この辺りの代替路線は地下鉄東西線ぐらいしかなく、しかも近くても3~4kmくらいは離れているので、一気に陸の孤島となってしまうのが厳しい感じでしょうか。速さ的には便利なんですけどね。
葛西臨海公園駅、舞浜駅と、エンターテイメント施設のある駅が続きますが、舞浜駅はもはや平日でも賑わっていますね。言うまでもなく、東京ディズニー・リゾートの最寄り駅でもある為ですが、実はこの舞浜駅のホームの一番東京寄りは、京葉線の車両を撮る撮影ポイントとしても有名なのです(笑)!…上の写真を見ると分かりますが(どちらも205系という車両で、右が京葉線用205系です)、編成に障害物がまるで掛からないのがお分かりでしょうか。意外にこういった場所は都内近郊では少なく(一応ここは千葉県ですが…笑)、更に言えば、編成が少しカーブしているのが、写真写りを良くしてくれてると言いましょうか…(笑)。とにかく、自分がここを訪れた日曜日ともなれば、このポイントに6、7人は陣取ってましたね…。もちろん、目的の車両もあった為なのですが、これは後にお話ししましょう。
しかし、ディズニー関連の場所に行かずして、舞浜駅に降りた…というのは、今回が始めてかもしれませんね(笑)。何だか、いつもに増して、客観的にこの場所を見れた自分が面白かったです。今度この場所に来る時はいつになるのやら…(笑)。
…さて、先に進みましょう。次は新浦安という駅で、土日ダイヤでは、当駅で快速と普通列車の接続をとっています(普通列車が、後から来た快速列車の待ち合わせを行います)。この付近は住宅地ですが、場所によってはまだ東京ディズニー・リゾートが見える場所でもあり(特に、夜の花火とかは見れるでしょうね)ここから舞浜方面の線路を望むと、もしかしてディズニー・ランド(シー)をバックに列車が撮れるのではないか?…と思ってしまいます(笑)。そして、結果は左下の写真通り。…何気にディズニー・シーのプロメテウス火山がバックに入り込んでいるような…(笑)。これには相当な望遠レンズが必要ですが、ある意味京葉線らしい光景かもしれませんね。
新浦安駅を出ると、市川塩浜駅、二俣新町駅、南船橋駅と続きますが、この辺りは典型的な工業地域で、駅間も結構長い区間でもあります。市川塩浜駅を過ぎると、途中で西船橋駅方面に行く支線が分かれ、更に二俣新町駅にの先では、逆に、西船橋駅方面から来た支線と合流します。これは、高谷支線、二俣支線と呼ばれ、どちらも京葉線という扱いの路線なのですが、営業上はJR武蔵野線と案内されており、実際、京葉線に直通してきた武蔵野線しか、基本的にはここは通る事はありません。
要するに、路線図で見るとデルタのような形になっているのですが、面白いのは、このデルタの底辺となる京葉線上の、それぞれの分岐点の中間に、二俣新町という駅がある事です。先程も言ったように、この辺りは工業地域ですので、日曜日に利用しても、殆どお客さんは見かけないという状況で、路線状況上、武蔵野線はここを通らないので、何だか路線自体から忘れ去られた感が満載の駅でもありました…。遠くには、支線を通過していく武蔵野線の列車なんかも見え、特に悪い居心地ではありませんでした。こうした不思議な雰囲気を持った駅もあるのですね。
再び支線と合流し、南船橋駅へと着きます。ここは日中の武蔵野線との乗り換え駅でもあり、武蔵野線側から見ると、京葉線の東京方面へ行く列車と、こちらの南船橋駅に向かう列車に二分されているわけですが、本数的にはこちらの方が多いようです。…とは言え、元々の本数が少ない武蔵野線ですから(平日は1時間に5本、土日は1時間に6本の運転)、それが二分されてしまうと、更に本数が少ない事になってしまい、時刻確認は必須かと思われますね。
そして、新習志野駅です。ここは普通しか停まらない駅ですが、この先に京葉線の車庫(京葉車両センター)があり、ここを始終着とする列車も多いので、駅構内が広めに造ってあるのが特徴です。しかし今見ると、無駄に広い感じも拭えません…。それよりも不思議に思うのは、この駅のホーム形態です。この駅は、島式ホーム1面2線を単式ホーム1面1線2本が挟む、計3面4線のホームを持っているのですが、何故新浦安駅のような、2面4線のホームにしなかったのでしょうか。真ん中の島式ホームが、基本的には当駅を始終着とする列車が使うのですが、例えば当駅止まりの列車に乗ってしまった場合、ここから先に向かうには階段を介してホームを替えなければいけません。逆方面も同様です。路線上は、通過列車と当駅始終着列車が分けられて、分かりやすいのかもしれせんが、利用者にとっては不便この上ありません。どうも、旧国鉄の路線というのは、そんな感じの駅が多いような気がします。私鉄だったら、まず有り得ないような構内配置ですね。こうした、旧国鉄の遺産?も見られるのが、京葉線でもあるのです。
新習志野駅から次の海浜幕張駅までの間、車窓の左手に京葉車両センターが見えてきますが、早速、今後の京葉線の主力を担うE233系の姿が確認出来ました。しかも、その数は複数あるのが分かります。今度の夏まで、もう出番が待てない…といった感じでしょうか。この車両は、既に中央快速線、京浜東北線、東海道本線、常磐緩行線に投入されていますが、京葉線の赤色の帯を纏う姿というのは勿論この時に初めて見たわけで…、なかなか新鮮な感じで良いなと思いました。いつ頃この車両に完全に入れ替わってしまうのかはまだ分かりませんが、京浜東北線の例(現在、既に前者がE233系の路線です)からしても、それは本当にあっという間かもしれませんね…。
さて、そんな思いで海浜幕張駅に着きました。この駅では終日折り返し列車が多数設定されていて、この先は快速、普通を含めて1時間に計4本のみの運転となっております。最初に言ったように、京葉線は平日と土日ではダイヤが大きく異なっているのですが、それは特に快速の本数に表れていて、平日は1時間に2本の運転ですが、土日はその倍の、1時間に4本の運転です。やはり、沿線周辺に東京ディズニー・リゾートや、ここ幕張メッセ等がある為ですが、普通はどちらも1時間に4本の運転なので、この海浜幕張駅を境に、平日は快速2本と普通2本、土日は快速4本が、終点の蘇我駅まで運転されているのです(快速も、この先は各駅に停車をしていきます)。そろそろ東京から大分走ってきたなあという感じでしょうか…?
この駅で一旦降りつつ、先程紹介しそびれてしまった、京葉線のみに走っている貴重な車両、E331系(右上写真参照)について紹介しておきましょう。この車両、見た目はそんなに普通の車両と変わらないと思うかもしれませんが、よく見ると大きく異なっている部分が多々存在しているのです。
まず駅の列車案内表示板を見た瞬間に、この列車が来たかどうかはすぐ分かります。…というのは、京葉線の通勤型列車は全て10両編成なのですが(武蔵野線は除く)、この車両は何と、14両編成なのです。何故この車両だけ?…と思うかもしれませんが、実は列車の全体の長さは同じなのです。…どういう事かと言うと、つまりは1両あたりの長さが短く、そしてそれらは、前面と7両目~8両目の間を除き、台車が連接台車となっているのです。
言葉で説明するより、上の2枚の写真を見た方が分かるかもしれません。普通は、1つの車両につき、前後に1つずつ台車があるのに対し、この車両は、1つの台車の上に前後2両分の車両が載っかっているのです。こういった台車を連接台車、そして車両を連接車と言い、日本ではあまり採用例が無いのですが、有名なところですと、小田急電鉄のVSE車〔竹内大輔の写真日記(~2009)、町田 Herbie Xmas Live、2009!参照〕を始めとしたロマンスカー車両の一部、後は路面電車に少々…という感じです。そして、国鉄→JR保有の鉄道車両に限ってみると、営業運転を行っている例はこのE331系が初となり、かなり試験的要素が強い車両である事も分かると思います(この写真、1編成のみの存在です)。
…故に、運転中の姿を見かけるのは本当に少なく、基本的に土日(もちろん祝日も含みます)のみの運転で、その運用も基本的に決められています。逆に言えば、運用さえ知っていれば乗り(撮り?)狙える車両でもあり、今回、この車両目的の人も結構いたように感じられました…。恐らく、今の京葉線の土日における日常風景なのかもしれません。先頭車両は、ロングシートとセミクロスシートを自由に換えられる機能を持っている車両でもあり、かなり個性的な車両でもあるのですが、どうやら試験期間は今年までらしいので、今後ちゃんとした量産車が出てくるのかどうかはまだ分からない状態です。そんな状況で、普通にE233系の登場が決定ですから、本当に今後がどうなるのか、全く読めない車両でもあるのです。もしかしたら、乗るのも見るのも今のうちなのかもしれません…。
さて、海浜幕張駅を出ると、後は終点の蘇我駅まで、いわゆるニュータウン風の車窓が続いていきます。検見川浜駅、稲毛海岸駅と停まり、一時期は終点だった千葉みなと駅を過ぎて、左手から外房線が合流してくると、終点蘇我駅です。路線上では終点ですが、特急列車や一部の電車には、この先、外房線、内房線に直通する列車も多数設定されています。
ここまで、快速列車なら東京駅から約45分という感じでしょうか。以前は通過駅がもっと多かったので40分ぐらいでしたが、快速と普通の混雑平均化という名目で、本数の削減と若干のスピードダウン(快速の海浜幕張駅~蘇我駅間の各停化)が行われて、このような状態になっているのです。それでも、当駅から総武線快速経由で東京駅に向かうと、約50分は掛かってしまうので、やはり京葉線は“使える”路線なのかもしれませんね…。特に、この先の外房線、内房線沿線の人には、一気に都心を近付かせた路線とも言えそうです。今後E233系ばかりとなった京葉線はどう映るのか…。まだまだ興味は尽きない感じですね!
最後に、葛西臨海公園にある風景の写真でもどうぞ♪…実は京葉線は、自分が思っている以上に色々な側面のある路線なのかもしれません。ディズニー・ランドに行くだけの為に使うのではなく、是非“今”の京葉線の良さを味わいに、乗りにいらして下さい!
今年の2月から始めた、偶数月の連載ものとしての企画、“鉄道さんぽ”。前回はJR久留里線〔鉄道さんぽ 1.(JR東日本、久留里線編)参照〕を取り上げましたが、今回は、都内近郊を走る西武鉄道多摩川線を取り上げてみました!…今後、JR、私鉄、JR、私鉄…の順で話しを進めていきたいと思っています。
この路線に決めた理由は実に簡単で、都内近郊を走っていながら、まだ自分は(不覚にも?)一度も乗った事の無い路線だったからです。この路線の起点駅は、日本の大動脈とも言って良いJR中央線の武蔵境駅で、吉祥寺駅や三鷹駅からもすぐの場所ではありますが、そこを出てしまうと、他の路線との乗り換え駅は基本的に無く、いわゆる盲腸線と呼ばれる路線形態になっています(久留里線と同じですね)。こういった路線は、一度乗ると再度起点の駅まで戻って来なくてはならないので、乗るには根気のいる路線?でもあるのですが(笑)、いつでも行けるくらい近い…という状況が、今まで乗った事の無い路線という結果になってしまっていたのでしょう。ちなみに、恐らく都内範囲では、この路線が自分の唯一の未乗路線だったと思います。…さて、一体どんな路線なのか…。どうぞお楽しみ下さいませ!
●日時…2010年4月25日 ●路線距離…8.0km ●駅数…6駅
なかなか天気の良くない日が続いていた4月でしたが、この日はスッキリと青空が広がって、絶好の鉄道さんぽ日和?だと思いました。西武多摩川線は、名前の通り西武鉄道の路線ですが、他の路線とは繋がっていなく、西武鉄道の中では孤立路線でもあります。乗り換え可能な駅は、基本的にはJR中央線との武蔵境駅のみ。ここも特にそんなに大きな駅ではありませんが、多摩川線的には、堂々たる起点駅でもあります。この駅ですら、降りたのは初めてだったような気もしますが、とにかく、西武多摩川線を“さんぽ”してみる事にしましょう!
以前はJR中央線の下りホームと同じホームから出ていた多摩川線でしたが、中央線が高架化するのに伴い、多摩川線も一体的に高架化になりまして、最近完成(中央線の方は、まだ工事中という感じです)。今では完全に独立したスペースが与えられていて、中間改札も設けられていました。高架化に伴って駅の近代化もされていましたが、この多摩川線という路線は、西武鉄道の中でも一番経年の高い車両を使わされるのが常でして、ホームには101系という、西武本線では既に見られなくなった車両が停車していました。この車両も、自分にとっては久しぶりな感じがしてしまいます。
多摩川線は都内では珍しく、平日、土、休日ダイヤが統一されていて、早朝、夜間以外は全て12分毎、夜間は20分毎の間隔で運転されています。車両は4両編成の均一で、見た目的にはローカル線のような印象も与えていますが、ここはまだまだ都内近郊と呼ばれる地域である事を忘れてはいけません。
この多摩川線は、元々多摩鉄道という私鉄が、多摩川河原で採取された砂利を運搬する目的で造られた路線で、1922年に全通しましたが、1927年には早くも西武鉄道に吸収されています。その頃、路線名は多摩線…でしたが、その後、是政線(終点が是政駅)、武蔵境線と名が変わり、現在の多摩川線に落ち着いたようです。営業距離が短い割には、コロコロと路線名が変わっていたようですね。
早速電車に乗り込み、武蔵境駅から2つ先の、多磨という駅まで行ってみます。ここは、武蔵境駅の次に乗降客数が多い駅のようで、この駅に着くと、半分以上のお客さんが降りてしまった事からも、それは明らかのようでした。この駅の北西方向には東京都立多磨霊園があり、自分の父方の祖先の墓もそこにあるので、地域的にはよく訪れている場所なのですが、もちろん、駅自体は初めての訪問となります。
多磨霊園が近くにあるという事で、この駅は昔は多磨墓地前という駅名だったのですが(自分も未だに、そのイメージの方が大きいです)、2001年に多磨駅と改称されました(多磨霊園の“多磨”なので、多摩川の“多摩”ではありません)。この駅の近くに移転してきた榊原記念病院との兼ね合いだと思われます。
多摩川線はワンマン運転で、車掌は乗務していません。ただ、駅には全て乗務員が配属されていて、無人駅という駅はないので、別に車内で運賃精算を行っているわけではなく、ここが地方のローカル線とは違う感じでしょうか…。最近では、PASMO やSuica 対応の、簡易ICカード改札機も付けられていますが、簡易式(普通の切符は、自動改札になっていないのです)というのが興味深いところです。この駅から1駅、武蔵境駅側に徒歩で戻ってみる事にしましょう。
前述のように、この駅の近くには多磨霊園があって、それに近接して野川公園、武蔵野公園があり、列車はその間を通っていくように線路が敷かれているので、この区間は多摩川線の中でも屈指の?風光明瞭なポイントだったりします(笑)。この日は休日という事もあって、公園では家族連れの姿が目立ち、運動公園では学生達がスポーツに興じている等、何だかほのぼのとした光景でしたね。そして、そこを通る多摩川線…。正に、町に溶け込んでいる瞬間だと思ったものです。
…と思っていると、ふとすぐ頭上を小型のプロペラ機が轟音と共に飛んでいきました。そう言えば、ここは調布飛行場の近くでもあったんですよね。着陸する飛行機は、結構高さ的にも低い所を飛んでいくので面白いですが、何気に旅客便も幾つか設定されていて、新中央航空…という航空会社が、ここから大島や新島等を結んでいます。何となく不思議な感じがしますよね。
更にそこから北側に歩いていき、住宅街を抜けると新小金井駅に到着です。多摩川線は全線で単線ですが、この駅の南側の付近は、複線分の用地が確保されているというのが興味深いですね(左上写真参照)。ただ、現段階では全く必要はない感じも受けてしまいます。
多摩川線で走っている車両は、前述したように101系という、西武の中でも最も古いタイプの車両が使われていますが、今年の3月末頃に、その中の1編成が、沿線の小学生から募集したイラストのラッピングが施された新101系(右上写真参照)に置き換えられ、今後は全てこの新101系での運転となるようです。今のところ1編成だけですが、西武鉄道の本線側での新車投入ペースを考えると(それによって本線から外された車両が、こちらに回ってきますので)、全ての車両が置き換わるのも、そう遠い話しではないような気がします。旧101系は西武鉄道ではここでしか見られませんから、正に多摩川線は変革の時期にあるのかもしれませんね。
さて、今度は武蔵境駅から3つ目の、白糸台駅まで行ってみましょう。ここも、元々は北多磨という駅名だったのですが、前述のように、多磨墓地前駅が多磨駅に改称された際に、ここはその駅から南西の方向にあるのに、何で“北”多磨なんだ!…となるのを避けるために(笑)、現在の駅名になったそうです。色々と事情って厄介ですよね…。
この駅は実は、乗り換えが出来る駅ともなっています。それは京王電鉄の駅になるのですが、周りには、とても路線があるような感じに見えません。…と思うと、駅の南側に、多摩川線を越えている路線が見えるかと思うのですが、これが京王線で、白糸台駅より西に向かうと多磨霊園駅、東に向かうと武蔵野台駅に行く事が出来ます。ただし、距離的には600m~700mは離れており、徒歩で約10分ぐらいといった感じでしょうか。道も真っすぐではないので、方向感覚がある人でないと、初めてでは少し厳しい行程のように思ってしまいます。
ちょうど、両路線が交差する辺りに駅を造れば便利だと思うのですが、多摩川線は言ってしまえば地味ですし、京王線も、この辺りは普通電車しか停まらない駅なので、あまりメリットは無いのかもしれません。実際、両駅を乗り換える人も、そんなに多くはいない感じがしました。
この白糸台駅には車庫が併設されており、この時は旧101系が1編成だけ休んでいる状態でした。…という事は、多摩川線で昼間時に起点から終点まで乗り通すと、2回、他の列車と擦れ違う事になるので、常に3編成が稼働していて、あとの1編成は予備車扱い…という事になるのでしょうね。このように路線距離が短いと、車両の使われ方も分かりやすいので、自分としては面白いです。恐らく、今のところ1編成しかない新101系が使われない日というのも、あるのだと思いますし…。これも、鉄道さんぽだからこそ取り上げる事柄なのですよ(笑)。
この後は競艇場駅前で1回降りた後、終点の是政駅まで向かいました。前者の駅は多磨競艇場の最寄り駅でもあり、是政駅からは東京競馬場や多摩川が近いです。呆気無く終点…という感じですが、駅の先には府中街道があり、ここから多摩川を超えて南に向かって行けば、JR南武線の南多摩駅まで約1kmという感じでしょうか。逆に、川を超えないで行ける、南武線と武蔵野線の府中本町駅までは、約2kmの行程といった感じです。別に行かないですけど…(笑)。
この日は競艇場開催日でもあったので、多摩川を渡る府中街道は渋滞していましたが、いつもこんな状態だったような気もしてます…。とりあえず多摩川まで足を運んで、遥か向こうにJR南武線が走っているのは確認しておきました。それでもう十分でしょう(笑)。
さて、これで多摩川線は完乗してしまいましたが、どうやって帰路に着きましょう。このまま再度武蔵境駅に戻るのも勿体無いですし、かと言って、ここから南武線の駅までは遠過ぎます。結局選んだのは、白糸台駅からの京王線乗り換えでした。当駅から、京王本線の普通電車しか停まらない武蔵野台駅へ…。こんなに地味な乗り換えも珍しいくらいでしたが(笑)、その雰囲気が多摩川線の雰囲気を象徴しているようでもありましたね。まあ、“さんぽ”は、地味だからこその見方もありますし、良しとしましょうか♪
☆西武鉄道のHP…www.seibu-group.co.jp/railways/
先月、このブログになってからの新しい試みとして、“竹内大輔の『奢らせて頂きます!』”というシリーズ〔竹内大輔の『奢らせて頂きます!』1.(池田暢夫編)参照〕を始めさせて頂きましたが、あの時、隔月でお送りすると書かさせて頂きました。つまりは、奇数月にお送りする形になるかと思うのですが、では偶数月の連載するものとして、もう1つシリーズものをお送りしたいと思います。
それは、ずばり“鉄道さんぽ”…です(笑)。基本的には、自分が数ある路線の1つに乗って、それについて記事にするもので、微妙に“旅日記”と被る可能性も否めなかったのですが、こちらはあくまで“1つの路線”に絞って取り上げていく予定ですので、また違った感じになるのでは…と思っております。いつものように、末永く見守って頂ければと思います(笑)。
そして、今回がそんな記念すべき?第1回目となるわけですが、取り上げる路線は、千葉県の木更津から房総半島内部に向かって延びていくローカル線、JR東日本の久留里線を取り上げたいと思います。首都圏内にありながら、雰囲気はもう地方のローカル線そのものという感じで、首都圏内のJR路線では、未だに数少ない非電化路線でもあります。ゆえに、ここを走る車両というのも大変貴重なものばかりで、今の内に取り上げたい路線ではありました。初めて乗る路線ではありませんが、そんな久留里線の魅力を、少しでも知って頂ければ幸いです。それではどうぞご覧ください!
●日時…2010年2月19日 ●路線距離…32.2km、●駅数…14駅
東京に雪が降った2月19日の朝に、自分は久留里線に乗りに行きました。雪が降ったのは偶然ですが、昼前には止んでしまうという事と、元々久留里線の走る房総半島は雪が少ない地域でもあるので、きっと着く頃には跡形も無く消えている事でしょう。それでも、自宅から久留里線の起点である木更津駅までは、雪の為による列車の遅れからスムーズに行く事が出来ず、なんとか10:00前に木更津駅に到着する事が出来ました。自宅からは約2時間半の行程で(スムーズならば2時間ぐらいで着けます)、久留里線の朝ラッシュ時の時間帯には間に合わなかったわけですが(やはり路線を知るには、利用している人が多い時間を狙った方がよく分かるのです…)、この日を逃すわけにはいかなかったので、これから久留里線散歩を始めたいと思います。
久留里線は全線非電化で、いわゆるディーゼルカーと呼ばれる車両がここでは活躍しているわけですが、そんな特殊な事情から、ここには全国的にも珍しい車両ばかりが集められています。現在、久留里線で走っている車両は全部で3形式、キハ30形、キハ37形、キハ38形です。いずれも、20~40年くらい前は、大都市の非電化区間の通勤型車両として活躍していた車両ですが、路線の電化や、車両そのものが古い事もあって急激に淘汰されてしまい、気付くとここ久留里線に、全てが集結した感じになってしまいました。つまり、全国のJR路線でこれらの車両というのはここ久留里線にしか走っていなく、全てが孤高の存在となっているのです。言わば本当の意味での希少車両と言えるでしょう。しかもローカル線である為、車両の絶対数がそもそも少なく(日中は2両編成とかで走っているので…)、キハ30形が3両、キハ37形が3両、キハ38形が7両と、合計でも13両となっております。このうち、キハ30形(上写真参照)は特に古く、製造されたのも1963年~1966年頃なので、車齢からすると奇跡の現役車両と言えるかもしれません。
このキハ30形は、キハ35形という車両の両運転台付きバージョンとなっているわけですが(要するに、1両での営業運転も可能)、それがこの路線の事情によく合っているのでしょう。久留里線の他の2形式は、片方にしか運転台がないので、基本的に2両1組で運用されているのですが、時に3両、4両運転ともなる久留里線では、キハ30形のような、1両単位で独立できる車両が重宝されるのかもしれません。
この車両は、20年前くらいまでは、首都圏でも郊外に行けばよく出会える車両でした。具体的には、相模線、八高線、川越線等…です。もちろん、現在はこれらの路線は電化されており、通勤型のディーゼルカーはどんどん活躍の場が狭くなってきているわけですが、久留里線という路線があって、今まで生き永らえてきた…という見方も出来るでしょう。また、キハ30形は、首都圏内では珍しい非冷房車両でもあり、この時期では体感は出来ませんが、夏は、窓を開けながら自然の風を楽しむ事の出来る、今どき珍しい車両でもあります。そんな列車旅も良いのかもしれませんね。
せっかくなので、ここで久留里線を走る他の形式も紹介しておきましょう。まずは、こちらも3両のみの存在であるキハ37形です。元々累計5両しか製造されなかった車両でもあるので、当初から希少価値の高い車両ではありましたが、現在では更にその価値は高まっているかもしれません。しかし、車体にあまり特徴が少なく、活躍場所の狭さからも注目度は低く、地味な感じは否めないところでもあります…。久留里線では唯一の2扉車両でもあり(その分、他の車両よりも暖房の効きが良かったような感じがしたのですが…?)、ここでも異色の車両のような存在です。…ですが、今後は更に貴重になっていくに違いありません。
そして、久留里線の中でも絶対数が多い(…とは言え、計7両)のが、このキハ38形です。製造されたのは1986年~1987年なので比較的新しいですが、もう20年以上は経っている計算になりますね。元々は八高線に導入されましたが、1996年の一部電化により、ここ久留里線に移動してきました。当時はコストを下げて車両を造る傾向があった為、キハ35形の近代化改造車みたいな感じで造られたようですが、バス流用部分も多く、特に冷房装置(暖房装置もだと思います)は容量不足な感じが否めなかった記憶があります。とりあえず、久留里線の中では絶対数が多いので、一番見る機会が多い形式であると言えますね。
さて、まず木更津駅から乗ったのは、貴重なキハ30形でした。久留里線を走る車両は、全てがこの路線専用の塗装を纏っているのですが、キハ30形は最近の人気にあやかって、塗装を旧国鉄色に塗り替えられ、異彩を放っています。最近の車両の塗装は寒色系が多かったり、また、そもそもステンレス車両が多いので、塗装なんかは塗られない場合が多いのですが、旧国鉄の塗装というのは暖色系だったので、何だか車両独特の暖かみを感じたりもしてしまいます。列車は10:06に出発をしました。
走り始めると、車掌さんが検札にやってきました。この久留里線内では、殆どが駅員のいない無人駅となっているので、ここで切符をチェックしているのでしょう。また、首都圏内にありながら、当分 Suica 等を使えない路線にもなっているので、それらの確認も併せて行われているようです。久留里線は、起点の木更津駅ではJR内房線と連絡していますが、後は連絡するような駅はなく、終点の上総亀山駅まで、1本の盲腸線となっております。その意味でも、木更津駅発車後の切符確認は意味がありそうですね。
さて、木更津駅から3つ目の、東清川という駅で降りてみました。特に何の当てもなく降りたのですが、この鉄道さんぽでは、それぞれの駅間を歩いてみるという試みも、積極的に取り入れていきたい予定だったのです。…とは言え、この日は猛烈に寒かったのですが、一度決めた事を辞めるわけにもいきません…。もう、根性で歩く事に致しましょう。
東清川駅はもちろん無人駅で、特に車掌さんも切符のチェック等はしませんでした。先程の検札で確認済み…という事なのかもしれませんが、確かに、午前中の下り列車という事もあって、1列車にお客さんは10人くらいしか乗ってなかったので、全ての乗客を覚えられるくらいなのかもしれませんね。ここから、隣の横田駅まで歩いて行きました。
道順は、基本的に線路に沿って道路があったので、迷う事はまずありませんでしたが、意外に車通りは多く、しかも大型トラックの姿も結構目立ちます。それでいて、全部に歩道があるわけではなかったので、何だか危なっかしくてしょうがなかったです…。そもそも、この辺りを歩く人なんていないのかもしれませんね。大型トラックは何度も擦れ違ったものの、横田の集落に入るまで、擦れ違った人は皆無でした。
そして、途中で上り列車の撮影等もした為、普通に歩くよりは時間が掛かりましたが、およそ1時間10分くらいで横田駅に到着しました。こちらは、規模は小さいながらも町がある地域なので、先程の東清川駅程の荒涼感はありません。むしろ駅員もいる駅で、久留里線の中では比較的に大きい駅とも言えるでしょう。
ここで、次の下り列車を待ちます。久留里線は、日中は概ね1~2時間に1本の運転なので、先程東清川駅で列車を見送って以来、まだ次の列車が来ていないのです。一応、横田駅は駅舎があって、建物の中で列車を待つ事が出来るのですが、そこには特にドア的なものがあるわけではなかったので、室内ですら相当寒かったです…。ここで待つ事約15分…。自分以外には1人の学生っぽい乗客を乗せ、更に列車は奥へと進み始めました。
今度は、横田駅から4つ目の、小櫃(おびつ)という駅で降ります。もちろん、ここでも特に当てがあったわけではありません(笑)。ただ、久留里線の車窓風景というのは、大きく3つに分けられると思うのですが、最初は平野部を走り、次第に起伏が激しくなって山が近くに迫ってきます。…そして最後は山間地に入っていくのですが、この小櫃駅付近は、途中の起伏が激しくなってきそうな地域…とでも言いましょうか。
実はこの辺りは、お墓参りに行く時に、生まれてからこの方、車で何度も通ってきている場所なのですが、当たり前の事ながら、周辺を歩いた事はまずありませんでした。…なので、何となく不思議な感覚です。道自体はよく知っているのですが、歩くとまた違った風景に感じてしまうわけです。やはり、ゆっくりと周りの風景を見ながら進んでいかないと、本当に“通った”とは言えないのかもしれませんね。なかなか新鮮な時間だったように思います。
そして、隣の俵田駅まで歩いて、ここからまた下り列車に1駅区間だけ乗り、久留里線の中枢駅とも言える久留里駅に到着です。ここも小さいながら“街”という感じで、ここを終点とする列車も何本か設定されています。つまりは、ここからいよいよ山間部に突入していくわけですが、自分が今乗ってきた列車も久留里駅止まりで、次は約1時間後に発車との事でした。…という事ならば、また1駅自分は先に歩いてしまいましょう(笑)。確か車で通った時の記憶では、この先は道も険しくなってきたような気がしていたのですが、1時間駅周辺で待っているのも勿体無いです。やはり鉄道“さんぽ”なのですから、歩かないと…ですよね!?
しかし、この行程がまた、今までの2区間とは全然違っていました。傾斜を避けて通っているのか、線路と道路は大きく離れまして、そして道路の起伏の激しい事激しい事…(笑)。一応、ちゃんとした国道なので、歩きにくい道ではありませんでしたが、坂やカーブが突如多くなってきた感じはありました。小櫃川も蛇行し始め、緩やかな山ですが、ギリギリまで道路側に迫ってきている雰囲気もあります。
久留里駅の次の駅の平山駅までは、路線上では約3kmという距離のようでしたが、行程的にはもっとあったような印象がありましたね。山間部に入っていく感じが急に出てきたからだとも思いますが、予想以上に体力を消耗してしまいました。次の列車まで1時間弱…という時間制限もありましたし(それを逃すと、次の列車は更に約1時間半後…)、途中、駆け足になる区間もあったくらいです(しかも上り坂とかで…笑)。久留里駅を出てから、離れていった線路が再度見えてきた時にはホッとしたものですが、よりローカルらしい景色にも出会えた事ですし、今回は良しとしましょう…。そんな平山駅には、自分以外の乗降客はまるでいませんでした。
そして、このまま上総亀山駅まであと2駅、そのまま乗り通します。恐らく、この辺りの景色が一番変化に富んでいて面白いとも思うのですが、久留里駅止まりの列車がある為に、この区間は列車本数もぐっと減り、日中は2時間に1本くらいの運転になってしまっています。なので、気軽に途中下車するわけにもいかないというのが正直なところで、今回は終点まで行く事にしました。1駅区間も、今までより長くなってきた感もあり、いよいよ、川も山も間近に迫ってきています。そこを久留里線はギリギリで避けて?走っていくのですが、そのまま久留里線では数少ないトンネルを2つ抜けると、終点の上総亀山駅になります。ここは、自分が車で墓参りに行くルートからは外れた場所となるので、あまり馴染みの無い所ではありますが、一応今回で2回目の訪問となりました。
前に来たのは、もう10年以上も前で、季節は夏だったように記憶していますが、暑さと寒さの違いと言えど、殆ど前と雰囲気は変わってないように思えました。町の規模からすると、ここに鉄道の終着駅があるのは不思議な感じがするのですが、当初は(戦前ですね)この先も延ばす予定があったの事です。今は、そんな雰囲気は見る影もありませんが、本当に喉かな風景のように思いました。
ここで列車は折り返しの為、しばらく上総亀山駅に停車しているわけですが、その発車まで、あと約1時間20分もあります!…さすがにのんびり…という感じですが、そんなのんびり的な風景には、旧国鉄塗装の車両がよく似合うような感じもしました。ただ、さすがに自分には時間が無かったので、駅前にあったタクシー屋でタクシーを拾い、若干運転本数が多くなる久留里駅まで乗っていく事にしました。時間的には15分で、3000円くらいでしたが、途中には今まで歩いてきた道も通って行ったので、今回の散歩を少し振り返る時間にもなり、良かったと思います。…最後には、上総亀山駅に佇む、旧国鉄塗装のキハ30形の写真をお楽しみ下さい♪
こんな感じで、久留里線の“さんぽ”は終わりました。大急ぎで紹介してきましたが、沿線や車両の雰囲気など、大まかな感じで掴めて頂けたのではないかと思います…。今後もこのように、自分の気になる?路線等を取り上げていきたいと思っていますので(なるべく、山手線や中央線等のメジャーな路線は避けたいのですが…笑)、どうぞ楽しみにしていて下さい♪
…ところで、この企画をやり遂げた次の日、早速自分は足が筋肉痛になってしまいました…。行程は、道をほぼ歩いていただけにも関わらず…です。これは長期連載に繋げる為にも、まずは自分の体力を付けておかなければならなさそうですね(笑)!
☆久留里線の参考HP…www.kururisen.com/
