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 2016年最後となった『鉄道さんぽ』は、神奈川県の小田原駅と大雄山駅を結ぶ中小私鉄、伊豆箱根鉄道大雄山線を取り上げたいと思います。伊豆箱根鉄道は西武グループの鉄道会社で、神奈川県の箱根や静岡県の伊豆地区においての鉄道事業、船舶事業、不動産事業等を行っていますが、大雄山線はその前身の大雄山鉄道によって、大雄山最乗寺への参詣鉄道として1925年に開業しました。この時は小田原側が仮小田原駅という、現在の小田原駅とは離れた場所が終着駅とされていましたが、1927年には新小田原駅(この時点で、仮小田原駅は相模広小路駅へ改称)が、そして1935年には小田原駅へと徐々に延伸開業。小田原駅延伸時には、相模広小路駅と新小田原駅の間に緑町駅を設け、相模広小路駅と新小田原駅は付近の駅間が短い為に廃止にさせ、現在の形に近付きました。
 その後、1941年に駿豆鉄道に吸収合併されます。駿豆鉄道は既に三島駅〜修善寺駅間の路線も保有していて、神奈川県に1路線、静岡県に1路線と、それぞれ独立した路線を持つ鉄道会社になりました。そして1957年に伊豆箱根鉄道へと改称。現在の社名となっています。
 大雄山線全長 9,6km 程のミニ路線ですが、参詣鉄道という背景があるので歴史は結構古く、昨年で開業90周年を迎えました。その90周年の時には色々なイベントが行われたそうなのですが、そのファイナルイベントとして2016年10月1日に、この路線を走る5000系車両の1編成目の塗装を、かつての旧型車両のカラーとして復活運行させる事になったのでした。
 この塗装は、グループ会社の西武鉄道車両の昔の“赤電”と呼ばれる塗り分けでもあり、ある意味で懐かしい反面、5000系はその塗装で走った事は無いので、挑戦的な復活とも言えるものでした。特別塗装である以上、期間限定の運行であると思いますので、今のうちに乗っておきたかったという事が今回の『鉄道さんぽ』選定の大きな理由になったのです。また、伊豆箱根鉄道駿豆線の方は、個人的にライブで三島方面によく行くので頻繁に乗っていたにも関わらず、大雄山線は今まで1度しか乗った事が無い路線であり、その意味でも久し振りに大雄山線を見ておきたくなったのです。
 …以前の乗車は恐らく自分が中学生か高校生の頃なので(笑)、約20年振りの乗車となってしまうのは確実だと思いますが、そんな大雄山線の今をお届けしていきたいと思います。どうぞ御覧下さいませ!


 ●日時…2016年12月24日 ●距離…9,6km ●駅数…12駅

 JR東海道本線で小田原駅に着くと。 15両編成が停車出来る東海道本線のホームからすると小さなホームが左手に見えてきますが、これが大雄山線の小田原駅になります。規模は小さいながらも、中小私鉄としては利用者の多い路線であり、3両編成とは言え、早朝と深夜を除いて終日12分毎に運転されているので、ダイヤ的にもシンプルで乗りやすい路線なのです。

    

 小田原駅では、東海道本線と線路が繋がっています。これは大雄山線内に車両の大規模の整備工場が無い為、全般検査といった大規模な車両検査を行う場合は、東海道本線の小田原駅〜三島駅間を回送(甲種輸送…JR貨物等の機関車に牽引され、貨物扱いとして輸送させる)させて、駿豆線内にある自社の工場に入場させるのです。左上写真を注意深く見て頂けると分かると思いますが、線路は繋がっているものの、架線は張られていない事が分かります。これでどうやって車両を受け渡すかというと、JR側の機関車に数両の貨物車両を中間に連結し、架線の張られていない区間に誤って機関車が入らないように授受するのです。この光景は大変珍しく、甲種輸送時には沢山のカメラマンの被写体の的となります。

    

 駿豆線の小田原駅には、早速大雄山最乗寺にまつわる天狗のモニュメントがありました。伊豆箱根鉄道は西武系なので、自動改札の雰囲気も何となく西武鉄道と似ています。そして、この日購入した切符は、1日乗車券『金太郎きっぷ』。これ1枚で大雄山線内が乗り降り自由な、正に『鉄道さんぽ』向き(笑)の切符です!…540円なり。

    

 小田原駅の次の緑町駅までは 0,4km しかないので、早速“さんぽ”して向かってみましょう…。小田原駅から伸びる商店街の1つを歩いて進み、商店街が尽きてきた所が緑町駅入口…という近さでもあります。線路的にはこの先で東海道本線の下を潜るのですが、その為に高度を下げてきたら、次の駅に着いた…という感じでしょうか。

    

 
そして写真のように、早速90周年の復刻塗装車両に出会えました。大雄山線を走る車両は現在は全て5000系で統一されていますが、その装備は10年にも亘って割りとゆっくりと揃えられたので、各編成毎に仕様が異なっているのです。特に写真の車両はその第1編成目で、他の編成がステンレス製車両なのに対し、この編成だけ普通鋼製車両となっています。だからこそ、このような塗装変更が容易に可能で、復刻塗装の対象になったものと思われます。

    

 5000系は全部で7編成あり、2編成目以降はステンレス製で、更に5編成目以降は、関東地方では数少ない転換クロスシート車となっています(右上写真参照)。6編成目以降では前面部にスカートが付き(左上写真参照)、行き先もLED方式に変更となりました。それまでの編成は、行き先に「小田原」と「大雄山」しか無いという状況を生かし、最初から前面に両方の行き先を固定表示させ、営業運転時にそれぞれの裏から電灯で照らす…といった仕組みにしていました。…
なので、光線の具合によってはどちらの行き先も読み取る事が出来ます(笑)。
 緑町を出ると、左に急カーブして東海道本線の下を潜ります。左上写真を見ると随分ときついカーブを通っているのが分かります。これは半径100mのカーブで、このカーブをクリアさせる為に、大雄山線にでは車両の大型化(1両の長さが20m)が難しく、全て18m車となっています。以前は17m車が限度だったそうですが、5000系は連結面間隔を通常よりも広げた設計にしており、18m車でも大丈夫にさせたのだとか。

    

 また、このカーブでは線路にスプリンクラーも設置されていました。線路にスプリンクラーというのは、よく雪国を走る新幹線等で、除雪用に使われていたりしますが、こちらの使用目的はレールの軋みや車輪との摩擦を軽減させる為でもあるそうです。それぐらいきついカーブだと言う事でしょう。
 東海道本線を潜ります。その先に、前述のかつての相模広小路駅がありました。更に井細田駅を過ぎて、五百羅漢駅へ。駅名の通り、五百羅漢のある玉宝寺や、多古城址等、付近には旧跡が多く存在しています。逆に駅名のイメージとは異なり、駅本屋はマンション併設の建物となっています。ホームからはこの先で潜る、小田急小田原線の線路も見えます。当駅から300m程に小田原線の足柄駅が存在しています。

    

 …この先も“さんぽ”してみましょう。大雄山線は距離が短いので、頻繁に“さんぽ”をしないと、すぐに終点に着いてしまうのです(笑)。道路もほぼ大雄山線と並行していて、とても散歩しやすい環境でもありました。

    

 
小田原厚木道路を潜り、片面1面1線の穴部駅に着きます。大雄山線は12分間隔の運転頻度と書きましたが、単線で、列車の行き違い設備を持つ駅も限られているので、逆に言えばこれ以上は列車間隔を狭める事が出来ません。そこで、先程の回送列車の為に、計画運休させる列車を1日に2往復設定しています。車両検査等の際は、そのダイヤを使って回送列車を運行させているのです。

    

 穴部駅から先も“さんぽ”してみましょう。大雄山線の路線延長が合計10km にも満たないと言う事は、起点から終点まで全て歩いても3時間は掛からないという事になります。確かに、今回はゆっくりと進めた方が良い感じはしました。この辺りは狩川と接近するポイントとなっているので、車窓の片側はわりと開けた風景が楽しめます。…とは言え車窓からはその堤防に遮られ、狩川自体を望める事は難しいです。より良い風景を楽しみたいなら列車から降りて、線路と川の間にある堤防部分を“さんぽ”するのが(笑)良いでしょう(左下写真参照)。

    

 さて、今度は歩いてばかりでは“鉄道”さんぽにならないので(笑)、次の飯田岡駅からは列車に乗ります。この後はどこで降りようかと思いますが、線路が狩川を渡るポイントがあるので、その最寄りとなる塚原駅で降りてみましょう。当駅も、片側1面1線の小さな駅ですが、もはや大雄山線ではこれが標準です。これらの駅は無人駅が多いようです。

    

 この狩川を望むポイントでは、大雄山線では貴重な富士山が望めます(右上写真参照)。手前の山に遮られ、山頂付近の少しの部分しか見られませんが、それでも富士山が見えるのは嬉しいもので、このポイントに立ち寄って良かったと思いました。近くを走る小田急小田原線は、手前の山から少し離れた場所を走っているので、富士山を車窓に暫く望めるのですが、大雄山線は山に近い所を走っているので、それらに遮られて富士山が見えるポイントが少ないのです。

    

 そして、中間駅では最後の列車交換駅となる和田河原駅へ。やはり駅本屋がマンション併設となっています。ちなみに、読み方は「わだがはら」です。この駅では、終日駅員が配置されています。この次の駅は富士フィルム前駅となっていますが、狩川の向こうにある富士フィルム工場の正門へは、ここ和田河原駅の方が近いようです。

    

 富士フィルム前駅を過ぎると、終点の大雄山駅に到着です。車庫が併設されており、そこと留置線とに挟まれた部分にホームがあります。線路はこの先には伸びていなく、ホームと垂直に接する形で駅本屋が建てられています。ここまで小田原駅からは21分。本当に小旅行という感じでした。

    

 駅の周辺は南足柄市の中心部という感じで、スーパー、銀行、そして商店等が入ったビルが建ち並び、大雄山線としては小田原駅に次いで活気があるところと言っても良いでしょう。前述のように、最乗寺への玄関口でもあり、駅前からバスが出ています。また、距離的に5kmほど離れた小田急小田原線の新松田駅へも、頻繁にバスが出ています。駅前には童話で有名な金太郎像があり、観光客の格好の被写体となっています(今回は時期的に、サンタクロースの格好をさせられてました…笑)。また、駅の発車メロディも童謡の「金太郎」でした。

    

 車庫は道路側からも拝見でき、線内の電気機関車の代用となっているコデ165形もチラ見?する事が出来ました(右上写真参照)。前述の甲種輸送時に運ばれてきた車両は、当線内はこのコデ165形で牽引します。元は鉄道省用として1928年に製造されましたが、1960年に相模鉄道〔鉄道さんぽ 40.(相模鉄道、本線編)参照〕へ譲渡、その後1976年に伊豆箱根鉄道に譲渡され、旅客用として使われた後に、1996年に事業者用に改造されたという、複雑な歴史を持った車両でもあります。

 これで大雄山線の“さんぽ”は終了です。10kmにも満たない路線でしたが、その分、ゆっくりと沿線を楽しむ事が出来て、充実した時間になっていたのではないでしょうか。これからも地元の足としてまだまだ走り続ける…。そんな頼もしさを感じられた鉄道さんぽになりました。

 ☆伊豆箱根鉄道のHP…http://www.izuhakone.co.jp/

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HN:
竹内大輔(Pf,Key)
性別:
男性
自己紹介:
1980年1月29日生まれ
の生粋のO型(…が、初対面
ではよくA型と見られる)。
3歳(自分では記憶に無い)
からクラシックピアノを始め、
高校ではジャズに目覚め、大学
ではバンドも経験する。現在の
活動は日本全国から海外に及び、
各地のライブハウスやラウンジ、
レストラン、そしてバー等での
演奏は勿論、各アーティストへの
レコーディングや、作曲・編曲
等にも積極的に取り組んでいる。
日本、世界中を飛び回りたい、
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