●日時…2010年10月19日 ●路線距離…78,9km ●駅数…31駅
小海線の始発駅は、JR中央線の小淵沢駅からになります。小淵沢という駅は、市販の時刻表を見てみると、特急を含めて殆どの列車が停車するので、どんなに大きな駅かと最初は思うのですが、実際は規模は大きくなく、街もどちらかというと小ぢんまりな感じです。この駅は登山客の中継地ともなるような駅で、そのゲート的な役割を果たしている駅とも言えましょう。そんな小淵沢駅は、既に標高が881m…。ここから小海線は更に山を上って行くのですから、日本一高い所を走る路線の異名を持つのも当然とも言えますね。
この小淵沢駅、せっかくなので駅から降りて、まずは駅周辺を歩いてみる事をお勧めします。この日は天気が曇りがちでしたが、晴れの日ならば、北側に雄大な八ヶ岳を望む事ができ、この町は八ヶ岳の裾野に位置しているんだなと感じられるに違いありません。駅から5、6分も西側に向かって歩くと、すぐに市街地からは抜けられるので、気軽に訪れて頂ければと思います。
左上写真を見ても分かるように、右側に向かって傾斜になっており、その坂の先?が右上写真の八ヶ岳というわけです。実は、そんなに傾斜はなだらかでも無い…という様子がお分かり頂けるかと思います。
そして、更に小海線の線路に沿って(沿う道は無いので、回り道は必至です…)西に向かっていくと、小海線の撮影地で有名な、“小淵沢の大カーブ”に辿り着きます。ここは、甲斐駒ケ岳を始めとする、南アルプスをバックに撮影出来る有名ポイントで、小海線のポスター等を見掛ける時には、かなりの割合でここで撮られた写真は使われてるように思います。
左上のような撮影環境で、写真として撮る場合には、右上のように、思い切って望遠で狙うのが絵になるような気がします。やはりこの日は曇りがちでしたので、南アルプスの山々の全容を捉えるのは不可能でしたが、これからの季節は空気も澄んでくるので、撮りやすくなってくるでしょうね…。冬の日にリベンジでもしたいところですが…(笑)。
さて、小淵沢駅に戻り、改めて小海線の旅のスタートです。小淵沢駅を出ると、まずは中央線に沿って西に進みますが、例の大カーブで一気に逆向きに針路を変えて、今度は東へと進み始めます。その間にも列車はどんどん勾配を上っていくのですが、1駅目の甲斐小泉駅では、既に標高は1044mに達しています。そして、ここから9駅、駅名で言うと松原湖駅まで、標高の高い駅1位~9位までの駅を次々と通っていくという、正に高原路線という雰囲気で進んでいきますが、車窓に関しても独特なものがあるように思います。
やがて清里駅を抜けて暫くすると、明らかに峠を越えたような感じになる場所がありますが、そこが正にJR鉄道最高地点で、標高は1375mです。ここから急に開けて、列車の左手には八ヶ岳の全容が望める筈なのですが、やはりこの日は曇が多くて無理でした。山の裾野くらいは辛うじて分かるくらいだったのですが…。
そこから少し下り勾配になって、日本一標高の高い駅である野辺山駅に到着します。この駅は海抜1345mで、列車から降りると、流石に東京とは大分違った(笑)涼しい空気が身を包んでくれる筈です。
ここからJR鉄道最高地点を経由して、1駅戻る形になりますが、隣りの清里駅まで歩いてみました。線路の距離で5,9kmあるので、徒歩の道のりですと更に距離は掛かりそうですが、ここはハイキング気分で頑張ってみてみましょう。とりあえず鉄道最高地点までは、殆ど線路に沿って道があるので、簡単に歩ける筈です(…とは言え、30分弱は掛かるかも…)。
野辺山駅側から清里駅に向かう線路を辿ると、いったん右に曲がった後、ほぼ真っ直ぐ勾配を上っている感じになるので、いつまで歩けば良いんだ…という気分にもなってきますが(笑)、気合を入れて歩いて、中央分水界のような所に辿り着くと、JR鉄道最高地点となります。それを示す石碑なども建っていて、レストランや土産屋等もあるので、すぐに分かるでしょう。
特に、鉄道最高地点神社はなかなか粋な代物です。後ろには車輪が祀られて?いますし、賽銭箱の奥にはレールが埋められています。また、神社によくあるガラガラの部分が、枕木とレールを繋ぎ止める釘になっており、それが幾つも繋ぎ止められてあるので、なるほど、振れば確かにガラガラ(割りと高音?…笑)と鳴りました。
ここに自分は20分くらい滞在してみましたが、列車が通ったせいもあってか、どこからか車がやってきては、これらの前で記念写真を撮って帰る…といった人達が多く見受けられました。特に列車好き…という感じでもなさそうでしたから、やはり“日本一”という背景が、格好の広告塔になっているのかもしれません。
まあ、それは良いとして、せっかくなのですからもう一歩進んで、本当の鉄道最高地点を是非カメラに収めてほしいものです。…と言うのは、記念碑的に建っているモニュメントは、あくまでも“記念碑”であるので、本当の最高地点は線路上に無ければおかしいからです。勿論、線路上にそれを示す物は建ってはいるのですが、あまりに一般的ではないので、どうも見付けられていないようですね。
右上の写真の白色の標識が、JR鉄道最高地点を表すものです。ここにある踏切の、清里方向の線路脇に建てられています。この標識は、いわゆる勾配を示すもので、数字の“3”というのは千分率の値、つまり1000m進んで、3m高さが変わる勾配(‰…パーミルと読みます)を表しています。この標識は、どの鉄道路線にも建てられており、線路の勾配が変わる度に置かれている標識でもあるのです。
右上写真の表示が3‰の下り勾配(画面奥の線路が)で、その反対側は…というと、左上写真を見て頂ければ分かるように、22‰の、やはり下り坂です。つまり、ここはどちらを向いても下り坂になるポイントで、故にここが最高地点となるわけなのです。
…と、言葉で説明した感じの通り、あまり一般的ではないようですね(笑)。ただ、ここは中央分水界にもなっていて、山梨県と長野県の県境…つまりは、ここから山梨県側に降った雨は、富士川となり太平洋へ、長野県側に降った雨は千曲川、信濃川となり日本海へ…と分かれる地点でもあるのです。そう考えると自然の尊さを感じますが、とにかく、1度は訪れて頂きたい場所に変わりはありません…。車でもその雰囲気は得られると思いますので、是非♪
さて、このまま清里駅までは、ほぼ下り坂で向かえます。…とは言え、距離にして4km近くはあるので、やはり徒歩で1時間弱は掛かってしまう行程でしょうか。道は整備されているので簡単ですが、この先は線路が見えるポイントも限られるので、時間が無い方にはあまりお勧め出来ないかもしれませんね。現に、この行程の約1時間、清里駅周辺以外、歩きの人とは誰とも擦れ違いませんでしたし…(笑)。
清里駅前は1980年頃から開発が進んで、言わばミニ軽井沢?みたいな雰囲気になっていますが、ここも独特な雰囲気ではあると思います。自分は中学2年生の時の校外学習が清里だったので(学校の寮があったので…)懐かしかったですが、あの頃はゆっくりとモノを見てなかった時代でもあり、今こそ改めて、じっくり、ゆっくり見ていきたいですね。まあ、今回はまた次の機会へとなってしまったのですが…(笑)。
さて、清里駅からまた小諸方面へ向かいますが、この時に乗った車両が、実は世界初の営業用ハイブリット車両と言われる、キハE200形という車両でした。小海線は非電化路線なので、普通はディーゼルカーが走っているのですが、この車両はディーゼルエンジンとリチウム蓄電池を組み合わせ、その原動を変えながら走行する事が出来るのです。
具体的には、車両駆動(発進)時には蓄電池充電電力を利用し、加速時にディーゼルエンジンが作動します。そして減速時には電動機を発電機として利用し、減速時の運動エネルギーを電力に変換して、蓄電池に充電させるのです。確かに凄いシステムで、これらの背景ゆえ、走行音がディーゼルカーとは全く違った独特のものでした。普通はディーゼルカーの発進時というのは、エンジンを吹かさせるような音がするものなのですが、それが全くの皆無で、むしろ電車の発進時に近いものでした。また、停車している時にもアイドリング・ストップのような状況になっているので、これまたディーゼルカーに乗っている感じはしませんでした。
この車両は2007年に登場して、現在までに3両全てが小海線で活躍していて(常時2両が運用されていて、残りの1両は検査や試験等に使用…)、定期的にその姿を見る事が出来ます。大量生産にはまだまだこれからなのかもしれませんが、既に小海線ではマスコット・キャラ的な存在になっていて、小海線自身が『わくわくエコランド小海線』と明記、表示されていたりもするようです。成程、鉄道に特に興味が無い方でも、小海線に乗ってはカメラで色々と撮っていた人も多かったのですが、そういった施策が影響されているのかもしれませんね。
さて、峠を越え、千曲川を何回も横切りながら勾配を下っていくと、路線の中継駅でもある小海駅に着きます。ここからは高原路線というよりは、川に沿って走る路線…という感じで、車窓の風景も変わっていきます。小海駅は、駅数で言えば小渕沢駅から3分の1くらいまでしか来ていませんが、距離は既に6割以上は進んでいます。つまり、小海駅までの駅間は長く、これより先は短い駅間が続くという事です。その事も、列車風景の雰囲気を大きく変えているような気はします。
今度は、高岩駅から馬流駅間を歩いてみました(また1駅戻る形をとりました)。この間には写真右上のように“天狗岩”と呼ばれる岩肌の崖があり、ここも小海線を代表する有名撮影地があるからです。実際、写真を撮ってみると、正に絵に描いたような配置…。それは多くの方が写真に収めるのも頷けました…。雰囲気は素朴な感じが漂っています。
また、馬流という駅が想像以上に?集落の奥地にあり、これもなかなか面白いです。広い道には面していなく、ただ『JR馬流駅』…と書かれた看板に沿って歩いていかないと着けません。写真左上にある表示から、更に2回ほど小道を曲がっていかないと着けないので、初めて駅を訪れる方は、その表示無しでは絶対に分からないでしょうね(笑)。…ただ、時にはこんな楽しみも有りだなと思いました。
緩やかに勾配を降りて、佐久市の中心駅でもある中込駅に着くと、もはや高原路線のような雰囲気は全く無くなって、普通の地方のローカル線のような、のんびりとした感じ…また、駅間も短くなるので、地方の通勤路線のような性格も持ってくるようになります。
最後に歩いたのは、長野新幹線との交差駅、佐久平駅から、また1駅手前の岩村田駅までの、約1kmの距離でした。長野新幹線の開通(1997年)と共に出来た佐久平駅は、今までの小海線の雰囲気からすると、大都会にあるような駅で、周辺も同じ時期に開発されたのでしょう。東京のニュータウンのような雰囲気と若干被る部分があるような気がします。
前述したように、この駅では長野新幹線と乗り換えられますが、新幹線に跨って在来線の駅があるという構造は、結構珍しいのではないでしょうか。小海線のホームは1面1線という、非常にシンプルな駅になっていますが、上から新幹線を見下ろす…というのもなかなか新鮮です…。ホームから見える新幹線の方向は西南向きですが、北東側には、天気が良ければ浅間山も望めると思います。この時は何故か晴れていて、なんとか望める事が出来ました。この天気が朝から続いて入ればと、何度思った事か…(笑)。
それに比べて、佐久平駅から0,9kmの距離にある岩村田駅は、なんとか昔ながらの雰囲気を保ってもいます。ここも割りと活気のある駅で、周辺に3つの高等学校があるらしく、自分の利用した17:00頃は、下校時の学生で結構混み合っていました。確かに、ローカル線の主な客は高校生です。小海線も観光だけではなく、こんな要素があったのだと思いますが(笑)、なんか嬉しくもなる出来事でしたね。もしかしたら、自分の想像以上に色々な側面を持った路線なのかもしれません。
岩村田駅から20分弱で、終点、小諸駅に到着します。途中下車が、小淵沢駅を含めて4回行いましたが、一応1日で終われましたね。東京から日帰りの“鉄道さんぽ”では、小海線の規模を考えると、これくらいの遠さが限界かもしれません…。たまにはまた、東京から離れた土地にある路線を扱ってみたいと思います!
さて、この小諸駅。この付近の新幹線は佐久平駅を通っているので、在来線から発展してきた当駅付近は、若干肩身の狭い思いをしているような気がしてしまいます。新幹線が出来て、ここを走っていたJR信越本線という幹線路線も、しなの鉄道という第3セクター経営の鉄道会社になりました。今回の旅でも少し使ってみましたが、そう言えば、しなの鉄道に転換されてから利用したのは今回が初めてでもありましたね。昔(高校時)、この辺りの信越本線にはよく乗っていたものですが、今ではパタリと乗らなくなってしまっていたのです。恐らく、現在は新幹線で通過してしまう場所なのだからとも思いますが、小海線に乗って、また新たな魅力を再発見した事もありますし、いつかはこちらの鉄道も記事にしてみたいと思いますね。信州を走る路線は、ただでさえ景色の良い路線が沢山あるのですから…。
さて、お店に着くと、西仲さんがいたのは勿論として、なんとドラムの和丸君までいるではありませんか!…確かに、彼の家はこの付近にあるので、何となく遊びに来た…という感じは分かるのですが、足元には既にドラム・セットが若干横たわっています。…成程、これはライブに参加してしまうという事ですね♪…とりあえず1ステージ目は様子見で、2ステージからの参加とさせるようにはしましたが、まあ、この日は7割方、こういった状況になるのではないのかなとも思っていました(笑)。ただ、お店の規模的に、ドラムをフルセットで置くのは厳しかったようで、バスドラム、スネア、ライドシンバルの3点セットで臨む事にしていました(ちなみに、ドラム椅子の代用として、ドラム・ケースに座っていました…笑)。ジャズをハイハット無しで叩くというのも大変な感じはしましたが、彼ならやってくれるでしょう(笑)。
お客さんも集まり、前回同様、若干飲み会の延長みたいな雰囲気になってきましたが(笑)、何となく1ステージ目は始まりました。“Autumn Leaves”を1曲目として、基本的にはジャズ・スタンダード・ナンバーでお送りしていきます。…とは言え、選曲は全て西仲さん任せで、しかもその抽出は、曲をやる直前に聞かされます…(笑)。正にその場で作り上げるライブであり、そういった緊張感が妙に心地良い時間でもありました。
そして、和丸君を加えて2ステージへと突入です。今度は、西仲さんがライブをやる時は必ずと言って良いほど取り上げる“てぃんさぐぬ花”を1曲目とし、1ステージ目とは明らかに違った雰囲気で始まりました。他、カーペンターズで有名な“Song For You”や、これまた沖縄の民謡である“谷茶前(たんちゃめ)”のジャズ・アレンジ曲など、こちらは自分達の個性を全面に出してきたステージになったと思います。
やはりドラムが入るのと入らないのでは大違いです。自分も和丸君の音に触発されるように、曲の展開が色々な方向に行ったりして面白かったのですが、こうなってくると、流石にベースが欲しいなあとも思いましたが、スペース的に難しい問題かもしれません。
…そう言えば、よくよく考えてみると、この時のライブは、西仲さんとのデュオ+1…というより、西仲美咲カルテット-1…という表現の方が近い感じがしました。それだけ和丸君の存在感は大きいという事でしょうが、そうなってくると、お店の中では、何でいつものベースの池田君はいないんだ…という話になってきてしまいます(無茶ですが…笑)。成程、分かりました…と、自分は池田君に電話をしてみる事にしました。すると、、、
「いま、家で静かに読書してます。」
…との事でした。どうも失礼致しました(笑)。…という事で、今度の10月21日(木)には例の池田君も交えて(笑)、改めて“西仲美咲カルテット”として吉祥寺 Meg でライブをやらせて頂きます♪…皆さんどうぞお越し下さいませ!
☆西仲美咲さんのHP…misakinishinaka.com/
今日は、お馴染み黄門御一行バンドのライブでした。前回が9月末頃だったので、まだ2週間くらいしか日にちが経っていませんが、その影響もあるのか、金曜日の割りにはお客さんの数は少なめではありました…。しかし、こういった状況こそが、逆にアットホームな環境も作り出す事になっていて、何となく和やかな感じで進められたライブではありましたね。まあ、この緩さの空間こそが、黄門バンドの魅力とも言えますし…(笑)。
そんな雰囲気で?始められたライブでしたが、蓋を開けてみれば、この日は新曲が4曲も用意されてのライブともなっていました。振り分けはそれぞれで、ボーカルの恭子さんが歌うものが2曲で、ギターの坂上さんのものが1曲、ドラムの誠二さんのものが1曲と、メンバーそれぞれが歌うコーナーにも新曲が用意されていたのは驚きでした。勿論、ここまで出揃ったのは偶然ではあったのですが、何だか黄門バンドの“ヤル気”の部分を見せてしまい、微妙に恥ずかしさを隠せない心境だったのが面白かったですね。…やれば出来る、黄門バンドです!…やらない時は、やりません(笑)。
音楽の秋ですから…と口を開いたのは恭子さんでしたが、確かに久々に怒涛に組み入れた新曲達だっただけに、程良い緊張感もステージにはあったかもしれませんね。また、今回のライブの選曲を振り返ってみると、久し振りに取り上げた曲も多かったような気がします。黄門バンドとして普段から演奏している曲は僅かしかやらず、何ヶ月振りとかに演奏する曲…が殆どを占めたライブ。正にレパートリーの多い黄門バンドならではで、そういった日も生まれるんだなと思いました。…という事は、まだまだ色々な側面を持つライブが出来そうですね。別に新曲に拘っているわけではありませんが、また程良い緊張感のライブを期待したいと思います。そんなわけで次回は11月26日(金)でございます。どうぞよろしくお願いします!
☆五反田 Rocky のHP…livecafe-rocky.com/
…今でこそ、ツアーを終えてから1ヶ月以上も経って、冷静に振り返る事が出来ますが、この記事では敢えて、当時の殆ど何も知らないままの自分に立ち返り、文章を綴っていきたいと思います。中国でライブというのは実は初めてではなく、これまでに上海で2回ほど行った事がありましたが、今回は初めて訪れる北京経由の、泰山という所での演奏です。それこそ自分の人生の中で聞いた事が無い土地で(笑)、殆ど予備知識も入れる事が出来ないまま、当日を迎えてしまいました。…後は、流れに身を任せた感じで(笑)、当時の雰囲気が伝われば幸いです。それではどうぞご覧下さい!
9月3日(1日目)
出発日当日、集合時刻は羽田空港に7:00というものでした。最近の羽田空港は国際化が進んでいるので、成田空港まで行かなくても良かったのは有難いですが、それでも相当早い時間設定での集合です。…と言うか、乗る飛行機の出発時刻は8:30発だったので、実はギリギリの集合時刻だったとも言えるのです(普通は出発2時間前集合)。現在の羽田空港の国際線ターミナルは、それこそ“仮”のような佇まいで、言わば地方空港ぐらいの大きさしかない代物なのですが、国際線の便数はまだ少ないので足りているのでしょう。しかし、今年の10月21日には新たな国際線ターミナルが出来る予定で、それがオープンすると、こちらの建物は使われなくなる可能性が高いです。無くなる前に、1度は足を踏み入れておきたかったので(笑)、今回は羽田空港発でラッキーでもあったのです。
空港までの京浜急行はいつも通りの行程でしたが、そこから空港巡回バスで国際線ターミナルへ向かうのは、なかなか自分にとって馴染みのないルートでもあります。最初で最後かもしれないので、しっかりと目に焼き付けておいたものです(笑)。もっとも、羽田空港第2ターミナル(主に全日空が使用しているターミナル)から国際線ターミナルは、バスで2~3分の距離ではあるのですが…(笑)。
国際線ターミナルに向かうバスがえらい混み様だったので、まさかとは思ったのですが、国際線ターミナル内も、かなりの人で溢れていました。国際線の便数はまだまだ少ないので、なんだかんだで空いているだろうと思っていたのですが、これは予想外でした…。この時間は出発便が集中していたのと、やはり建物が小さいせいもあったとは思うのですが、やはり羽田空港からの国際線に乗れるというのは、何よりも旅行者にとって魅力だという事なのでしょう。人は混んでいたものの、ターミナルが小さいので、搭乗手続き後もそんなに歩かないで、荷物検査、税関、そして免税売り場を経由して搭乗出来たというのは、有難かったかもしれません。
今回利用する航空会社は、中国の中国国際航空という会社です。中国で一番規模の大きい航空会社でもあり、日本で言えば日本航空のようなものでしょう。今でこそ、中国の航空会社は細分化されて、各地に色々な航空会社が誕生していますが、実を言えば、中国にはこの航空会社1社しかなかった時代もあったのです…。今からだと考えにくい状況ですが、それだけ中国の文化に根付いた航空会社だとも言えるでしょう。前に上海に行った時もこの航空会社で、実はあまり良い印象は持てなかったのですが、今回はどのような感じなのでしょうか…。ある意味楽しみでもあります。
飛行機はターミナルに横付けされてなく、バスで移動しての搭乗となりました。やはり現在の国際線ターミナルは、慢性的なゲート不足になっているようです。そのままバスで移動すると、遠くに割りと小さな飛行機が見えてきました。周りでは、まさかあの飛行機ではないだろうな…という声も聞こえていましたが、正にそれで、機種はエアバスA321という飛行機です。
A321は、現在日本の航空会社では運航されていませんが、過去に全日空が使っていた事があり、その飛行機と兄弟分のA320(若干こちらの方が胴体は短い)は日本でも沢山使われています。自分にとっては珍しい飛行機なので良かったのですが、ツアー・メンバーからすると、こんな小さいので大丈夫なのか…という様子でした。確かに、羽田空港に駐機してある飛行機というのは、ジャンボを始め、大型のものが多く、A321クラスの飛行機ですと、何となく地方に飛ぶようなイメージがあるのも否めません。特に、今回のボーカルの方は飛行機が大の苦手らしく、一番当たってほしくない飛行機に当たった…と、嘆きの念が窺えるかのようです。…とは言え、変更など出来る筈も無いですし(笑)、とにかくこれに乗って、まずは北京に向かわなくてはなりません。飛行機は10分遅れくらいで出発していきました。
北京までの経路ですが、今回は羽田空港発という事もあって、途中までは国内線を飛んでいるかのようなルートで飛んでいきます。離陸後は関東平野が一望できましたし、山梨県やアルプスの上空を飛びながら、兵庫県辺りで日本海へと出ます。そのまま進むと、今度は朝鮮半島(韓国上空)を横切り、そこを抜けると北西に針路を変えていきます。…と言うのは、東京と北京を直線で結ぶと、間に北朝鮮が入ってしまい、この上空を飛ぶ事は現在出来ないので、少し迂回して飛行機は飛んでいくのです。そんな理由もあり、羽田~北京は往路で約4時間は掛かるという、何気に中距離の路線でもあります。上海は2時間半くらいで着くので、意外にも北京は“遠い”ところでもあったのですね。
機内食(自分はオムレツを注文)では、飲み物は迷わずビールを頼ませて貰いましたが、これまた“燕京啤酒(ヤンジン・ピージィウ)”(啤酒は、中国語でビールという意味です)という、聞いた事の無いビールで、早速中国らしさを味わう事が出来ました。そう言えば、機内誌も勿論中国のもので、聞いた事の無い車のメーカーの広告とかがあったりして、車好きのサックス奏者でもある副田君と、何かと笑いながら見てましたね(笑)。勝手に、これで中国に対しての予習はバッチリだ!…と思いながら…(笑)。
さて、現地時刻の11:30(日本だと12:30)、飛行機は無事、北京首都国際空港へと到着しました。飛行機を降りた後、かなり遠くの場所で飛行機が着陸していく様子が見れたので、ここは相当大きな敷地内にある空港のようです。…さすが、中国国際航空の本拠地とも言える空港だけありますね!
これだけ広いと、ターミナル内を歩くのも大変そうですが、実際そうで(笑)、飛行機を降りてから空港の出口に着くまで、入国審査や荷物の受け取りはあったものの、それこそ1時間弱は掛かっていたように思います(ちなみに今回利用したターミナル3という建物は、現在、世界一の大きさの空港ターミナルなのだそうです)。国際線ターミナルは新しく、恐らく2年前の北京オリンピックに際して建てられた物だと思われますが、逆に、自分のイメージする?中国らしい雰囲気はあまり感じられなかったような気も…。上海の国際線の空港(浦東空港)も、近代的なものの、やはり中国らしさは感じられなかったので、今回の北京の空港は楽しみにしていたのですが、それには別ターミナルに移動する必要がありそうです。これは…違う機会にとっておく事にしましょう(笑)。
しかし、空港から一歩外に出ると、それこそ想像通りの中国の喧騒が待ち構えてくれました。今回はマイクロ・バスをチャーターしていて、それでの移動になったのですが、もう早速の渋滞です(笑)。特に、空港を出る時と、北京の市内が酷く、そして車の割り込みが半端ではありません…。車のクラクションも、日本よりずっと頻繁に鳴らしていますし、とにかく車の量が多い事多い事…。中国は自転車が多いとは、一体何の知識だったのか…。この喧騒に慣れるには少々時間が掛かりましたが、とにかくホテルに無事着いて、やっと一息つけます…。
…と言うのも間も無く(笑)、早速昼ご飯との事でした。あまり機内食から時間が経っていない感じだったので、そんなに食べられるかどうか不安ではありましたが、地元ではなかなか有名なお店という事で、期待しながら向かったものでした。
そして…期待以上でした。やはり本場の中華料理は、誰が何と言おうと美味しいです!…先程機内食でも出た燕京ビールが、今度は瓶で何本も出てきて、一気に自分達のテンションは上がりまくりです(笑)。それにしても、日本の中華料理屋でも、中国本土のような味付けで出てくる店は少ないような感じがしますし、何より食事の量からして違いますよね。一応、自分達は接待されて来ているので、豪華なものを提供して頂いていたのかもしれませんが、中国という所は、「まず、とりあえず」…といような頼み方はせず、最初に、前菜からメインまで、一気に頼んでしまうのです。そこには量の妥協は一切せず、どちらかと言うと多めに頼むのが基本だとか…。確かに、中国ではご飯を残して食べる方がマナーとされており、残さず食べると、逆に満足していない…みたいな意思表示になるようで、あまり良くないと聞きます。ここは中国方式で食べさせて頂きました!…勿論、満腹になったのは言うまでもありません。
満腹でビールも入り、そろそろ休みたいなと思っていた感じでしたが、ここで「連れていきたい所がある」と口を開いたのは、このバンドのリーダー、立川さんでした。立川さんは別件で何度も中国を訪れており、その軌跡は他のメンバーの追随を許さない程のものですが(笑)、ここで皆で移動する事になります。そして着いた所は、何やら怪しげなショッピング・モール…。
成程…、自分はピンときました。この雰囲気、東南アジア系にありそうな、いわゆる偽物商品などを沢山扱っているような場所ではないですか…。外観は立派な建物でしたが、中に入ると、所狭しと露天風なお店が並び、そこには洋服やら鞄やら、どこかで見た事のあるような財布やらアクセサリーやら…、本当に沢山揃っています。そして、明らかに激安な値段を提示していて、その前を歩くだけで「トモダ~チ、トモダ~チ♪」、「チョット見テミテ」、「オニーサン」、「チョー、ヤスイ、ホンモノ!」…等という、100%信用出来ないような日本語が飛び交ってきます…(笑)。ここは、冷やかしと割り切った上で楽しむのが良いと思うのですが、どうやら立川さんは、本気で掘り出し物的な商品を見付けようとしているらしく、かなり気合が入っている様子です。その気力たるや流石だと思いますが、自分には到底真似出来るものではありませんでした…。自分は副田君と、ドラマーの佐久間さんと共に行動していたのですが、気付くと副田君が店員達に拉致されていたりして(笑)、なかなか店内を物色するだけでも大変でした。中国が初という副田君にとっては、ある意味で良い洗礼にもなったは思いますが…(笑)。
…さて、小一時間ほど物色した後、自分達一行はホテルへと戻りました。立川さんの手には、それこそ色々な洋服や小物などが取り揃えてありましたが、恐らく相当な値切り術を使ったのだと見受けられます…(笑)。今回のホテルは、北京京倫(ベイジン・ジンルン)ホテルという、ニッコー・ホテル・チェーン系のホテルで、日本人に優しい造りとなっているのが特徴でした。色々な箇所に日本語表記がありましたし、恐らく日本人スタッフも常駐でしょう(あまり気にしませんでしたが…笑)。また、これは直接関係ありませんが、1人1部屋にも関わらず、ツインの部屋が用意されていたのは驚きでした。逆に、どう利用して良いのか分からなくなってしまいますが、これならゆっくりと寛げそうです。実際、この時間から夕飯までの約1時間半、自分は死んだように眠っていたと自覚出来るくらいです(笑)。
そして、個人的には大した時間も経っていない状況のまま、夕飯の時間になりました(笑)。しかし、これは会食という名に相応しく、恐らくかなり立派な場所での食事となっていたのではないかと思います。円卓の規模がまた大きいですし、お相手には、現地のテレビ局の方とかもいらっしゃていて、それは貴重な時間を過ごさせて頂きました。
ここで、今回のライブでも御一緒する、中国人アーティスト(日本でも御活躍されています)の amin(アミン)さんも合流されて、更に会食の人数は多くなります。amin さんは、元々は現地の泰山という所で合流すると聞いていたので、いきなりの登場には驚かされましたが(笑)、これで役者が揃ったという感じでしょうか。改めて、多くの方々が関わっているツアーに参加させて貰えている…という事を思えた時間にもなりましたね。
何だか、あっという間に時は過ぎてしまいましたが、ここでもまた満腹状態になってしまい、流石にもう動けない感じでした(笑)。…とは言え、この会食場所はホテルから徒歩20分くらいの距離に位置していた為、若干歩かなければならなかったのですが、この時に見れた北京市内の夜景がまた幻想的でした。車の交通量といい、人の多さといい、やはり中国だなと感じられたものでしたが、この時やっと、自分は中国の大都市にいるんだと実感出来た瞬間であったかもしれませんね。これから始まる中国的な刺激の前に、僅かながら慣れを感じられた時間でもありました。まずは大いに休む事にしたいと思います。
9月4日(2日目)
2日目のこの日は、いよいよ今回のライブ会場となる泰山に移動となる日です。…とは言え、北京を出てすぐに着くような場所ではなく、新幹線みたいな列車で4時間半掛かる場所だと言われていて、この日もある意味、全て移動で終わってしまう日となっていました。列車は北京南駅という、最近完成した新しいターミナルから出ているようで、その発車時刻は14:37発というものでした。つまりは午前中は丸々空いていたわけですが、この時間を利用して、皆で北京観光へと繰り出していきました。帰りにも北京は寄るのですが、ただ通過するだけらしいので、北京市自体を楽しむのは、実質今日が最後という事です。これはしっかりと、この目に焼き付けたいところでした。
この時、立川商店のボーカルであり、立川さんの実の弟さんであるマサさんの手には、どこかリカちゃん人形風なおもちゃが握られていました。…どうやら、昨日のショッピング・モールでゲットした一品のようです。家で待つ、愛する娘さんの為に買ってきたそうですが、どうしてもスーツケースには入らなかったようで(右上写真を見て頂ければ一目瞭然ですが…笑)、今後、常に手に持ちながらの移動となってしまったようです。その人形の容姿から、皆に“スカルノ”と呼ばれてしまう玩具…。この先、観光しても大丈夫なのでしょうか。
バスで向かったのは、もう北京観光の中心の存在と言って良い、天安門広場でした。意外にもホテルの前にある道から一直線という感じだったのですが、道も広いですし、これこそが中国のイメージと言うにピッタリの場所です。観光客は相当多く、その広場へは、何ヶ所か存在している荷物検査場を通らなければ入れない…という事実は初めて知りましたが、その検査は素人目に見ても適当にしか映らなかったので(笑)、特に混雑も無く簡単に入れたのは幸いでした(気になるスカルノは、バスの中に置いておけたので無事です…笑)。
天安門…と言うより、天安門広場は相当広く、お決まりの集合写真を撮りつつ、バスに引き返すだけでも1時間弱は掛かったような気がします。人が沢山いたせいもありますが、この日は結構暑く、特に早く歩けないのもネックだったように思いました。何せ、日を遮る場所が殆ど無いに等しかったのですから…。
天安門を後にし、立川さんに「実は、こちらの方に連れて行きたかった」と紹介されて連れて来られたのは、昨日に引き続きのショッピング・センターでした(笑)。ただし、昨日より更に地元感が強くなっており、あまり観光客といった感じの人がここにはいません。店員も、そんなに客引きをしてくる感じでもなかったので、ここは本格的な“市場”のような場所なのかもしれません。今年の初めに行った、ベトナムのホーチミンのベンタイン市場とビンタイ市場の関係を、何となく思い出しました〔旅日記 32.ベトナム、ホーチミン編(2010.1.31~2.4)参照〕。
ここでまた暫くの自由時間が与えられましたが、自分はと言うと、一通り店内に目を運ばせた後に、そのまま外に出て散歩をしてきてしまいました。こんな時自分は、どうも外の様子が気になってしまう性格のようです…(笑)。ショッピング・センターの前の道は、3~4車線もある立派な道路でしたが、少しその脇に逸れると、かなり古い感じの建物が建ち並んでおり、明らかにスラム街風な感じが早速飛び込んできました。この格差こそ、現在の北京市の街並みの象徴なような気もしましたが、これは今後はどうなっていくのでしょうか…。
そんなリアルな景色を体感しつつ、次に向かった場所は昼食処でした。ここは前々から、今回のツアー・スケジュールにも書かれてあった有名店(恐らく…)で、いわゆる北京ダックのお店です。結構由緒ありそうな店構えにも関わらず、玄関に置かれたマスコット・キャラクターみたいな物が微妙でしたが、北京ダックの味は、それはもう最高でした。早速、昨日に引き続き燕京ビールを頂きつつ、ここでまたお腹的にも満足感が漂ってしまいます。本当に、今日があと移動だけで良かった…(笑)。
あまりにも気分が良かったのか、お店を出た所で待ち構えられていた物売りのおじさんから、1つ1000円と言われていた腕時計を、箱ごとセット(20個以上は入っていた筈です…)で4000円で買ってしまったのは、ベーシストの山田さんです。後で聞くと、この中で正常に動いていたのは、たった1つだけという事でした(笑)。ただ、もはや動いていなくてもいいや…という気分でいられたのは、やはり中国という国の北京ダックのお陰かもしれませんね。面白いイベントに出会った…ぐらいの感覚で、気を取り直して、ついに北京南駅へと向かいました。
北京南駅は近代的で、巨大過ぎる駅でした。こういった大きなターミナルが、街中に最近出来てしまうというのも凄いですが、ここは北京市からも割りと近めの天津市を結ぶ、最新型の新幹線の起点駅ともなっていて、恐らく北京オリンピックの時に、天津市にもスタジアムがあった為だと思いますが、とにかく空港みたいな駅でした。
この、空港みたいな…というのは、強ち間違ってもいない表現で、この駅舎には、荷物検査を受けないと入れませんし、列車も、発車の10~15分くらい前にならないと改札が始まらず、それまで飛行機の搭乗ゲートのように、待合室で待機しなければならないのです。
ここで少し、自分の知っている限りの中国国鉄について触れておきましょう…。中国には私鉄というものは存在しなく、大都市圏を走っている地下鉄や路面電車等を除くと、この中国国鉄になります。中国という国は、長距離を移動する時に一番使われるのが鉄道で、その路線網は中国全土に及んでいます。総延長は86000kmを超え、アメリカに次いで世界第2位、その内、高速鉄道網(日本で言えば新幹線)の総延長は6500kmを超え、これは世界1位です。勿論まだまだその路線網は増えつつあります。当然、輸送人員も多く…と思うでしょうが、実はこれは意外に少なく、日本の6分の1程度だそうです。しかし、客の移動距離は総じて長い数値が出ており、これは、中国国鉄を利用する人の殆どが、長距離を利用するという事を示しています。要するに中国国鉄には、日本でいう通勤路線・近郊路線(東京で言えば、山手線や東海道本線)が存在しないのです。北京南駅の隣りの駅でも10km程は離れていますし、気軽に…という感じでは利用し難い感じです。基本的には予約が必要で、列車も長距離の直行運転が前提となっており、乗り継いで先の駅へ向かう…という風には一部のロカール線を除き考えられていません。今回の北京南駅発、泰山行き…という列車も、1日1本のみの設定でした(北京駅始発や、泰山を通り越して先まで向かう列車を含めると、もう少しあるようでしたが…把握し切れず)。
こう考えると、日本の鉄道システムとは異なった部分が多くある事に気付かされます。それは本当に航空機のようで、ターミナルの風景から列車の設定等、日本人にとっては飛行機に乗る感覚の方が、本当に近いかもしれませんね。ただ、これは現状なので、発展著しい中国が今後どのような展開になっていくかは、まだまだ予想出来ない部分も数多いです。
その最たるものが、中国国鉄の高速部門の車両達です。右上写真を見て、気付く方は気付くかもしれないのですが、これは日本のJR東日本の新幹線のE2系(東北新幹線“はやて”や、長野新幹線“あさま”に使用)という車両と、車内も含めて全く同じ形をしているのです。中国ではこの車両を CRH2 型と呼び、塗装だけは流石に違いますが(若干、東海道新幹線の塗装にも似ていますが…笑)一方で、またパクリか?…と思ってしまうかもしれません。しかしこれは日本の技術をそのまま中国に輸出…という形をとってあり、最初は日本国内で車両を組み立てられてから輸出していたのですが、今では技術の付与という事で、中国国内でもこの車両を造れる事になっているのです。驚くべきはその生産数で、既に親元の日本のE2系の全車両数を超えてしまっているのです!…これだと、世界から見ると、日本のE2系の方が中国のコピーだと言われてしまいそうな気もしますが、数字的にはこれが事実なのです。そして、この日本製の車両と中国の関係が、ドイツのシーメンス製車両 CRH3 型と、カナダのボンバルディア製車両 CRH1 型、フランスのアムストラム製車両 CRH5 型とも、大体同じような関係で中国は進めているのです…。よく分からなくなってきますが(笑)、要はドイツの新幹線や、フランスの新幹線と似たような車両が、前述の CRH2 型電車と同じ塗装で、中国全土を走っているという事です。これは凄い事で、流石中国という感じですが、今後もこれらの車両を紹介出来ればと思いますね…。ひとまず、自分達が乗ったのは、日本のE2系を基礎に造られた、CRH2 型という車両でした(全ての CRH 車両には“和楷”号と名付けられていますが、これは“調和”という意味だそうです)。
車内に入ってみると、これまたE2系にそっくりです。食堂車が連結されていたのは、日本には無い設備なので羨ましいですが、人が乗っていないのを見たら、本当に日本の新幹線の車内だと思ってしまうくらいです。しかし、やはり中国だなと思うのが車内の騒がしさで(笑)、乗客は皆、思い思いの声のトーンで喋っているので、何だか観光バスにでも乗っているかのような雰囲気です…。また、乗客1人1人の荷物が多いのも特徴でしたが、これはやはり長距離で乗る人が多いからでしょうね。こただ、の列車は北京南駅始発の泰山駅行きなので、この行程が約4時間半というのは、中国の列車では短い方かもしれません。中には2,3日かけて走る列車もあるくらいですから…。
改札が発車15分前くらいから始まり、ほぼ満席の状態だったので、乗客は皆列車に向かって一気に移動していった…という感じでしたが、列車は時間通りの発車となりました。走る列車の車内から改めて駅を見渡してみると、構内は広いものの、まだ列車の数は多くないようで、右上写真のようにガランとしている状態でした。恐らく、これからまた色々な路線が開通して、本数も増えていくのでしょう…。
駅を出て、早速車内アナウンスが流れましたが、その前に流れた短いメロディに、自分は1人で驚愕してしまいました。なんと自分の住んでいる最寄駅、東武東上線の成増駅の発車メロディ(池袋方面)と同じではありませんか!…まあ、成増駅(他の駅の上り方面も同じです)の発車メロディ自体が、どこから伝わってきたのかは知らないので何とも言えないのですが、こんな所でも聴く事が出来るとは予想だにしませんでした。…色々考えると、そもそも日本の車両を輸入しているので、こういったメロディも同時に導入しているのかもしれませんが、ちょっと面白い出会いでもありましたね。しかし、この驚きをどうメンバーに伝えて良いのか…。とりあえずは個人で楽しむしかないようです(笑)。
さて、暫くは北京市郊外…という感じの風景が続いていきましたが、徐々にその住宅地も少なくなっていき、いつの間にか田舎の風景になります。この車両は、形は新幹線と言えど、日本でいう在来線みたいな区間を走っているのか、昔ながらの客車普通列車とよく擦れ違います。それでも、どうやらスピードは200km/hは出しているようで、そのまま普通に駅を通過したりしているのには驚きました。まあ、恐らく列車の通過時には、ホームにはお客さんを入れないのでしょうが、なかなかスリリングな状況で走っているなと思います。
やがて、左の遠くの方から真新しい高架橋が近付いていき、それはやがて並走し始めました。恐らく、最近完成した北京南駅~天津駅間の高速路線でしょう。何回かそちらの列車と擦れ違いましたが、やはり向こうは速い!…こちらも200km/h近く出しているのですが、向こうの最高速度は300km/h以上に設定されているのです。車両はドイツ製の CRH3 型を使っているようで、あちらにもいつか乗ってみたいものですね。
並走は暫く続いて、ちょっと街中に入ってきたなと思うと、天津市に近付いてきた証拠です。ここで高速路線とは離れていきますが、自分達の路線は市内の脇を回るように走っていき、造り途中の駅をそのまま通過していきました。恐らく、先程の北京南駅みたいな巨大な駅が出来るのかと思いますが、現時点でこの列車は天津市の駅には停まらなかったのが(そもそもルート上に駅が無かった…)興味深いです。そもそもこの列車は、途中、泰山駅を除くと4つの駅しか停車しないので、天津という北京からわりと近い(それでも120kmは離れてますが…)場所には停車するという概念?が無いのかもしれません。
…さて、何だか鉄道さんぽみたいになってきたので(笑)、列車に関してはこの辺りに留めておきましょう…(笑)。ただ、それくらい自分にとっては刺激のある移動で、途中で眠ってしまうのが惜しいくらいでした(それでも4時間半という移動故、一部の区間では爆睡…)。終点の泰山駅に着いたのも、時間通りの18:50で、辺りはもう暗くなっている時でした。山に近い土地のせいか、少々霧がかっていたのが印象的な場所でしたね。
駅前は車と人でゴチャゴチャしていて、これぞアジアの地方都市という感じです。自分達用の迎えの車もあり、楽器などの思い荷物を持って、なんとか乗り込めましたが、車寄せの出口が狭いのか、駅から離れるだけに15分以上も要しました。しかし、やっと中国らしい部分が体験出来てきたかなとも思い始めている自分もいます…(笑)。何となく、外国の2日目というのは、こういった感覚に陥る事が多いですね。
…さて、この後の予定というと、“泰山音楽祭へ歓迎!”と電光表示板が出ていたホテルにまずチェック・インし、その後、次の日にライブをやるという開催場所への下見をしに行こうという事になりました。成程、どうやら泰山音楽祭というイベントに自分達は出るらしく(今更知るという…笑)、自分達は2日間やっている内の2日目に出演するという事で、着いたこの日は丁度1日目が行われている時だったのです。それは是非見ておきたいものでしたが、これがまたバスで30分以上も掛けて行くような所にあり、なかなか移動は大変でした。どうやら駅を挟んで、ホテルと開催地は真逆の方向にあったようで、行ったり来たりの道を進みます。
そして会場は予想以上の広さであり、予想以上の盛り上がりを見せていました。今回、協賛に泰山ビールというビール会社が付いているのですが、会場はそのビール工場の敷地内にステージが組まれ、そこで行われているのです。お客さんの数(というか、熱気)もすさまじく、ざっと4000~5000人という感じでしょうか。先程も言ったように、この日の泰山は少し霧が出ていて、それがステージの照明とも相まって、かなり幻想的な光景を作り出しています。明日のこの場所で自分達は演奏するわけですが、俄然楽しみになってきたというものですね…。今日はゆっくりと休みたいところです…。
しかし、そうはいきませんでした…。この後は泰山の方々との会食が用意されており、この場ではこの泰山ビールを飲まされ続け…また飲まされ続け、、、また乾杯だ乾杯だとなり、、、…結局、ホテルの前で耐え切れずにリバースしました(恐らく、帰りのバスが揺れ過ぎたんだと…思います…笑)。明日、自分は大丈夫なのでしょうか…。とりあえず、ホテルの部屋は1人分にしては広過ぎました(右上写真参照…笑)。
しかし、ただ何もやっていなかったわけではありません。実は今年の5月にレコーディングを行っていたのです〔丸本達也レコーディング参照〕。これは、とりあえずは自分達の現状の音源を作っておく…という思いから進められたものでしたが、ついにCDにする事を決めたようで、それでは…と、今回のライブと同時に発売を開始する事にもなりました。いきなりトントン拍子で今日まで来てしまいましたが、こういった勢いは何気に大事だったりするのです(笑)。…という事でこの日のライブは、レコ発ライブ!…と言える事にもなりました。
今回のライブは丸本さん的に、レコ発という意外にも特別な思いがあったライブだったように思います。…と言うのは先月、丸本さんは約1週間ぐらいかけてアイルランドを旅行してきたようで、それは本人にとっても念願の渡航場所だったのだとか…。確かに、オリジナル曲の中にもアイルランドに思いを込めた曲が幾つかありますし、正に“アラン島へゆこう”という曲もありました(アラン島は、アイルランドにある小さな島です)。
これらを含めて、レコ発に相応しく、ライブの選曲もCDの内容に即したものが挙がってきましたが、やはりどこかしらで、アイルランドという国、世界に懸ける思いが伝わってくるかのようです…。ここまで真っ直ぐな気持ちで制作されたCDというのも珍しいかもしれませんね…。ちなみに、前述の“アラン島へゆこう”はPVまで作ったとの事で、こちらをご覧頂ければ、島の雰囲気もよく分かるのではないかと思います。
※この先、普通の携帯電話で YouTube をご覧になる方は、
パケット定額制を申し込んでないと、ダウンロード時に相当な
金額の通信料が掛かる恐れがありますので、何卒御注意下さい!
さて、今回のライブは久々だったのは最初に言った通りですが、殆どはレコーディングを通過してきた曲ばりなので、自分達は弾き慣れているも同然…、殆ど問題無くステージは進める事が出来ました。若干ぎこちない部分も無いとは言えませんでしたが(笑)、全体的に楽しい時間が過ごせたのは良かったと思いました。やはりライブは、そういった部分を大切にやりたいものですしね…♪
その中で目立ったのは、新曲の“スランチェ”…だったでしょうか…。スランチェは、ゲール語(アイルランド語の本元の言語)で“乾杯”の意味で、これは丸本さん自身が現地で、現地の人に教わった単語だったとの事。要するに新曲ホヤホヤというわけでもありますが、これがなかなかパワーを持った曲でして、色々とピアノのアプローチにも頭を使ったものでした。
アイルランド…、そして念願のアラン島へ行って、現地での経験を生かして曲を作り、そして今回ライブで演奏するに至る…。自分も、そういって感じで曲を作る事がよくあるので(笑)、共感出来る部分が多いというか、曲に対する思いというのは相当感じられました。これも、これから恒常的にやっていける曲の1つになれたら良いですよね。…タイミング的に、今回のCDに入れられなかった事が残念と言えば残念かもしれませんが…。
さて、気になるCDの方ですが、5曲入り(その内1曲は、4曲目の別テイク・バージョン)で1000円だそうです。勿論、全曲自分がピアノを担当しております。前述した“アラン島へゆこう”の雰囲気でも分かるように、全体的に、遠い異国の地への憧れ感がピュアに表現された作品でもあります。どうぞお手に取ってみて、良かったら聴いて頂けたらと思います。…まあ、それにはライブに足を運んで頂くしか無いかもしれないのですが(笑)、次回のライブはまだ未定という事で…。またどうぞよろしくお願いします!…今日はありがとうございました!
☆丸本達也さんのHP…hw001.gate01.com/waits/
☆吉祥寺 Manda-la2 のHP…hw001.gate01.com/waits/flameset/flameset.html
先日、自分は“読み聞かせ歌”…というプロジェクトに、演奏者として参加させて頂きました。幼少期くらいの子供(もはや、これは大人でも良いと思うのですが…)に対して、読み手が共に絵本を見ながら朗読するという“読み聞かせ”に、歌を加えたものという、自分にとっては初めて触れた世界ではありましたが、個人的にとても興味深いものであるという事は間違いありませんでした。
今や、小学校の道徳の教科書(確か3年生)にも掲載されている、『いのちのまつり』という絵本の作家であり、 陶彩画展でもある草場一壽さんの、その例の作品が、今回のプロジェクトの対象となる話しでした。子供にも分かりやすく、そして“いのち”について深く考えさせてくれるその絵本は、演奏者という立場の自分としても、とても遣り甲斐のある仕事であり、そして更に追求してみたくなる世界ではありました。
読み聞かせ“歌”なので、当然、話しの途中に歌が入ってくるわけですが、その読み手、歌い手として、今まで何度も一緒に演奏をさせて頂いている夢輝のあさんとタッグを組んで?やらせて頂いております。最初はどんなものなのか分からず、ただやってみるしかない…という気持ちで取り組むのがやっとでしたが、リハーサルをしてみて、だんだんとコツが分かってきた世界でもありました。そして、それは追求すればする程、とても面白いものだと感じるようになったのですから、不思議なものです。
読み聞かせ歌の伴走者の立場としては、譜面が絶対に必要になってくるわけですが、歌以外の部分は特に決まった曲があるわけではありません。勿論、やり方は人それぞれだと思いますが、個人的にはその方法が自分に合っているような気がしています。なので、譜面に書いているのは雰囲気や絵本の文章だけで、音符で表現されている部分は僅かなものです。後は場面によって、その時のフィーリングで演奏していく…。このスリル感が堪りません…と言ったら失礼なのかもしれませんが(笑)、これこそ、その時にしか出来ないライブだと思うのです。
中には、歌の曲中に語りが入り、そしてまた歌に戻る場面があったりするのですが、その時も演奏は止まる事無く弾き続けているので、歌に戻るタイミングの難しさと言うのは、他には有り得ない側面でもあると思います。しかし、それが成功した時の喜びと言うのも、他には変え難いものがあり、そこが自分が興味を惹かれる部分です。きっと、これからも取り組んでいきたい物の1つになる事でしょう。
このプロジェクトは、自分にとってはまだ始まったばかりです。故に、これからどう進めていくのか…と言うのは、全く未知な部分ではあるのですが、出来るだけ自分は協力していきたいですし、そして皆さんにも是非知って貰いたい世界だとは思いました。今後、何らかの動きはあると思います…。どうぞ楽しみにお待ち下さい!…まあ、一番楽しみにしているのは自分なのかもしれませんが…(笑)。
☆絵本『いのちのまつり』のHP…www.imagine-koubou.com/ehon/index.html
再開した第1回目のライブが、自分達が今までよくライブをやらせて貰っていた阿佐ヶ谷 Mix にて…というのも感慨深い感じですが、以前と楽器の配置等を変えてみた部分もあって(以前はドラムが客席側に来ていましたが、後ろに下げました)、より演奏しやすい環境が作られていました(まあ、自分達でやったのですが…笑)。また今後ともライブを出来る拠点として、お店との関係が築き上げられたらと思いますね。
さて、このバンドの特色と言えば、池田君のオリジナル曲を中心にライブが展開されていく…という事に尽きるのですが、今回はもはや1年10ヶ月前のライブと同じ、オリジナル曲のみで進行されていきました。久し振りにやったライブで全部がオリジナル曲というのも、かなり挑戦的な内容だったとは思いますが、それだけバンドに対する自分への思いが具体化されていったという事なのでしょう。池田君は説明するまでもなく、竹内大輔ピアノトリオのベーシスト務めてくれていますが、そこでのライブとはまた違ったアプローチをここでは存分に見せてくれます。池田バンドが復活したというのも、やはり個々のやりたい事が、池田君も自分自身で理解出来ていったからなのではないでしょうか。ある意味で節目の瞬間のライブだった…とも言う事が出来そうですね。
池田君のオリジナル曲というと、以前は“変態的”だ、“宇宙的”だの言っていましたが(笑)、変拍子を多用して曲を作る様は、ジャズ…という音楽の分野の即興という部分で、非常に難解なモチーフとなっているというのは事実です。テーマ…と言うよりは、モチーフ…と言いたいんですよね。譜面に書かれているメロディ、リズムを元に、自分達が料理していく…。メンバー3人で行う、この曲へのそれぞれの向き合い方の披露が、池田バンドのライブの最大の魅力でもあると思っているのですが、だとすると今回の約2年振りのライブは、非常にそれらの表現を上手く見せられたように思います。1小節毎に7拍子と8拍子が入れ替わる曲など、言葉にするとよく分からないような(笑)フィーリングの曲も多々ありますが、それらに自分達が向き合えた時、とても楽しい時間が得られるのでした。
難しい部分も勿論ありますが、興味をそそられる挑戦だとも思います…。まだ次回のライブは決まってはいませんが、このバンドも自分達の1つの“音楽活動”として位置付けておけたら良いですよね!…それには、やはりライブをじっくりと重ねていくしかありませんが、どうぞ暖かく見守って頂ければと思います。今後もよろしくお願いします!
…ちなみにこのトリオ、“Sweet Rhythm”っていうバンド名らしいのですけど、ライブのMCで池田君は全く触れていなかったような…(笑)。大した経緯ではありませんが、一応、2年前に池田君と行ったニューヨーク旅行の記事〔竹内大輔の写真日記(~2009)、旅日記 20.(アメリカ、ニューヨーク編…2008.3.5~3.14)参照〕にヒントが隠されているかもしれませんので…、良かったら見てみて下さい(笑)。
☆池田暢夫のHP…sites.google.com/site/nobuoikedawebsite/
☆阿佐ヶ谷 Mix のHP…www.asagayamix.com/index.htm
暫く更新が滞ってしまいましたが、先日、北海道は室蘭でのライブを無事終え、現在は東京に戻ってきております。…と言うのは、ライブは今月1日(金)と2日(土)の2日間だけだったのですが、例によって?また自分は鉄道での旅を計画をし、色々と回ってきてしまったからなのです。実は、他にも済ませてきた用事があるのですが、これは後にツアー日記本編として、まとめて書かせて頂く事にしましょう。どうぞ楽しみにお待ち下さい!
ライブも成功に終わり、北海道の鉄道の旅も素晴らしいものでしたが、お陰で?東京に戻ってきてから、色々とやる事が溜まってきてしまいました。暫くはタイトな生活が続きそうですが、鉄道による充電も十分に済みましたし(笑)、まだまだ頑張っていけそうです。どうぞこれからもよろしくお願いします!
しかし、そんな1ステージ目の最後に演奏した曲は“Cry Me A River”…。曲調はとても暗く深い感じで、今までの流れを嘘のように変えた曲でもあります(笑)。流石にその事はボーカルの恭子さんも感じ取ったのか「次のステージは、ちょっと明るい曲をやります!」…と言ったのも束の間、2ステージ目の1曲目にやったのは“また君に恋してる”…。恭子さんの一押しの曲ではありますが、曲調は全然明るくありません(笑)。そして、バラード調の“Autumn Leaves”とかやりましたし、先程の宣言はどこへやら…、やはり暗い曲の方が好みという風潮が、我々には少なからずあるのかもしれません…。
勿論、それらの間には、“Venus”や“Get Ready”等、盛りがっていく曲もあったはあったのですが、どうもこの日は、暗い雰囲気の曲が印象に残るらしく、3ステージこそ!…という思いも一応、気に留めてみたりもします。しかし、そんな3ステージ目の最初にやった曲というのが、まさかの“恋人よ”…。もう駄目です、完全に暗過ぎます(笑)。その他には“あずさ2号”とかもやりましたが(これは、暗い…というよりは、壮大な雰囲気が特筆されますが…)、やはり暗い曲続きの今日の黄門バンドのライブでした。普段もこれくらいの割合で、暗い雰囲気の曲は演奏したりするのですが、この日は何だか妙に暗い曲に目が行ってしまったライブでした。
…だとすると、ここでの頼みの綱は、いつものマスター・コーナー♪…と思いきや、マスターの「この日は調子が乗らない」…という理由で中止になりました(笑)。いやあ、大御所の発言ですな(笑)!…たまにはこんな日もあるという事でしょう。
あ、この記事のタイトルの“松茸”ですが、この日の賄いに松茸のお吸い物が出まして(凄い事だと思います)、恭子さんがステージ上で、この日の自分のブログ・タイトルは絶対に“松茸”になる…と言っていたので、それを実現したまででございます。…どうもお疲れ様でした(笑)。次回のライブは10月15日(金)です!
☆五反田 Rocky のHP…livecafe-rocky.com/
…そこで思ったのが、真の意味での即興的なライブです。この日は敢えてリハーサルはせず、曲もステージの直前で決め、音も出たとこ勝負…、言わば、ぶっつけ本番でライブに挑んでみたのです。実は、こういったライブは今回が初めてではなく、このピアノトリオでも、昨年の9月(ちょうど1年前の今頃…というのも面白いですが…笑)に行ったライブ〔竹内大輔の写真日記(~2009)、自分名義ライブ23回目参照〕で挑戦してみた事柄ではありました。そして、その時のライブが自分的にも面白く、手応えも結構感じられていたのです。
…なので、こういった挑戦は2度目…という事になるのかもしれませんが、セットリストを見てもお分かりのように、今回はかなりスタンダード曲(カバー曲)が多いです。純粋なる自分のオリジナル曲は2曲しかありません。もしかして、これくらいのオリジナル曲率のライブというのは、このピアノトリオが始まって以来(初期を除く)の事だったのではないでしょうか。つまりは、かなり挑戦的なスタンスで臨んだライブともなったのですが、逆に新鮮さが際立っていたような気もします。他のライブでは何回か演奏した事があっても、このピアノトリオで取り上げたのは今回が初めて…という曲もありましたし、随分久々に取り上げた曲も何曲かありました。普段の、自分のオリジナル曲ばかりのライブから比べると、ある意味で新曲ばかりのライブのように思えたかもしれません(笑)。そして、それらの曲は殆どがその演奏中に進行が決められていくので、常にスリル満点の内容にもなっていたように思うのです。
こういったライブで、わりと表面的に垣間見えるのが、メンバーそれぞれの人間性です。そもそも構成を決めていないわけですから、弾いている音、又はメンバーの身体の動きとかを確認しつつ(笑)、先を判断しなければならないのです。…いや、判断と言うか、それぞれ共になって作っていくと言いますか、とにかく、真の意味での即興プレイなわけです。個人では弾きなれているジャズ・スタンダード曲にしても、このトリオ・メンバーの、“今”でしか出来ない演奏を追求していきたいわけで、それはバンド的にも非常に意義がある試みになったように思います。
より強い信頼感も得られたように感じましたし、こういったライブを次回の30回目のライブの前に実現出来て、本当に良かったと思いました。これで改めて、節目となる次回のライブに挑める気がします。勿論この日は自分のオリジナル曲を中心にお送りする事になると思いますが、小さくまとまらず、攻めの姿勢を全面に出してやっていけたらと思います!
そんな次回のライブは11月27日(土)、同じく外苑前 Z・imagine にてです。ちなみに、このピアノトリオ結成4周年のライブでもあります!…色々と目出度い事が盛り沢山ではありますが、どうぞ楽しみにしていて下さい。よろしくお願いします!
さて、ライブ後、自分はビール(⇒は、ライブ前からでしたが…笑)でも飲みながら生ハムをつまむのが結構好きで、ここのはよく注文するのですが、お店の方から「筋が沢山あって、商品にならない肉の塊があるんですが、要りますか?」…と聞かれます。驚きと喜びが半々の自分がそこにはいましたが(笑)、それが上の写真のものです。この塊、確かに筋が多く、思うようにナイフが通らないのが写真でもよく分かると思いますが、要するに何が言いたいのかというと、ライブ後は何となく皆ではしゃいでた…という事です(笑)。どうもお疲れ様でした♪
●今回のセットリストです!
・1ステージ 1、Footprints
2、Bud Powell
3、Tenderly
4、Softly,As In A Morning Sunrise
5、Guernica(オリジナル、リアレンジ・バージョン)
・2ステージ 1、Tell Me A Bedtime Story
2、Falling Grace
3、Water Lily Part 2.(オリジナル)
4、Spain
5、F Blues~F Jam Blues?
☆外苑前 Z・imagine のHP…http://www.radio-zipangu.com/zimagine/
☆池田暢夫のHP…sites.google.com/site/nobuoikedawebsite/
☆佐々木俊之のHP…http://www.toshiyuki-sasaki.com/

5月16日(木)