…とは言え、まずは先行の2バンドを見て、ライブ自体を楽しみたいものですよね…。この日の1バンド目は、N'est-ce pas ?(ネスパ)…というバンドで、フランス語で『~isn't it ?』的な意味を持つ言葉らしいのですが、ギターを母体とするリフの上で生み出されるラテン・テイストのビートが心地良く、基本はインストながら、確かなサウンドを聴く事が出来ました。1曲だけボーカルの方が入ったのは、逆に新鮮な時間ではありましたが、それでもサウンドの個性は消えていなかったのが流石でした。
そして2バンド目は、ROOM56 というバンドです。キーボードの方がリーダーのようで、それらリズム隊の上で、2管がリードをとるという編成になっていました。自分達 TRI4TH も2管のバンドですが、奇しくも同じ編成となっているのが面白かったです。また音の質感が変わるものだなと思いましたが、やはりキーボードの方がリーダーという影響なのか、結構デジタルっぽいサウンドが主とされていて、現代的な響きの中に、人間らしい感情も垣間見れたような、不思議な雰囲気を持っていました。…とは言え、自分達はこの次の出番だったので、あまり見られずに残念ではありました。…さて、いよいよ TRI4TH の出番となります。
この日は正直、お客さんがいつもより少ない状況ではありました。確かに、ほんの2週間前には同じ Plug で自主企画ライブ〔TRI4TH Presents Tokyo JAZZ Tribe Vol.1 参照〕を行っていますし、来月8月にはCDをリリースする背景もあり、続々と特徴的なライブが続いてしまっています…。言わばこの日はその間に挟まれた、何とも難しい期間内でのライブだったわけですが、今は、自分達に出来る事をそのままやるしかありません。勿論、メンバー皆、気合は入りっぱなしでしたが(笑)、その気合いをどこに持っていくかが、今回のライブのポイントにもなっていたように思いました。
…そういえば、今回はメンバーのステージ配置を少し変えてみたのですが、お気付きだったでしょうか。いつもはドラムは上手側にあるのに対し、今回は中央に配置…。その煽りを受けて、ベースが下手の前列に来て、故にキーボードはいつもと逆で、上手側に移動をしていたのです。ステージ配置のベストを決めるというのは難しく、今回もその模索の中で生まれたセッティングではあったのですが、何か次に繋げられる部分が見えてくれば良いですね。とりあえずは、新鮮感を感じた配置ではありました(笑)。
さて、ライブ自体の話しに戻りますが、今回は流れを掴むのが難しく、その部分では皆、試行錯誤を繰り返していたのではないでしょうか…。久し振りの曲である“Wisdominant”、今回初のお披露目となった“Ramble Fish”、Plug で演奏するのは非常に珍しいとも言える、“うみ”という『わらべ JAZZ』からの選曲(まあ、この日が“海の日”だったので…笑)等、新たな試みを入れに入れた感じのセットリストとなっていた事も、逆に頭を使わせていたのかもしれません。選曲的にはバラエティに富んだ内容になっていましたが、それらを上手く使う事が出来ていたか…と言うと、少々心残りな部分もあったと思います。それでもやはり、いつものナンバーになると慣れと言いますか、ペースを戻しつつもあったので、その為の選曲であった…という見方にしても良いのかもしれませんね。今回、最初から飛ばしていくようなセットリストではあったのですが、結果的にスタート・ダッシュが遅れてしまった事が、流れが掴めにくい方向へと進んでしまった気はしています。
それでも、やはり最後は盛り上がりましたね。アンコールも頂き、ROOM56 から、サックスの浦宏徳君を呼び出し、お馴染みの“Hammer Head”を演奏して終了しました。こうなると、やはり楽しさが先行するステージとなり、こういう時間は本当に良いですよね。それぞれのソロが存在する事で、このステージ上でのアピール・タイムが設けられているような時間にもなり、皆、ありったけのアイデアでソロを展開させていきます。…結果的には良い物が残せたのではないでしょうか…。やり切った感はありました。
…さて、ライブは無事に終わり、TRI4TH はまた次の展開に突入しようとしています。言うまでもなく、来月の8月8日(水)にリリースされる 2nd. アルバム『TRI4TH AHEAD』によるもので、ライブも続々と決まっており、またライブの内容も、アルバムの曲から派生したものに変わってくる事でしょう。自分自身もとても楽しみではありますが、その意味でも今回のライブの経験は、強く生かしたいと思っています…。アルバムをリリースする事によって、今後のライブは曲的にも、より明確なものへと変わってくる筈なのですが、だからこそ柔軟な姿勢は残していきたいのです。自分達らしさとは何か…。この事に対する答えが、来月以降のライブに関わってくるのかもしれません。是非とも、期待して頂きたいと思います。今回もどうもありがとうございました!
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com/
☆渋谷 Plug のHP…http://www.shibuya-plug.tv/
そして、出演メンバーも新たに…というわけではないのですが、今回はサックスの副田君と、ギターの藤井進一君の双頭リーダー…という形をとっており、キーボードに自分の他に、ベースには初めましての川本悠自さん、ドラムには亀井孝太郎さんを迎えて、5人編成でお送りしていきました。このメンバーの時点で、新たな演奏の雰囲気が確立していたようなものでした。
今回は、副田君と藤井君が各5曲ずつ持ち寄ってライブを行う事にしており、その時に藤井君が持ってきた曲というのが、全て彼のオリジナル曲でした。その世界観は既に独特のものが形成され、後から持ってきた副田君の曲はそれに溶け込ますかのように、オリジナル曲も1曲あったものの、ジャズ・スタンダード曲などの、セッション感の強いものが持ち込まれていました。
つまりは、全体的な形としては、藤井君の持つ空気感を母体に、副田君がその上でどのように演奏していくか、…というところが非常に気になるライブになっていたのです。実際のところ、副田君と藤井君の演奏スタイルは全く異なりますし、それがお互いどのように寄り添っていくものになるのか、出演者側的にも興味深いものでした。
この興味深い…というのは、単に傍観視の角度からの感想ではありません。副田君と藤井君の双方の演奏のフレーズを支えるのが、自分達リズム隊の役目でもあるのです。演奏の質が異なる者同士の伴奏というのは、特に自分の演奏スタイルを変える必要はありませんが、いつも以上に聞き耳は立てなければいけません。バランスをとる役目…と言ったらおかしいですが、それぞれが更にヒートアップするような、常に心掛けていきたいところでした。
勿論、この事は自分だけではなく、出演者全員が思っていた事だとは思いますが、その部分を中心に、非常に遣り甲斐のあるライブだった事は確かでした。藤井君のオリジナル曲の特徴というのは演奏スタイルの本質から来るもので、それはスタンダード曲を演奏している時にも、同じような空気感が出ていた事からも分かります。この雰囲気は全体を通して感じていた事ですが、それが町田 Herbie という場所で感じられたのが、何よりも新鮮に思えたライブでした。ライブはあっという間でしたが…、楽しかった。
今回のライブの当初の予定としては、座席も用意し、いつもより大人っぽく演奏…という雰囲気を心掛ける感じだったようですが、座席は用意したものの、蓋を開けてみればいつも以上に激しい、そして演奏者同士の人間模様が、各所に垣間見えたライブとなりました。そういった場を引き出すのが、町田 Herbie ライブの魅力なのかもしれません。色々な意味で成長出来た1日でもありました。どうもありがとうございました!
…そして、この後は久し振りの、町田でオール飲み!…に参加してきました。この為に、皆楽器を一時的に副田君に預けて(笑)打ち上げに参加するという意気込みっぷり…。素晴らしいの一言です。Herbie でのライブもそうですが、この打ち上げも含めて、久々に『The 町田』を体感出来ました。非常に…お疲れ様でした(笑)。またやりましょう!
☆副田整歩君のHP…http://www.soedanaomu.com/Top_Page.html
☆藤井進一君のHP…http://www.shinichifujii.com/
☆町田 Herbie のHP…homepage2.nifty.com/herbie/
さて、今回は訪問先に初めて、石垣島が追加されました。沖縄本島には何度も行かせて頂いていましたが、石垣島は個人的にも初めて行く所だったので、今回はいつも以上に楽しみなツアーではありました。ライブ・スケジュール的には、16日(土)に石垣島、17日(日)に沖縄本島で…という感じでしたが、西仲さんから「せっかく石垣島まで来たなら、西表島は行った方が良い」という誘いを受け、沖縄入りしたのは、初日のライブより少し早めの14日…。この日、そのまま西表島まで出向き1泊、そして石垣島に戻ってきて1泊して、念願の石垣ライブ!…という流れにしてみました。同じ沖縄と言えど、初めて訪れる時のワクワク感は何事に変えられるものではなく、とても印象的なツアーになったと思います…。大量の写真と共に、ツアー気分を味わって頂けたら幸いです!
6月14日(1日目)
この日は早速、西表島まで向かう事になっています。その為には、まず石垣島に向かわなければいきませんが、最もポピュラーな行き方は那覇空港乗り継ぎでしょう。羽田空港から石垣空港までは、直行便はあるはある(行きのみ)のですが、値段が高く、便数も少ないので、よほどの事が無い限り使えません。また、いつも那覇までの利用ですと、その安さからスカイマークで行く事が多い自分でしたが、スカイマークは現在、石垣島への便は設定されていないので、今回は全日空の那覇乗り継ぎ便を選びました。これだと乗り継ぎ割引が適用され、しかも、仮に最初の便が遅れたとしても、乗り継ぎの措置はとってくれます(那覇空港まではスカイマーク利用…という手もあったのですが、この辺りの部分が微妙だったので、今回は遠慮しました)。
…というわけで、まずは那覇空港へ、羽田空港8:40発の、久々のジャンボ機で向かいました。今や日本の国内線でジャンボに乗るには、全日空の限られた便を利用するしかなく、これが貴重な搭乗かと思うと、いつの間にそんな時代になったのだと思いますが、やはりジャンボが持っている堂々たる風格は素敵です。個人的にも大好きな機種でもあるのです♪
いつも沖縄に行く時はスカイマークを利用していて、こちらはボーイング737-800という機種なのですが、こちらに最近慣れていた部分があったのか、久し振りのジャンボの機内は、かなり広いという印象を受けました。昔は、幹線と言えばジャンボ機が飛んでいたもので、自分も結構乗り親しんでいた筈でしたが、ここまでインパクトの大きい広さだったとは…。そして、広いから思える安心感…というのは、ジャンボならではのものだとも思いますし、あと何年かで日本国内線から見れなくなってしまうのは、ちょっと寂しい感じもしました。その中でも、この羽田~那覇線は、そんなジャンボ機が体験出来る数少ない路線で、その中でも一番の長距離便でしょう。国内線なのにエンジンが4つもあったり、機内も現在では少々古臭く思えるところもあるのですが、この良き時代の飛行機を、とにかく堪能しながら那覇に向かったものでした。この日は江の島や富士山もハッキリと見え、そんなフライトに華を添えているようでしたね。
さて、少々遅れたものの、約2時間半程で那覇空港に到着しました。乗り継ぐ石垣行きの飛行機は12:40発だったので、それでも1時間以上も間があるので、時間的には余裕でした。ここで西仲さんと、いつもライブをスタッフ的に?手伝ってくれる(笑)潤さんと合流し、ひとまずは空港内でよく感じる独特のまったりモードで過ごします(笑)。那覇空港には沖縄民謡が流れていて、早速沖縄に来たのだと感じさせますが、自分も何となく“うっちん茶”を購入して、身体も沖縄モードにさせておきました。天気は曇りがち…という感じでしょうか。
さて、搭乗開始となったので飛行機に乗り込みます。流石に石垣行きへの飛行機はジャンボという事はなく、ボーイング737-500という、小型(それでも130人くらいは乗れます)の飛行機になりましたが、これが離島に行く感じで、また良いんです。離陸前に、先程乗ってきたジャンボが、東京に向けて滑走していくのが目に入りましたが(右上写真参照)、その機種の大きさの違いに、また驚いてしまう程でした。とにかく、無事に乗り継ぎ、完了です。
こちらの離陸直前に急に大雨が降ってきて、やはり、沖縄は今は天気が悪いのかな…と思いながらも、そう言えば2日前ぐらいの天気予報で、台風4号が発生したとの情報があったのが頭に浮かびました。この時点で、沖縄本島への接近が、ちょうど自分達が石垣から那覇に移動する日ぐらいになっていて、便を変更するか、ちょっと悩みどころの状況だったのです…。そんな事を思いながらも、飛行機は本島を出て、石垣島へと向かってます。さてさて、もう後戻りは出来ません(笑)。どんな天候状態になっていく事やら…。
…そんな思いをよそに、フライトはとても順調で、約1時間程で石垣島へと降り立っていきました。雲が多い中のアプローチとなっていましたが、それよりも、石垣空港は滑走路が短いので有名で、敢えて、ドシン!とショックを多めに与えつつの着陸とさせているのが印象的でした。来年には、新しい場所に新空港が出来るとの事で、これは島内では色々な問題やら意見があるそうですが、とにかく、旧空港を今のうちに体感出来たのは良かったです(笑)。さあ、石垣島に着きました!
石垣空港にはボーディング・ブリッジというものが無く、殆どがターミナルまでバス(大した距離ではないのですが…)、または歩きでの移動となります。そして飛行機から降りた瞬間に感じたこの蒸し暑さ!…これは凄い。西仲さんも、本島の暑さとはまた違うと言っていましたし、やはり石垣独特のものなのかもしれませんが、これは大変な所に来てしまいました。流石、日本最南端の諸島ではないですか!
ここで、石垣島在住のボーカリストの国吉なおみさんが、空港ターミナルまで車で迎えに来て下さっていました!…国吉さんは、今年の1月に行われた、西仲さんの沖縄ツアー〔西仲美咲、沖縄ツアー(2012.1.26~1.30)参照〕でゲストとして出演して頂いていましたが、今回はこの日の2日後に控える石垣島でのライブの、頼れる共演者でもあるのです。国吉さんは現在、御自宅でレッスンを行っているそうで、今回の石垣島滞在中には、ここでお世話になる事にもなっていました。…とは言え、自分達はこの日はすぐに西表島に向かう状況だったので、いったん立ち寄って、少々のリハーサル(2日後のライブ用です♪)をして、すぐにその御自宅は後にするという感じでした。全て車で送って頂いたので、この暑い最中では何とも有難い事です。
車で送って貰った先の石垣港は、日本最南端の諸島、八重山諸島の島々を隈なく結ぶフェリーの一大ターミナルとして、そして島民の足としても重要な機能を持つ港です。勿論、西表島へのフェリーもここから出ており、自分達の向かう上原港(西表島には港が2つあって、もう1つは大原港となります)行きのフェリーに乗り込みました。思ったよりその船は小さく、昨年の1月に初めて阿嘉島に高速フェリーで渡った時〔西仲美咲、沖縄ツアー(2011.1.11~1.15)参照〕の事を思い起こさせますが(笑)、あの時より体調は万全です。しかも、西表島への所要時間は40分と、そんなに長い時間ではありません。船自体の大きさは、阿嘉島に行った時の船より、更に1回りも2回りも小さい感じでしたが、後は運を天に任せる事に致しましょう(笑)。
この時の空は雲が多めの天気となっていましたが、波は至って穏やかで、揺れもそんなに気にならない感じでした。…それとも、船の旅に慣れてきたのかもしれませんが(笑)、ひとまずは道中は順調で、船の左側に、徐々に大きな西表島が見えてきました。思ったより地形が険しい…と言いますか、船から見る限り、あまり平地が見られません。出発するときに遠目に見れた石垣島とは、だいぶ様相が異なりましたが、それがまた西表島の雄大さを表しているようでもありました。…そして時刻通りに西表島の上原港に到着。特に自分にトラブルも無く(笑)、西表島の地に足を着ける事が出来ました!
ここでまた、1台の車が迎えにきて下さいました。それは何と、西仲さんの従妹の方で、西表島の方に嫁ぎ、現地でガイド・ツアー・サービスを行っているのだとか。これは何とも心強く、そしてこの日の宿まで、色々と寄りながら案内してくれるとの事です。どうやら今回は、相当周りに恵まれたツアーになってしまいそうですね(笑)。
西表島内の道路はシンプルです。前述したもう1つの港である大原港から(島の南側に位置します)、ほぼ海沿いに反時計回りで、ぐるっと北側の上原港に至り、そのまま更に西側の白浜港という所まで、幹線道路は基本的にこの1本のみです。所要時間は端から端まで、車で約90分という感じらしいですが、島の規模から考えると、道路は圧倒的に少ないですね。そもそも島の南側や、また、島を突き抜けるような道も存在しないので、それほど自然が豊富に残っているわけです。それらの背景と、独特な天候と島の位置のお陰で、この島にしか生息しないイリオモテヤマネコ等の超貴重動物も存在しているわけで、知れば知るほど神々しい島のように思えてきました。自然が当たり前…と言いますか、人間が自然の中に住ませて貰っている…という状況を、より実感として湧く事の出来る島だとも思いますね。
星砂の浜、浦内川周辺を見つつ、車は干立(ふたで)村という地区に入りました。今回泊まる宿泊施設がこの地区にある為です。…とは言えホテルようなの立派な?所ではありません。案内されたのは、区域毎に独立した木の一軒家、言わばコテージで、キャンプでもしにきたような感じの場所でしたが、これがまた雰囲気があって良いのです。クーラー、冷蔵庫、シャワールーム等はありますが、テレビ等という雑多のものはなく、静かな時間を送れそうですはないですか。西表島らしい宿泊施設とも言えますね。
さて、そろそろ日も暮れてきた頃で、夜御飯を食べに行く事になりました。ここでも、先程の西仲さんの従妹の方の案内で、先程来た道を少し戻り、浦内地区にあるレストランに行ってみました。この日は移動尽くめで、思ったよりも体力は消耗している事でしょう。ここで元気を蓄えておきたいものでした。
料理は全てが美味しく、基本的には西表島の食材に拘ったものが使われており、ビール等も相まって一気に良い気分になってしまいました…(笑)。そしてこの瞬間に、西表島に来たという実感が急に湧いてきたのです。何だかんだで忙しい1日でもありましたからね。ゆっくりと、今後の日程に合わせていけたらと思います。
…と、思いきや、食事後もこのまま車を走らせ、夜の西表島観光へと出向きました。そして、これが結構面白かったのです。幹線道路から外れ、農道の真ん中でエンジンを止めて、そのまま空を見上げた時の星空の綺麗さ…。夜になると咲き始め、その次の明け方になると全部散ってしまうという、沖縄の夏(奄美諸島以南の琉球諸島に存在する植物なのです!)の風物詩的存在のサガリバナ観賞等、なかなか他の場所では出来ない体験を沢山させて貰いました。
…そして、究極の出来事が起きました。せっかくなので道路の一番西側の地区まで行ってみようという事で、白浜地区まで夜道を走っていた時、ふと黒い影が道端に現れ、そのまま車の前をスーッと横切っていったのです。「イリオモテヤマネコだ!」…と、誰が叫んだのかは忘れましたが、その時車に乗っていた全員が、そうだと思った瞬間でした。車内は歓声に包まれ、なんて運が良いのだと思う意外に、なかなか言葉が出てきません。何せ、絶滅危惧種に指定されているイリオモテヤマネコは、現在で100頭にまで減少しており(勿論、ここ西表島にしか生息されていません)、西表島に5年住んでいるという人でも、まだ1度も見た事が無い人がいるくらいなのですから…。西表島に来て1日目、即ち、今回の沖縄ツアーを始めてから1日目、何だか良い運びになりそうです♪
まだまだ続きます!
なんてスタイリッシュな…(笑)。個人的に、こういうの、好きなんです。リリースは来月に迫ってきましたが、自分も待ち遠しい感じですね。本当に多くの方に御協力頂いて、その間にはライブも行っていてお客さんとも触れているので、TRI4TH のメンバーは勿論、スタッフの方々も含め、皆で作っていった感覚があります。どうぞ楽しみにしていて下さい。
ちなみに、今回はPVも作っているんです。こちらも早く公開したいところですが、もう少々お待ち頂きたいと思います。かなり格好良い仕上がりになってますので!
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com/
今の家に引っ越してから1年以上が経ちますが、まだまだ揃っていない家電製品というのも、数多くあったりします。その中の1つ、扇風機を、先日買わせて頂きました!…この節電対策を強いられる夏を越える為にも必要だったわけですが、普通にクーラーよりも良いかなと思ってまして、前々から手に入れておきたい物ではありました。…こちらです。
ブロンズ色で、どことなくレトロ感が漂っており、しかも3段重ねになっているところが特徴的です。実はこの商品、昨年から目を付けていたのですが、昨年の夏辺りから店舗ではパッタリ見なくなってしまい、そして季節は秋になり、いつしか心も諦めてしまっていました。しかし、今になって夏に近付き、こう暑い日が続くと、欲しい気持ちもぶり返してくるものです(笑)。店舗販売が駄目なら通信販売…という事で、即決で購入してしまいました♪
この扇風機、3段別々でオン・オフを切り替える事が出来まして、向きも(手動ですが)個別で変える事が出来ます。実際のところ羽が3つ分付いているので、エコになっているのかどうかはよく分かりませんが(笑)、楽しく使っております。頑張ってこの夏を乗り切りましょう!
…とは言え、自分はクーラーも嫌いではないので、そちらも使っていますが…(笑)。
ライブでは言い忘れてましたが、そういえば自分名義のライブというのは、今回で40回目を迎えていたのでした。当日は楽しくなっていて、その事実が頭から飛んでいたのですが(笑)、思えば長くやってきたものです…。事ある毎に振り返っているような気もしますが、一番最初に自分名義ライブ(ピアノトリオ)を行ったのが、2006年の11月の事〔竹内大輔の写真日記(~2009)、自分名義というライブ参照〕。既に5年半が経過しているわけですが、当初のメンバーで変わらずやっていけているという事に改めて感謝したいですね。そういった思いが、この日は無かったわけではないのですが(笑)、久し振りに自分名義ライブが出来るという嬉しさと、会場の温かさもあって、とにかく演奏を楽しんだ時間になっていたように思いました。
1曲目は、もうお馴染みの“Guernica”で、この曲だけトリオで演奏しましたが、これは当日に急遽思い付いた選曲でもありました。それまでに考えたセットリストが、並べてみると、どうもまったりとした感じが出てくるような気がしたからです。また、“トリオ”という編成でも演奏をしておきたい気分もあり、この変更は、本当に当日の会場に入ってから決めたものでした。言わばギリギリの変更でしたが、結果的にはこの1曲目が、とても良い刺激になったと思います…。そして2曲目からは、堂々と副田君に入って頂きました♪
以前、副田君に自分名義ライブに参加(この時が初でした)して貰ったのは、昨年の10月の事〔自分名義ライブ36回目参照〕で、今回は2回目という事で、曲も少しは慣れてきた部分があったとは思いますが、今回の1ステージ目には副田君にとって、新たに挑戦する曲が続いた感じでした。“Morning In Trastevere”や“Summertime”等、トリオではよく演奏する曲ですが、サックスが入るとなると雰囲気は変わってくるのです。“Summertime”はジャズ・スタンダード曲ですが、アレンジを加えていますし、やはり副田君にとっては新曲みたいなものでしょう…。その中で、サックスのジョシュア・レッドマン作曲の“Can't Dance”を間に入れた事は、良い緩和剤になっていたかもしれません。これは副田君も弾き慣れている曲ですし、自分とも何度か演奏した事のある曲です。…そしてそのまま、1ステージのラスト曲になだれ込むのです。
1ステージの最後は、ピアノとサックスのデュオ編成でお送りしました。やはり副田君を呼ぶにあたり、デュオ演奏は1曲はやっておきたいところでしたが、今回は副田君のオリジナル曲を取り上げる事にしました。それは“Side By Side”という曲で、副田君と自分との出会いの場でもあったバンド、Generation Gap でやっていた曲でもありましたが、敢えてデュオで演奏する事で(Generation Gap は逆に、8人編成のバンドなので…)、特別なものが出来上がったように感じました。ピアノとサックスの距離感も近くなりますし、何よりお互いの楽器が際立ちます。副田君のこの曲の良さを存分に引き出すべく、丁寧に演奏していきました。これまで、ステージの最後にやる曲というイメージではなかったのですが、今回はこれが正解でしたね。良い余韻の中で、2ステージ目に繋げられそうな気がしました。
2ステージ目の1曲目には、いきなり新曲を持ってきました。タイトルを“Crossing”といい、以前に作った“Scramble”のような混沌としたイメージを、より全面に押し出して表現してみた曲です。違うのは、“Scramble”が都会的なイメージだったのものに対し、こちらはあまり、そのような世界観とは関係のないような場所にいると言いますか…。まあ、まだあまり出来て間も無い曲なので、そのようなイメージは今後考えていけば良いのかもしれません(笑)。
ここから先は、前回の副田君を誘ったライブでも取り上げた曲が続いていきます。ライブで披露するのは2度目という状況ですから、前回より遥かに余裕が感じられる事でしょう。これは実際にそうで、前回に比べて遊び心が増してきたというか、曲の上で自由になれている感じがとても心地良かったです。こちらも負けじと応戦をしたり、自由に自由を重ねていったりと、面白い時間が続いていきました。よく考えたら、それでもまだ2度目の演奏だったわけですが(笑)、もう既に何回か音を一緒に出してきたような、そんな雰囲気を思えたので、本当に馴染んできたのでしょうね。嬉しい瞬間でもありました。
そして、あっという間のラスト曲ですが、これも前回でも取り上げ、このトリオでも何度も何度も演奏してきた“Spain”を披露しました。これはもはや説明は不要でしょう。前回より更に盛り上がりを見せ、それぞれのアドリブ的にも限界まで持っていった感がありました。もうヘトヘトでしたが(笑)、この疲労感がまた心地良い時間だったのです。これは、ライブではよくある心境なのですが、特に今回は久し振りの自分名義ライブの後でしたから、余計にそう感じたのかもしれませんね。アンコールも頂き、ジャズ・スタンダード曲の“Take The A Train”を、副田君に強引に演奏させて(彼は普段からスタンダード曲をやる人ではないので…笑)終了。本当に楽しい時間を過ごせました。どうもありがとうございました!
…何と言いますか、普段のライブこそ、それこそ毎日のようにやらせて頂いているのですが、自分名義のライブというのは、それらとは全く別の次元に居させてくれます…。今回は、色々と忙しい時期が重なって、なかなか自分のライブの方に頭を回している時間が無かったのですが、やって良かったのは勿論の事、だからこそ今後も続けていきたい自分の音楽活動の1つとして、また改めて認識出来たような気がしました。そして少しずつですが、1歩ずつ前に進めていっていると思います。どうぞ今後ともよろしくお願いします。次回のライブは7月21日(土)で、いよいよ、北海道の伊達紋別だて歴史の杜カルチャーセンター(伊達市のHP)で行われるものです。また気合い入れてやっていきましょう。よろしくお願いします!
●今回のセットリストです!
・1ステージ 1、Guernica(オリジナル、リアレンジ・バージョン、トリオ演奏)
2、Morning In Trastevere(オリジナル)
3、Summertime
4、Can't Dance
5、Side By Side(副田整歩オリジナル、サックス・デュオ)
・2ステージ 1、Crossing(オリジナル)
2、New Life Standard(オリジナル)
3、Water Lily Part 2(オリジナル)
4、Monte Fiesole(オリジナル)
5、Spain
・アンコール ・Take The A Train
☆外苑前 Z・imagine のHP…http://www.radio-zipangu.com/zimagine/
☆副田整歩君のHP…http://www.soedanaomu.com/
☆池田暢夫のHP…sites.google.com/site/nobuoikedawebsite/
☆佐々木俊之のHP…http://www.toshiyuki-sasaki.com/
まず3days初日となった7月4日は、ボーカルに折井敦子さん、サックスに加地直子さん(歌う時もありますが、この日はサックスに専念)、キーボードに自分という3人での陣容でしたが、突然、ボーカルの東野康人さんが、サプライズ土産(左上写真参照)を持ってお店に登場したのですから驚きです。せっかくなので、何曲か歌って頂きました♪…このフレキシブルさが Kuro の良さでもありますが(笑)、ある程度の実力が無いと、なかなか出来ない状況でもあり、改めて、何だかんだで9年続いているお店でもあるのだなと、変に感心してしまった瞬間でもありました。
ところで、この3days期間は、女性出演者(勿論、お店のママもです)は基本的に浴衣、もしくはサマー・ドレスが義務付け?られてまして、店内も華やかな雰囲気が漂っていました。そして、自分もその空間に便乗して、久し振りのアロハシャツでの出演を決意(笑)。見た目的にも、夏を感じさせてくれる事全開のステージでしたね(笑)。ちなみにこのアロハシャツは、この3日間、全ての日に活躍をしてくれるのです。
そして、3daysの中日となった7月5日、この日はバイオリンに Tsukasa さん、ボーカルに大久保知佳さん、そしてパーカッションに西川さんをお招きしてステージをお届けしました。この日は、ステージ前からシャンパンが振る舞われまして、一気にテンションを上げての(笑)演奏へ…。それはそれは楽しい時間でした。…ただし、Tsukasa さんとやる時は、クラシックの曲も盛り込まれたりするので、楽しいひと時の中での緊張感もまた最高潮へ…(笑)。それがまた良かったりするのですが、色々な場面が垣間見えた1日でもあったように思います。
ちなみに、大久保知佳さん(左上写真参照)は、Kuro に初めて出演したのが、ちょうど1年前のこの時期〔赤坂 Kuro、移転2周年!参照〕だったので、Kuro が移転3周年になったのと同じくして、出演1周年も迎えていた事になっていたわけですね。時が経つのは早いですが、今では Kuro に出演するボーカリストとして、頻繁にその名前を見るくらいにまでなりました。今後も頑張って出演して頂きたいものですね。最近、キック・ボクシングを習い始めたという事で、その歌声にも磨きが掛かっていく事でしょう(笑)。
そして最終日となった7月6日。この日は、サックスに松山ますみさん、ボーカルに石川早苗さんという初の組み合わせで、2人が共演する事はなかったものの、どちらもジャズを母体にした演奏を見せており、意外にも共通の枠の中でステージをお送り出来た1日でした。流石に3日目ともなると、お店も少し静かな雰囲気になっていましたが、やはりビールやら赤ワインやらが振る舞われて、なかなか楽しい状況に…(笑)。お客さんも温かく、アットホームな雰囲気の中で過ごせた時間でもありました。
こうして、同じお店に3日間通うという、怒涛の3days期間が過ぎていきましたが、無事に終える事が出来て、いま現在ホッとしている状態です。久し振りに、色々な Kuro メンバーと共演が出来たと共に、本当に毎日、バラエティに富んだステージを提供しているお店だなあと、しみじみ思ってしいまいました。自分も長年出演させて貰っているので、当たり前のように感じていましたが、なかなか他に無いタイプのお店だと思います。そして改めて、多くのお客さんに支えられて成り立っているという事を、体験して感じさせて頂きました。
移転してからは3周年、お店的には9周年を迎える今年2012年。是非とも10周年は目指したいところで、またどうぞ自分共々、今後ともよろしくお願いします。また楽しい、Kuro 独特の時間を過ごしましょう♪
☆赤坂 Kuro のHP…www.livebar-kuro.jp/
前回の時もリハーサルは行いましたが、その時は〔+1への負担参照〕…というタイトルにも表れている通り(笑)、アレンジも含めて、色々と慣れない作業もあり(サックスを入れて自分名義のライブをしっかりと行うのは初めてだったので…)、大変だったリハーサル…という印象ではありました。
それに比べると、今回は結構スムーズに進められたと言えるでしょう。前に演奏した曲も取り上げているという部分もありますが、勿論、新しく取り上げる曲もあり、盛り沢山でお送りするのは間違い無いです。そう考えると、何だかんだで慣れが生じてきたと言いますか、この4人の演奏のイメージが、以前に比べて遥かに想像しやすくなっていたのかもしれませんね。それは曲のアレンジのイメージにも繋がっていくもので、今回のライブは、終始リラックス・ムード?で演奏していけるかもしれません。
写真は、デュオで音合わせ中です!…自分達らしいライブになれば良いですね。…では今度の日曜日、外苑前でお待ちしてます♪
★7月8日(日)外苑前 Z・imagine
Open…18:00~、1st.…18:30~、2nd.…20:00~、
Charge…2700円(ドリンク別)
Member…(Pf)竹内大輔、(Sax)副田整歩、(B)池田暢夫、(Ds)佐々木俊之
何と言っても新幹線が完成し、台北を拠点としても各地を柔軟に回る事が出来るようになりました。また、東京も羽田から国際線が再就航し、台北も市内に近い松山(ソンシャン)空港への便が飛ぶようになり、東京からのアクセスも飛躍的に向上したのです。たかが交通事情…と思うかもしれませんが、これは人や物の流れを大きく帰る要素でもあり、是非ともそれらの事情を体験しつつ、今の台湾を満喫してみたくなったのです。日にち的にも5日間とれたので、ゆったりと台湾の空気に触れる事が出来ました。どうぞ御覧下さいませ!
●チャイナエアラインのビジネスクラス
今回の旅の拠点も、やはり台湾最大の都市、台北にしたいところです…。台北の空港は、以前からある松山空港(市内に隣接)と、1979年に開港した、台北郊外に位置する国際線専用の桃園(タオユェン)空港があり、以前は日本からは桃園空港に行くしかなかったのですが、現在では羽田空港~松山空港間を飛ぶ便も就航しており、本当に便利になりました。台湾の松山空港と桃園空港は、東京の羽田空港と成田空港の関係に似ており、桃園空港は市内から結構離れています。逆に、松山空港の市内の近さというのは、羽田空港以上のもので(そもそも台北市内にあるので)、例えば台北駅からは、タクシーなら15分程という感じでしょう。海外滞在では時間を有効に使いたいところで、その意味でも松山空港は大きな存在となっているのです。
今回は台湾を代表する航空会社、チャイナエアライン、しかも奮発し、ビジネスクラスを利用させて頂きました。…とは言え、チャイナエアラインのビジネスクラスは安く乗れる事で有名なのです。今回、航空券を探している時に、エコノミークラスで東京(羽田)~台北(松山)間、往復2~3万円前後のチケットが多く出てきていたのですが、安いものが売り切れてしまって、結局は4~5万円のチケットしか残っていない状態でした。そんな時に、ビジネスクラスの料金を見てみると、安いもので58000円というものが出てきたのです(勿論、往復です)。単純に考えて、先程の料金に+1万円程で、往復共にビジネスクラスを楽しめてしまうのですから、これは利用しない手は無いと考えました。航空券の値段設定というのは複雑で、常にエコノミークラスとの差額が1万円前後というわけではないのですが、この時はタイミングが良かったのでしょう。一気に旅へのテンションも上がってしまいますよね。
ビジネスクラス利用者は、空港のラウンジ(左上写真参照)も使う事が出来ます。ただ、台湾での滞在時間を多めにとれるような便設定にしたので、今回の羽田空港は7:20発の便を選ばさせて頂き、あまりラウンジでゆっくり…というわけにはいきませんでした。羽田空港発としても、かなり朝が早めの便ですが、これも羽田空港だから出来る事です(成田空港では、そんな時間に空港に着けません…笑)。ラウンジから東京の朝日を拝みつつ、ちょっとハイソな気分に浸りながら(笑)、ビジネスクラスのお客となったのでした。
チャイナエアラインのビジネスクラスは安め…と書きましたが、だからと言ってサービスまで安い感じものではななく、そのグレードはむしろ高いものです…。座席のリクライニング角度も深く、席同士のプライベート感も大きく、食事だって豪華です。今回乗った飛行機は、中距離用に使われているA330-300という機種なので、ビジネスクラスもこれで“中・短距離用”の設定なわけですが、いやいや、それでも十分豪華ですね。朝早く起きて乗っている身としては、この設備は有難く、台湾での旅をフレキシブルに動ける為にも、機内で寛げる状況…というのは非常に重要だったりするのです。
…美味しい機内食を堪能しつつ、大きなモニターで映画を鑑賞していると、台北までは本当にあっという間です。タイムテーブル上では4時間ですが、実際の飛行は3時間20分ぐらいという感じでしょう。台北には、現地時間で朝の10:15に着くスケジュールでしたが、これは現地で泊まっていたとしても、観光に繰り出すのがこれくらいの時間だったりするので(笑)、この便を使えば、旅の初日もフルに動ける事同然です。台北到着時は雨が降っていて、この先の旅計画をどうしようかと考えましたが、この時間なら慌てずに、ゆっくりと考えられます。旅先では、常に余裕を持つ事が大切です。その意味では、この時間に着くフライトというのは、値段以上に大きな余力を与えてくれているような、そんな気がしたものでした。
ひとまず、台北駅前に予約したホテルまで出向き、大きな荷物を置いてきてしまいましょう。恐らくタクシーで行くのが一番早いでしょうが、せっかくなので、2009年にここまで伸びてきたMRT(台北市の地下鉄みたいな存在です)を使って、今後の計画を練る時間も設けつつ、ゆっくりと動きたいと思います。まだまだ時間はあるのですから♪
●台湾新幹線で、高雄(カオシュン)へ
ホテルは台北駅前にとって大正解でした。荷物を置き、身軽な格好になって外に出ると、既に台湾の交通の要衝にいるのですから、色々な選択肢をとる事が出来ます。…という事で、どうも台北の天気が雨でパッとしないので、早速新幹線に乗って、台湾第2の都市、高雄まで出向いてしまう事に決めました。高雄の天気は曇りとの事で、これなら外を歩いても問題無さそうです。新幹線も初めてですし、高雄という街も初めて…。これは楽しくなる事、間違い無しです♪
台北駅の駅舎は本当に立派で、これぞ台湾の代表する駅!…と自信を持って言えそうな雰囲気を持っていますが、外観だけではなく内部も充実していて、最近では地下街も発達してきているようで、この駅周辺に全ての機能を集約させた感はありますね。外からは電車が見えないのは、この区間は全ての鉄道が地下化されている為でもあり、チケット売り場などは地上にありますが(地下にも勿論ありますが)、改札は地下に存在しています。
これから乗る台湾新幹線も、当然の如く地下から発車します。こちらは切符売り場は基本的に地下に集約されていて、ほぼ日本と同じ感覚で切符が買えるので、日本人には分かりやすい販売システムと言えるでしょう。…ところで、台湾新幹線、台湾新幹線…と言っていますが、こちらは愛称に近く、正しくは台湾高速鉄道と呼ばれるものです。略してなのか、駅では“高鐵”と表示されており、台北駅では、こちらの表示に向かって歩いていけば間違い無く辿り着けます。…とは言え、現地の人でも“台湾新幹線”と呼んでいたりするらしいのですが(笑)、ここでは現地に倣い、“高鐵”と呼ばせて頂きましょう。
高雄駅(高鐵では“左營(ズゥオイン)駅”になります)までは、指定席利用でNT$1490。日本円に直すと、NT$1(ニュー台湾ドル)が約2,7円(2012年2月時)なので、約4000円という計算になります。これは、約1時間半乗っている状況からすると、日本より遥かに安い値段設定ですよね(ちなみに、同じくらいの時間を乗っている思われる、東京駅~名古屋駅間では約1万円くらいです)。自由席利用だと、更にNT$45(約120円)程安くなりますが、ここは指定席利用で良いでしょう。…とは言え、台北駅は始発駅なので、早めに向かえば大体は座れるとは思いますが…。
…というわけで、高鐵車両に乗り込みました!…見て分かる人には分かるかもしれませんが、高鐵の車両は、日本の新幹線、700系をベースにしており、その各部に共通点を見出す事が出来ます(高鐵の車両は、700T型といいます)。外観は、正面や塗装には台湾独特のアレンジが施してあるものの、車内の雰囲気は、日本の新幹線そのままな感じでしょう。これは、実際に日本の新幹線技術(JR東海、JR西日本)を車両開発に導入した為で、それが“台湾新幹線”と呼ばれている所以でもあります。しかし、全てが日本の技術かというと、そうでもなくて、当初は欧州システムの技術を使用する事になっていた経緯もあったので、線路や運行システムも含めて考えると、日欧混合によって成り立っていると言える路線になっています。
難しい話しは抜きにして、日本から離れて台湾に来て、日本の新幹線をベースにした車両が活躍しているというのは嬉しい限りです。また、在来線とは完璧に独立した路線である事や、全体的な雰囲気も相まって、乗っていてもやはり、日本の新幹線風な安心感があるような印象を受けました。これは、同じ、日本の新幹線の車両技術を導入した中国の車両に乗った時〔立川商店、中国、泰山ツアー(2010.9.3~9.7)参照〕とは、だいぶ違う感じでしたね。日本人だからこその感想かもしれませんが…。
列車は、台北駅を出ても暫くは地下を走り、隣りの板橋(バンチャオ)駅という、これまた自宅の近くの地名のような名前に親近感を覚える駅(笑)を過ぎ、やっと地上に出ます。この時点で既にスピードは上がっており、みるみる内に建物が後方に流れていきます。高鐵の最高速度は時速300km/時。日本の700系は285km/時だったので、これは流石ですね(日本では700系列では、後に登場したN700系で時速300km/時を達成しています)。
あまりにスピードが速いので、ゆっくりと景色を眺めてる余裕がありません。最初は、初めて乗る路線ですし、じっくり見てやろう…と思っていたのですが、徐々に目が疲れてきてしまいました。朝に東海道新幹線に乗っている時と、同じような感覚とでも言いましょうか(笑)。…とは言え、途中の台中(タイジョン)駅や台南(タイナン)駅は停車したので確認出来ましたし、南に下るにつれて、亜熱帯から熱帯気候になっていく雰囲気も何となく感じ取れたのは、日本では経験出来ない収穫だったと思います。
…そうこうしているうちに、台北駅を出発してから約1時間半、終点の左榮駅に着きました。高雄市へは、ここから在来線や地下鉄で向かう事になります。東海道新幹線の新大阪駅みたいな位置関係と言えば、分かりやすいでしょうか。ここまで、高鐵が完成するまでは、台北から特急列車でも約4時間は掛かっていたので、やはり高鐵の影響は計り知れなさそうです。高雄が台湾から日帰り圏内になった事も頷けるというものです。…そして、この高鐵の乗りやすさが安心感に繋がっているとも言え、日帰りが“気軽に”…になった事が、一番大きいような気がしました。それは、日本の新幹線が開通した時と似ているのではないかと思うと、台湾に新幹線技術を提供した国出身の者として、とても嬉しく思うのです。
まだまだ続きます!
お店での本番前の流れというのは、通常“逆リハ”と言って、本番のバンド順を逆にして、会場でリハーサルが行われるのですが、この時から既に自分達は楽しかったのです。…と言うのは、ETHNIC MINORITY もカルメラも、どちらも自分達が本当に好きなバンドで(だからこそ今回のイベントに呼んでいるわけですが…笑)、リハーサルとは言え、音を出している時点で既に格好良く思ってしまい、一気にテンションが上がってしまいます。それはサックスの藤田君も、本番前にビールを注文してしまうというものです(笑)。
そして、本番前になり、会場には続々とお客さんが入ってきました。この日の1バンド目には ETHNIC MINORITY にお願いしていましたが、この時点で既に満員御礼という感じの会場です。本来ならば自分もお客さんとして見たいのですが、ここは大人らしく(笑)、後ろで見守っている事にしましょう(笑)。
ETHNIC MINORITY とは、以前、吉祥寺 Star Pine's Cafe で対バンをした時〔TRI4TH Live@吉祥寺 Star Pines Cafe 参照〕に、あまりにもそのステージが格好良く、ライブ後に早速ナンパをし(笑)、そしてこの日のイベントに至るわけですが、あれからそんなに時間は経っていないものの、更にそのステージは勢いが増している感じがありました…。3人編成と小振りながら、サウンド・エフェクター等を駆使して、オリジナリティ溢れる音楽を作り出していっています。元々、ストリート演奏を活動の主軸としており、そのライブの実力はもはや折り紙付きと言っても良いでしょう。ライブの頭から既に会場はヒートアップしていましたが、それを更に演奏のみで湧き立てていき、その秘めたる力は凄いものでした。そして、今回のイベントの1番バッターとしても、強烈なインパクトを残してくれていったように思います。
そして2番手は、自分達の関西ツアー〔TRI4TH 関西ツアー(2012.5.3~5.6)参照〕でもお世話になった、御存知カルメラです。なんと、このライブの直前にストリート演奏をしながら、この渋谷の街を練り歩いてきたらしく、あまりにも突然の事だったので自分は見られなかったのですが、その行動力たるや、流石としか言いようがありませんでした。きちんとファンも掴んでいますし、そのパフォーマンスの奥深さは、いつ見ても感動の域に達するものです。
この時ばかりは、自分も迫力ある写真を撮りたいが為、客席の前の方に頑張って迫り出していきましたが、カルメラの演奏は本当に勢いがあるのです…。こちらも力を抜くわけにはいかず、とにかく気力で写真を撮っていきました(笑)。また、この勢いというのは、お客さんとの一体感が何よりも感じられるからだとも思いました。カルメラから投げ掛ければ、必ずお客さんが応えてくれ、そして更にカルメラが演奏で投げ掛け…と、お互いにテンションを上げていっているのです。それこそがカルメラの強みであり、お客さんも本当に楽しんでいる様子が、客席の前に行ったからこそ分かりました。勿論、ここでも大盛り上がりです。最後まで見たかったのは山々でしたが、そろそろ TRI4TH ステージの準備をしなければなりません…。泣く泣く?楽屋へと向かったものでした。
そして今回の楽屋は特別でした。…と言うのは、今回のライブから、次回発売のCDアルバムを意識したスタイルにしていったからです。特に重要だったのは衣装で、左下写真を見て貰えれば明らかですが、フォーマル・スタイルだった以前とは全く異なる雰囲気の出で立ちになっているのが分かります(あ、織田君はあまり変わっていません…笑)。
ロング・コートの藤田君や、ガウンを着た関谷君、そしてタカオさんは、上半身こそあまり変わっていませんが、下はハーフパンツで攻めていってます。そして自分は…と言うと、ここで今まで個人的に経験の無かった“眼鏡スタイル”になってしまいました!…勿論、伊達眼鏡ですが、普段から眼鏡を掛けないというのに、今回からはライブで掛けていくのが TRI4TH ライブの基本となります。恐らく、眼鏡を掛けてライブなんて、人生で初めての出来事でしたが、TRI4TH でのライブは、こういった挑戦も大事…。とにかく楽しくやっていこうと、心に決めました。
そして始まった TRI4TH ライブ。衣装が変わると、ステージにメンバーの5人が立つだけで、だいぶ雰囲気が違って見えるものですね。演奏に関しても、何か今までとは異なったアプローチをしてやりたくなる気持ちが芽生えてきたりして(笑)、何だか不思議な気分でした。そして、この時点で更に、何だか面白いライブになりそうだと確信をしたものです。
この日は、メンバーはよく動きました。自分はまだ良いのですが、藤田君や関谷君は、どちらかと言うと冬服的な衣装なので大変そうです。…とは言え、自分も既に2~3曲で驚異的な汗だくになってきており、眼鏡は曇る…というのも、この時に初めて経験しました(笑)。…あれ、意外と慣れてきているのかもしれません(笑)。
自分達も動けば、お客さんも動きます!…今回は、基本的にはアゲアゲな演奏で進めていっており、会場もかなり盛り上がっていました。…だからこそ、尋常ではない汗だくっぷりだったわけですが(笑)、そんな中、バラード曲とも言える“Circle”を演奏した瞬間に、また会場は違う雰囲気に変わりました。先程まで騒いでいた状況が一変、シーンと会場一点を見つめ出していたのです。…もしかしたら、これが TRI4TH の魅力なのかもしれません。人間臭いステージ…と言うと変な表現かもしれませんが、緩急の付け所が良い感じに働いていたように思うのです。不器用ながらも、喜怒哀楽を表そうとする姿は説得力があり、それが今回の雰囲気に繋がっていったのかもしれません。良い時間を過ごせたと思いました。
そして、やってきました。恒例(…と言って良いのか…笑)のソレソレ祭り♪…これは先月のライブ〔JABBERLOOP×TRI4TH 参照〕で初披露の件でしたが(勿論、この時点でパクっているのですが…笑)、更に織田式と言いますか(笑)、扇子を持ち、身体を大きく揺らしつつ、その祭りを進めていっています。とにかく声を大きく、皆と一体感を目指していきました。恐らくこの時、メンバー全員がマイクを持っていた事でしょう。何だか楽しい時間なのですから♪
そして本編が終わり、そのままアンコールへと突入です。曲はお馴染みの“Hammer Head”でしたが、ここで ETHNIC MINORITY の横田寛之君、そしてカルメラのホーン隊の皆さんにも加わって頂きましょう。ステージ上には計10人がいた事になりましたが(笑)、このイベントの締め括りに相応しい光景でもありました。もう皆、弾きまくり、喋りまくり?で、この日一番の盛り上がりを見せていたと思います。そして、よく見ると、カルメラのリズム隊のメンバーも客席の前の方に出てきてて、一緒になって盛り上がっているではありませんか!…これこそが正に一体感。素晴らしい時間でした。
これにて、今回のイベントは終了しました。しかし、この感覚というのは何でしょう。まだまだ続いていく感じがしてしまいます(笑)。ETHNIC MINORITY もカルメラも、本当にありがとうございました。盛り上がった事は勿論ですが、今後もまた続けられそうと思えた事が、何よりの収穫だったように思えます。そして Vol.2、Vol.3 と数を重ねていって、またこのメンバーでやる時が来たら、本当に嬉しい事ですよね。…それまで、個々のスキルアップを目指し、更に遣り甲斐のあるライブを実現したいものです!
…どうもお疲れ様でした。とても楽しい1日でした!…最後になりましたが、お越し下さった皆様、ありがとうございました!
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com/
☆カルメラのHP…http://www.calmera.jp/
☆ETHNIC MINORITY のHP…http://www.gauchedavinci.com/ethnicminority/
☆渋谷 Plug のHP…http://www.shibuya-plug.tv/

5月16日(木)