日本中を震撼させた3月11日(金)の東日本大震災〔東北地方太平洋沖地震参照〕。今回の amin さんの中国ツアーは、その次の日である3月12日(土)から始まりました。その地震の事の甚大さに、誰もが“中止”の2文字が頭を過ったものでしたが、幸いな事にも出発でき、そして中国(しかも地方都市)でライブを行ったという事は“事実”として記録される事になりました。
ただ、当初は5ヶ所を土地を回り、10日後の21日(月・祝)に帰国という事になっていたものの、対外的な活動を自粛するという外務省の方針が14日(月)に出てしまい、今回の演奏は1ヶ所のみに留まり、次の日の15日(火)には日本に帰らざるを得なくなってしまったのですが、この5日間は、個人的にも本当に激動の5日間であったと言えます。中国滞在時は常に、日本の現状と隣り合わせになりながらの日々を過ごしていましたが、滞在先の中国では本当に自分達を歓迎してくれて、地震に対する心遣いも強く感じられました…。まさかのタイミングで、大地震と重なってしまった中国ツアーでしたが、より、日本と中国との結び付きの深さを考えさせられたツアーでもありました。
地震直後の事だったので、振り返るのも酷ではありますが、ここでは大切な“記録”という意味も含めて、出来るだけ当時の視点で、中国ツアーでの出来事を書かせて頂きます。改めまして、東日本大震災で被災された方に、心からお見舞い申し上げます。また、1日も早い復興を心から願うばかりです。
3月12日(1日目)
『今回の中国ツアーですが、予定通り実行します。』…こうしたメールが自分に届いたのは、地震当日の夜20:30頃…。そこには迷いは感じられず、自分も「ああ、行くんだな」…と、素直に思ったものでした。同時に、既に頭の中は、どうやって空港まで行くか…という考えに切り替わっていました。
今回、中国へ行く飛行機は、羽田空港9:25発の上海行きの便となっていて、当日の羽田空港へは7:30に集合というものでした。結構早めな集合とも言えますが、普段なら問題無く、自宅から時間通りに着ける範囲でもあります。しかし、今回はそうはいきません。そもそも電車でしか向かう事が出来ない自分なのに、メールが来た時点で、東京の全ての鉄道は運転を見合わせていたからです。
これは様子を見るしかありませんでしたが、22:30を過ぎた辺りから、地下鉄や私鉄各線を中心に、徐々に運転が再開された情報を掴む事が出来ました。よし!…と思ったのも束の間、結局JRは運転再開をする事無く、12日を迎えてしまう事になります。そして、その日の朝3:00ぐらいに出された発表では、JR山手線は朝8:00頃から運転を開始する…というものでした。
…これは困りました。自宅から羽田空港に向かうには、品川からの京浜急行と、浜松町からの東京モノレールを使う手段があるのですが、そられに乗るには、どうしても山手線が必須になるのです。他のJRの路線も似たような感じで、そもそも、自宅の最寄りの路線である東武東上線の動きも微妙なところではありました。
そんな時、鉄道会社を色々調べてみると、都営地下鉄が全線で営業を再開しているとの情報が出ているではないですか。実は自分の家は、都営三田線の駅にも遠くない場所にあるので、これを使って三田駅、そして都営浅草線に乗り換えると、大門駅まで行く事が出来るのです(泉岳寺駅まで行って、京浜急行にも乗り換えられますが、この時点で、泉岳寺駅~品川間は運転見合わせの措置が取られていました)。大門駅は、浜松町駅とほぼ同じ場所の駅なので、そのまま東京モノレールに乗り継ぐ事が出来るわけです。流石に間引き運転にはなっていましたが、自宅も早めに、朝5:00には出ておきました。
まだ暗い中、左上写真の高島平駅から自分は出発…。都営三田線は意外にも普段通りの感じで運転されていて、若干呆気にとられましたが(笑)、途中、やはり余震と思われる地震が何回かあって、駅に何分か停止しては発車していく…という繰り返しで走行していきました。乗り換えの三田駅では、都営浅草線を約30分も待たされる羽目になりましたが(間引き運転且つ、電車待ち中にも緊急地震速報が流れた為)、無事に東京モノレールにも乗り換えられ、羽田空港には何と、待ち合わせ時間ぴったりの7:30に到着する事が出来たのです。自宅からは約2時間半の道のりでしたが(普段なら1時間強で着けます)、まず無事に着けた事に、自分は1人感激してしまったものでした(笑)。
しかしその感激は、羽田空港ターミナル内で夜を明かした人を何人も目の当たりにして、一気に現実に目を向けさせられました。成程、確かに羽田空港に前日に飛行機で着いた人は、そこからの交通手段の無さに愕然とした事でしょう。ここは国際線ターミナルなので、そういった外国人旅行者の姿も多く見かけました。
そして、今回のツアー・メンバーの皆さんですが、既に無事全員が到着していました。殆どの方が車だった理由もありますが、本当に凄い事だと思います。今回のツアーの、自分以外の唯一の楽器担当者である、ギターの関淳二郎さん、そしてボーカルに、河口恭吾さんと城南波さん、更にはそのスタッフの方々…。
amin さんですが、何日か前から既に中国入りをしており、この時、日本の地震の安否を気掛かりにしつつ、現地の空港で待っているとの事でした。後から聞くと、こちらからの「全員飛行機のチェック・インを無事終えました」のメールで、熱いものを感じたのだそうです(笑)。
確かに考えると、成田空港ではなく、羽田空港出発にしておいて本当に正解でした。成田空港は前日は殆ど空港閉鎖状態になっていましたし(羽田空港は意外にも復旧が早かったのです)、そもそも成田空港に行く交通手段が殆ど無い状態の日でもありました。また、羽田空港に至っても朝9:00より前に出発する国際線は全便がキャンセルされており、自分達が乗る便は9:25発のせいかキャンセルを免れていて、今回の出発は奇跡の連続だった言っても過言では無いのかもしれません。そして、こんな与えられたチャンスを無駄には出来ない…という思いも新たに、日本と中国の、音楽をもって懸け橋役となる責任を、改めて強く感じてきたのでした。
…今回、上海までお世話になる飛行機は、日本の翼、日本航空(以下JAL)です。より日本代表…という感覚が強くなってきてしまったのは考え過ぎでしょうか…。JALは現在、経営の再建中ですが、こんな時、なんて日の丸が逞しく見える事やら…。やはり、日本を代表する航空会社という事に変わりは無さそうです。
飛行機は30~40分ぐらい遅れて出発しました。空席もチラホラあったので、恐らく乗客を出来るだけ待っていたものの、やはり来れなかった人も何人かいた…という状況だったのかもしれません。本当に自分達は幸いでした。…さて、これで日本とはしばしのお別れとなるわけで、いつもの国内線のように、羽田空港を離陸して東京の地を見ながらの旋回も、今回は凄く特別な情景のようにも思えてきました。…そして、チラッと窓の外に見えた富士山の美しい事…。自分はやはり…、日本という国が好きなようです。
機内では、いつものように機内アナウンスが行われ、いつものようにドリンク、軽食がサーブされていきました。あまりに普段過ぎて、前日のあの大きな地震が嘘だったように思えてしまいますが、乗客にこう感じさせる事は、並大抵の事では無いでしょう。“いつものように”…というのが、如何に恵まれた事かが分かるというものです。JALのサービスの底力を改めて感じさせてくれましたね。見た目的にも、機内食…というより軽食…という感じでしたが、3時間程で着いてしまう上海行きの便なんて、これで十分です。むしろ、日本の誇りを感じさせる内容のものにも見えてくるのですから不思議です。
お腹が一杯になると、何だか眠くなってきてしまいました。そう言えば、昨日から自分は一睡もしていなかったのでした…。初日の朝が早いので、そのまま前日から寝ないでおこうと、最初から決めていた部分もありますが(笑)、一番の理由は、無事に飛行機に乗れるのか…という思いが先行し、寝てる場合では無い!…と思っていたのが大きかったでしょう。そして、やっと身を任せられる状態に落ち着いたわけです。…ここは素直に、今の内に眠っておきましょう。この後は本当に、激動のツアーが待っているのですから…。
まだまだ続きます!
誕生日…という事は、昨年に引き続きプレゼントを考えなければいけませんが、前回自分が差し上げた“オタマトーン”…のミニ・バージョン、“オタマトーン・メロディ”(右上写真参照)を今回のプレゼントとさせて頂きました。この楽器(楽器?)、既に11曲の挿入曲が内蔵されており、ボタンを押すごとに1音ずつ進んでいくというシステムになっているので、前回のものより遥かに演奏が簡単になっているのです(かわ島さんは、前回のも弾きこなしていましたが)。形も小さくなっているので、何かのストラップにでもして貰いたいものです(笑)。
この日はシャンパン等も振舞われつつ、お客さん方と楽しくお喋りでもしながら時間は進んでいきましたが、突然、ボーカルの海老原淳子さんという方が訪れまして、この方には昔、かわ島さんも大層お世話になったそうで、かなり面喰っていましたが、弾き語りのバースデー・ソングをプレゼントされつつ、会話にも一層花が咲いた感じになっていきました。
ただ、当のかわ島さんは緊張の連続です。汗だくです…。なかなか見れない姿に自分は大盛り上がりでしたが(笑)、Kuro では滅多に吹かない(笑)サックスを披露したり、最後には海老原さんとの3人で、セッションっぽい感じで演奏していく等、これまでにないステージが繰り広げられていったように思います。流石に、演奏後には一気に力が抜けていく感じでしたが(笑)、振り返ってみれば、一同貴重な時間を過ごせたわけで、感謝をしたいと思いますね。
ライブ後は、昨年に引き続き、お店の近くの韓国料理屋で腹ごしらえです。そして、これまた昨年に引き続き、終電を逃してしまいました(笑)。…まあ、たまには良いですかね…。どうもお疲れ様でした!
☆かわ島崇文さんのHP…home.t00.itscom.net/smooth/
☆赤坂 Kuro のHP…www.livebar-kuro.jp/
お互いに初めてのお店もあるので、リハーサルこそ手探りの感じで音を合わせていったものでしたが、本番になると、やはり慣れた自分達です。そもそも、出音に対する即興的なアプローチが最近の自分達の傾向で、こうなると今までの練習というより、その時の呼吸感と言うか、今の状況を素直に音に出来るか…とか、そういった内容が重要視されるのです。
しかも今回は演奏時間が50分と、いつもより長めに用意されています。曲も全部で8曲程用意し、“Seasons Of Love”や“ヨイトマケの唄”等、自分達にとってのスタンダード曲と言っても良い(笑)曲から、エディット・ピアフものの“バラ色の人生”、“アコーディオン弾き”、そして即興的な演奏を全面に出した“Besame Mucho”、“Honeysuckle Rose”等、それはバラエティに富んだステージを展開させていきました。…そして、これらは大急ぎで演奏したわけではなく、ゆっくり…、そしてじっくりと進めていったのが良かったのかもしれません。十分見応えのある内容でしたし、自分的にも遣り甲斐のある演奏だったと思えたからです。
そして、ステージ中には藤本さんも呼び込み、鹿嶋さんとのデュエットも実現しました。曲はこれまた珍しく、かまやつひろしの“No No Boy”と、相当攻めた選曲です(笑)。ただ、この曲がこの2人の歌にはとてもよく似合っていて、一気にライブハウスの雰囲気が変わったのを覚えています。曲の持つ魅力も勿論、ボーカリスト2人との合わせ技の、とても良い空間での演奏でした。正にタイトル通り、台風の目のような曲になったではないですか…(笑)。
自分達は、オープニング・アクトの方を除くと3組中1バンド目の出演で、時間的に20:00頃にはもう演奏は終わってしまいました。そしてゆっくりと、この後に出てくる方の演奏を、お酒でも飲みつつ見ていたわけですが(笑)、次に出演した佐藤歩さん然り、ラストの藤本大祐さん然り、思わず見入ってしまう、本当に魅力的な演奏でした。最後まで楽しく過ごせ、とても気持ちの良い時間を体験出来たと思います。来月には無くなってしまうという Pagota ですが、こうした新たな出会いも頂けたという事で、またどこかでよろしくお願いしたいです。どうもありがとうございました!
☆鹿嶋敏行さんのブログ…blogs.yahoo.co.jp/kajimarl_to_the_world
☆藤本大祐さんのtokyo.cool.ne.jp/fujimotodaisuke/
☆秋葉原 Pagota のHP…www.will-company.jp/pagoda/top.htm
昨日は、経堂の Crazy Love にて、ボーカルの平尾由美さんとライブをやってきました。演奏メンバーは自分と、由美さんと、ベースの池田暢夫君と、ドラムの倉橋利幸の4人編成で、今年の2月に初顔合わせ〔どうやら5年越しだそうで…参照〕以来、今回が2回目のライブとなったものです。
第1回目の時点でも、お互いに知らない人はいなかったかものの、この4人で一緒にライブをやるという事は流石に初めてだったので、やはり最初の演奏はお互いの出方を探り探りでやっているような部分もありました。しかし、今回はそんな事はありません…。最初にやったインストの曲でも、いきなりウェイン・ショーターの“Footprints”を取り上げる等、結構攻めの?姿勢でステージを進めていくのです(笑)。
それは、由美さんがステージに加わって、歌入りになっても同じ事でした。また、インストの時とは違った“攻め”だとは思うのですが、特にお互いに遠慮する所も無く、素直なままに演奏出来たのではないかと思いました。
今回は、久しぶりにたっぷり3ステージやらせて頂いて、その間にもお客さんとお話したり、一緒にお酒を飲んだり…(笑)。ここ Crazy Love の醍醐味を、この日は存分に味わったような気もしました。若干、途中からは宴会のような雰囲気にもなってきてはいましたが、これもまたこのお店の楽しい魅力でもあるのです。自分も、そのままその雰囲気に乗っていく形で(笑)、それこそが最後まで楽しく演奏出来た秘訣のようにも思いました。これぞ、Crazy Love ライブの楽しみ方ではないでしょうか。
ステージの最後の方には、同じくここ Crazy Love にも何回か出演している、ボーカルの夏目路代さんとのデュエット演奏も見られまして、更にステージは盛り上がって終了を迎えました。これも、お互いに遠慮があったら難しくなってしまった事でもあります。皆で楽しく、盛り上げられる所は盛り上がっていこう…。このお店にいた全員が、そのような同じ事を思えていたからこそ、この日は成り立てていたような気もします。そしてそれは、とても大事な時間を過ごせていたのだとも思いました。
またよろしくお願いしたいです。そしてあっという間に、ここでも次回のライブが決定してしまいました(笑)。日にちは7月15日(金)になります。この日もまた楽しい1日になると良いですね。皆様、また楽しく飲みながら、音楽の夜を過ごしましょう♪
☆経堂 Crazy Love のHP…www.jazzbar-crazylove.com/
☆平尾由美さんのHP…hirawo.net/
☆池田暢夫のHP…sites.google.com/site/nobuoikedawebsite/
この日は月曜日という状況にも関わらず、沢山のお客さんにお越し頂きました。そして、それは常に楽しい雰囲気の中でステージが進められていったように思います…。曲に対する拍手や、それぞれのアドリブに対する拍手、そして掛け声等々…、目に見えて分かるような盛り上がり方は演奏者的にも嬉しく、それがまたテンションを上げる一因にもなるので、演奏者とお客さん方との相乗効果というか、正に自分達が思う理想のライブを作り上げる事が出来ました。そして、少しでもお客さん方に元気が届けられたらと思います。。
この日の新曲である“Step By Step”は、そんな思いから始まった1曲であると、説明をしていました。皆がハッピーになれる曲、何とか元気付けて貰いたい曲…。そういった素直な思いは、曲にそのまま表現されてくるのです。今だけでは無く、必ず次に繋げられる思い…・。これからも演奏していけたらと思いますね。
今回御存知の通り、少し日にち的に間が空いたライブとなってしまっていたのですが、やはりそこは皆が慣れているもので、曲(勿論、久し振りにやる曲です)を演奏し始めると、不思議と前に演奏していた頃に戻れてしまうのです。よく昔の同窓会とかで、何十年振りに会った友達と再開し、色々話していると、いつの間に自分達が学生時代の頃の感覚にされている…とも言いますが、正にそれに近い感じです。自分が参加しているバンドの中でも、ここは他には無い感覚で演奏する事が出来る…、ある意味で特殊な種類に位置するバンドでもありますよね。今後ともどうぞよろしくお願いします。これからも、それぞれのメンバーの個性に御注目下さいませ!
☆Generation Gap のHP…www.generation-gap.jp/
☆横浜 Hey-Joe のHP…www.ne.jp/asahi/hey-joe/yokohama/
沖縄での3日間の滞在を終え、今日の夜に東京に戻ってきました!…今回、那覇に降り立ったのが14日(木)の18:50頃…、そして今日16日(土)の帰りの飛行機が、那覇発16:55の便だったので、実質は2日間も居なかった計算になるわけなのですが(笑)、2回目の訪問となる阿嘉島にも行けた事ですし、思い出に残る2日間3日間になったと思いました。
今回訪れた目的の1つに、阿嘉島の Bar ヨナミネハウスの開店5周年パーティーの演奏…というものがありました。前回(…とは言え、まだたったの3ヶ月前です…)、自分が阿嘉島に訪れた際〔西仲美咲、沖縄ツアー(2011.1.11~1.15) 参照〕に演奏させて頂き、そしてお世話にもなったこのお店。こうした節目のパーティーに呼んで貰えるのというのは本当に有難く、精一杯演奏で祝わせて頂きました!
一緒に行ったフルートの西仲さんは勿論、阿嘉島出身のドラマーである和丸君、そして今回は西仲さんの知り合いの方も東京から大勢いらしていて、特別出演として、ステージ内で共演もしたりして、本当にパーティーという名に相応しい、楽しいひと時になったと思います。会場は、村の集会場のような所でしたが、本当に沢山の方に集まって頂いていました。自分達の演奏も、そんなお祝いの席の一環になっていれば幸いです。
どうもお疲れ様でした。この阿嘉島での演奏は、ツアー2日目の演奏ですが、1日目の本島でのライブも含めて、また後日ブログに書き込んでいきたいと思いますので、どうぞ楽しみにしていて下さい!
しかし、3日間なんて、あっという間でした。阿嘉島での滞在は1泊に過ぎませんでしたし。前回ですら阿嘉島は2泊でしたから、この勢いで、次回は日帰り…という予定にならないよう、頑張りたい?と思います(笑)。
●4月26日(火)渋谷 Under Deer
Open…18:00~、Start…19:00~、自分達の出番は3バンド目、21:20~
Charge…2000円(1ドリンク込み)
Membe…(Vo)彬子、(Key)竹内大輔、(B)相澤卓也、(Ds)Soki
ボーカルの彬子さんの、毎月1回必ずライブ!…の4月版(笑)ですが、今回は
場所を渋谷に移し、初めてのお店でのライブとなりました。場所は、渋谷駅と
原宿駅の中間ぐらいに位置する Under Deer というお店で、少しクラブっぽい
雰囲気もあるものの、座席が多かったり、食べ物が食べれたりと、今までとは
明らかに異なる雰囲気でライブを楽しめるのではないかと思っています。普段より
遅めの時間ともなっていますが、その分、飲食にたっぷり時間をかけて下さい(笑)!
●4月29日(金・祝)赤坂 November Eleventh
Open…17:00~、Start…18:30~
Charge…4000円ポッキリ
Member…≪立川商店≫(G)立川善久、(Vo,G)立川真明、(Ts,Cho)荒井啓太、
(B)山田直弥、(Sax)かわ島崇文、(Key)竹内大輔、(Ds)立山秋航
Special Guest…(Vo,Tp)KUWA☆MAN
ついに詳細が決まりました!…立川商店のライブ・ツアー2011!…いつの間に
復興支援ライブと銘打たれてのライブとなっていますが、この日もいつも以上に
盛り沢山でお送り出来ると思います。今回のスペシャル・ゲスト、KUWA☆MAN
さんにも注目です。恐らく、あの曲も、この曲もやるのではないかと思われます。
どうぞ楽しみにしていて下さい!…フライヤーにも要注目でございます(笑)♪
●4月30日(土)南浦和さいたま市文化センター
Oepn…9:30~、自分達の出番は2バンド目、10:30~(予定)
Charge…無料
Member…(Vn)Tsukasa、(Pf)竹内大輔、(Keys)岡ナオキ、(Perc)山下由紀子
埼玉県は南浦和駅から徒歩7分の所にある、さいたま市文化センター内にて、
『さいたま音楽の祭典、ワンデー・ミュージック・アワー』というイベントを
やる予定だったのですが、急遽内容が変更され、東日本大震災に対する
チャリティ・コンサートという形でやる事になりました。チャージも無料になり
まして、是非このコンサートで元気を少しでも分け与えられたらと思います。
選曲についても、この日の為に、少し趣向を変えてやっていく事にしました。
メンバーは、自分達2人の他に、パーカッションとキーボードの方の計4人で
行われます。出番は午前中となりますが(笑)、どうぞ足をお運び下さい!
●4月30日(土)丸の内 OAZO ○○広場
Start…12:00~、自分達の出番は3バンド目、15:00~、
Charge…無料
Member…(Vn)Tsukasa、(Pf)竹内大輔
この日は、Tsukasa さんとコンサートの梯子になりますね(笑)。午後は、
東京駅近くの丸の内 OAZO(オアゾ)の○○広場(おおひろば)にて、
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2011というイベントが行われていて、
東日本大地震復興支援という事で、色々な場所で無料でコンサートが
楽しめるようです。その中の一角で自分達も少々演奏をさせて頂いて
いるのですが、ここでは個人的に久し振りのクラシック曲を演奏します♪
曲は聴いてのお楽しみですが(笑)、これは張り切ってやっていかないと…。
以上になります。こういったイベントを行う事で、また日本に活気が戻ってくればと本気で思いますね。勿論、見に来て下さる皆さんの協力も必要になりますが、共に頑張っていけたら良いのかなとも思っています。どうぞよろしくお願いします。
そして、今日から自分は、フルートの西仲さんの沖縄ツアーに同行して参ります(本人は前日に既に沖縄入りを果たしていますが…)。こちらもスケジュールを改めて載せておきますので、また沖縄で色々な方に会えたら嬉しいですね。ライブ自体は2日間で、全行程も3日間で終えてしまうものではありますが、楽しんできたいと思います!
●西仲美咲、沖縄ツアー
・4月14日(木)那覇 Jazz Live In 寓話
Open…18:00~、Start…21:00~、2ステージ、Charge…2500円(ドリンク別)
・4月15日(金)阿嘉島(沖縄)離島振興総合センター
19:00~22:00、Charge…無料
※以上、メン:バー全て(Fl)西仲美咲、(Pf)竹内大輔、(Ds)和丸
4月15日(金)の方は、お世話になった阿嘉島の Bar ヨナミネハウスの
開店5周年を記念するライブとして、会場を総合センターに移して演奏を
行う予定です。勿論誰でも参加出来ますので、どうぞお越し下さいませ!
ベースレスの3人での演奏となりますが、これもこれで結構面白くライブが
出来るというのも判明したので(笑)、どうぞ今回もお楽しみにという感じです♪
併せて、どうぞ足をお運び下さいませ!
また、この日は西仲さんのバースデー・ライブという名目にもなっており(ちょうど当日)、昨年も行ったのは記憶に新しいですが〔西仲美咲バースデー・ライブ参照〕、今年もまた盛り上がった1日になったのは言うまでもありません。現在の東京は余震も多く起きているので、一体どれくらいのお客さんが集まるか、微妙に分からない感じでもあったのですが、蓋を開けてみれば満員に近いお客さんで埋め尽くされ、それは楽しい時間を過ごさせて頂いたと思います。西仲さんの誕生日祝いで、駆け付けて頂いた方も多いと思いますが、皆で同じ時間を共有する事が、とにかく有難く思える日でもありました。
この日は、自分と西仲さんのデュオ編成でお送りするライブとなっていましたが、お馴染みのドラムの和丸君(最近、ついに20歳になりました!)も遊びに来てくれるとの事で、これまた久し振りに、何曲か一緒に出来るな…と思いつつ、ライブをスタートさせました。
…と、最初の“てぃんさぐぬ花”こそデュオによる演奏でしたが、次の2曲目でいきなり、西仲さんは和丸君をステージに呼びあげるではないですか…。流石に呼ぶのが早過ぎないかと思いましたが(笑)、せっかく来てくれてるし、早く呼ぶ方が良いでしょ…と、西仲さんはその姿勢を崩しません。結局、この曲から2ステージの最後まで、つまりは最初の1曲目以外は全て和丸君を加えての演奏となり、ゲスト扱いだったものが、完全にメンバー扱いとしての出演となっていたような気がしました(笑)。
結果的には、カルテット編成からベースレスでの状況になって、ライブをやった…という感じになっていたわけですが、ベースがいなくなるだけで、こんなに自由度は上がるものなのか…と自分は逆に感心すらしてしまいました。ベースがいなくなると、そのベース・ライン等の担当はピアノが行うのが普通なのですが、特にやりたくない時はやらなければ良いですし、言わば自分の演奏の足し引きの加減で曲調に随分と変化が表れるので、結構面白いポジションにいるなとも思ったのです。
勿論、全てを担っているわけではないので、ピアノが主導権を握っているかと言うと、そうでは無いのですが、限りなく主導に近い所に居られたのは間違いありませんでした…。一緒に演奏する人数が少ない程、それぞれの楽器の負担は重くなると言いますが、ベースが有るのと無いのでは、ただ1人分の負担が増える以上の責任感を負った感覚はあるようです。更に深く追求しても良い事なのでは…とも思ったくらいでした。
意外にも?結構な手応えを感じられた今日のライブでしたが、今度の4月14日(木)から始まる沖縄ツアー(那覇市内と阿嘉島)では、この3人で行かせて頂きます(13日もライブがあるのですが、それは自分は行けないので、西仲さんと和丸君のデュオ・ライブになります)!…自分達のライブの日取りはは4月14(木) 、4月15日(金)の2日間のみですが、きっと濃いツアーになる事は間違い無しです。また沖縄に行って、良い刺激を沢山受けてきたいと思います。そして逆に、向こうの方々に良い刺激を与えられたら…とも思いますね。もうツアーは目の前に迫ってきていますが、頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします♪
☆西仲美咲さんのHP…misakinishinaka.com/
☆吉祥寺 Meg のHP…www.meg-jazz.com/
偶数月恒例の“鉄道さんぽ”ですが、今回はJR線の回でもあります。それこそ日本全国に路線網を広げるJR線ですが、ならば…と、先日の九州ツアーの帰りに回った路線から、1つ取り上げてみたいと思います。以前の記事で言ったように、今回はただひたすら(笑)九州内を回っていたわけですが〔更なる広がりを見せた九州ツアー 参照〕、その中で目を付けたのは、JR筑肥線という路線でした。
この路線は、JR九州管内の路線としても特徴的な一面を持っています。それは、唯一地下鉄と相互乗り入れを行っており、車両も通勤型を中心に使われているという事です。JR九州の他の車両と比べるとそれは明らかで、この路線だけ、1両に片側4扉がある車両…、つまりは東京のJR線らしい雰囲気で走っているのです(他の路線は近郊型車両が主に使われていて、それは片側3扉車となります)。
九州一の繁華街である天神、博多を通るので当然とも言えますが、この区間は乗り入れ先の地下鉄区間ともなっており、実際の筑肥線は、姪浜駅より西側の区間を指します。元々、博多駅まで単独で乗り入れていた路線ですが、1983年に福岡市の地下鉄が開業した際に、そちらと相互直通運転を行う事で、従来のルートは廃止してしまったのです。
それこそ、それまでは単線、非電化の路線でしたが、この開業を機に、筑肥線は一気に近代化路線の仲間入りを果たしました。また、唐津市周辺も、唐津市街に立ち寄るルートに変更され、更に奥に存在する山本駅~伊万里駅間の路線とは分断される事になります。その間はJR唐津線という路線で介されている状況になっているのですが、この西側の路線は単線、非電化で、正にローカル線といった風情です。つまり現在の筑肥線は2区間で、姪浜駅~唐津駅の電化区間と、山本駅~伊万里駅間の非電化区間に分かれるわけです。この2路線の雰囲気の違いは興味深く、特に非電化区間の方は、昔ながらの筑肥線を彷彿とさせてくれます。
今回は勿論どちらの区間にも乗り、その歴然とした“差”を体感してきました。また、この日はとても良い天候に恵まれ、春の訪れを感じさせた“さんぽ”になった事も(顔が若干日焼けしてしまいましたが…笑)付け加えておきましょう。それではどうぞご覧下さい!
●日時…2011年4月5日
●路線距離…68,3km
(姪浜駅~唐津駅…42.6km、山本駅~伊万里駅…25.7km)
●駅数…30駅(姪浜駅~唐津駅…19駅、山本駅~伊万里駅…11駅)
福岡市営地下鉄空港線の西端が姪浜駅で、JR筑肥線はここから西側の区間となります。殆どが地下鉄からの直通列車で、本数は半減しますが、それでも日中は1時間に片道4本程度は運転されています。地下鉄の車両も筑肥線に乗り入れており、JRの車両が赤色を基本とした塗装に対し、こちらは青色なので、明確に差が出ていて面白いです。
姪浜駅を出ると、左側に福岡市営地下鉄の車両基地を望みつつ、高架区間から降りてすぐに下山門駅に到着します。ここまではマンションや住宅街が続く区間ですが、ここを過ぎると早速、生の松原と呼ばれる松林の中を走り、右側に博多湾を望みつつトンネルへ…。ここから地図上では、博多湾の海岸と並行して走っていくのですが、意外にも海が望める区間は少なかったりします。ここはそんな数少ないビュー・ポイントで、福岡市街から断続的に続いた住宅街もここで一旦途切れるので、何となく旅情を掻き立てられる区間でもあります。
残念ながら、下り線は、海が見れたと思うとすぐにトンネルに入ってしまうので、ゆっくりと博多湾を望む事が出来ないのですが、それでも注意して車窓右側の方をみると、直前に通過してきた生の松原や、その海の対岸には、昨年のさばいばるいとうさんのツアーでも訪れた能古島〔さばいばるいとう UNIT、西日本・九州ツアー(2010.8.5~8.13)参照〕を見る事が出来ます(←まだこの記事は未完成なので、能古島まで説明出来ていませんが…笑)。
今回の“さんぽ”は、この風景が望める下山門駅~今宿駅間を、今宿駅から歩いてみました。電車で通ると一瞬ですが、その区間を歩いてみると、本当に海に近い所を走っているんだなと感じます。その距離はたった道路1本分で、改めて福岡という場所が、如何に海と身近にある土地か…、考えさせてくれる区間でもありました。
ここで、筑肥線(姪浜駅~唐津駅間)を走る車両について触れておきましょう。まず、一番よく見かけるのが、左上写真の103系1500番台という車両で、1983年の地下鉄乗り入れ開業時(同時に電化も達成)にデビューしました。この時、既に東京では203系という、地下鉄乗り入れ用の車両(JR常磐緩行線に使用)が造られていたのですが、ここでは経済性を重視し、今までの103系を一部設計を変更して投入されました。なので、系列は103系となっていますが、他の103系車両とは似ても似つかない車両で、どちらかと言うと201系や、先程の203系に近い雰囲気の車両となっています。基本的に6両編成ですが、後に中間の2両を先頭車化改造させて、3両×2編成…として走る列車も多数あります。そして、筑前前原駅以西では3両だけで走る列車もあり、需要に応じた編成が組める車両として、今でも筑肥線の電化区間の主力となっている車両となっています。
そして、1999年に登場した新しい車両が303系です。筑肥線は、福岡市営地下鉄と乗り入れを行っている関係から、JR九州の路線としては唯一直流電化の路線となっており、その為、国鉄がJRになってから造られたこの303系は、JR九州の唯一の直流専用車両ともなっています。また、乗り入れ先の地下鉄車両が、地下鉄区間はワンマン運転になっているのに対し、先程の103系はそれに対応しておらず、車掌業務となっていたのですが、この303系は地下鉄線内のワンマン運転にも対応しています。JR九州らしいモダンな装いが特徴で、まだ以前の103系が全車現役の為に、車両数は3編成に留まっていますが、今後の装備を期待したいものです(ただ、全て6両固定編成なので、3両運転が多くなる筑前前原駅以西では使い難い…といった見方もありますが…)。
さて、その筑前前原駅から、徐々に車窓風景も変わってきます。ここまでは路線も複線区間が続いており、地下鉄線の延長のような感じで、通勤路線性格が強い区間となっているのですが、ここからは単線区間となり、田園風景も目立ってくるので、郊外路線のような感じとでも言いましょうか。運転本数も、日中はここからは1時間に片道2本程度となってしまいます。
筑前前原駅を出ると、次に美咲が丘という駅がありますが、この駅のデザインはなかなか特徴的です。1995年開業と、結構新しい駅ですが、JR九州のコーポレート・カラーである赤色を纏った駅舎を採用しており、黄色の筒状の通路と相まって、非常にカラフルな雰囲気の駅となっています。左上写真のように、筑肥線の103系1500番台の車両と組み合わせると、正に合わせ技的な雰囲気を思ってしまいますよね(笑)。JR九州には、こうした試みを持った媒体が数多くあるような気がします。
そして、広大な田園風景の中を走り、筑前深江駅へ…。地下鉄の車両の乗り入れは当駅までとなり、ここより西の区間は、基本的にはJRの車両しか走りません。日中も半分以上は、103系の3両編成での運転となっています。
さて、お次の“さんぽ”は、この区間にある大入駅~福吉駅間です(福吉駅から、1駅戻る形で歩いてみました)。特にこの区間に何かあるわけではないのですが、何となく駅名の縁起が良さそうだったので、降りてみたくなったのです(笑)。勿論、期待していたような事柄は起きはしませんでしたが(笑)、ここも広大な田畑が望める区間を走っており、写真的には良いものが撮れたようにも思いました。ちなみに、これらの駅の読み方は、大入(だいにゅう)駅、福吉(ふくよし)駅です…。
さて、この先にある鹿家(しかか)駅から次の浜崎駅までは、筑肥線の中でも最も駅間の長い区間(5,2km)になるのですが、一番海が長い事望める区間でもあります。流石に距離が長いので今回は歩きませんでしたが(笑)、トンネルも断続して続くものの、海への展望は概ね良好であり、“さんぽ”をするには結構面白そうな区間だとも思いました。
今回は浜崎駅で降りて、少し鹿家駅寄りに歩いていくだけに留めましたが、その時に撮った写真はむしろ海というより、山や木々とを取り合わせた写真になりました(下写真参照)。海だけではない筑肥線…という側面を感じさせてくれると思います。
この先は虹ノ松原で有名な、その名も虹ノ松原駅を通り、線路の右手には暫く松原が続く区間が望めます。すると、意外にも線路は高架区間に入っていくのですが、これが地下鉄開業後に新たに造られたルートでもあります。以前は、この先にある松浦川を渡らず、今より少々河口付近に位置した東唐津駅を通って、スイッチバックしてこの後に説明する山本駅に至っていたのですが、現在はそのまま西に向かい、高架化された東唐津駅、そして松浦川を渡って唐津駅へと達しています。山本駅からは、北に延びるようにJR唐津線が走っているので、山本駅に行けなくはないのですが、一旦唐津駅を通らざるを得ない路線配置となりました。
…と言うように、前述通り、この唐津線を介して、筑肥線は唐津駅より東側と、山本駅より西側の路線の分断されてしまうのですが、現在の山本駅より西側の筑肥線は、博多駅からの延長というより、唐津線の支線のような扱いに等しく、列車も日中は1両編成のディーゼルカーが1~2時間に1本が走る程度で、地元の人もあまり“筑肥線”とは呼んでいません(伊万里線…とか呼ばれています)。それでは今度は、山本駅より西側の筑肥線を見ていく事にしましょう。ちなみに、唐津駅より東側の筑肥線は、この先、唐津線の西唐津駅まで乗り入れていますが、これは線区が別になるので、唐津線を“さんぽ”した時にでも(いつ実現するかは不透明ですが…笑)取り上げていければと思います。
いきなり山本駅には行けないので、先程の唐津駅からJR唐津線で向かう事になりますが、筑肥線への列車も、唐津や西唐津駅から直接出ているので、利便性は悪くはありません。山本駅は唐津駅から2つ目で、以前の状態ならば、ここで改めて左側から博多からの筑肥線が合流してから当駅に至ったわけですが、今は、Y字に分かれるだけの駅となってしまいました。それでも、言わばジャンクションと呼ばれる駅ではあるのですが、唐津線も1時間に1本程度の路線なので、駅の規模は小さく、無人駅でもあります。それでも、これから訪れる筑肥線の駅よりは、遥かに立派な駅構内だったのですが…(笑)。
さて、筑肥線の伊万里駅行きディーゼルカーは1両編成で、乗客も10人程という状態でした。これがいわゆる“日常”なのだと思いますが、路線風景の雰囲気からしても、明らかにローカル情緒が漂っています。先程の姪浜駅付近の筑肥線とは別路線のようだと、早速嫌でも思ってしまいます…。
山本駅を出ると、暫く唐津線と並行し、お互い単線の路線なのですが、一種複線の路線のようにも思える風景が続きます。途中の本牟田部駅は唐津線だけに存在し、何事も無かったかのように筑肥線は通過、そして唐津線をオーバー・クロスし、やがて唐津線を左に見ながら二手に分かれていきます。このオーバークロスに、かつて山本駅手前で旧路線と合流していた名残が見れるかなと思います。今のような状態ですと、山本駅を出てすぐに筑肥線は右側に出た方が効率が良いように思えるからです。わざわざ左側からオーバークロスして右側に出るのは、以前の筑肥線と唐津線の両線が干渉しないように造られたからではないでしょうか…。現在はY字に分かれるので、あまり機能しているとは言えませんが、X字にクロスしている時は、意味のある分岐の仕方のようにも思えるわけです。
そんな事を思いながらも、1つ1つの駅に停まっていきますが、殆どの駅で乗客の出入りはありません。線内唯一の列車行き違い可能駅である大川野駅で、少しの入れ替えがあったくらいで、後は皆、終点の伊万里駅まで乗るか、途中から2,3人、やはり伊万里駅まで向かう人が乗ってくるか…ぐらいでした。そもそも絶対数が少ないので、これで乗客の流れを把握するのには早過ぎる判断だとは思いますが…。
筑肥線の非電化区間の主力となっている車両は、上写真のキハ125形で、日中は1両編成での運転が基本となっています。この車両で1~2時間に1本の運転ですから、輸送力は少な目…という事になってしまいますが、そもそもお客さんが今回乗った時も10人くらいだったので、これでもむしろ足り過ぎてしまうわけですね…。ローカル線の事情というも、なかなか厳しいものがあるようです。
その分、車内は喉かそのもので、唐津駅~伊万里駅間をを乗り通すと約1時間という感じなのですが、お昼過ぎに乗っていた状況もあるのか、かなりのんびりとした時間を過ごす事が出来てしまいました。沿線中にも、これといった観光地があるわけでもないので、先程も言ったように、この線を支配しているのは“日常”そのものなのです。しかし、それが何とも言えない旅情を生み出しているようにも思え、そのまま路線の魅力にも繋がっている事にも気付かされますね。
この事は、この後“さんぽ”した、肥前長野駅~桃川駅間の風景を見ながら、改めて感じた事でもありました。今にも朽ち果ててしまいそうな駅舎や、日本の原風景のような状況の中を走る、1両の鮮やかなディーセルカー…。それは、昔ながらの光景に溶け込んだ、正に現代の車両であり、その共存が上手く成り立っているようにも思ったのです。他に見るべきものはなくても、こういった事が感じられるだけで十分ではないでしょうか。いつまでも続いてほしい風景のようにも思ってしまいます。
最初の筑肥線の写真と見比べると、こうも雰囲気が違うのか…という感じですが、紛れも無く同じ路線です(笑)。もしかしたら、筑肥線の本来の姿というのは、むしろ西側のこちらの路線の方なのかもしれませんね。…言ってしまえば、博多側の沿線は、近年発展し過ぎてしまったのでしょう。それだけ都会化というのは、街も雰囲気も変えてしまうものなのでしょうか…。
そんな事を考えているうちに、列車は終点の伊万里駅へと到着しました。1面1線のシンプルな構内で、列車もただ折り返すだけしか出来ません…。この先、第3セクターの松浦鉄道へと乗り換えが出来ますが、両者の駅舎は、1本の道を挟んで完全に分かれており、一種独特な風景となっています。かつては線路は繋がって(松浦鉄道は旧国鉄の路線で、JR移管後、1988年に第3セクター化されました)いたのですが、2002年に分断されました。
何となく予想はしていましたが、呆気無い終着駅到着でした(笑)。…ですが、この飾らない感じも筑肥線の魅力だと思ってしまえるのは、全線乗り通して来たこそかもしれません。今回、JR筑肥線は全てが初めて乗った路線となりましたが、1日で見終えてしまえたからこそ、沿線の変化を如実に体験出来たような気もします。関東からは流石に気軽に行ける場所でもない今回の路線ですが、色々な側面を感じられた“さんぽ”にもなりました。そして少しでも筑肥線を身近に感じられるようになったのが、今回の最大の収穫にもなったような気がします。
昨日、一昨日と、この時期の恒例の仕事でもある、学校の入学式の撮影をしてきました。学校にとっても、大変な状況でもある中での入学式だったと思いますが、無事に式は行われ、何人もの生徒を迎える事が出来ました。やはりこの時期ならではの行事なわけで、こうした時間を過ごさせる大切さは他には変えられないと、改めて思ったものでした。
1日目は、昨年も一昨年も自分が担当〔2010年度入学式撮影 1.参照〕した、自分の家からわりと近い高校での撮影でした。ここは新しめの学校で(前から学校自体はあったのですが、名前が変わって、新体制で始められているのです)、今回の入学式も第“5”回目と、正にこれからの学校と言えそうです。自分も、名前が変わってからよく担当させて頂いているので、今では毎年、訪れるのが楽しみにもなってきた気もしました(笑)。果たして、来年はどうなっている事やら…。
2日目は埼玉県にある高校で、桜もわりと見頃になってきた感じもありましたが、それよりも風の強い印象があった1日でした。生徒達が登校してくるのも大変そうでしたが、ある意味で春らしい日だったとも言えると思います。
1日目の学校でも思った事ですが、地震の影響で、どこか規模を縮小しての入学式になるのかなと思っていました。しかしそんな事は無く、むしろこれからの日本の未来を担っていく生徒達への願いが強く籠められた入学式だったと思います。それをどう捉えるかは生徒達次第ですが、自分としても、良い機会に立ち会えた瞬間でもありました。毎年、常に伺わせて頂いている入学式撮影ですが、今年は特に大きな意味を持つ撮影になった…、そんな事を思わせてくれた2日間でした。

5月16日(木)