Nautilus のリーダーであるトシさんは、自分のピアノトリオや黒船等でもお馴染みのメンバーでもあり、この Nautilus のバンド編成も、ベースの梅沢茂樹さんを加えたトリオ編成のスタイルです。しかし、リーダーが変わるとバンドのサウンドもガラリと変わります。自分は生ピアノの他にエレピも駆使し、昨年12月のライブ〔アナログシンセサイザーと Nautilus 参照〕で使用したアナログシンセも存分に加え、自分達のオリジナル・カラーを追求していきます。
また、今回のレコーディングのコンセプトとして、トシさんは「レコーディングでしか出来ない事をやりたい…」というものがありました。レコーディングは後々に編集が出来るので、その利点を生かし、アナログシンセの音も効果音的に重ねたりしていったのです。勿論これは1つの例で、他にもレコーディングならではの仕掛けを各所に盛り込みました。楽器を弾くだけとはまた違った面白さが体験出来たように思います。
ちなみに、レコーディング日程は2日間用意されましたが、小岩という場所での時間を最大限に生かすべく、小岩に皆で宿をとり、よりレコーディングに集中出来るようにしたものでした。…ただ、実はスタジオの手違いで、結局は普段通りの時間でしかスタジオに入れなかった、、、という事実もあります(笑)。しかし、1日目の中打ち上げや、ホテルでの部屋飲み等々、より密に?皆で過ごせたという時間は大きかったかもしれません。それでこそ得られた演奏の感触というのも、どこかしらあるように思います。
この2日間で録った曲数は、全部で13曲!…これは当初の予定通りで、素晴らしいペースだと思います。そして、このレコーディングが順調に進めたのも(スタジオの使用時間的には順調ではなかったのですが…笑)、事前のプリプロやトシさんの準備がしっかりしていた事に尽きるような気がします。
曲の殆どは、後から重ねる余地を残す為にクリック(メトロノーム)を使用して演奏していきましたが、このクリックが意外に曲者になる(途中でリズムが変わると、体感テンポが変わって聴こえる場合が多く、演奏しにくくなってしまうのです)場合があり、そのポイントを曲毎に事前に説明をし、そしてクリック練習も皆で事前に行ったぐらいです。…その準備は、途中で注文する夕食(出前)にも反映され、もうこのメニュー(左下写真参照)はスタジオに入る前の日から決めていたようです(笑)。
…とにかく、下準備の大事さが身に染みた2日間でした。恐らく、トシさんの頭の中には既に完成の状態が幾つか存在し、それに如何に時間内で皆で近付けるか…という手法を取っていたのかもしれません。勿論、それ以上の事を常に求めている意志もあり、これまでにやってきた準備が実を結んだ瞬間でもあったと言えましょう。そんな拘りの強い、だいぶ中身の濃い作品になるような気がします。本当にどうもお疲れ様でした。格好良いサウンドはお墨付きです!
そしてこの収録曲には、何曲かボーカル入りの曲も考えています。ボーカルの録音は後日との事でしたが、それらを加えて、そして完成系になったサウンドが個人的にも非常に楽しみです。リリース等はまだ先になるかと思いますが、どうぞお待ち下さいませ。まだまだトシさんの頭の中のサウンドは広がりを見せているようです。引き続き、Nautilus の世界をお楽しみ頂ければと思います!
☆佐々木俊之さんのブログ…http://toshi-sasaki.seesaa.net