奄美という場所は、東京からはなかなか行き辛い場所でもありました。羽田空港から直行便はあるものの、1日1便のみで、その値段は定価で片道約52000円!…1ヶ月前までに購入すると、片道1万8000円くらいにはなるものの、思い立って行くには、少々二の足を踏んでしまう場所でもありました。
しかし最近、LCC のバニラエアが成田空港から就航となりました。こちらは繁忙期を除くと、直前に購入しても片道7000円程度で、荷物を預けなかったり、席も指定しないのであれば、片道5500円からの料金が設定されています。この値段なら、ふと思い立っても「行くか!」という考えになるのではないでしょうか。
このバニラエアの存在があったこそ、今回のツアーは成り立ったと言えます。個人で企画されたツアーで大変なのは交通費の確保で、だからこそ車で移動していたりするのが常なのですが、飛行機でしか行けない場所へは、その航空券の安さが鍵となるのです。そして、そもそもが安い値段ではありましたが、今回はバニラエアに協賛という形をとって頂けました。本当に有り難い話しで、このツアーの成功に導いて下さったと言っても過言では無いでしょう。是非とも奄美線の運航を続けていってほしいものです。
奄美に足を運ばせると、島の至る所に今回のライブのチラシが貼ってあるのを発見する事が出来ました。楽器屋は勿論の事ですが、TSUTAYA にもありましたし、居酒屋、そしてファミレスのジョイフルにも貼ってありました。そして、到着した当日に、黒船メンバー全員で、地元の新聞社の取材2件と、ラジオの出演を果たし、更なる宣伝効果を狙っていったのでした。そして、やはりアンナさんの情報は島中に知れ渡っており、今回のライブへの期待感が高まります。
ライブ前には、少々の観光もしておきました。上の写真は、黒潮の森マングローブパークという場所で、展望台からはマングローブ原生林が見渡せ、奄美にいる事を実感させられた場所でもありました。天気が良くないせいもありましたが、服装を見ても分かる通り、予想より暖かい気候ではなく(笑)、自分もダウンジャケット着用の日々でした。まあ、東京に帰ったら、更に寒い気候が待ち構えていたのですが…(笑)。
…本番は、とにかく盛り上がりました。今回は、1部、2部の入れ替え制としていましたが、1ステージの長さは約90分と、いわゆる1回のライブ分のステージをお送りしました。つまりは1日で2日分ぐらいの演奏量を行ったような気はしましたが(笑)、セットリストもステージ毎に変え、通しで見られたお客さんにも配慮した形とさせて頂きました。また、ステージの途中にはアンナさんの三線弾き語りのソロ演奏も盛り込み、奄美らしい風土と空気を感じさせる時間になったのではないかと思います。
とにかく、これぞ感無量…という言葉が一番似合う1日でした。1ステージ目では立ち見も多くあり、2ステージ目のお客さんと合わせると、のべ190人ぐらいのお客さんにお越し頂いたのだとか!…まだまだ無名の黒船というバンドに、ここまで沢山のお客さんに見て頂けるとは、流石はアンナさんと言いますか(笑)、本当に貴重な体験をさせて頂いたと思いました。全ての人に感謝の気持ちで一杯です!
今回のツアーでは、あまり海を見れる機会が無かったのですが、最終日の空港に向かっている途中で、少し海を眺める事が出来ました。非常に穏やかな海で、自分達の旅路を優しく包んでくれるような、そんな光景がありました。実際、奄美の方達も温かく、何だか色々な方にお世話になった気がします。そして、旅先での新たな出会いもまた大切にしていきたいです。
まずは、福岡から続いた黒船のCD発売記念ツアーが、大成功に終われた事に感謝です。そしてこれらの経験は、きっと次回作に生かされる事でしょう。島唄を黒船風にアレンジした楽曲を本場の奄美で披露した事により、確かな手応えを感じ、確かな自信を得られたと思います。次はどんな作品を仕上げていきましょう。恐らくまた、誰もが聴いた事の無いような手法で、様々な場所で演奏機会を設けたいと思います。どうもありがとうございました!…このツアーの模様も勿論、後々にツアー日記として書かせて頂きますので、どうぞ楽しみにお待ち下さいませ。
☆黒船のHP…http://www.peaceofcake.net/kurofune/