それは、出演メンバー全員でキャップを被ってステージに上がり(右上写真参照)…ではなく(間違いでは無いですが…笑)、アナログシンセを使ってステージに臨んだ事でした。アナログシンセサイザーは、左上写真の右上に写っているキーボードですが、トシさんにこれをお借りしまして、既存のエレピと併用して演奏していったのでした。
そもそも、2台同時にキーボードを使って演奏するのは自分にとっては珍しく、あるとしてもポップス系の曲が殆どで、専らストリングスやブラス等の音色を使って演奏する事が多かったと思います。故に、今回のようにインストバンドで、そしてアナログシンセの音色を駆使して曲のメインのメロディを奏でる…というのは、ほぼ初めての経験に等しかったように思います。
見た目はエレピとそう変わらないですし、鍵盤楽器なので生ピアノと同じじゃないかと思われるかもしれませんが、自分にとっては全く異なる楽器で、弾き方も違いますし、何より弾いた時に感じる音の理解がまだ自分には経験が足りていません…。しかし、トシさん自身のオリジナル曲を作った時には、もう既に頭の中にはその音色が鳴っていたらしく、音色も選んで貰った事もあり、今回頑張って挑戦してみたのでした…。新曲自体は少なかったものの、アナログシンセを使ってメロディを弾くのは、これまでに無く新鮮で、またゼロから曲に立ち向かっていくようなものでした。特に Nautilus のステージは、基本的に曲と曲を繋げて、ぶっ通しで1ステージ行うスタイルを取っており、音の切り替えも迅速に行わなければなりません。また、細かいですが、ただ音色を変えるだけでなく、鍵盤数の少ないこの楽器では、オクターブの調整も考慮しなければならず、更に音色によって音量の強さもマチマチだったので、それも音色切り替えと同時に調整しなければならず、、、…普段意識していない部分をライブに導入するというのは、なかなか大変な事なのでした。
それでも、やはり曲として演奏すると、サウンド面で大きな変化が起こっている事に気付かされます。まだ精一杯な状況だとは思いますが、これで Nautilus のサウンドが、より完成に近付いたという事もあり、それは大変喜ばしい事でもあったのでした。
また、今回はゲストとして、ボーカルの市川愛さんにも1曲だけ歌って頂きました。こちらはカバー曲ではありましたが、スザンヌ・ベガの Tom's Diner という曲で、Nautilus アレンジで演奏していきました。こちらもアナログシンセを併用しつつ、市川さんもその場の雰囲気で自由に歌って貰って、面白い空間が作り出せたのではないかと思います。1曲だけではありますが、確かな軌跡が残せました。
このように、今回は初物尽くしだった Nautilus ライブ…。しかし、それはある意味で、今年の集大成とも言えるライブを思わせるもので、言わば完成系とも言えるライブを披露出来たようにも思います。それはサウンド面でも明白で、ようやく1つのゴールを迎えられたような手応えは感じられました。勿論、音色だけの変化ではなく、メンバーそれぞれの音に対する取り組み方、そして一体感も、この半年でだいぶスキルアップしたように思うのです。バンドらしいライブの1日だった…とも言えるかもしれません。
今年の5月から駆け抜けてきた Nautilus ですが、ひとまずは年内のライブは今回で全て無事に終える事が出来ました。次回のライブはまだ決まっていませんが、トシさん的に、音源制作に入りたいという気持ちもあり、また詳細が決まったらお知らせさせて頂きたいと思います。色々と変化のある期間を経験させて頂きました。どうもお疲れ様でした。そして、来年以降もまたよろしくお願いします!
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