これまで、鹿嶋さんとトリオ編成+αでやったライブとしては、セッション的なものや、企画的なものとして、ライブに何曲か交えて行う…といった形態では何度かありましたが、最初からトリオ名義で、しかもその3人で事前にリハーサルも行って、そしてライブに臨んだというのは新鮮な状況ではありました。今回のベーシストは、ザ・ショッキングというバンドでもお馴染みの岩川峰人さんで、鹿嶋さんとライブを一緒にやるのは7年振りとの事でした。自分も、だいぶ昔に JiLL-Decoy association のライブサポートで御一緒した事があり、恐らくその時以来の共演だったと思いますが、恐らく8〜9年振りぐらいになるのではないでしょうか…。あまりにも久々過ぎる3人が揃ったわけですが(笑)、ストイックで興味深い音楽にはなったと思います。
この日の鈴ん小屋のライブは、自分達も合わせて3マンライブという名義になっており、実の兄弟のユニットという Conductor of the Earth(右上写真参照)が最初の出番を務めてくれていました。コーラスワークが実に見事で、兄弟だから成せるもの…という状況無しでも聴き入れられる音楽だったのではないかと思います。片方の方は、時にギター、時にカホンを叩きながら歌い、そのサウンドのバリエーションを豊かなものにしていました。
自分達はその後の2番目の出番でした。トリオ…という名義ではありますが、中にはボーカルとベースのデュオという曲目も入れており、それが“Strange Fruit”だったのですから、なかなかのチャレンジャーであります(笑)。鹿嶋さんの世界観に寄り添い、そして時には引き離し…、独特のサウンドが構築されていました。また、ピアノとボーカルのデュオ曲も行い、これはお馴染みの“ヨイトマケの唄”だったのですが、今回のトリオという概念から一瞬離れた、馴染み深い時間というようにも感じました。
やはりトリオという状況は、普段のデュオでの感覚とは大きく違います。単純な話し、1つの音楽を2等分するのと3等分するのでは、自分の担当する伴奏も、これまでから引き算の発想で無ければなりません。そして、そこまで演奏的には決め内では無いという状況からすると、お互いに気を遣いながら演奏しなくてはならないというのは容易に想像がつくと思います。
…そうなると、即興的な部分が必要になってくるので、どこかしらでジャズの要素を取り入れなくてはならなくなりますが、鹿嶋さん的には、あまりジャズの解釈では進めたくないらしく、この辺りが今回の演奏の難しさでもあったと言えましょう。ジャズの要素をふんだんに取り入れられれば、とりあえずは曲として完成はすると思いますが、恐らくこの“とりあえず”…というのにストップを掛けたいのかもしれません。今回のライブをやる前から、ただセッション的に3人でやりました…という感じではなく、それぞれの役割を認識しつつライブに臨みたい…という話しはしており、これは今後の永遠の課題ともなりそうな感じですね。
やはり、それらを完成させるには、どうしても時間が掛かってしまいます。今回は久し振りに御一緒したライブという事で、お互い探っていた部分もあったかと思いますが、回数を重ねていく事で、より深い部分でサウンドを作っていけるようになるかもしれません。それはある意味で今後の楽しさ、面白さを予感させてくれるものです。だからこそ、とても遣り甲斐のあるライブだったように思いました。
そして最後の3番目には、ギターとピアノの弾き語りの藤原マヒトさん(左上写真参照)が締めてくれました。自分はこの時点で存じ上げなかったのですが、ライブ後にお話しさせて頂いたところ、Der Zibet のキーボーディストとの事で驚きました…。1984年に結成された、まだ世の中にビジュアル系という言葉が無かった時代にその世界観を打ち出したバンドでもあります(1996年に無期限活動休止をしたものの、7年くらい前に活動再開をしたとか…)。
世の中、どんな方と対バンするか分からないものです…。1つ1つ丹念に、魂込めて演奏していく決心を新たに持たせてくれました。どうもありがとうございました!
☆鹿嶋敏行さんのブログ…http://blogs.yahoo.co.jp/kajimarl_to_the_world
☆池袋鈴ん小屋のHP…www.ringoya.org/
「Strange Fruit」を日本語でしかもベースとのデュオでぎゅっと
凝縮された世界を感じました。
ケイト・ブッシュ作とのことだった、お腹の中の子が主人公の曲、ピアノとベースの音が鼓動のように聴こえました。
鹿嶋さんの唄われる「谷間に三つの鐘が鳴る」は数回お聴きしてい
つもしん、とした感動が心に残る大好きな曲です。
感想が羅列になっちゃいましたが、とにかく素敵だったんです。
対バン様との出会い、大切ですね。客席も丹念に聴かなくちゃ、と
思っております。
毎回、色々な挑戦をしているようにも思われます。
いま現在のライブを生かしつつ、次回以降に
フィードバック出来るように、より良いものを
目指していきたいと思います。よろしくです!