…色々あって、郷原君は先に新幹線のチケットを取ってしまっていたそうで、行きは自分単独で向かう事になったのですが、そもそも猿ヶ京の場所は皆さんはお分かりでしょうか。群馬県でも割りと新潟県寄りに位置し、新潟県の苗場に向かう国道17号線の途中にある温泉地ですが、鉄道だけで行く事は不可能で、一般的な公共交通機関としては、上越新幹線の上毛高原駅から、路線バスで30分〜40分…という感じです。上毛高原駅は新幹線としては小さな駅で、まだ個人的に一度も降りた事が無かったので、そこから行くのも有りだなとは思ったのですが、近くを在来線(JR上越線)が通っており、前述の路線バスはそこからの駅から出ている路線なので、少々時間は掛かるものの、在来線で行ってみる事にしました(笑)。そしてその時に自分の頭を掠めたのが、最近車両が変更された特急『草津』号でした。〔鉄道さんぽ 12.(JR東日本、吾妻線編)〕で紹介していますが、これまで『草津』号に使用されていたのは旧国鉄時代から走り始めていた185系という車両で、いつまで走っているものなのか…と思っていた矢先、今年3月のダイヤ改正で、いきなり651系という車両に置き換えたられたのです。突然でビックリしたものですが、置き換えられたのは『草津』号だけではなく、JR高崎線系統の『あかぎ』等の特急もそうでした(こちらは1往復だけ185系が残存しています…)。651系は、元々はJR常磐線の看板特急『スーパーひたち』号として登場した車両で、近年はそちらはE657系という車両が台頭してきて、651系は事実上常磐線からは引退をしていました(期間限定で、現在1往復だけ残存されています)。
…と、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが(笑)、要は上写真の列車に乗りたく、これで群馬県へと向かったという事です…(笑)。ただ、『草津』号は目的地までは行かないので、途中の高崎駅までの利用とし、ここからは普通列車で目的地まで向かう行程としました。久々に乗る651系は、リニューアルこそされていたものの何だか懐かしく、この車両に初めて乗った小学4年生の時を思い出したものでした。651系は在来線で初めて130km/時運転を始めた車両でもありますが、『草津』号では以前の185系(最高速度110km/時)のダイヤを踏襲している為か、今では余裕のある走りという感じでした。
高崎駅で在来線に乗り換え、上越線の後閑駅まで向かいます。地図上では、ここが上越新幹線の上毛高原駅に最も近い駅で、前述の路線バスは、当駅に寄ってから上毛高原駅に向かうルートを通っているようでした。…駅としての規模は小さく、周りに何かある感じの場所では無かったので、直ぐさまバスに乗って向かおうかと思ったのですが、ここで新たな気持ちが芽生えてきてしまいました。上毛高原駅まで歩けるかな…と(笑)。
路線バスですと、この駅間の所要時間は約10分。しかしバスのルートを見るに、結構大回りして向かってる感じがありました。地図で確認すると、距離的には2km弱…といった感じだったでしょうか。この近くには関越自動車道が通っており、そこからはよく上毛高原駅が見えていた記憶があったので、1本バスを見送り(笑)、思い切って歩き始めてしまいました。都内では大雨だった天気がここでは上がっていたのも、気持ちを後押しさせた要因となったようです。途中には利根川(右上写真参照)を渡り、遠くには朝日岳や谷川岳の姿も見え、束の間の散歩を楽しみました。
…しかし、その気持ちは途中で若干の後悔へと変わりました…。上写真のような上り坂が待ち構えていたからです…(笑)。遠くから新幹線の高架橋は見えていたのですが、確かに目線よりだいぶ高い所を走っているなと思ったものでした…。しかも、途中から小雨が降り始めてきてしまい、電車を降りた時に傘を車内に置き忘れてきたのも思い出し、何だかヤッてしまった感が全面に溢れ出てきてしまいました…(笑)。
…とは言え、後閑駅を出てから約40分程で上毛高原駅に到着。雨は本降りにはならなかったものの、服は汗だか雨だか分からない状態になってしまいました。…とは言え、駅前に見付けた蕎麦屋での、冷やし山菜そばの美味しさは格別でありました。やはり、歩いて良かった…かもしれません(笑)。
そして、いよいよ?路線バスに乗って猿ケ京温泉へ…。坂をスイスイと駆け上がっていく様は(当たり前ですが)頼もしくもありましたが、利用者は自分も含めてたったの5人…。そのうち終点の猿ヶ京まで乗っていたのは、自分も含めて3人でした。
終点の1つ手前の関所跡というバス停で下車すると、先程からチラチラ見えていた赤谷湖の姿が眼下にありました。夏にはここで花火大会が行われ、昨年はそれをバックに郷原君がサックスを吹き続けたらしいですが(笑)、このバス停から歩いて5分程で、Humpty Dumpty はありました。尖った三角屋根が特徴の建物で、これは遠くからでも結構目立ちそうです。ここでやっと郷原君と合流し、Kie さんとも久し振りの再開を果たし、そして早速リハーサルへと突入させるのでした。
よく考えたら、結構バタバタなスケジュールにしていたかもしれません。自分がお店に着いたのは14:00過ぎ頃だったと思いますが、本番の1ステージ目は16:00からの予定としていたのでした。普通のお店でしたらこれでも良いのですが、長い時間を掛けて移動してきて、久し振りの再開を果たした割りには、お店に着いてリハーサルをして、すぐに本番を迎えた…という印象ではありました。とりあえず、積もる話しは1ステージ目の後にしておきましょう。…と、そんなこんなで何とか1ステージ目を始められたのでした。
1時間強程のステージをお送りしたでしょうか。郷原君とのデュオ演奏は久し振りでしたが、郷原君とは近々にレコーディングを行う予定があり、何度かプリプロを行ってきたので、そんなに打ち合わせをしなくても心配はありませんでした。ただ、レコーディング用に曲の構成を変えた部分があり、その構成でライブをやった事はまだ無かったので、そちらに対しての慣れの方が最初は大変ではありました。
1ステージ目は、わりと自分達にオリジナル曲を多めにし、自己紹介の部分も含めたステージになっていたかもしれません。言ってしまえば、殆どが自分達は初めてのお客さんです(逆に、知っていたお客さんが何人かいらしていたのは凄かったです!)。まずは自分達らしさを伝えるのが重要だとは思いました。1ステージ目後には食事が振る舞われ(右上写真参照)、Kie 時代の懐かしい料理を堪能させて頂きました♪
休憩中には料理と共にビールも堪能し(笑)、お店の外も散歩してみましたが、いつの間にか幻想的な風景が広がり、改めて良い所だなと思ったものでした。この景色と Humpty Dumpty が不思議にマッチしていたのも印象的でした。猿ケ京は温泉街なので、もっと日本的な景色のイメージがあったのですが、ジャズライブと相まって、これもまた猿ヶ京の新しい魅力にしていけるのかもしれませんね。
2ステージ目はカバー曲を多めに演奏していきました。このデュオでは昔からカバー曲も沢山取り上げていて、これも新たなレコーディング曲として今後発表していけるレパートリーになるかもしれません。また、ジャズらしい即興感溢れる演奏もこのデュオの魅力で、チックコリアのナンバーから、その名も“Humpty Dumpty”や、お馴染みの“Spain”もお届けしたりしました。
多くの方にお越し頂き、そして楽しんで頂けた時間になりましたが、自分達はこの日中に東京に戻らなければならず、ステージが終了したからと言って、そんなにゆっくりしている時間はありませんでした。上毛高原駅の東京駅最終は21:53発。2ステージ目が終わったのは20:10ぐらいだったので、余裕と言えば余裕でしたが、もう少しお店の余韻を楽しみたいところではありました。…とは言え、また来れる…という想いを残して、お店を後にしていきます。
上毛高原駅方面へのバスは17:00台には終了している為(笑)、今回は有り難い事にお客さんの車で駅まで送って頂ける事になりました。つまり、初利用という実績も作れた上毛高原駅…。よく考えると、行きが在来線、帰りが新幹線と、自分としては理想の往復行程になれた気もしました(笑)。郷原君は帰りも指定席を取っていたそうですが、絶対に空いていると確信していた自分は自由席へ…(笑)。予想通り、車内は自分の降車駅の大宮駅まで、右上写真のような状態でした。こんな優雅な時間もまた良かったです♪
こうしてバタバタながら、猿ヶ京での日帰りライブを終えてきました。行きは結構時間を掛けて向かったものの、帰りはというと、電車の乗り継ぎが上手くいったお陰もありますが、自宅の最寄り駅に着いたのは23:20頃。なんと、1時間半で着いてしまった事になりました!…往路で乗っていたバスの時間は30分〜40分ぐらいだったので、行こうと思えば約2時間で猿ヶ京には着いてしまえるのです。やっと演奏する機会があった Humpty Dumpty でしたが、思ったより近く、気軽な場所にあるんだというのが、今回の大きな収穫だったような気がしました。またどうぞよろしくお願いします!…今回はどうもお疲れ様でした。
☆猿ヶ京(群馬)Humpty Dumpty のHP…http://kie-ko.com/?page_id=20
☆郷原繁利のブログ…http://sgohara.com