隆郎さんは当然 TRI4TH でお馴染みで、森田君も昨年自分と共演しており、イオリ君も対バン等でよく顔を合わせる仲でもあります。…言わば、個々の演奏は共演や対バンで既に聴いた事があったわけですが、その3人がどのような新たなサウンドを作っていくというのは、非常に興味深い部分でもあったのでした。
この日は投げ銭ライブとなっていて、徐々に徐々にお客さんが集まってきた感じでしょうか。勿論、最終的な多くのお客さんで一杯になっていました♪…今回のお店は自分は初めて訪れましたが、クラブっぽい雰囲気で、DJやR&Bのようなサウンドが聴こえてきそうな(実際に流れてましたが…笑)、そんな場所でもありました。
ステージは、たっぷり2ステージ行われていて、曲数は少なかったものの、1曲1曲の中に凄くドラマティックな部分があって、心地良い満足感が得られました。また、それぞれの曲に世界観があり、その世界観の変化も楽しく、あっという間に時間が過ぎていった感じでした。
お店の雰囲気から察するに、何となくクラブ・サウンドのようなビートの強いものを予想していました。勿論、そういった曲もあったのですが、それよりも、1つの曲…というより、1つのモチーフとでも言うのでしょうか…。そこから演奏メンバーで徐々に徐々に発展させていく過程が楽しく、3人がそれぞれ主導権を握って見せていく時間は、確かにアンビエントな世界でもあるのでしょう…。誰か1人が生み出したフレーズに、他の2人が馴染ませながら演奏していく状況は、1つの大きなテーマに漂う船のようでもありました。そしてそれは、誰もが船長になれる船であり、航海を続けていたのでした。
サウンドそのものも個人的に好きな感じでしたが、実は自分でやろうとは思っても、このような音楽はなかなか出来るものではありません。自分の場合に当て嵌めてしまいますが、サウンドは好きなものの、どうやってライブで表現したら良いのか、そこはずっと答えが出せない状態でもあったのでした。しかし、今回のライブを見て、その答えの1つが見出だせたと言いますか、何だか目の前が晴れた気分でもありました。成程、こうやるのか…と。
個人的に、自分でもピアノトリオをやっている身として、この日のライブは大変刺激になりました。勿論、自分ではまた異なるやり方をもって、自分らしい世界観に挑戦していけたらと思います。今回、P.A.O. はライブとして見させて頂きましたが、CDという形ではどんなサウンドを作っていくのか、こちらも興味深い所ではあります。要注目トリオなのは間違い無いです。どうもお疲れ様でした!
☆渋谷 Room のHP…http://www.theroom.jp