お店は No Bird という、個人的にも初めて出演させて頂きました。銀座だから…というわけではないですが、今回の衣装は、男性は黒スーツで統一、そして白藤さんは鮮やかな赤色の着物、ボーカルの里アンナさんは、地元奄美の服である大島紬のドレス…と、各々気合いの入った出で立ちでステージに上がり、そもそもが複合する音楽をテーマにしている黒船の“らしさ”を紹介する事にもなりました。
今回も全2ステージが行われましたが、実はお店的に、本来1ステージに付き1時間の演奏…という決まりがあったらしく、1ステージ目を約45分で終えた自分達に対して、お店の方から「もう少し長くやってほしい」…との注意を受けてしまいました。成程…と思ったのも束の間、そもそも45分くらいのステージを考えていた自分達にとって、では2ステージ目はどのようにするか…という問題点が出てきてしまったのでした。
急遽、白藤さんにソロで津軽五大民謡の1つ、“津軽よされ節”を弾いて頂きましたが、これでも時間は余りそうな気配はしていました。…かと言って、もう不自然に曲を増やすのも考えものです…。ひとまず、時間を気にしながらステージを進める…という事にしていたのですが、その時のステージ上の状況はというと、恐らく、曲のソロを長めにとる…というのが、メンバー内の暗黙の了解として一致していたのではないでしょうか。
ステージ中にお互いが確認していたわけではありませんが、それぞれのソロの演奏を聴けば、何となく分かります。…言わば自然発生的な状況だったわけですが、これが自分達のステージのスタイルを大きく変えました。今までは、わりと1曲1曲のテーマを重視していて、曲によっては楽曲をコンパクトにまとめる事も多かったのですが、ソロを長めにとる事で、ジャズらしい、即興感とダイナミックに溢れる演奏スタイルが展開されていったのです。
この事により、今まで何度も演奏してきた曲たちにも、新たな魅力と言いますか、演奏している自分達を、自分達自身の手で奮い立たせるような、そしてジャズの真髄に1歩近付けたようなステージになったと思いました。個人的に、まさかこういった感覚が新たに得られるとは思っていなかったのですが、所謂、怪我の功名というやつでしょうか…(笑)。結果、2ステージ目はアンコールを含めて1時間15分の熱演となりました。1ステージ目と合わせれば、丁度2時間ですね(笑)。自分達的にも、演奏し切った感があったと思います。
演奏する事によって、新たな方向性を発見出来た今回のライブでしたが、これはライブをしないと見付けられない部分でもあります。確かに、黒船の音楽活動というのは、レコーディングをしていたり、曲の完成度の高さから考えると、まだまだライブの数は少ないのかもしれません。レコーディングや、リハーサルの中での曲との向き合い方は、これまでに何度もやってきた事ですが、ライブという場所での曲との向き合い方というのは、それらとはまた異なる要素を持っていそうです。ジャズというフォーマットを重視するなら尚更でしょう。
勿論、これらは方向性の1つという話しに過ぎないので、まだ過渡期の段階ではありますが、黒船というバンドの音楽性に、1つの刺激を与えてくれたライブになったのは確かでした。これからどういった変化を経ていくのか…、末永く見守って頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします!
※黒船は、CDリリースのプロジェクトを、Motion Gallery で
スタートさせています。詳細は➡こちらを御覧下さい。
☆関谷友貴君のHP…http://www.peaceofcake.net
☆銀座 No Bird のHP…http://www.no-bird.com
この記事でステージの時間の工夫のお話をなるほど、と読みました。ライブすること、ライブで出会う状況によって深まることが多いのですね。「やんばる」はじめいろいろ印象的な曲があり、複数の要素が違和感なく混ざる音楽が心地よいのです。時々かみ合わなくなるMCも魅力のひとつでしょうか(笑)。今後もいろいろ期待しています。
別メディアで竹内さん風邪気味?かと伝えられてますが、ここのところライブだけでもそして他にも山場がたくさんあったり多忙でしたものね…。
実感できるのは追っかけも山場を迎えて奮闘しているから(笑)。
ここ一番、気を付けながらも無理はしないで、なんとか乗りきられれてくださいネ。
今回のライブは、切っ掛けこそ第三者的なものの、そこから
派生した感覚は大切にしていきたいと思っています。何せ、皆の
中で、打ち合わせを特にしていない状況で成し得た事なのですから。
今後の曲のアレンジ、作曲の上でも変化があるかもしれませんね。