hanamas は、津軽三味線とバイオリンのユニットで、これだけでも大変珍しい組み合わせだとは思うのですが、1音1音の伸びが短いがアタックの強い津軽三味線と、時に強く、時に柔らかい音で1音の伸びもハッキリと表現出来るバイオリンとのアンサンブルは、予想以上に役割分担がしっかり出来ていると思ったものでした。そして更に筝とピアノとの組み合わせ…。筝は楽器の特性上、たった1音で日本的な優美な世界を作り出す事が出来るので、ピアノの役割と言えばやはり、曲のボトムをしっかりと支えるような感じでしょう。低音楽器や打楽器がいない状況なので、この辺りを担当するとバランスが良くなると思ったのです。
正直、この4つの楽器の中で、一番色々な事が出来るのがピアノです。故に、曲上では音選択があり過ぎて、担当する部分は決まっても、どういう風に臨んだら良いかというのは頭を悩ませたものでしたが、ボトムをキープしつつも、後は他の楽器の出方次第…というように考えたら、案外スッキリとなったものでした。また、時にはボトム担当をやめてみたりすると、また違う世界感が広がって面白くなります。これも、他の楽器の出方次第でしょう…。皆、わりと決まったフレーズを弾いているようで、1音1音のアタックやダイナミクス等、場合によって色々と変化を付けてきて楽しいのです。
他の楽器の音を聴いてからピアノの弾き方を考慮するので、その時点でのレスポンスでは遅いのではないかと思うかもしれませんが、実は、変化のある弾き方に入る時には、既に何かしらの前触れを感じるものです。そして、その前触れを感じた上での変化への突入…。ここで全員の感覚が揃った時には、何物にも代え難い喜びがあるわけです。当然の如く、この4人でライブをやるのは今回が初めてだったわけですが、そういった瞬間が演奏中に幾つもあり、そして曲を進める毎に良くなっている感じがありました。楽しい時間を過ごせました。
hanamas の曲目は、オリジナル曲は勿論、日本民謡の曲やカバー曲、そしてクラシックの曲もやるところが特徴と言えましょう。クラシックのカバーはオリジナル性が強く、カノンが花音、トルコ行進曲が、モーツァルトコトコ行進曲(笑)とタイトルも変え、hanamas 流のアレンジが光ります。今回は演奏しませんでしたが、他にも沢山のアレンジ曲があるらしく、それらも非常に気になるところです。
今回、津軽三味線、バイオリン、二十五弦筝、そしてピアノ…と、奇しくも和楽器と洋楽器が2人ずつという構図にもなっていました。和楽器は音の雅性を生み出し、洋楽器は曲の軸となる部分をそれぞれ作り出していきます…。より追求していきたい組み合わせでもありますが、このカフェ・クレールで次回の公演が5月20日(火)に決まりました。本当はもっと早く再演させたかったのですが、なかなか4人の予定が合わず、このような日取りとなりました…。それだけ貴重な機会という証でもありましょう。是非ともこの特徴あるサウンドに御注目下さい。どうぞよろしくお願いします!
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