丸本さんと自分の本番の日の過ごし方は、まず、お店に入る前にスタジオに入り、リハーサルを兼ねた確認作業を行うところから始まります。そして、この時にセットリストも改めて渡されるわけですが、いつのまに選曲がカラフルな事になっています(左上写真参照)。
これはどういう事かと言いますと、まず青色が今月の新曲です。丸本さんとライブをやり始めて以来、現在まで欠かさず続けている事で、昔はライブ自体が何ヶ月に1回だったので良かったのですが、現在は月に1回のペースで継続させているので、新曲も必ず月毎に生まれます。そのバイタリティはやはり大したものなのです。…そして赤色ですが、これは丸本さんが「大ちゃんセレクション…略して DS」と呼んでいる(笑)、自分が曲を選んで、ピアノのみの伴奏で弾くというもので、これも毎月1曲ずつ増やして演奏している試みです。そして緑色ですが、これが今回、初めての試みとなったマッシュアップというものです。マッシュアップとは、Wikipedia の文章を参考にすると、
『2つ以上の曲から片方はボーカルトラック、もう片方は
伴奏トラックを取り出してそれらをもともとあった曲
のようにミックスし重ねて一つにした音楽の手法である。』
…との事です。要するに、元々あった2つ以上の曲を、例えば伴奏は1つの曲を使用し、その上でさり気なく、もう1つのメロディが流れたりするような手法です。ミュージカル等ではたまに見掛けますが、これをライブで取り入れるというのは、自分としては初めての状況でした。
曲は、丸本さんオリジナルの“パッセイジー”と、ビートルズの名曲、“All You Need Is Love”。そんな事が可能なのかと思いましたが、今回のリハーサルの間で、元々丸本さんから提案されたアレンジを、幾つか修正。すっきりとした構成とし、よりマッシュアップさが伝わるようにしました。恐らく、時間を掛ければ、更に両方の曲を交錯させる部分が作れたのかもしれませんが、時間には限りがあるので仕方ありません。…こうして自分達は本番を迎える事になったのです。
お店にクリスマスツリーが飾られているのを見た時、これは確かに初めて見たと、12月は確かに今まで来ていなかった事を悟るわけですが(笑)、この日は3バンド中、1バンド目の出番でした。後の出演者の為に、会場を温めなければいけない出順でもあり、ある意味で気合いが入る状況でもありました。
丸本さんが、このお店の1ステージで用意する曲は全7曲。セットリストは先程紹介したばかりですが、この構成も、恐らく色々と試行錯誤を経て作られた筈で、自分はその意図を敢えて聞かずに、ステージ上での雰囲気を見て伴奏を加えていきます。…とは言え、最初の3曲はそれでも良いのですが、いわゆる DS の曲、“ワスレンサンナ”の時にはそうはいきません。この状況で雰囲気を作り出すのは、自分のピアノです。特に今回は原曲と異なり、ピアノ・イントロで世界観を作り出す事にしたので、責任は重大でした。しかし丸本さんもその雰囲気に上手く乗ってきたと言いますか、自分も気持ち良く伴奏を務める事が出来ました。個人的に好きな曲でもあり、遣り甲斐のある時間だったと思います。
そして、今月の新曲“A_Live”へ。必ず月に1曲作っているので、もう、「今月の新曲」で生まれた曲というのは膨大な数になっている(恐らく40曲ぐらい?)筈ですが、その1曲1曲に個性があり、聴いてくれた人に、何かしらの爪痕を残してやろう!という想いが強く伝わる曲ばかりです。実はそれは演奏者側的にもそうで、癖のある曲だな…とも思いながら弾いていたりするので(笑)、ある意味で理に適っているのかもしれません。今回も、この空間に何らかの痕跡を残せたと思いました。
そして、いよいよマッシュアップです。構成は当然の如く複雑になり、改めて冷静にならなければその表現自体が難しい状況ではありましたが、まず先に言っておくと、特に間違いは無く演奏は出来ました(笑)。そして、お互いに楽しみながら表現出来た余裕が感じられていたと思います。こういったマッシュアップで重要なのは、演奏者は演奏中に常に先を読んでいる事です。突然、別の曲からの歌い回しがやってきたりするのですから、聴く方は驚きますが、演奏者側が驚いてはいけません(笑)。むしろ、その曲の渦の中で楽しく泳いでいるような雰囲気作りが大切だと言えるでしょう。その意味では、この時は良いステージが出来ていたのではないかと思います。ただ、楽しめたのは良かったですが、やはり演奏後の疲れは相当なものとなり(特に頭の中が…笑)、そんな頻繁には出来ない手法だなとは思いました。慣れというのも、あるのかもしれませんが…。
そして最後には、もう丸本さんが約20年も歌い続けているという“まわっているのは”で締め括りました。それまで頭を使ってきた分、何も考え無しで歌える歌というのを持ってきたわけですね…(笑)。自分としても、丸本さんとライブをやり始めた当初から演奏してきた曲なので、その気持ちに関しては大共感でした(笑)。勿論、非常に解放感溢れる演奏になったのは言うまでもありません。これによって丸本さんとの今年最後の東京でのライブは幕を閉じたのでした。
1バンド目というのは気が楽なもので、演奏後は対バン相手の皆さんを、お酒でも飲みながら見れる…という感じではあるのですが(笑)、ねがぽじんさん(左上写真参照)、大竹創作さん(右上写真参照)、どちらも楽しいステージを展開していました。ついつい最後まで見入ってしまいました。
さて、先程「今年最後の東京でのライブ」と書きましたが、実は今月は、ついに丸本さんの故郷である広島でライブが決定しているのです。日にちは12月23日(月・祝)で、既に満席近い状態となっているそうですが、丸本さんにとっては所謂凱旋ライブでもあり、非常に楽しい時間になりそうです。自分も丸本さんのルーツが見られるのではないかと、密かにワクワクしております(笑)。こちらもどうぞよろしくお願いします。ひとまず、今年最後の東京でのライブ、どうもお疲れ様でした!
●12月23日(月・祝)広島アンティーク
Open…18:30〜、Start…19:00〜、3ステージ
Charge…2000円(+1ドリンク500円)
Member…(Vo,G)丸本達也、(Pf)竹内大輔
☆丸本達也さんのブログ…blog.livedoor.jp/waits2/
☆吉祥寺 Manda-la 2 のHP…www.mandala.gr.jp/man2.html
「演奏者側が驚いてはいけません」は、思わず笑ってしまいました^^
大ちゃんへの負担が大きくなってしまっていることを申し訳なく思う一方で、すべてを「負担」ではなく「遣り甲斐」に変換する大ちゃんの能力に「アッパレ!」と感心しております!
もちろん、深く感謝も!!
ここ最近、良いステージが続いているので、この調子で23日も大いに盛り上がりましょう!
大ちゃんの足を引っ張らないよう頑張りますので、よろしくお願いします!^^
初めて見たと思います。こういうふうな段階を経て本番に向かって
いるのですね…。
DS曲は、“ワスレンサンナ~”とつぶやくように歌われるところが
好きなのですが、それとたっぷりしたピアノ演奏が押し寄せて今回
もとても味わい深く聴かせていただきました♪
新たな試みマッシュアップ、いろんな挑戦がうれしいのです。
今年も新曲の爪痕で傷だらけ(笑)ですが、お世話になりました。
23日は楽しんで、そして「だから今この詞を」作詞の先生にも
ぜひお会いして来てくださいね。
改めて、お疲れ様でした。今度の広島ライブは本当に
楽しみですね。ある意味で、今年1年の集大成の賜物
かもしれません。こちらこそ、どうぞよろしくお願いします!
>おちゃさん
そうです。そしてこの準備の前に、新曲の音源を
事前に聴かせて貰う等のやり取りをやっていまして、
そして本番に向かうわけです(勿論、その合間には
お馴染みの蕎麦屋に行ってたりするのですが…)。
広島のライブ、勿論楽しみますし、何かしら来年に
繋げられればとは思いますね。今後もよろしくです!