この日の横浜のみなとみらい地区は、神奈川新聞花火大会という大規模な花火大会が行われ、今回の演奏会場である Motion Blue でも、いつもと異なったステージ時間の措置がとられていました。花火大会の時間が19:00〜20:30となっていて、その間に演奏するのは、騒音的に不可能との事…。そして、花火と入れ替わるように、こちらのステージ時間は20:30〜となっていて、しかも終わりの時間を考慮してか、90分1ステージ…というものになっていました。
90分1ステージというのは、なかなか経験の無いステージ時間で、言わば休憩無しで行われるという事もあり、長丁場だけど飽きさせない等の工夫が不可欠とも言えるものでした。…とは言え、演奏以外でそれらの時間を持たせるのも何か変なので、曲の変化で付ける方向にはしていました。また、たまたまこの前日に観劇をしに行っていたのですが、その劇が2時間半ぶっ通しのものだった事もあり、それから比べれば全然短いか…と、前向きな考えにもなっていたのも事実です(笑)。やはり、曲で聴かせたいですものね。
…とは言え、花火大会前に会場でのリハーサルは終わらせなければならなかったので、本番までの時間がとても空いてしまう事は避けられませんでした。しかし、楽屋のすぐ近くに位置するお店のバルコニーからは、遮る物が一切無しで花火を見る事ができ(左上写真参照)、この日だからこその光景を見る事が出来たのは良かったです(バルコニー内では、花火見物の為の予約のお客さんが入っていたので、あまり長居は出来ませんでしたが…)。
花火の音は予想以上に大きいもので、これは会場にいても、ドン!ドン!と筒抜けで聞こえてきました。初め自分は、花火大会ぐらいでステージ時間が変わるものなのか…と思っていたのですが、成程、これは演奏に影響してしまう程でしたね(笑)。途中では雨の心配もされていましたが、無事に最後まで花火大会は行われ、時刻は20:30へ。会場にもお客さんが続々と集まり、いよいよ本番となったのでした!
リハーサルから本番までの時間が2時間以上あり、お店からも食事やビール等が提供されていたので、楽屋はリラックスした雰囲気だったのですが、やはり本番が近付くにつれて、緊張は高まってきました。それはステージに上がってからもそうで、自分としても予想範囲内ではあったのですが、久々の緊張の種類でもあったと思います。
沢山の方に迎え入れられて1曲目は、『ReInterpret the Passage』のPVの曲ともさせて頂いた〔『ReInterpret the Passage』発売日決定!参照〕、“Love Theme From Spartacus”を演奏しました。ただ、CDとは構成を変え、初めの部分はピアノのみでゆったりとメロディーを聴かせるようにし、オリジナルの雰囲気に近い感じに弾いていきます。そして、ある程度弾いたところで、CDバージョンに近い形へと突入し、ベースとドラムが加わっていきました。トリオライブの幕開けです。
そのまま続けて、ジャズ・スタンダード曲の“On Green Dolphin Street”へ。こちらは構成を変えるというよりも、メンバー個々のアドリブ演奏を楽しんで頂きたいところで、たっぷりとその時間を使わせて頂きました。…とは言え、まだ緊張から解けていない感じであったのは否めませんでしたが…(笑)。
挨拶をし、今回のライブについての説明等をしてみましたが、ここで自分は先に断りを入れておきました。今回は、リリース・パーティーという名目になっていますが、オリジナル曲も存分にやらせて頂く…と(笑)。…と言うのも、CDの発売から時期が経ってしまったので、ここはCDの曲だけに固執するより、正に現在のトリオの演奏を聴いてほしかったからです…。今回の『ReInterpret the Passage』は全曲カバー曲のアルバムで、勿論ここにもオリジナリティはあるのですが、やはり自分のオリジナル曲を中心にやってきたトリオですから、こちらの部分も是非聴いて欲しかったのです。
また、それは今後に向けた展望も加味していました。いつになるかは全く未定ですが、今度はまたオリジナル曲を集めたCDを作りたいとも思っていますし、実際、今年になって新たに作曲した曲は多数あるのです!…それらの曲も、良い意味で今の自分達を表す指標にもなりますし、ライブに組み入れたいと思うのも当然なのでした。…という事で、次にお送りした曲は、ベースがメロディをとるという試みを用いた最近のオリジナル曲、“The Night Visitor”。続けてカバー曲の“Close To You”をお送りし、そのまま、トリオ2枚目のアルバム『Fingers Dance』から、“Scramble”をお届けしました。…いやはや、今回のライブは盛り沢山です(笑)。緊張も、この辺りでは解れてきた感じもありました。
オリジナル曲、カバー曲問わず、曲調がバラエティに富んでいるので、演奏する自分達は大変ですが(笑)、変化のあるステージではあると思いました。ここで早速、先日に、とある方に頂いたライナーノーツ〔8月1日(木)Motion Blue ライブに向けて参照〕の説明をしたり(左上写真参照)、トリオの成り立ちや、既存のオリジナルの2枚のアルバムの説明をしたりします。そして、今度はそれらのオリジナル・アルバムの中から2曲、“Monte Fiesole”と“Hagatna”をお送りしました。どちらも人気の高い曲(…と思う…笑)なものの、リリース・パーティーという名目上、最初はセットリストに入れるかどうか迷った部分ではあったのですが、演奏して正解でした。自分ながら好きな曲でもありますし(笑)、演奏していても楽しいので、気分を高める…という意味でも大きかったのだと思います。
いよいよライブも終盤戦に入ってきましたが、ここで何と新曲を披露してしまいます(笑)。これこそ、リリース・パーティーの名目はどこへやら…という感じですが(笑)、完成はしているのですから仕方ありません。タイトルは“Veins of Leaf”。葉脈…的な意味合いがありますが、静かなら曲ながらテンポも揺れますし、もしかしたら捉え所の無い曲のような印象を持つかもしれません。しかし、一貫したメロディーかそこにはありまして、それぞれのシーンが些細な違いで表現出来たらと思いました。こちらも、変化という意味では演奏して良かったと思いました。
そして、『ReInterpret the Passage』でもお馴染みの、“Tombo in 7/4”に続いていきます。タイトル通り7拍子の曲でテンポも速く、テクニカルな要素が必要となりますが、その中でサビのキャッチーなメロディーがあるお陰で、聴いていて(弾いていても)とても楽しい曲になっています。今回も、会場の盛り上げに一役買ってくれた感じでした(笑)。
ここで最後のMCを挟み、ついに最後の曲となります。曲数としてはこれで10曲目で、時間は確認していませんでしたが、これで恐らく、ステージ開始から1時間半に近い時間が経っていたのではないでしょうか(実際には、既に過ぎていようですが…笑)。この最後も、とどめの?オリジナル曲(笑)を選曲。…ですが、自分はこの日の中で、一番の選曲をしたと思いました。曲は、今回2回目の披露となる“Casa Familia”という、スペイン語で「家」と「家族」を意味するタイトルを付けた曲でした。
曲調のせいもあるのかもしれませんが、何だか弾いていて、この日の為に準備してきた諸々の事が振り返られてくるようでした。不思議な感覚で、自分が自分自身の為に弾いていると言いますか、そんな事を思わせる時間でした。
この演奏が終わるまで、だいぶ長い時間が経っていたと思いますが、拍手が鳴り止みませんでした。本当に嬉しい事で舞い上がり、拍手が鳴り止まないうちにステージに戻ってきてしまいましたが(笑)、もう1曲だけ演奏する事にしましょう。アンコールなので気軽に…とは言わず、『ReInterpret the Passage』から、アレンジ・バージョンの“Spain”をお届けしました。これこそ畳み掛けと言えるもので、ようやく無事に終了となりました。ここで更に大きな拍手を頂きましたが、時計を見ると、既に22:20!…これは、だいぶ長丁場なライブだったのですね(笑)。最後まで本当にありがとうございました!
会場には、家族から、知り合いのミュージシャンから、久し振りの友達まで…、本当に色々な人にお越し頂いて、まずはお会い出来たのが嬉しかったです。そして、今のトリオを知って貰えた事、また、これからのトリオ活動への期待がなされている事に、リーダーとしての遣り甲斐を感じる事が出来ました。初めの方にも書きましたが、今回、Motion Blue という新たな会場に於いてのライブを行い、トリオとしての可能性の広がりも十分に感じ、今後の活動への布石となる時間が過ごせたと思います。それはCDなのか、ライブなのか…は、まだ分かりませんが、こういった想いが芽生えたという事が重要です。是非とも今後に御注目下さい。メンバーの皆様もお疲れ様でした!
ちなみに、今後のトリオでの活動予定として、8月23日(金)の Virgin Cafe 品川で行われるリニューアル・オープン記念での演奏や、9月1日(日)に吉祥寺 Sometime にて行われる、昼ライブ等があります。どちらも気軽に足を運べると思いますので、どうぞお越し下さい。詳細等が決まったら、またお知らせさせて頂きます♪…という事で、改めまして、どうもありがとうございました!
●今回のセットリストです!
1、Love Theme From Spartacus
2、On Green Dolphin Street
3、The Night Visitor(オリジナル)
4、Close To You
5、Scramble(オリジナル)
6、Monte Fiesole(オリジナル)
7、Hagatna(オリジナル)
8、Veins of Leaf(オリジナル)
9、Tombo in 7/4
10、Casa Familia(オリジナル)
En、Spain
☆Motion Blue Yokohama のHP…http://www.motionblue.co.jp/top.html
☆池田暢夫のHP…https://sites.google.com/site/nobuoikedawebsite/
☆佐々木俊之のブログ…http://toshi-sasaki.seesaa.net/
今回、リリース・パーティーという名目にしては
攻めたと思うのですが、如何でしょうか(笑)。
今後の展開に繋げられると意気込んでの1日でも
ありました。また先の機会にお越し下さいませ!
まさかの、さすがの、オリジナル祭り。攻めの姿勢が潔いのでした。
新曲「Veins of Leaf」いいですね〜また聴きたいものです。
緊張もされてたとは思いますが、それにより深い時間を過ごされ、トリオがひとまわり大きくなる糧となったのでは?と、なんとなく
エラソウですが、とにかく魂を預かって行ったはずが魂を抜かれて
帰って来たくらい、会場への道すがら眼にすることのできた花火の
ような、きらきら心に残る一夜でした。
ライナーノーツもしっかりいただいて来ました。とある方、ありが
とうございます。
大丈夫です、にーに様のは持ち帰ってきました。
胸騒ぎはきっとまだ余韻を感じているのですよ…。
自分の魂も置いてきていないか心配です(笑)。
新曲に対して、良かった!と言ってくれる
方が多くて嬉しいです!…自分には、こういった
曲が似合うのかな…と思ってみたりしますが、
また色々な種類の曲を沢山作りたいと思います。
今回もどうもありがとうございました!