今回は、前述のようにまだ新作CDが発売されていない状況でのライブとなりました。…ですので、これまではそのCDに収録されている曲(カバー曲)を中心に演奏をしていっていたわけですが、今回はいっその事、今後に向けた自分のオリジナル曲を中心にお届けしようと思ったのです。…と言うのも、最近は何故か新曲が結構湧いてきていて、今回も3曲もの新曲をお披露目出来る事になったからです。
曲を作る方法というのは人それぞれだと思うのですが、自分の場合、メロディ優先で作る事が殆どです。特にこのピアノトリオでは、基本的にはメロディは自分が弾く事になるので、必然的にそれだけ重要な要素の1つとなっています。そしてそのメロディは、自然に自分が口ずさむ事が出来るものとしています。ピアノを弾いているだけでも幾つかのメロディは作れますが、それが自分で歌えるようにならなければ、あまり良いメロディだとは思えないからです。
そうなると、如何にしてそういったメロディを生み出すかが大事になるわけですが、メロディ自体を考えて作る…というよりは、自分の身をどこか別の環境に置いて、その時に何か頭の中に自然に流れ出てきたのもを参考にします。その中で自分の場合、特に生み出しやすいのが旅行時においてで、特に海外に行った時に受ける刺激は、作曲において大いにその想像力を掻き立てられます。自分は2ヶ月くらい前にスペインを旅行してきましたが、やはりその環境は大きかったようで、その時に体験した出来事や、目に入った風景等を思い起こす事で、作曲への足掛かりとなりました(全てが旅行をテーマにした曲ではありませんが…)。その意味では、非常に自然に作れた曲でもあり、自分の思いも沢山詰まっている曲達でもあるのです。
今回、それらの新曲を披露する事を第一においたライブでもありましたが、自分の場合、こうやって出来上がった曲は沢山有り、1ステージ目では過去に作った曲を色々と振り返るという意味も含めて、1作目のアルバム『Pictures』や2作目のアルバム『Fingers Dance』から何曲かやらせて頂きました。1曲目の“Final Approach”は、そんな旅行を始める時の、到着する飛行機の中の雰囲気を表現した曲で、今回のライブの幕開けには最も相応しい曲だと思います。5曲目の“Tombo in 7/4”はカバー曲なので、少しその中のテーマからは外れますが、ブラジルが舞台になっている曲でもあるので、異国情緒を感じるという意味では入れておきたい曲でした…。お客さんがライブを体験して、少しでも世界旅行をしているような気分になって頂ければ幸いです。
このように、1ステージ目では結局は新曲は取り上げなかったのですが、逆に、2ステージ目ではそれらをたっぷりとお届けしました。早速ステージの1曲目に、“Tne Night Visitor”という新曲を披露していきます。この曲は、旅行時…というテーマとは関係無く出来上がった曲でもありましたが、珍しくベースがメロディをとるという曲にも仕上がっており、ある種の特徴感を出せたように思います。雰囲気を重視したい曲でもありました。
2曲目にはそのまま続けて、カバー曲の“Love Theme From Spartacus”をお送りしました。最近になってPVを公開した曲で、お客さんの中にも既に目を通してくれた方も何人かいたようです。せっかくなので、ここでも貼らせて頂きます(笑)。
そして3曲目にはまた新曲で、“Late Sunrise”という曲をお送りしました。これこそスペイン旅行過程での風景を思って書いた曲で、この時期のスペインは日の出が遅く、それは朝の9:00前ぐらいの出来事だったでしょうか。走っている電車の中から見た朝日が美しく、しかし時刻は既に8:45頃になっており、街の郊外で見る雄大な景色と、そのアンバランスを物語る時刻、そして自分は目的があって電車に乗っている…という状況が面白く、急いでいる中での一時の静寂を曲で表現してみようと思ったのです。…なので、曲のテンポは速いのですが、瞬間瞬間で停まっているような部分があり、短い曲のテーマの中で、展開はコロコロ変わっていくのです。結果的に緊張感が常にあるような曲調に仕上がり、とても弾き応えのある曲になりました。今後も演奏していきたいものです。
その次には、久し振りに既存のオリジナル曲、“Guernica”の初期バージョンを演奏しました。これこそタイトル通りの曲で、ピカソの名画“ゲルニカ”を見て(実物ではないですが…)、自分の解釈を込めて、このピアノトリオ結成の初期に初披露〔竹内大輔の写真日記(~2009)、自分名義ライブ2回目参照〕した曲でもありました。「ある環境に身を置いて作曲する」というやり方の元祖とも言える曲でもあり、今回のライブでそれを演奏したというのも何かの縁だったのかもしれません。
そして5曲目には、現在 Air Do の機内オーディオで流れている“The Energy Of Silence”を演奏しました。あまりこちらで披露する事が少ない曲なので、今回演奏したのは良い機会だったように思います。今回はこの曲が最後ではなく、6曲目にまで突入したので、いつも以上にたっぷりな時間でお届けしてしまいましたが、かと言って曲は削る事が出来ませんでした。あと1曲、お付合い頂きたかったのです。
…そんな2ステージ目の最後の曲は、こちらも新曲、“Casa Familia”という曲でした。Casa はスペイン語で「家」。Familia は「家族」という意味で、バルセロナを旅行するとよく分かるのですが、街中の至る所に芸術建築物が残されており、それには「Casa~」や「~Familia」という言葉がよく使われているような印象を受けます。特に「La Familia」となると“大家族”的な意味合いにもとれ、それは「聖母マリア、聖ヨゼフ、イエスキリスト」表す事にも繋がるので、非常に奥深い感じになってしまうのですが、自分としては素直に「家」と「家族」の大事さについて今一度考え、ちょっと曲にしてみようという発想から生まれた1曲でもありました。折りしも、ベースの池田君には赤ちゃんが誕生したばかりで(TRI4TH のベーシストでもある関谷君にも、先日赤ちゃんが誕生したばかりでしたね)、自分の周りでも新しい命の誕生がよく聞かれている時期でもあったのです。
“Casa Familia”は、少し長め曲でもあるのですが、この曲こそメロディラインを大切にしたい曲でして、曲中に何度もそのモチーフを使うようにしています。そして、それは少しずつ形を変えて弾いてもいて、色々な解釈が出来るようにも試みました。今回が初披露となった曲ですが、ライブで何度か演奏する事で、更に味が出てくる曲になってくるような気がしました。
こうして、全2ステージの演奏は終了しましたが、嬉しい事にアンコールを頂きました。これはやはり、スペイン旅行をしてきた総括として、“Spain”を演奏してしまいましょう(笑)。敢えて自分達のオリジナル・アレンジからは外れて、原曲に近い雰囲気で行うことにし、より即興性の強い方向へとシフトさせていきました。アンコールらしく、メンバーそれぞれが思い思いのままで、楽器を響かせていけたのではないでしょうか。演奏後には大きな拍手を頂き、遣り甲斐も感じられたので良かったと思います。
今回は、本来なら19:30スタートのところが、伸びに伸びて20:00頃から、そしてたっぷりと演奏してしまったので、ライブ全体が終了したのは23:00に近い時間となってしまいましたが、多くのお客さんに最後まで聴いて頂けて、本当に嬉しかったです。また、バタバタの雰囲気の中でも会場の温かさに包まれて、自分としては楽しく演奏出来ました。改めて、このトリオで演奏する事が、自分の音楽活動の意義をそのまま表しているのだと思いましたし、それは今後も続けていかなくてはならない事の1つだと確信しましたね。4月10日に新しいCDが出ますので、また何らかのライブを企画したいものです。今回もありがとうございました。またどうぞよろしくお願いします!
●今回のセットリストです!
・1ステージ 1、Final Approach(オリジナル)
2、La Cantaora(オリジナル)
3、Water Lily(オリジナル)
4、Monte Fiesole(オリジナル)
5、Tombo in 7/4
・2ステージ 1、The Night Visitor(オリジナル)
2、Love Theme From Spartacus
3、Late Sunrise(オリジナル)
4、Guernica(オリジナル)
5、The Energy Of Silence(オリジナル)
6、Casa Familia(オリジナル)
・アンコール ・Spain
☆自由ヶ丘 Cafe Spoon Bread のHP…http://spoonbread.jp/
☆池田暢夫のHP…https://sites.google.com/site/nobuoikedawebsite/
☆佐々木俊之のブログ…http://toshi-sasaki.seesaa.net/
3人のアイコンタクトも、それがなくても息が合う様子も、
指鑑賞にいそしみつつ(PV拝見以来癖になり…笑)たくさん
楽しみました♪新曲もいろいろでうれしく、特にCasa Familia
好きです、またお聴きしたいですね。
最後の写真が珍しい取り合わせで。佐々木さん(この日もメチャク
チャカッコ良し)無口そうだけど、タカオさんとどんなお話したの
かな…ふふ。
3人のアイコンタクトや、それがなくても息が合う様子を、指鑑賞
(PV拝見以来、すっかり癖に…笑)にもいそしみつつたくさん楽
しみました♪
新曲もいろいろでうれしく、特にCasa Familia好きです、また
お聴きしたいものです。
最後の写真、珍しい取り合わせですね。この日もカッコ良すぎるプ
レイだったのだけど無口そうな佐々木さんは、タカオさんとどんな
お話したのかなあ…ふふ。
2本とも表示されちゃいました。
ごめんなさいね、でもアツイ思いを感じ取ってくださいませ
(笑)。
沢山のコメント(意図はしてなかったと思いますが…笑)
ありがとうございました。やはりPV後のライブは
大きかったですかね。Spoon Bread ではキーボードを
使うので、自分も正面から見られる形になり、いつもとは
違う角度で手の動きも確認出来るのではないかと思います。
新曲も気に入って頂けて嬉しいです♪…また色々な曲を
書いていきたいですね。またどうぞお越し下さいませ!
>
そうですか、流石にサプライズはありませんでしたが(笑)、
色々な出会いがあったようで何よりです!…自分のライブを
通じて知り合ってくれるのも、何だか嬉しいものなのですよ。
是非CDも聴いて下さいね!…またよろしくお願いします!