彬子バンドは、メンバーが途中で変わっている部分もありますが、もう何年も続いているようなバンドだと言って良いと思います。基本的には、彬子さんのオリジナル曲を演奏するバンドなので、それを自分がアレンジを施して、バンドのメンバーに見合った様な演奏形態でお送りしていけたら…という思いのもと、続けていってます。
ただ、やはり高頻度でライブを行うと、悪い意味で皆、曲の演奏に慣れてしまっている部分がありました。譜面さえあれば、とりあえず演奏は出来てしまうので(しかも上手に)、それはそれで皆、納得していたのでしょう。リハーサルも1回ぐらいで済んでしまい、確かに効率良くは進められていたのかもしれません。
しかし、それはある意味で“バンド感”も失ってしまう事になっていたのでした。どちらかと言うと現状はセッション的な要素が強く(それは悪くは無いのですが)、皆がそれぞれのベストは尽くしているものの、曲の細かい部分の捉え方、処理の仕方等に関しては、思いが少々バラバラだったのは否定出来ません…。それがどこかで曲の演奏部分にも表れていたのでしょう…。個々での演奏力はあるにしても、何だかゴチャゴチャ聞こえる部分もあれば、まとまっていない演奏にも聞こえる…、もっと良くなる筈なのに、どこか惜しい、…という意見も今まで無かったわけではありません。
そんな状況も踏まえて、今回のリハーサルは綿密に行いました。…とは言え、時間にも限りがある事は十分承知していたので、今回のライブでやる曲の2,3曲をピックアップして、特に詰め込んでやる形にしました。恐らくリハーサルを進行していく役割は自分が担わなくてはならないのですが、なるべくバンドのメンバーにも意見を言って貰って、曲をセクション毎に分けて、細かい部分の捉え方を皆で揃えていきます。言葉にすると簡単ですが、この作業は途方も無いもので、へたしたら1曲しか取り上げられないくらいでもありましたが、何とかリハーサルを無事に乗り越えて、今回のライブに臨んだのです。
そしてそれは吉と出ました。今回、3マンのトリという状況でもありましたが、皆の演奏は基本的に落ち着いていて、それでいて守りに入った演奏…というわけでもありませんでした。事前のリハーサルで合わせた部分も意識しつつ、遊び心も入れて、そして自分の見せ所になったら、グンと熱くなって頂いて…(笑)。良かったと思います。
いつも自分が言っている事で、ライブでの演奏中は、誰が主役になっているかを常に考えていたいという考えがあります。今回の場合、それがボーカルであるという事は明白なので置いておいて、例えば歌の文節と文節の間には間が生じており、誰かしらのフレーズが一瞬前に出てくる時間が存在していて、それは一体どの楽器が担うのか…という事です。ピアノでも良いですし、ギターでも良いです。ベースだって良いですし、ドラムでも面白いかもしれません。ただ、その誰々という部分は、メンバー内で思いを統一していた方が良いという事です。その統一した中であれば、どのような演奏をしても、恐らくまとまるでしょう。今回のライブの成功の要因には、こうした部分が大きかったのではないかと思いました。
ただ、こうしたやり方が、逆に凶と出る時だってあるのです。なので一概に良いやり方とは言えないのですが(笑)、どうやら彬子バンドには相性が良かったようです(…と、今回のライブで理解出来たと言うか)。勿論、彬子自身の理解度も大切になってきますが、ひとまず、このような方向性で進めていけば、きっと更に良いものを作っていけるような気がしました。なので、ある意味で今回はそのスタート地点に立てたのかもしれません。まだまだ今後に期待したいと思います。次回ライブは5月14日(火)の吉祥寺 Star Pine`s Cafe(普通に対バンライブです) にてです。どうぞよろしくお願いします!
☆彬子さんのHP…http://www.akiranochikara.com/
☆南青山 Mandala のHP…http://www.mandala.gr.jp/aoyama.html