9月29日(1日目)
今回は飛行機での移動となりました。海南市は和歌山市に近く、飛行機ですと関西空港利用が便利になります。伊藤さんの演奏遠征で飛行機移動というのは珍しい気もしましたが、確かに、チェックインから既にスムーズではなく(笑)、明らかに慣れていない御様子…。成程、久し振りの飛行機旅なのだと思ったりもしました。航空会社はスターフライヤーで、全日空との共同運航便だったので、羽田空港のターミナルも全日空側と、少し特殊な状況ではありましたが、何とかチェックインは終了。本来、慌ただしくない筈なのに、雰囲気的には慌ただしく(笑)飛行機に乗り込んだものでした。
羽田空港離陸時には天気は晴れていたのですが、関西空港に近付くにつれ、天気は徐々に怪しくなっていき、着陸時には既に雨が降っていました…。この時、台風が日本列島に近付いている時期でもありまして、予測ではこの次の日の9月30日に、四国、和歌山県に上陸…との情報が入っていました。正に麗澤会当日という日で、そして自分達の戻り日も、同じ9月30日です。飛行機は台風に強くないので、この時点で帰りのスケジュールに影響があるのでは…と思いましたが、まずは演奏の場に向けて集中していく事にしましょう。
空港ではアテンドの方(この方も麗澤の卒業生でした)がいらしていて、その方の車で麗澤会が行われる場所まで移動していきました。空港から40~50分程の道のりだったでしょうか。海南市にある和歌山マリーナシティという、橋で繋がっている小さな島のような所に入り、そこに位置するロイヤルパインズホテルという所が、今回の演奏場所との事でした。ここで自分達も宿泊させて頂けるという事で、大変有難い話しですが、リゾート地の雰囲気が全面に出ているだけに、天候だけが悔やまれます。周りにはヨット・ハーバー、そしてポルト・ヨーロッパというテーマパークもありまして、この島全体が観光地になっているのだと思いました。
移動をしてきた身だったので、少し休みたい気持ちもありましたが、早速打ち合わせが行なわれました。…というのは、この麗澤会での演奏の曲目として、譜面を作らなければいけない曲があったからです。これが素材として、メロディーを言葉で書いてる(ドドレミード…的な…笑)ものしかなく、ここから譜面を作るのは至難の業でもありました。…この曲を知っている方も少なく、麗澤高校kで音楽の教鞭をとっていた方とお会いし、キーボードを使ってハーモニーの確認をする等、正に雲を掴むような感じで譜面を書いていったのですが、何とか1時間後には出来上がりました。先生的にも満足のいく再現度だったようで、幾分ホッとしたものです。
リハーサルもしたいところでしたが、会場が明日にならないとセッティングが出来なく、とりあえずはこの日の予定はここまでとなりました。この時点で夕方くらいの時刻にはなっており、御飯でも…という事で、和歌山ラーメンを食しに行く事に…。なかなか緩いスケジューリングではないですか(笑)。
和歌山ラーメンに満足し、後は島内にある温泉施設に出向き、更に緩い時間を過ごしたものでした(笑)。次の日の演奏は昼過ぎぐらいの予定なので、リハーサルも朝9:00頃からと、むしろ気合いを入れていきたいのは次の日からでしょう…。自分も早々に眠ってしまい、明日からの演奏に備えて、ツアー1日目は幕を閉じました。
9月30日(2日目)
さて、この日の朝は早かったです…。会自体が昼前から始まるので、それ用のリハーサルは、それ以前に終わらせなければならず、朝の9:00に会場集合というものでした。しかし、会場に着くと既にセッティングは出来ており、他のスタッフの方の行動力には恐れ入りましたが、とにかく無事にリハーサルは終了し、やっと朝御飯にありつけました。外は既に雨が強く降っており、台風が近付いているのだと感じさせてくれましたが、それよりも朝食のバイキング形式の中に、梅干しが数種類あって、それが選びたい放題というのが驚きました。成程、ここは和歌山県なのだと思わせますが、何だか贅沢な朝食だなとも思ったものです。
そしてお昼前になり、いよいよ麗澤会関西大会が開催されました。悪天候にも関わらず、かなり多くの方がいらっしゃっていて、第○期等のテーブルが沢山用意され、これは予想以上の盛大なパーティーである事が窺えるというものでした。
その状況を思わせてくれたのが、ステージ上で行われた、鮪の解体ショーです。恐らく獲れたての、かなり立派な鮪が堂々と祭壇?に上げられ、目の前でどんどん解体されていくではないですか。…そういえば、和歌山県は鮪の産地としても有名でしたが、まさかこんな所で見れるとは思ってもみませんでした。解体された鮪は、ここの会場にいる全員に鮪(トロ含む)寿司として振る舞われ、これがまた美味しかったです。そもそも、この解体ショーが行われる前にも、自分達には一般の方と同じコース料理が用意されていて、既にお腹は満足ではあったのですが、あまりにも美味しくてペロリでした。何だか、この後に演奏する事を忘れてしまいそうです(笑)。
…と、そういうわけにもいきません。この鮪の解体ショーの次の出し物が、自分達による演奏だったのですから…。結局、あまりゆっくり食べてもいられず、慌ただしくステージへと出向いてセッティング…。そして伊藤さんの発声により、演奏のスタートとなりました。
そもそもの演奏時間が短かったので、出来る曲は限られ、しかもそのうち半分以上は、この麗澤会に参加している方が書かれた歌詞の曲や、理事長クラスの方を歌わせるような曲を用意していたので、いつもの伊藤さんのライブとはまた違った雰囲気のものとなりました。ただ、皆さん既にお酒も沢山召し上がっていたのか、反応としては上々で、最後には会場の一体感も生まれていたような気もしました。伊藤さんが、麗澤会の為に作曲した曲も演奏し、これらは御存知の方も多かったという事で、ある意味で和やかな時間にもなったのでしょう。短いながらも、役割を果たせた気持ちが多かったです。喜んで頂けて良かったと思います。
さて、これで自分達の出番は終わり、後はのんびりと会を楽しむだけとなりましたが、そろそろ天候の方が気になってきてしまいました。この後の予定はというと、会が終わって、それぞれの片付けを終えたら迅速に関西空港に戻り、夕方過ぎの飛行機で東京に戻る…という事になっていたのですが、この時点で台風が本当に接近しており、外を見ると、雨以上に風が本当に強い状態となっていたのです。このエリアは、南国らしさを演出する為か、ヤシの木らしいものが沢山植えられているのですが、よく見ると、それらはかなり風で揺れており、部屋内からも風が目に見えるような状況ではありました。
そしてついに、皆が恐れていた事が起きました。関西空港を離発着する便が、この日は全便に運休になってしまったのです。この時点で、関西空港に行っても意味が無い事になってしまい、自分達は他で帰る手段を迫られる事になりました。…1日待って、次の日の関西空港からの便で帰る…という手もありましたが、今が凄くダイヤが乱れている事を考えると、次の日のダイヤにも影響してしまう可能性も否めませんでした。
そうなると、やはり新幹線で帰る事が考えられますが、ここは和歌山の海南市…。大阪にまず移動しなくてはならないのです。車で和歌山駅までは送ってくれるとの事ですが、その先の電車の運行状況はどうなのでしょうか。そして、新幹線も結局、台風の影響で止まってしまうのではないでしょうか…。
和歌山から大阪に行くには、JR阪和線か、南海電鉄がありますが、JRは特急列車の運転が見合わせで、南海電鉄は本線が、徐行運転なものの通常通り運転しているという事で、ひとまず南海電鉄を使って大阪に向かう事に決めました。この時点で、東海道新幹線の新大阪駅~名古屋駅間での運転見合わせが決定してしまいましたが、この後の台風の進路によって、もしかしたらその運休区間は変わっていくのかもしれません…。その状況を願って、南海電鉄の和歌山市駅に向かい、非常に強い雨風を体験しつつ(右上写真参照)、10分遅れで発車した特急列車に無事に乗る事が出来ました。
特急電車と言えども、かなり遅いスピードでの徐行運転となっていたので、思ったより大阪に出るには時間が掛かりそうでした。正に台風の勢いもピークという感じで、ちょうど上陸した頃だったのではないでしょうか。電車の中にいたので平気でしたが、車窓から見る景色は、自然の厳しさを物語るような、荒々しい状況ではありました。
途中の尾崎駅からは徐行を解かれたものの、他の電車との遅れの兼ね合いがあるのか、軽快なスピード…というわけにはいかず、それでも徐々に大阪に近付いてはきました…。そして、泉佐野駅、貝塚駅辺りになると、だいぶ景色も都会的になってきて、通常通りの走行へと戻ってきました。外を見てみると、雨風もピークを過ぎたのか、だんだん街が活気付いて見えてくるようになってきたのですから不思議です。既に空は暗くなってきており、電車を乗り継いで新大阪駅に着けたのは19:00頃になっていました。
そして、雨は小降りになってきていたのですが、やはり東海道新幹線は運休…との事でした。ただ、現在の運転見合わせ区間が、名古屋駅~豊橋駅になっており、台風と共に運休区間が移動していたのが分かります。しかし、その区間が運転見合わせというお陰で、『のぞみ』号等の東京駅行きの列車は全て運行しておらず、窓口の人に聞いても、運転再開の目途は立っていない…との返答でした。
これはもう…、仕方ありません。この日は大阪に泊まり、次の日の朝に新幹線で東京に帰るしか術はなさそうでした。実は自分と池田君は、この次の昼にリハーサルが入っており、どうしても昼までには東京に戻らなければならなかったのですが、特に予定が無くても、とりあえずは早めに東京に戻っておきたいものです。今日は、移動と交通手段の確保で疲れてしまいました。
しかし、宿が決まればこちらのものです。この日の宿は、なるべく安く…と、西中島南方という場所でのホテルを選ばせて頂きましたが、チェックインした時点で夜の20:00…。まだまだこの日の時間は残っているではないですか。これはもう、残りの時間で大阪の街を堪能するしかないでしょう(笑)。早速、池田君とミキヤとの3人で、夜の大阪へと繰り出したのでした(伊藤さんと奥さんは…ホテルに居残っていました…勿体無い…笑)。
まず向かったのは、これぞ大阪!と言える心斎橋。この時点でもう雨は完璧にあがっており、絶好の探索日和となっていました。道頓堀を堪能し、大阪らしい街を堪能し、勿論たこ焼きも堪能し、居酒屋を堪能し…。かなり充実した時間を過ごせたと思います。
最終的には、心斎橋から梅田へと移動し、ここでは終電も忘れて(笑)、3人で結構色々な話しをしていたものでした。ミキヤの今後の進路の話しや、音楽とどうやって向き合っていくか…等々、結構真面目な会話も飛び出していたのですが、そういえば、ここまで深い話しをしたのは今回が始めてだったのではないでしょうか。ミキヤと自分との2人では、そんなに真面目な話しにならないので(笑)、やはりここはA型の池田君のお陰でしょう。この時間のお陰で、3人の関係がより密になれた感じもあり、結果、台風に感謝したくなるような夜でもありました。
…結局、お店を出たのは深夜2:00過ぎ…。電車は勿論無いですが、2駅分ぐらいだったので、国道423号線(新御堂筋)を通って歩いてホテルまで帰りました(笑)。深夜2:30頃の淀川橋梁は、だいぶ治安面で不安にさせてくれる雰囲気でしたが、無事にホテルに到着…。少ない睡眠時間ながら、充実した1日を過ごせた満足感で熟睡出来た夜でもありました♪
10月1日(3日目)
1日帰りが延びてしまった3日目…。自分と池田君は、12:30までに北赤羽駅に着いておきたかった為、新大阪駅発の新幹線を大体9:00発ぐらいだろうと踏んでいたのですが、正にその時刻に出発する列車があったので、その『のぞみ』号で一路東京まで向かいました。
道中はのんびり…と言うと、実はそんな事は全然無く、むしろ、やらなければいけない事が沢山ありました。…というのは、東京到着後に控えているリハーサルの件です。この日までに自分達は譜面を作ってこなければならず、あと3、4曲程残っていたのですが、本来、この前日に自宅に帰れる事を想定して予定を組んでいたので、この新幹線の車内で採譜をせざるを得なかったのです(…かと言って、昨日の大阪探索を削るわけにもいかなかったのです…笑)。
東京までの所要時間は、約2時間半…。自分は2曲を担当し、余裕だと思っていたのですが、揺れる新幹線の車内では、なかなか集中力が持続しなく、しかも少し電車酔いみたいな感じにもなり、ホントにギリギリの状態での仕上がりになりました。それでも、なんとかリハーサルに間に合わせる事が出来て良かったです。
結局、最初から最後までバタバタだった今回のツアー…。それでも、確かな収穫はあったと思います。またこのメンバーでどこかに行けたら良いですね。そしたら、ますます音楽的にも良くなっていくかもしれませんしね!
☆和歌山ロイヤルパインズホテルのHP…http://www.marinacity.com/hotel/top.html