今回も出演者は豪華で…、というより、今年はいつもと趣向を変えて、完全に劇仕立てで行われていた事が特徴として挙げられましょう。この恒例のディナーショーは、回を重ねる毎に内容が詰め込まれたものになっていると思っているのですが、昨年も、ほぼ休み無しでライブ演奏が続く等、少しストーリー風的な要素が加わっているようには思っていました。今回はその更に発展系とでも言いましょうか…。脚本があり、演者には役があり、演奏者である自分達も、セリフや演技のタイミングによって演奏を始めたり終わらせたりする場面が度々出てきます。
今回も自分は、バンド演奏部門のバンマスを務めさせて頂きましたが、これはいつも以上に負担の大きい状況だと思わざるを得ませんでした。演奏云々もそうなのですが、まず脚本にしっかりと目を通させ、演奏が演技の妨げとならないように進めていかなければいけません…。これは流石に自分1人だけの力ではどうにもならず、バンド・メンバー同士の信頼関係が重要となってくるのでしょうが、バンド・リハーサルに与えられた時間は僅か3日間…。今回のメンバーには初めましての方も多くいて、そしていつも以上に人数も増えていましたので、アレンジや譜面制作をする段階で、かなりタイトな時間配分を要されました。
ざっと、今回の出演者の名前を列挙しますと、まず、演技、歌、踊り関係の方々で、お馴染みの夢輝のあさん、鳴海じゅんさん、大真みらんさん。そして毬穂えりなさん、かずさ容子さん、瀧川末子さん、紫陽レネさん、相当久し振りだった真灯かなたさん、そしてスペシャルゲストの美勇士さん。そして演奏メンバーが、ピアノに自分、ギターに後藤郁夫さん、ベースに大森輝作さん、後は自分は初めましての方で、ドラム・パーカッションに井手野敦さん、トランペットに平山卓真さん、そしてバイオリンに橘さんでした。
演者さんが9名、バンド演奏者6名と、計15人の出演者から成る演目です。勿論、更に脚本担当がいて、照明やSE、進行等の役割の方もいますから、いままで以上に多くの方が関わったディナーショーである事は、もはや説明は不要でしょう…。
このように、多大なる協力があって実現したディナーショーでしたが、終わってみると、やはりあっという間と言いますか、せっかく作ってきたのに勿体無いと思ってしまいます。しかし、この儚さが魅力的な部分でもあるのでしょうね。1つ1つの演技、演奏を大切にし、今までの稽古を振り返りながらも、皆で1つのものを作っていく…。何とも美しい事ではないですか。勿論そのような思いは、前々から頭では分かっていたつもりですが、今回のは今まで以上に心に刻まれました。少し写真で振り返ってみたいと思います。
楽器演奏者こそ、ステージ背後に板付きですが、出演者は入れ替わり立ち代わりで、面白いように展開がポンポン進み、見ている人を飽きさせない感じでした。そしてセリフの中に入るそれぞれの楽曲では、持ち前の歌声やダンスを披露させ、これは“ショー”である事を、改めて自分達に投げ掛けてくれます。
スペシャル・ゲストの美勇士さんも、何と“あゝ無情”で参戦!…豪華さに華を添えている感じでした。今回の演奏曲目は、驚きの全25曲!…更にピアノ1人で、恒例のBGM演奏も今回はセリフ中に行っていますから、心が休まる時は皆無と言っても過言ではなく、そしてそれをやり切りました。曲の演奏中は、常に次の曲の事を考えているような感じです。それが最初から最後まで続くのですから…、いやー、大変でした…。
今回はメイン・ステージの他に、客席の後方、真ん中にもステージが置かれ、そこでも勿論歌声等は披露されます。お客さんも、前を見たり後ろを見たりと、なかなか忙しい状況が続いたかもしれませんが、これが、あっという間に時間を経たせる事の工夫でもありますね。流石に後方でのステージですと、演奏者への合図的なものが難しい感じにはなってしまいましたが、あとは演奏そのものを楽しむ事に注ぎました。昼夜とは言え、たった2回の演奏ですから、より良い物を残したいのです。気持ちの部分も、非常に大きいと思います。
そして今回のテーマの1つに“ラテン”というものがありました。舞台がパラダイス島…という島でのものだったので(笑)、何だか分かるような気もしましたが、こんなに多くのラテン曲を一度に演奏したのも珍しかったかもしれません。また、既存の曲をラテン風に演奏する事も幾つかあったので、これは脚本以上に?熱い内容のものが出来上がっていたようにも思います。この時期で、しかもクリスマス・ディナーショーと銘打ってまでいるのに、クリスマス曲は1曲も演奏しなかったという(笑)今回のショー…。真夏のイメージで(…とは言え、ショーのタイトルは“Paradise of Snow”でしたが…)お送りする事が出来て、良かったと思います♪
それは打ち上げも盛り上がったものでした(今回、打ち上げ会場は、東京會舘の楽屋内で行わさせて頂きました)。リハーサルはあれど、本番までの時間の余裕がまるで無かったので、ここで初めて出演者の方々とちゃんと話せる時間が作れたような感じでした。
そう考えると、やはり今回の1日だけでは勿体無いように思ってしまいますね…。演奏面でのクオリティ向上もそうですが、やはり色々な人とお話しをすると、それが次のステージへの良き方向に表れてくるような気がするからです。お互いに苦労を経験しましたし、楽しい時間も共に分かち合えました。また機会があればと思いますが、ひとまずディナーショーが無事に終わってホッとしました。皆さん、お疲れ様でした!…そして、ありがとうございました♪
☆夢輝のあさんのHP…http://www.kuromitsuyuka.com/index2.html
☆丸の内、東京會舘のHP…http://www.kaikan.co.jp/