故に今回は、あまりにも自宅から近い場所でのライブ…という状況になっていたわけですが、早速その状況を生かすべく、お店まで、家から自転車で向かいました(笑)。自転車では10~15分(人が多いので、時間帯によってはノロノロの運転になります)の距離で、池袋は自宅から本当に近いのです。天気が若干悪かったのですが、雨は避けられたのは幸いでした。
そして鹿嶋さんと池袋でライブをやるなら…と、是非行っておきたい店がありました。それが上写真参照の、“Pho 24(フォー・トゥエンティ・フォー)”というお店です。ベトナム発というフォーの専門店(且つチェーン店)で、自分は2010年に訪れたベトナムのホーチミンの旅行〔旅日記 32.ベトナム、ホーチミン編(2010.1.31~2.4)参照〕で初めて名を知った(記事には書いてませんが…)のですが、チェーン店という事で安心して入れ、しかも向こうでは名前の通り?24時間営業だったので、時間を気にせず立ち寄れたのが良かったのです(一応、名前の由来としては、24種類の素材で調理したスープ…という意味が込められているそうです)。値段は、現地の物価からすると若干高めでしたが、とても美味しかったのを覚えていました…。そして日本帰国後、いつの間にか市ヶ谷に日本1号店が出来たのとの情報が入り、そして2号店は何とも身近な場所、池袋にオープンしたのでした。
実は、鹿嶋さんと自分とは、事前にリハーサルを行う時に、よく池袋にあるスタジオを使っていて、駅からそのスタジオまでの途中に、この Pho 24 は存在したのです(…というか、偶然に見付けたのでした…)。そして鹿嶋さんには紹介したものの、まだ自分は日本では入った事が無かったので、今回は本当に良い機会だと思ったのでした。前置きが長くなりましたが、この日はフォーガー(鶏肉入りのフォー)と333(バーバーバー…ベトナムのポピュラーなビール)を注文し、つまりは自分はライブ前の至福の時間を過ごせたという事です(笑)。本番にも、気持ち良い形で?臨めたように思います。
さて、この日は自分達も含めて、全4組のアーティストの方々が出演していて、これまたいつも以上にバラエティに富んだ内容となっていました。1バンド目には、“はわいらて”という2人組のバンドで、1人はギターを持って歌うのですが、途中にはドラムを叩きながら歌うシーンもあり、周囲を驚かせます…(笑)。そしてもう1人は、モンゴルの民族楽器を使いながら、時にホーミーを用い、独特の世界観を持って演奏をしていました。そのサウンドは、やはりバンドの個性となり、日本語のオリジナル曲なのに、どこか異世界のような空間を感じさせる等、いつの間にか彼らのステージが出来上がっていたのは流石と思いました。
…さて、自分達は今回は、2バンド目の出演でした。鹿嶋さんとのステージは本当に久し振りになりますが、そんな1曲目に、いきなり“Misty”を取り上げたのは意外だったかもしれません。リクエストが来ていたからとの事でしたが、ジャズ・スタンダードらしく、ある程度の自由は持ちつつ、それでも歌詞の意味を大切にしながら演奏していきました。そして、鹿嶋さんとのお馴染みのナンバー、“ヨイトマケの唄”もやりつつ、“枯葉”や“また君に恋してる”等、少し秋らしさを感じさせたセットリストをお送りしていった感じはありました。
また、一緒にやる曲としては、今回が新曲の扱いになる“I'm So Lonesome I Could Cry”や、先程の“枯葉”等は、歌詞は鹿嶋さんが独自に訳した日本語詞で歌っていきます。これらの曲の日本語訳というのは、既存ので有名なのもあるのですが、そこはもっと大事に訳したい…という鹿嶋さんの強い思いから、より丁寧に、そして自分の解釈も交えて訳された歌詞でお送りしていきます。ここが鹿嶋さんのオリジナリティと言いますか、そこが世界観の1つという特徴になるのでしょうね。アレンジも勿論、施していますから、原曲ともまた異なった雰囲気を作り出す事に成功しています。そしてお客さんからすれば、それらの曲の新たな魅力に気付けたりするのではないでしょうか。
そして、最後には久し振りの“奇妙な果実”を演奏しました(勿論、鹿嶋さんの日本語訳詞で…です)。これは演奏する側にとっても、かなり気合の必要な曲ではあるのですが、確かに弾き終えた瞬間、居ても立ってもいられないような心境になりました。良い意味で…だと問題は無いのですが、あながち良い意味で…とは言えないのかもしれません…。とにかく、曲の持つパワーは弾き手にすら影響を与えてしまうのか…と思う程でした。…これが自分達のステージの最後の曲だったわけですが、なかなかに濃い演奏になりました。無事、次のバンドの方にバトンを渡せていれば良かったのですが…(笑)。
そして3バンド目には、ボーカル兼ミニ?シンセサイザーの方を中心に、手造り感溢れた電子仕様にもなる打楽器の方、そしてコーラス兼トロンボーンの方との3人組という(笑)、“河津落としプラン”という名前の方々の、かなり異色とも言える演奏を、そして4バンド目には、ギター弾き語りの山田庵巳さんを迎えてお送りしていきました。前者の方の音楽も独特なものでしたが、4番目の山田さんも、なんと8弦ギターを弾きながらの登場となっており、しかも普通に歌を歌うのではなく、ストーリー仕立てで、曲と曲の間も話しながらギターでBGMを付けて進めており、即興的な部分も含めて、本当に最初から最後まで目が離せない演奏でした。
改めて、鈴ん小屋という場所に集まるミュージシャンの個性の極まり度が、大変凄いものであるという事を確信致しました。むしろ、日に日にパワーアップしているのではないでしょうか。アンダー・グラウンドな世界と言ってしまえばそれまでですが、外に発信していきたいという気持ちの強さは、どこにも負けないものが感じられました。こういった特徴あるライブハウスは、本当に大事にしていかなければいけないように思いますね。そんなお店が自宅の近所にあって、何だか嬉しいような、恥ずかしいような…(笑)。とにかく、充実した1日でありました。どうもお疲れ様でした♪
☆鹿嶋敏行さんのブログ…blogs.yahoo.co.jp/kajimarl_to_the_world
☆池袋鈴ん小屋のHP…www.ringoya.org/
☆Pho 24 の(日本の)HP…http://www.7andi-fs.co.jp/pho24/