5月11日(1日目)
自分は、前日の5月10日に渋谷でのライブ〔凝縮を目指したい参照〕を終え、一時帰宅をしつつも、ほぼそのままの足で神奈川県の鷺沼駅へと足を運ばせました。ドラムの伊藤隆郎さんの自宅が、わりと近くにある為で、ここでまた前回のツアーのように楽器を入れ替え(勿論、入れ忘れが無いように厳重に注意…笑)〔TRI4TH 関西ツアー(2012.5.3~5.6)参照〕、そのまま東名高速道路で西へと車を走らせました。
前回、TRI4TH での車移動では、それぞれの運転時間の間隔がやたら短い…と書きましたが、今回はそうでもなく、それぞれが2時間強は運転していたでしょうか…。やはり、鳥取までの道のりはどうしても時間が掛かってしまうので、少し長めのスパンを置かないと面倒な事になってしまう事の表れでしょう。自分は、東名阪自動車道の御在所SA(三重県)から、中国自動車道の加西SA(兵庫県)を担当(どちらも、関東在住者にとっては、馴染み無い地名ですよね)。今回は言わば、早朝の時間帯担当でしたが、前日のライブ前にビールを飲んでいたので、仕方ありません(笑)。いや、むしろその為に、早い時間にビールを飲んでおいたので、これは計画的なものだったと言って良いのではないでしょうか。
加西SA到着時点で、時刻は朝の8:30頃になっていましたが、ついにこの後、自分に眠気が襲い始めました(逆に、それまではずっと起きてられました)。いつの間にか車は高速道路を降りて地道を走り、途中での休憩ポイントも眠ったまま過ごし(笑)、気付くと藤田家の実家の前に着いているという状況でした。
そう、ここは鳥取県の倉吉市…。サックスの藤田君の出身地でもあり、今夜はここの家にお世話にもなり、そして今夜の演奏場所である Cafe 楽…は、この家のほぼ隣りに位置しているのでした。何だか一気に地元感が漂ってきますが(笑)、到着時刻は朝10:30…。そして、この日のお店への入り時間は15:00。もう皆の脳裏に、藤田家で仮眠が出来るという思いが浮かんでいた事でしょう。…その前には勿論、Cafe 楽には挨拶も済ましておきまして…、では、いったん眠る事にします(笑)!
自分で言うのも何ですが、この時の寝付きは物凄く良かったです(笑)。寝て起きて、次に気付いた時には時計はもう14:30過ぎになっており、間の記憶が飛んだまま、“Cafe 楽”入りを果たしました(この時、家の隣りに位置するのが、どんなに嬉しかった事やら…笑)。お店では既に機材セッティングの準備がなされ、テーブルや椅子がいったん片付けられ、徐々にステージらしき雰囲気が出来上がってきています。そもそも、このお店でライブ…というものが行われる事自体が初めての事で、自分達は勿論、店員さんも慣れない状況にドタバタな感じではありますが、なんとかステージが出来上がり、リハーサル中には客席も出来上がり、いよいよ本番を待つのみとなりました。
…ライブは18:30からの予定となっていましたが、お客さんは既に満杯の状態となっていて、こちらも気合が入るというものでした。流石、鳥取と言えば藤田家…という感じですが(笑)、こういった Cafe でのライブというのも、またいつもと違った雰囲気もあり、最初は探り探りの演奏になっていく事でしょう…。これはもう、自分達的に既に分かっていた事で、この共通の思いが、結果的にリラックスした演奏に繋がっていった事になるのです。
この日は、今までやってきたオリジナル曲は勿論ですが、“わらべ JAZZ”の曲も積極的に取り入れて、誰にでも分かりやすい感じのステージをお届けしていきました。初めて行う場所…という状況もあるのでしょう。自分達の最近のライブを振り返ってみると、オリジナル曲に特化する日もあれば、“わらべ JAZZ”に特化する日…というように、日によって選曲の傾向が色々と変わっていくものですが、この日が、そのどちらもを融合させた選曲になっていたのは、やはりお店の雰囲気と、客層を考慮してのものだと思います。…どちらかと言うとオリジナル曲が多めになったのも、まあ理解出来る事で、“TRI4TH”としての自己紹介を兼ねつつ、ここ最近の活動をアピールする時間であったりと、その辺りはバランスで成り立たせている感じです。初めて御覧になった方は勿論ですが、リピーターの方にも聴きやすい時間が、そこにはあったように思いました。
目新しかったのは、織田君がこの日、この鳥取にくる車中で作ったという、言わば新曲を披露した事でしょう…。本当に、先程出来上がったばかりのホヤホヤの曲で、この倉吉という土地をイメージして作ったとの事でしたが、自分達としても初見に近い状態で演奏したので、とにかく譜面と、そこから湧き上がる音を素直に受け取り、そのまま音にしていったという感じでした。タイトルにしても、仮のままなので、この先どのような展開が待っているかは全く分からないのですが(笑)、演奏してて、非常に新鮮な時間だったと思います。TRI4TH はどちらかと言うとリハーサル(当日ではなく、事前のスタジオにて)を入念にしていくバンドで、今回のような状況で新曲を披露するという機会は殆ど無く、それが新鮮さに繋がっていったのだと思いますが、個人的にはとても楽しい時間でした。皆、曲を完成させようと、必死と言えば必死の状況でもあるのですが(笑)、そのスリル感がまた良かったような(そして、曲調がそんなにスリル感が無いのが、また良かったのです…笑)…。ある意味で、一番ジャズらしかった時間だったかもしれませんね。
今回は全2ステージと、たっぷりお送りさせて頂きましたが、基本的にはあっという間に過ぎ去っていった感覚が強かったですね…。この日のスケジュール的に、深夜中に東京から鳥取県まで移動してきて、仮眠、後のリハーサル→ライブ…だったので、余計にそう思ったのかもしれませんが、それでも印象に残るライブではありました。急ぎではありましたが、ここでライブを実現出来た事の達成感と、長い1日の内の、このライブの時間にピークを持ってきたが故の疲労感が入り混じったような…、とにかく、十分に満足出来た時間だったと思います!
TRI4TH として、自分が鳥取(倉吉)でライブをやるのは今回が初めてで、自分的には自己紹介も含めたライブになったと思いましたが、温かいお客さんに囲まれ、楽しいライブを過ごす事が出来ました。そして、音楽に対する静かな熱さも感じましたね。それは一体感だったり、自分発信の勢いの高さだったりするのですが、それらも含めて、今後が楽しみになる事間違い無しの手応えは感じました。またライブ…、やりたいですね。どうもありがとうございました!
ライブ後は、そのまま徒歩1分の場所にある打ち上げ会場へ…と言うか、先程の藤田君の実家に戻ってきただけですが(笑)、ここで藤田家知り合いの方を囲んで、食事も兼ねた懇親会が開かれました。ビールが振る舞われ、ワインが振る舞われ…、そして、食事の量が半端な感じではなく振る舞われた…という事も記しておきましょう(笑)。それまでの移動の苦労が報われるような時間で、更に楽しい時間を過ごしていきたい感じでしたが、これまた次の日の朝が、とてつもなく早いのです…。時計が24:00を回って、流石に眠っておかなければいけない時間となりました。そう、このツアーは今日がゴールではありません…。あともう1日…、言わば全48時間の内、残り24時間の過ごし方が大切になってくるのです…。果たして、次の日はどんな1日が待っているのでしょうか。それまで、束の間の睡眠をとりたいと思います。
5月12日(2日目)
この日は、藤田君の家を朝5:00には出なければならない事になっていました。この日は大阪の堺市にて、昼の演奏になるので、会場に朝9:00頃には着いていなければいけなかったからです。眠い目を擦りながら時計を見てみると、既に4:40という時刻です。…しかし、残念ながら?身体が全く動きません…。自分が眠らせて貰っていた大部屋には、織田君や隆郎さんも同席?していましたが、皆、同じく動く気配がありません。まあ、そんなもんか、…と思っている内に、時刻は4:45、4:50と経っていって、ついに4:55…、「おはようございます!!」という大きな声と共に、その沈黙は打ち破られました。顔を上げると、妙に爽やかな藤田君が、笑顔で部屋の中に入ってきているところでした。
家の方に挨拶をして、そそくさと大阪へ向けて出発しました。若干、雲の多い天気でしたが、この日本海側だけだったのでしょう。山を越えて高速道路に乗る辺り(ここまで、1時間くらいは掛かるのですが…)では青空も見えてきて、天候と共に、皆の目覚めもハッキリとしたものになってくるのが分かったくらいでした(笑)。
高速は概ね順調で、ほぼ渋滞も無く大阪市内まで来る事が出来ました。…とは言え、堺市は大阪地区の更に南側に位置するので、いくら順調とは言え、この大阪市内を抜けるのは慎重にならなければいけないのですが、ここも混雑する事無く、今回の演奏場所である大阪リーガロイヤルホテルに到着しました。ホテルでの演奏!…ではなく、その敷地内にある堺ポルタス広場という所でしたが、言わば南海電鉄の堺駅の駅前…という感じでしょうか。とにかく、時間通りに着けて良かったです。
会場には早く着いたものの、機材は全て自分達で持ち込みで、まず会場にそれらを運んでいかなければなりません。ドラムキーボード等は、もはや現地調達で、ここ堺市に着いてから、再度それらを借りに向かったので、意外と時間はタイトだったのです。つまりは、実際に指定された時間よりは早く着いていたものですから、この時点での会場の静けさと言ったら、本当にここで行われるのかと思ってしまう程でした(笑)。まあ、遅刻するよりは十分マシですね。
今回この場所では、堺警察署による自転車交通安全「春の集い」というイベントに、TRI4TH がゲストとして出演する…という事になっています。イベントは13:00から始まり、会場の広場には椅子を敷き詰め、安全指導等を行っていき、途中では“ザ・セーフティー・サイクルマン”という謎のキャラクターも登場(かなりガタイが良い…笑)したりして、なかなか皆さん楽しんでおられる様子です(笑)。そして、意を決して?自分達の登場。『わらべ JAZZ』を中心に、野外という環境を生かして、伸び伸びと演奏させて頂きました!
警察のイベントという事で、“犬のおまわりさん”は欠かせません(笑)。やはり自分達の特徴を端的に表す時に、『わらべ JAZZ』は本当にやりやすいですね。ジャズという、言わば特徴的な演奏に、個々のアレンジを施している部分を如実に見せる事が出来るのです。そして、元の曲はと言えば、誰でも知っている“童謡”なのですから、気にならないわけがありません。今回は子供達も多く見てくれていましたが、やはりお客さんの中心は御高齢の方々…という感じで、そこは逆に“童謡”からのジャズ…という話しがしやすかった環境のようにも思いました。そんな方々を踏まえてか、事前に、舟木一夫の“高校3年生”のリクエストがありまして(笑)、この曲の演奏をジャズらしくお届けしたもの、この日の特徴だったように思いました。
“幸せなら手をたたこう”では、やはり手拍子を促しましたし、ラストの“ぶんぶんぶん”では、お客さん皆で立ち上がって、なかなかのテンポ感ある曲に手拍子を付けて、盛り上がってくれました。野外という環境ではあるものの、高い所に屋根が備え付けられてあって、音は結構反響してたりしたのですが、手拍子もその反響に便乗してか、かなり大人数で楽しんでいるような状況になっていました(笑)。警察のイベントだったので、ある程度は固いイメージのステージにしなければならないのかな…とも思っていましたが、見てくれた警察の方々もノリノリで、本当に楽しい時間になっていて何よりです。改めて、ありがとうございました!
ステージ後には、CDの販売やサイン会等を行いましたが、子供達が大勢で駆け付けてくれたのは嬉しかったです。手には1枚の紙切れ(中には、ノートや折り紙を持って来ていた子供もいましたね…)を持っていて、これにサインして!…と言うではないですか。本当に普通の紙切れだったので、一瞬躊躇うも(笑)、皆で丁寧にサインを書いていったものです。大事にしてくれれば良いのですが…(笑)。
…さて、ここは大阪の堺市に位置するわけですが、ここで先週のツアーでもお世話になった、関谷君の御家族と落ち合い、このまま御飯に連れて行ってくれる事になりました。この日の演奏はもう終わりで(つまりは、ツアー中の演奏を全行程終えた事になります)、後は東京に真っ直ぐ帰るだけだったのですが、この腹ごしらえの時間は非常に大事な時間です。スタミナを付ける意味でも、トンカツを選択し、十分に満足のいく身体に調える事が出来ました。関谷君的にも、大切な家族の時間になったのではないでしょうか。どうも御馳走様でした!
…さて、ここまで来たら後は東京までドライブです(笑)。この時点で時刻は17:00過ぎぐらいになっていましたが、うまく行けば同日中に自宅に着けるかもしれません。都市高速を使って名神自動車道に入り、その後は新名神、東名阪、伊勢湾、東名、新東名…というルートで帰りました(勿論、途中でお土産は買いつつ…笑)。途中では渋滞も殆どなく、やはり新名神や新東名の威力の甲斐もあってか、自宅には先述通り、24:30に到着しました。優秀な所要時間ではありませんか!
この約48時間前に自宅を出たと思うと、なかなか感慨深いものがありますが、2日間で鳥取まで行って、しかも大阪に寄って帰れる…、というものは実現を果たせた事になります。今後への自信がついたと共に、次作CDにもこのモチベーションは反映されそうですね…。そして先週の関西ツアーと併せて、自分的にも、TRI4TH のメンバーとしての自信がついた1週間となりました。どうもお疲れ様でした!
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com/
☆湯梨浜(鳥取)Cafe 楽のブログ…http://blog.zige.jp/raku-yuru/
☆大阪リーガロイヤルホテル堺のHP…http://www.rihga.co.jp/sakai/index.html