前作と比べて大きな違いは、やはり前作は“Aka Is. Funky”という、曲そのものをピックアップしたCDになっていたわけですが、今作では“沖縄民謡のジャズ・アレンジ曲”という、いわゆるアルバム自体の“テーマ”を掲げての作品にしたという事です。今年は沖縄の本土復帰40年にあたり、西仲さん自身も、この年を何かの節目と捉えて、アルバムの作成を決意したのだとか…。メンバーは、東京で何度かライブを行ったカルテット編成〔西仲美咲、東京ツアー(2012.4.12~4.14)参照〕を指名して頂きまして、つまりは西仲さんは現在沖縄に住んでいるので、わざわざこの為に東京にやって来てレコーディングを行ったという事になります。
そんなレコーディング・メンバーは、ピアノに自分、エレキベースに、前作も参加して頂いたトオイダイスケ君、そしてドラムには国場幸孝君です。お互いのプレイにも慣れているメンバー同士という事で、恐らく順調にいくだろうという事は、メンバーが決まった時点で予想出来たものでした(笑)。
実際、スタジオを予約した14:00~22:00の8時間で、沖縄民謡のアレンジ曲を5曲、そして今作唯一の西仲さんのオリジナル曲を1曲の、合計6曲録る事が出来ましたから、これは順調と言って良いスケジューリングだと思いました。…まあ、最初の1時間と最後の1時間は、楽器のセッティングや、録音を聴き直したりする時間に充てられるので、実質的に、1曲1時間ペースでしょう…。スタジオを借りているという立場上、時間との戦いも大きくは無視出来ない存在となっており、その意味では今回のレコーディングは効率且つ、充実していた内容のものになっていたように思います。
そして何よりも良かったのが、西仲さんの思いが素直に、たっぷりと詰められた音楽になっていた事でしょう。沖縄民謡のジャズ・アレンジ曲は、これまで、西仲さんとのライブで数多く演奏してきていますが、これらをCDの“作品”として残すという事に、やはり意味は感じられるのだと思いました。西仲さんの話しで印象的だったものの1つに、今回の曲を演奏するにあたり、沖縄民謡のオリジナルを YouTube で見て研究してみたけど、どれもメロディが細かく違っていたりするから、結局どれが本物か分からない…というものがあります。…これはとても興味深い事で、要するにそれぞれの演奏者で捉え方が異なっており、それがそのまま音に出ている…という事なのでしょうが、面白いのが、今から自分達もそれらの一員に加わろうとしているのです。民謡というのは、人から人に渡って受け継がれていく音楽でもあり、自分達はジャズという縛りがありますが、その縛りがあるが故に更にオリジナリティ溢れる楽曲として、自分達なりの解釈の沖縄民謡をお届けする事になるわけなのです。自分達が演奏したこれらの曲を誰かが聴いて、またその誰かの解釈の沖縄民謡が新たに生まれたとしたら、こんなに嬉しい事は無いでしょう。伝承というベクトルの中に加われた…。そう思えただけでも、この作品に携われた価値は大きいと思います。いい作品になるのではないでしょうか。
…レコーディングが順調に終了した事もあり、スタジオ内のテラスでプチ打ち上げ(右上写真参照)も行ってきました。これは、〔相澤卓也、ドッキリ誕生日会参照〕でも見覚えのある場所かと思いますが(笑)。テラスがあるばかりではなく、スタジオ内では生ビールも販売しているのです。しかもそのビールは、ここのポイントカードのポイントで交換出来る物でもあるので、ポイントがある程度貯まっている西仲さんの場合、そのポイント内で人数分(車で来ざるを得ない国場君以外…笑)のビールは注文する事が出来ていました。今回のレコーデイングの総評等を真剣に話し合い、こちらもまた楽しい時間ではありました。
予定では、9月の頭頃に発売したいという今回のCD…。是非とも期待していて下さい。自分も首を長くして?楽しみに待つ事にしましょう♪
☆西仲美咲さんのHP…misakinishinaka.com/
☆吉祥寺 Leda のHP…www.studioleda.com/