…さて、今回の編成ですが、ボーカル彬子さん(たまに弾き語り)、ベースに相澤卓也さん、そしてピアノ(キーボード)に自分と、計3人での演奏となっていました。場所的に、ドラム演奏は厳しいという状況でもあったからですが、このトリオでの演奏というのが今回の一番の特徴でもあり、そして今回で一番苦労したところでもありました。…と言うのは、今までオリジナル編成で弾いてきた事を、そのままトリオ演奏で用いても、何だかしっくり来ない部分があったからです…。
いつもの彬子さんのバンドでは、4人か5人での演奏が基本ですが、これがピアノと歌だけのデュオ編成でやったりする分には、別に難しくないのです。その都度その都度で、ピアノの伴奏を変えていけば良いのですから…。しかし、今回のような編成ですと、伴奏者がベースとピアノの2人が存在する事になり、即興で演奏スタイルを変えていくわけにはいけません…。やはり、入念な準備とアレンジが必要になってくるのです。
その意味では、今回は全部で12曲程の曲を演奏しましたが、バンド演奏時と全く同じ感覚で弾いている曲…と言うのは、殆ど存在しません。…厳密に言えば、アレンジは変えていない曲は何曲か存在しているのですが、それでもやはり、ドラムがいるのといないのでは、弾き方や感覚も大分変わってきます。ある意味で、ピアノもベースも、ドラムが抜けた穴を埋める事が出来る楽器ではありますので、お互いが相殺しないように、音を聴きながらの演奏というのも心掛けたものでした。
個人的に思うに、アレンジそのものは変わってないものの、弾き方が結構変わった(変えた)曲というのが、“Error”、“クモの糸”、“光のワルツ”辺りでしょうか。そして、アレンジを大幅に変えて挑戦したのが、“Destiny”、“Same”、“私があなたにできる事”…辺りでしょう。これに、曲の構成を変えたものを加えると、殆どの曲になってしまいます(笑)。弾き慣れた曲ばかりのライブ(まあ、当然なのですが…)でしたが、新鮮さは今まで以上のライブになっていたのは、やはり当然の事でした。そして、程良い緊張感が良かった時間でもあったように思います。
Big Mouth での演奏風景と言うのは、何となく全体的にしっとりとしていたようなイメージがあって、彬子さんの今回のライブというのは、最初はどうなるのか、微妙に想像がつかない感じだったのですが、流石、彬子さんの存在というのは確かで、大分盛り上がっていましたね。お客さんも、殆どが知っている顔というのも大きかったとは思うのですが、皆でパーティーをしながら楽しく時間を過ごした…という感じでした。もう、お酒を飲むのが好きな人ばかりが集まっている事もあって、その盛り上がりも瞬間的にピークに達している雰囲気はありましたが(笑)、お店のこういった側面も見る事が出来て、自分は何だか得をしたような気分になりました。そして Big Mouth を見事、自分の庭と化せた?彬子さんにも、確かな腕と、Big Mouth との信頼感を見出す事が出来たような気がします。
色々な事が渦巻き、冷静に自分は見れていたのか、もはやよく分かりませんでしたが(笑)、とにかく、精一杯演奏に打ち込む事は出来たように思います。そして、新たなパフォーマンスの可能性を感じ取れた1日でもありました…。どうもありがとうございました!…次回の彬子さんバンドのライブは5月10日(木)で、場所は渋谷 Under Deer にてです。またどうぞよろしくお願いします!
☆彬子さんのHP…http://www.akiranochikara.com/
☆下北沢 Big Mouth のHP…http://www.livebarbigmouth.com/