そんな2012年最初の回は、JR御殿場線を取り上げてみたいと思います。東海道本線の国府津駅から、同じく東海道本線の沼津駅を結ぶという、東京からもそんなに遠くない場所を走りつつ、御殿場という結構有名な場所を通るので、東京に住んでいる人も名前を聞く路線だとは思いますが、関東地区にありながら、JRはJRでも、関東ではお馴染みのJR東日本ではなく、JR東海の路線だという事が特徴的な路線でもあります。
…国府津駅~沼津駅間は、東海道本線でも行けるルートですが(むしろ、こちらの方が遥かにポピュラーなルートです)、海側を走る東海道本線に対し、御殿場線はひたすら内陸を通って、箱根の北側をぐるっと迂回するように走ります。これは、実は東海道本線が開通した明治当初から昭和初期に掛けては、こちらのルートが東海道本線だった歴史が関係してきます。
新橋から横浜を通り、藤沢、平塚と抜けて国府津まで、海の近くのルートで開通してきた東海道本線でしたが、この先の工事が当時は難航だと分かり、今の御殿場線のルートで沼津まで開業させたのでした。複線化も行われており、当時の長距離特急列車も、御殿場線のルートで行き来していたものでした。…しかし、1934年に丹那トンネルが開通すると、東海道本線は海側の熱海経由に変更され、国府津駅~沼津駅間は、東海道本線の支線扱いとなります。また、太平洋戦争時には不要不急路線に指定されてしまい、資材の調達から、複線の路線は単線化されてしまいました。しかし、当時のトンネルや橋脚等は、今も面影を見る事ができ、これが1つの御殿場線の魅力でもあります。
国鉄の民営化(JR化)では、東京側の路線よりは静岡側の路線に性格が近いので、JR東海の受け持ちとなりますが、むしろ東京の人は、小田急線と乗り入れている事で名前を聞いた事がある人の方が多いのではないでしょうか。ここを走る特急“あさぎり”号は、新宿駅から小田急線で松田駅経由で御殿場線に乗り入れ、そのまま沼津駅まで直通で行けるという、御殿場線の看板列車でもあります。
しかし、この“あさぎり”号ですが、今度の3月17日のダイヤ改正で、大きな変化を迎えようとしています。まず、運転区間が新宿駅~御殿場駅に短縮され、本数自体も、平日は1往復減とされます。また、今まで使われていた、小田急とJR東海のそれぞれの車両は廃止され、小田急60000形(青いロマンスカーと呼ばれている車両です)〔鉄道さんぽ 9.(箱根登山鉄道、鉄道線編) 参照〕という車両に1本化されるとの事なのです。
現在の“あさぎり”号の体制になったのが1991年の事…。それまでも、小田急からの乗り入れ列車として“あさぎり”号は存在していましたが、この時は“急行”で、車両も昔のもの、そして御殿場駅までの乗り入れでした。…思えば、1991年は景気がまだ悪くはなっていない頃で、言わば車両も豪華に作られていた頃ではありました。現代の事情には少々荷が重くなってきたのかもしれませんが、まだまだ魅力に映る車両だけに、引退は残念です。
…これらの思いが重なり、今回は御殿場線を選ばせて頂きました。そして、何と言っても今回は天候が重要で、決して曇りの日では実行させたくない回でもありました。その理由はすぐに明らかになりますが、更には朝早く実行する事も重要で、起点の国府津駅には朝6:30頃に到着する優秀っぷりでした(笑)。天気も良く、正に散歩日和というこの日…。どうぞ御殿場線を御堪能下さいませ♪
●日時…2012年2月21日 ●路線距離…60,2km ●駅数…19駅
御殿場線の“さんぽ”は国府津駅から始まります。朝の国府津駅は、これから東京に通勤していく乗客で賑わいを迎えつつありますが、御殿場線のホームでは、それとはまた違った雰囲気を醸し出しています。これから東京に向かっていく列車は、殆どが15両編成なのに対し、これから乗る御殿場線の列車は3両編成だったので仕方ないですが(笑)、路線の性格が違い過ぎるという事でしょうか…。ここは、JR東海の在来線では一番東端に位置する駅でもあり、JR東日本地域の中では、やはり異色の存在の路線なのです。せっかくなので、現在1往復だけ東海道本線東京口に乗り入れる、JR東海の373系車両との写真(右下)を載せておきましょう。
国府津駅には、東海道本線の始発列車が何本か存在していますが、これは車両基地がある事に由来しています。…そしてその車両基地の場所が、暫く御殿場線と並行して進んだ先に位置するので、あたかも御殿場線の線路を通って、国府津駅に東海道本線の始発列車が進入してきているように見えるのです。こちらは前述の通り、殆どが10両か15両編成の列車…。対する御殿場線の列車は、2両~6両程度ですから、何だかギャップがあり過ぎる光景ですよね…。
さあ、国府津駅付近の様子を見たところで、いざ御殿場線に乗っていきましょう。何度も言うように、御殿場線はJR東海の路線なので、JR東日本の Suica とは別のものを使っている会社でもあります。それこそJR東海の誇る TOICA というものですが、国府津駅~御殿場駅はその利用エリアに含まれさせていないので、現在この区間では、どのICカードも対応していないのです。つまりはその導入予定も無いのですが、やはり異なったJR間を跨ぐ時には、ICカードのやり取りが難しいのでしょう。神奈川県にありながら、Suica が使えないJR路線というのも珍しいですが、ここがJR東日本とJR東海の境目の地域だからこそかもしれませんね。
列車は東海道本線を左手に見ながら分岐し、同じく左手に東海道本線の車両基地を見ながら、海を背にして内陸部に入っていきます。地図を見ると、小田原駅から新宿方面に向かう小田急線の線路と、酒匂川挟んで並行して走っている感じなのですが、こちらは日中は1時間に1本程度の運転なので、やはり鉄道として便利なのは小田急線に軍配が上がる区間と言えます。そんな感じの風景が小田急線と交わる松田駅(小田急線は新松田駅)まで続き、更に列車は山に向かっていくようになります。
…と、ここで途中の駅はひとまず通過し、まずは路線の中枢である御殿場駅まで一気に進んでしまいましょう。朝早い時間までに見ておかなかければならない風景があるからです。その風景を見てから、再度松田駅まで戻ってきて“さんぽ”を続けますが、そこまでしても、まず御殿場駅に行かなければいけない事情があるのです。
御殿場駅に着いたのは朝8:00頃。澄み切った青空の天気で気持ち良いですが、やはり標高は高いので、気温は2℃…との事でした。そんな中、御殿場駅から徒歩25分くらいの所に、目的のポイントは存在します。
見よ、このカメラマンの数!…背後に綺麗に富士山が見えるのが分かると思いますが、実はここは、御殿場線の、超が着く程の有名な鉄道撮影地でもあるのです。それは、列車が入った写真を見れば一目瞭然化と思いますが、正に絵に描いたように、鉄道と富士山が素晴らしいバランスで写真に納まってくれるのです。
御殿場駅は写真の左奥に位置し、手前が国府津側になりますが、どんどん勾配を上ってきた列車が、峠の最高地点である御殿場駅に到達するまでの線路が、富士山の裾野のような場所に値するわけですね。また、光線状態も大事で、光の角度や富士山がくっきり見える時間帯となると、やはり午前中が勝負となるのです。
そして、そんな素晴らしい時間帯に、役者?は、ちゃんと揃ってくれるのです。上の写真のように、“あさぎり”号の2号(左上)と1号(右上)が、一番良い光線状態の時に通ってくれて、更に車両が異なる(左上がJR東海車両で、右上が小田急車両です)のが、被写体としては有難い存在です。この2列車は、30分以内にどちらも通過するので(更に、間に普通列車が1本走ります)、正に撮影地でのシャッター・チャンスな時間帯なわけですね。人出が多いのも頷けますし、そして被写体が3月には引退してしまう車両となると、尚更だと思いました(それでも、この場所は側道から撮れるので、場所取りにはそんなに苦労しません)。
…と、この風景を見たいが為に、朝早く家を出て、そして真っ先にこの場所に来たというわけです(笑)。実際のところ、御殿場線を代表する風景のベスト1、2(富士山と“あさぎり”号)をこれで果たしてしまった感じもあるので、もう御殿場線“さんぽ”はゴールの雰囲気も漂っているのですが(笑)、これでは手抜きと思われてしまいますね…(笑)。前述の通り、松田駅まで戻り、“さんぽ”の続きをする事に致しましょう♪
さて、松田駅まで戻ってきました。前述のように、この駅は小田急線との接続駅で、路線同士は立体交差のような配置になっているものの、相当な急カーブではありますが、新宿方面との連絡線が存在し、特急“あさぎり”号はここを介して新宿駅まで直通出来ているという重要な駅でもあります。駅名は御殿場線が松田駅、小田急線が新松田駅と、名前は異なっていますが、道を挟んで反対側に位置するだけの、非常に近い駅同士でもあります。ただし、御殿場線側にはメインの出口も存在し、こちらの方が立派ではあるのですが、利用者は小田急線に近い側を使う人が多いのが現実でもあります。ちなみに、新宿方面から来た“あさぎり”号は、新松田駅に入る手前で御殿場線への引き込み線に進入するので、“あさぎり”号の停車駅は新松田駅ではなく、松田駅となります。
改めて、松田駅のホームを見てみると、長くて立派なのですが、ここを行き交う列車は、日中は2両編成のワンマン列車ばかりとなっていて、その設備を持て余し気味な感じがあるのも否めません(“あさぎり”号は、左上写真の一番右側のホームに常に発着します)。そんな御殿場線の普通列車の主役車両は313系。JR東海の在来線電車の標準車両で、JR東海の電化されている殆どの区間で見る事が出来ます(故に、名古屋近郊とかでは最もよく見る車両です)。御殿場線に走っているのは、ワンマン運転が出来るタイプが2両編成で、車内はボックスシート(右上写真参照)…。他に、新しく投入されたロングシート・バージョンも存在し(右下写真参照)、こちらはワンマン未対応となっています。
再度、御殿場方面へと向かいましょう。ここからは御殿場駅まで上り勾配が続き、東海道本線のSL時代には難所とされていた区間です。機関車も必ず補機が付けられ、それは勇ましい走行を披露していた事でしょう。カーブも多く、正に山間を走る区間ですが、現在は電車でスムーズに走行していきます。そして、駅から降りて線路を眺めてみると、かつての遺構を確認出来たりするのです。
…それでは、この先の山北駅~谷峨駅間を“さんぽ”してみましょう。山北駅より御殿場方面を望むと、早速勾配を上っていくのが分かります(右上写真参照)。更に本格的な山間部に入っていくのは、この辺りからという事でしょうね。JR東日本の東海道本線からの直通列車も、ここ山北駅までの乗り入れとなっています。
山北駅の西側区間は、路線が桜並木に覆われた有名区間ですが、今の時期は流石にまだ早い感じですね。桜の時期は、それはもう見事な光景が目に飛び込んできます。そのまま進み、山北の街並みを過ぎると、いよいよトンネルに入ります。ここからは暫くトンネル区間が続きますが、こちらは単線であるのに、横にもう1つトンネルの跡があるのが分かります(右上写真参照)。また、橋脚の跡や、そもそも通常?の単線区間にも、不自然に横に線路跡らしきものが続く等、これこそかつての東海道本線時代の複線路線の名残なのです。ただの線路跡は、もう痕跡が土地が空いている…ぐらいしか確認出来ないので難しいですが、トンネルや橋脚の跡は、意外にもそのままで残っている所もありますので、走っている列車の中からでも確認できてしまいます。
開通当初は、日本の大幹線である東海道本線として君臨…。そして現在は、ローカル線として歩んでいく日々…。鉄道の栄枯盛衰とは正にこの事ですが(笑)、そんな中、1日に4往復走る特急“あさぎり”号は、沿線に華を添えてくれる大切な存在でもあるのです…。今度の3月17日のダイヤ改正で、また変革(残念ながら、縮小体制です…)の時を迎える事になりますが、このルートを通る度に、時代の移り変わりを思わせてくれます。
そんな区間を、自分は歩いて回ってみましたが、道路は線路ほど真っ直ぐにはなっていなく、やや回り道をしてのルートとなっています。車通りは結構あるのですが、歩いている人は皆無と言っても良いでしょう。ちなみに、この付近の山肌を見てみると、立派な橋脚からなる東名高速道路を見る事が出来ます。こちらは、ちょうど上り線と下り線が別々のルートを通っている区間でもあり、山から山へ、遥か高い所を一気に渡ってしまう等、想像以上にダイナミックに建設されているので、御殿場線沿線の喉かな雰囲気を一瞬で消し去ってしまうような迫力があります。日中は、2両編成のワンマン列車が約1時間毎にしか走っていない区間ですが、道路的には東京と関西方面を結ぶ、重要な大動脈の一区間である事が窺えるというものですね。次の駅になる谷峨駅も、背後には立派な赤い橋脚の東名高速道路が望めますが、駅自体は無人駅で、恐らく利用客も少ないでしょうね…。
山間区間の“さんぽ”を終え、今度は御殿場の先の区間に乗ってみる事にしましょう。御殿場駅から終点の沼津駅までは、列車の本数も1時間に2本と増え、沼津方面に向かって乗客は増えていく傾向にあります。山北駅から上り勾配をずっと進んできた列車もここが峠となり、御殿場駅より先は富士山の裾野に沿って下っていく感じで進んでいきます。山と山の間を抜けていくという感じではなく、ほぼ全線に亘って進行方向右側には富士山が望める状態になっています。
富士山をイメージして造られた駅舎の岩波駅からも、そんな富士山が望めます。この駅は下り勾配の途中に位置し、写真からもそんな雰囲気が伝わるかもしれませんが、この辺りだとそろそろ町並みの中に入ってきた感じでしょうか。岩波駅の次の裾野駅は、特急も停車する駅で、ここからは更になだらかに沼津の市街に向かっていくという感じになります。
裾野駅を過ぎると、そろそろ沼津駅が近くなってきますが、ここで再度御殿場駅に引き返し、改めて特急“あさぎり”号に乗って、沼津駅に向かうという策をとりましょう。裾野駅で待っていても乗れますが、それだと次の停車駅がもう沼津駅になってしまい、あまり乗車感覚を味わえません(笑)。そして裾野駅~沼津駅より、御殿場駅~裾野駅の方が明らかに車窓は良いのです。行ったり来たりで大変ですが、今回の“さんぽ”3度目の御殿場駅へと舞い戻ってきました。
自分が乗ったのは、御殿場駅15:24発の“あさぎり”5号です。車両は小田急20000形で、恐らく今回で乗り納めとなる事でしょう。自分が鉄道の旅を本格的に始めた、小学校高学年の頃から走り始めた車両なので、個人的にも印象が深い車両でもありますが、精一杯最後の乗車を楽しみたいものです。
“あさぎり”号は基本的に全車指定席ですが、御殿場駅~沼津駅間に限り、7両編成の内の6号車にだけ、自由席が設定されます。つまりは、乗車券と特急券だけで乗れてしまうわけですが、この特急券が安く、310円に設定されているのです。やはり“あさぎり”号のメインの乗車は、新宿駅~御殿場駅なわけで、その先の空いている区間を、気軽に利用して貰おうという考えがあるのが分かりますが、実際、かなりガラガラな車内でもありました。自由席に設定された6号車の乗客も15人程度で、その隣りの7号車の車内を見てみると、乗客は皆無でした…。確かに、御殿場駅~沼津駅間が廃止になるのも仕方無いのかな…とも思ってしまう程でした。
それでも列車はスムーズに走ります。ローカル線とは言え、最高速度は110km/時に設定されている路線なので、意外にも列車は速く感じますが、富士山もまだ綺麗に見える事ですし、もう少しゆっくり走ってほしいなという気持ちも出てきてしまいました。人間とは贅沢な生き物ですが(笑)、最後の乗車となると、何となくそう思ってしまうのです…。20000形の車内はハイデッカーと言って、一段高い位置に床が座席が設けられているのが特徴で、眺めもその分良かったりするのですが、一段上がらないと車内に入れず、これがバリアフリーの考えでは致命的な欠陥となり、早期の引退を促したとも言えそうです。
そして、再度の裾野駅では、この約20年間を共に活躍し続けた、もう1種の“あさぎり”号、371系と擦れ違い、終点沼津駅に到着です。御殿場駅から約25分の乗車でしたが、記憶に残る時間だったと思います。これにて御殿場線の“さんぽ”も終了となりましたが、色々な側面からこの路線を見る事が出来たのではないでしょうか。今度のダイヤ改正で、また異なった印象が生まれてくるかもしれない路線の、1つの時代の終わりを見届ける事が出来た“さんぽ”にもなって良かったと思いました。新しく走り始める小田急60000形での御殿場線の旅も、また楽しんでみたいものですね♪
…と、もう1つ、見届けておきたい事実がありました。先程、JR東日本の東海道本線からの山北駅行き直通列車が設定されていると書きましたが、こちらも3月17日のダイヤ改正で廃止になってしまう列車でもありました。1日1本のみで、東京駅(つまりは東海道本線)で見れた唯一の“山北行き”でしたが、こちらも一応写真に収めておきましょう。
東京駅での、御殿場線直通の列車です。車両はJR東日本ではお馴染みのE231系ですが、行先表示機に表示させる“御殿場線”や“山北”の文字が貴重です。今度のダイヤ改正を境に、もうここから御殿場線に直通する列車は無くなってしまうわけですが、これで東海道本線との関係性が更に希薄になってしまったとも言え、若干の寂しさも感じさせられました。今後は東京駅から御殿場線を感じさせるワードが消えてしまうわけで、言わば御殿場線と東海道本線の関連性を見出す事の方が難しくなってきてしまう程でしょう…。しかし、是非とも今回の“さんぽ”で記憶に留めておいて下さい。かつて御殿場線は、東海道本線だったのだと…!
自分がこの風景を知っていて、ここに来たという
痕跡になるからではないでしょうか。よく旅先で
写真を撮る人がいますが、あの延長上のものなのかも
しれません。まあ、実際やってみると良いですよ(笑)。
レストランが集まっていて、最高の景色の中で、ビールがいただける場所です。10年以上まえに1回行きましたが、美味しくて飲み過ぎてしまった記憶あります。またお立寄りの際はぜひ!
<追記>国府津駅に朝6時半というのが東京から可能なんですね。
びっくりです。逆に静岡からは出来ないようです。
流石、下りだ(笑)。
御殿場に次回にいつ行くかは分かりませんが、記憶の
片隅に置いておく事にしましょう…。
国府津駅へのこの時間の到着は、東京から…と言うより、
自分の地元の池袋駅からも可能です。何と言っても
始発が朝の4:30くらいからありますからね。
流石、下りだ(笑)。