そんな大きな出来事の1つ目として、やはり3月11日に起こった東日本大震災は忘れる事が出来ません〔東北地方太平洋沖地震参照〕。東北地方を中心に襲った大地震、そして大津波は、それまでの生活を根本から変えてしまうくらい衝撃的な1日となってしまいました。音楽関係のイベントは一気に自粛モードになってしまい、そもそも節電が促され、これからの自分達の行動に疑問を投げかける事にもなってしまいました。
この3月11日、自分は今後計画をしていた、自分名義のピアノトリオのCDレコーディング制作に取り掛かる準備の為に、レコーディング・スタジオの見学をしていて(そして後に、ここでレコーディングする事になります)、それが無事に見終わった後、スタジオを紹介してくれた後輩と遅めの昼ご飯を食べているところでした。
その時は北池袋という所にいたのですが、地震の揺れは半端では無く、一目散に外へと逃げ出して周りを見てみると、電信柱や一戸建ての建物がグラグラと揺れているのが目に入り、明らかに今まで感じた事の無い揺れ、そして光景でした。いったん揺れは治まったものの、近くの踏切が鳴り止まず、つまりは鉄道がストップしているという事が理解出来ました。しかし北池袋は小さな駅で全容が掴めなかったので、1駅先の池袋駅まで20分ぐらい掛けて歩くのですが、その時の池袋駅周辺に群がっていた人の多さに、事態が深刻である事に改めて気付くのです。
そして2回目の揺れが来て、10階建てのビルでさえグラグラ揺れているのが分かり、そろそろ自分や周りの心配をするようになってきてしまいました。家族や友人は無事なのか、家に帰れるのか、今夜の演奏の仕事はあるのか、次の日から始まる中国ツアーは実行するのか…。この頃には、あの津波の映像も確認してしまう事になり、とにかく、家に帰らなければ…と思うようになります。まだこの時期は実家の成増に住んでいたので、路線バスを少しだけ利用して、2時間掛けて家に帰れましたが、後はただただ、現状を落ち着いて把握する事のみでした…。
…ここから先は言うまでもありませんが、とにかく忘れられない日になりました。それは今でも同じような気持ちですが、いつの間にもう2011年も終わろうとしています。あの日、あの時間で、2011年の年の瀬の事なんて考えられていなかったと思いますが、とにかく自分の周りが無事だったのは幸いとしか言いようがありません…。そして、今も変わらず自分はライブが出来ているという事に、改めて感謝しなければならないのだとも思いましたね。
先日、自分は京都を旅行し、清水寺では今年の漢字である『絆』を生で見てきました(行ったら偶然あったんですけど…笑)。今年1年を表す一文字として選ばれた『絆』。これに関しては色々思う事があるかもしれませんが、ある意味で今の日本を表しているような気がします。何だか次の1年が試されている字のような気もしてしまいましたが…。
…とにかく、2011年の最大の変化でもある出来事でしたが、これで変わる人、変わらない人というのもそれぞれでしょう…。どちらが良いというのは自分は分かりませんが、日本というのは、こういった天災がいつでも起こる状況にあるというのは、よく理解出来ました…。大事なのは、次にこういう事が起こった時、どうするか…なのかもしれませんね。1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。