渋谷駅と横浜駅を結んでいるという性格上、沿線は昔から発展している所なので、その変化も飽和になりそうな印象はあるのですが、2000年に、田園調布駅~武蔵小杉駅間(現在は日吉駅まで)で目黒線の並走区間が開通したり、2004年には横浜駅以遠に、横浜高速鉄道のみなとみらい21線(通称、みなとみらい線)と直通運転をし、元町・中華街駅まで事実上の延伸をさせる等、まだまだ変化の兆しは衰える事を知りません。
更に今後の2012年度の話題として、渋谷駅を介して東京メトロ副都心線との相互直通運転が挙げられます。これが実現すると、現在副都心線に乗り入れている東武東上線、西武池袋線の列車が、東横線を介して横浜駅、元町・中華街駅まで乗り入れる事になっており、東急側としても新宿三丁目駅や池袋駅まで1本で結ばれる事になります。こうなると、JRの湘南新宿ラインと似たようなルートを辿る事にもなり、現在でもその2路線は競合関係にあるものの、更にその争いは熾烈なものになる事でしょう。
また、最近挙がってきた話題として、日吉駅から新横浜駅を経由し、相模鉄道の西谷駅までを結ぶ新路線の計画も具体化してきました。これはそもそも、相模鉄道の西谷駅付近から、東海道貨物線を経由して、湘南新宿ラインと結び、相模鉄道沿線から東京方面へ直通運転をさせる計画があるのですが、その新路線から東横線までのルート(どちらかと言うと、目黒線に直通運転させる予定だそうです)も新たに作るというものであります。これは2019年ぐらいを目途に建設されるという事なので、まだまだ先の話しなのですが、既存の路線を生かしたルート選定の発展は、留まる事を知りません。
…という事で、今後も発展が見込めそうな東急東横線…。今一度、その路線の“今”を、確かめてみたいと思います!…何気に今日10月14日は、鉄道の日でもありましたね。
●日時…2011年10月11日 ●路線距離…24,2km ●駅数…21駅
東横線と言えば、まず渋谷駅ですが、ここも2012年度の副都心線との直通運転開始と共に全てが地下化されてしまうので、現在の姿が見られるのも、あと1年と少し…という事になるのは確実です。副都心線側の渋谷駅は、当たり前ですが既に完成をしていて〔竹内大輔の写真日記(~2009)、地下鉄副都心線開業、その後(地下鉄編)参照〕、後は東横線の線路と繋がるのを待つだけとなっています。ちなみに、この地下の渋谷駅は、途中改札無しに、東急田園縁都市線・東京メトロ半蔵門線の渋谷駅ホームと繋がっており、こちらの管轄が東急になっている事から、副都心線の渋谷駅…となっていますが、駅管轄は東急のものとなっています(駅構内の表示方法が、既に東急仕様のものになっている事からも分かります)。
現在は渋谷駅を出ると、渋谷川を見下ろしつつ、そのまま高架でJR山手線を越え、すぐさま地平レベルになって、カーブを繰り返しつつ代官山駅に到着しますが、副都心線の渋谷駅からのルートとしては、この代官山駅の手前までは地下化される事になっています。当然、現在の代官山駅付近は工事の真っ最中という感じで、あと1年半程で風景は大きく変わりそうですね。
代官山駅の中目黒駅側はトンネル区間になっており、その先で東京メトロ日比谷線と合流し、そのまま中目黒駅となります。この先、日比谷線の車両が菊名駅まで乗り入れていますが、その数は日中は1時間に2本程度と、意外にも少なくなっています。ここでは日比谷線の車両の他、北千住駅以北からやってきた東武伊勢崎線の車両も見る事が出来ますが、その車両は東横線には乗り入れてきません。
さて、中目黒駅を過ぎるとすぐに上り坂に突入し、祐天寺駅を過ぎると、暫くは直線区間が続きます。ここは特急に乗っていると、結構なスピードを出してくれる区間でもあり、なかなか心地良い時間です(笑)。途中、学芸大学駅、都立大学駅と、大学の文字が入った駅名が2駅続きますが、どちらの大学も移転してしまい、現在は付属高校が残るだけとなっています。
そして、東横線の中枢を担う駅の1つである自由が丘駅に到着します。ホームは2面4線で、特急や急行列車では、菊名駅と共に、必ずと言って良いほど普通列車との接続をとる事が出来ます。また、大井町線との接続駅でもあり、常に駅周辺も賑やかです。
さて、この賑やかな駅を過ぎると一変、目黒線との合流をし、閑静な住宅街が広がる田園調布駅に到着します。現在は地下駅となって新しくなっていますが、地上駅時代の駅舎も復元されていて、現駅舎のすぐ脇に残されているのが、この土地柄とでも言いましょうか。この田園調布が開発されたのも、現在の東急の前身とされる会社によるものなので、正に鉄道と街との共存が図られた場所だと言っても良いのかもしれません。
この先、日吉駅まで目黒線と並走しますが、元々この区間は、目黒駅と蒲田駅を結ぶ、目蒲線という路線と、田園調布駅の1駅先の多摩川園駅(現多摩川駅)まで並走していた区間を分け、目黒駅~日吉駅間を目黒線、多摩川駅~蒲田駅を多摩川線として誕生した区間でもあります…。目黒線は、目黒駅側では東京メトロ南北線、都営三田線と直通運転をしていて重要な通勤路線へと生まれ変わり、そして前述したように、今度は相模鉄道と直通運転させる予定があるというのですから、かなりの発展を遂げている路線とも言えるでしょう。目蒲線時代は、4両編成の電車がのんびりと走っているだけでしたが、現在は6両編成で急行運転も行っており、相模鉄道との直通運転開始後(新横浜駅を通るのが、個人的に熱いです…笑)は、8両編成化も行われるらしいです。まだまだ今後の発展にも注目ですね。
…という事で、ここから日吉駅までは、色々な車両の共演が見られます…。ざっと車両の種類を上げると、東横線の車両で5050系、9000系、日比谷線乗り入れ用の1000系、その日比谷線から乗り入れてくる、東京メトロの車両の03系、みなとみらい線からやってくるのがY500系。そして目黒線を走っているのが、東急車両で5080系、3000系、東京メトロ南北線の車両で9000系、その先を走っている埼玉高速鉄道の車両で2000系、都営三田線の車両で6300系…。よく分からなくなってきましたが(笑)、とにかく計10種類の車両が現在では走っています…。これが、副都心線との直通運転開始後には更に増えるわけですから、もう何線なのか分からない状態になってしまうかもしれませんね(笑)。鉄道好き側には楽しいですが、一般的に見ると、何とも複雑な区間に映りそうな気がします…。
基本的に、東横線が外側、目黒線が内側…という状態が続きますが、武蔵小杉駅~元住吉駅間だけは用地の関係で難しかったようで、東横線が高架の上、目黒線が下…という区間も存在しています(左上写真参照)。また、この時の高架下の目黒線の路線ですが、元住吉駅に併設している車庫への出入庫のルートとしても使われています(これは、高架化前の東横線の本線でもありました)。
そんな元住吉駅は、この先の日吉駅まで目黒線が乗り入れる事に伴い、日吉駅での優等列車の待避が出来なくなったので、この元住吉駅で、優等列車の通過待ちが出来るような構造(東横線のみ)で造られています(右上写真参照)。この駅は高架駅ですが、改札口はホームより更に高い場所にあり、外へはそこから一気に地上まで降りていくというのが特徴的だと思います。
さて、長らく続いた目黒線との並走区間も、ここ日吉駅で終わりを告げます。日吉駅の先で、その目黒線の折り返し線路が設けられていますが、恐らくこの先が、相模鉄道との直通路線用のルートとなるのでしょう。まだ工事は始まっていませんが、いずれこの風景も変わっていくのだと思います。
この次の駅の綱島駅までは2,2kmあり、東横線で一番駅間が長い区間でもあります。しかも殆どが直線に等しい区間で高架なので、東横線の最高速度である110km/時を出す列車もしばしばです。綱島駅は特急は通過する駅ですが、急行は停まるので、駅も副都心線直通用に、ホームが8両→10両用に延伸させる工事が始まっています。これは、特急・急行停車駅のどの駅でも始められている工程でもあります。
そして菊名駅に到着します。日比谷線からの直通列車はここで折り返し、JR横浜線との乗り換え駅でもあるので、結構人の出入りは多い所でもあります。この駅より先は、横浜市北部の住宅街を縫うようにして走るので、カーブが連続する区間にもなります。
特急・急行は、菊名駅を出ると横浜駅となりますが、途中には4つほど駅があります。東横線に特急が走っていなかった時代(2001年まで)、最も速い列車は急行列車だったのですが、この4つも駅を通過するというのが、当時は貴重な区間でもありました。…と言うのは、当時の急行列車はどんどん停車駅が増えてきて、目蒲線が目黒線と分かれて多摩川線となった時には、その分岐駅である多摩川駅が急行停車駅とされてから、通過する駅より、停車する駅の方が多い状態になってしまっていて、この菊名駅~横浜駅以外の区間では、2駅以上、駅を通過する事も無かった事から、利用者からクレームも殺到していたのです(ほぼ1駅毎に停車するので、各駅停車を文字って、“隔駅停車”と比喩されたものです…笑)。そんな中での貴重な?4駅通過の区間だったのですが、カーブが多いのでスピードが思うように出せず、結果的に速達的なイメージを持てなかったのが急行列車でもあったのでした。現在は、湘南新宿ラインが開通して危機感を感じたのか、特急という新たな種別の列車が出来ましたが、副都心線直通後にはどう変化していくのか…、楽しみでもありますね。
カーブが続き、東白楽駅の先で地下に潜ります。みなとみらい線乗り入れで、横浜駅周辺も地下化された為で、このまま元町・中華街駅まで、地上に出る事はありません。そして地下化された反町駅を過ぎ、1面2線の横浜駅に到着です。一応、東横線としては終点ですが、構造的にも中間駅のような存在で、列車も殆どがそのまま、みなとみらい線へと直通していきます。東横線から来た列車を見てみると、7割方のお客さんは降りてしまう感じなのですが(笑)、地上時代(みなとみらい線への直通前)は桜木町駅まで通じていたのが、何だか懐かしいですね…。
…こうして、東横線の“さんぽ”は終了しました…。そもそも1駅1駅の駅間が短いので、中には2駅ぐらい歩けてしまう所もありましたが、改めて、非常に変化の富んだ路線だなと思いましたし、また今後にも大きな変化が控えている所が。頼もしくて仕方無い路線でもあるとも思いました(笑)。どうりで、特急や急行に乗っていると、どこからどこまで行っても混んでいるわけです(笑)。副都心線乗り入れ後の、例えば今から約2年後の風景では、今回とはまた違った魅力を展開されてくれるのでしょうね。渋谷駅が地下化されると、現在の東横線の渋谷駅の用地を生かして、湘南新宿ライン・埼京線の渋谷駅がその位置に移設されてくるという話しも出てきているようですし、この競合路線との展開も目が離せません。まだまだ目が離せない、東京の代表路線!…という感じでした。
☆東京急行電鉄のHP…http://www.tokyu.co.jp/
あっ!
鉄道さんぽ、本当にアップですね!
西谷とか知ってるなんて、
びっくりです!
しかも、
私の最寄の反町の写真まで。。。
本当に好きなんですね♪
よく解りましたよ。
『ライブ』が大切ということですね!
田園都市線ですか!?…そうなると、東急路線続きに
なっちゃいますしね…。また、話題性的に、他の路線も
気になる所ですし…。気長に待って頂ければと思います!
>みぃさん
そうです。暖めておきました(笑)。
西谷駅、知ってますよ!…反町駅も(笑)。
これからもどうぞよろしくお願いします。
>にーにさん
そうですね。車窓の進化(変化?)というのは、
じっくり乗っていないと、なかなか分かるものでは
ありませんし、だからこそ味わいがあるのでは
ないかと…。正に“ライブ”…ですかね(笑)!