さて、この日のライブ会場はと言うと、栃木県の宇都宮市の Obbligato というお店で、いきなりの遠征(…とは言え日帰り圏内ですが)演奏に心躍ります(笑)。当日は藤田君の車(何故か新橋駅集合)に4人で乗って、いざ東北道で宇都宮市へと向かったものでした。
途中の佐野SAにて、ドラマーの伊藤隆郎さんと合流し、ここは恒例の佐野ラーメンを堪能します。しかし、トランペットの織田祐亮君は、この1日前にも福島からの帰りで食したそうで、なんと2連続の佐野ラーメンだったとか…。これはなかなか珍しい状況ですが、佐野ラーメンの中にも“こってり”や、“生姜入り”等、種類が幾つかある事が分かり、それぞれにバリエーションを付けて楽しんだものでした。
その後、宇都宮市内に入ってお店を探しますが、“屋台村”という所にあるお店だそうで、明らかにそんな場所らしいところを発見(左上写真参照)します。そして、その中でも明らかに異彩を放っている、例の Obbligato を発見しました。この屋台村は、屋台のお店を集めて最近誕生させたエリアのようで、見ての通り、本当に屋台が凝縮された一角になっています。しかし、その雰囲気はマイノリティな感じではなく、もっと開放的と言いますか、足を踏み入れやすく工夫されているような場所でもあるような気がしました。
Obbligato は正にそのエリア内に位置していたのですが、こちらは日本的な屋台…と言うよりはお洒落なバー、ラウンジ…という雰囲気で、ソファな等が沢山置かれた、また屋台とは違った寛ぎのスペースが提供されているような感じでした。決して大きくはないお店ですが、お客さんとの一体化を図るには面白そうな空間かもしれません。
この屋台村、やはり活用したい時はすべきで、自分達のリハーサル後、本番前までの腹ごしらえとして、隣の向かいの韓国居酒屋“チャングム”にて、お酒は勿論の事(全員ではないです)、サムギョプサル(全てお店の人が作ってくれて、そのまま口に運んでまでくれるという…笑)やチヂミ、サムゲタン等を沢山頂きましたし、控室として、黒嵐(くろあし)というラーメン屋を使わせて貰っていたりしました(笑)。
こういった時間は、周囲の雰囲気に馴染んできた自分達がいる事を確信させ、宇都宮の人達の温かさを肌で感じできたひと時でもありました。何だか楽しそうなライブになりそうではないですか♪…TRI4TH のライブというと、音楽的に、やはり深夜のクラブ・イベント等に出演する事も多いようで、こういった雰囲気のライブというと久々な感じだったそうですが、それも含めて、今が新鮮な状況である事は間違い無そうです。
本番は、10分押しの20:10から始まりました。この日は2ステージが予定されていて、ある意味ではペースを守って演奏していきたいところです。しかし、これはお客さんの予想以上の盛り上がりに、こちらも負けるわけには!…という気持ちが早くも生まれ、結果的に皆で汗だくのライブになってしまうのです…。
今回、自分は初めての TRI4TH のライブ参加になるので、オリジナル曲をセットリストの中心とするこのバンドにとって、全てが新曲と言っても良い状況でした。結果から言いますと、この日はアンコールを含めて、確か15、16曲くらいは演奏したと思うのですが、その殆どが自分はゼロからのスタートでした。しかも、そんなに簡単な曲ではないのです。
自分にとって幸いだったのは、既に TRI4TH のCDを自分が購入していて、何気に家で結構聴いていた事でした。クラブ・ジャズとか、そういう括りではなくて、ただ単純に聴いていて心地良かったからなのですが、今回はその中から半分くらいは取り上げていたので、譜面と照らし合わせた時の理解度がスムーズだったのです。勿論、聴くのと実際に弾くのでは大違いなのですが、一番大事な曲のノリ方を知っているというのは、大きなアドバンテージだったと思います。
しかし、やはり“ジャズ”というジャンルではあるので、アドリブ演奏を重視している事も見逃せない部分であり、曲の盛り上がり方というのは一長一短には説明出来ません。どうしてもそれはその場の演奏次第によるものが大きく、当たり前の事なのですが、ライブ時の一体感が大事になってくるのでしょうね…。ただし、それらも含めて新鮮味が沢山のライブであり、曲の広がりというのも、自分が把握していた以上の展開になる事もあったので、テンションも上がってくる一方でした。自分はあまり演奏中には汗をかかない方なのですが、この時は本当に、服が濡れていくのが自分でも分かる程、結構な汗をかいていたように思います(笑)。
特に後半はお客さんも立ち上がってきて、身体を大きく揺らし始め、これぞクラブ・イベントのような状況になってきました。自分達が音で応じると、すかさずお客さんも掛け声をし始めたりと、それぞれの攻防が続いていくような時間です。それはアンコールにも反映され、予定の中の1曲を終えた後、更に追加してあと2曲も演奏をし、もう全員、全ての力を使い切ってしまいました…。皆、汗はだくだく、身体はヘトヘトでしたが、心地良い爽快感と、楽しかった気持ちが中から溢れてきて、本当に良い時間を過ごせたなと改めて思う事が出来ました。ライブ後は、CD販売等も兼ねて(何故か自分もサインをするという…笑)お客さん方と話す機会がありましたが、それもまた地元の方達との触れ合いを言葉等で感じる事ができ、ライブとはまた違った、良い時間だったと思います。
その中でも、お店のマスターの上の写真の作品には驚かされました。コルク・アート…とでも言うのでしょうか…。よく見ると、自分達のライブ時の模様が表現されているのです。つまりは自分達の演奏中に、仕事の合間を縫って制作していたわけで、しかもライブ終了までに完成しているというのが驚きです。基本的にはワインのコルクと針金だけで作られているのですが、人の体格に合わせて(織田君とか…笑)コルクを選んだり、ドラムセットの配置を、ちゃんと実際のステージ上と同じにしたりと、細かい拘りが随所に見られるのです。そこに自分達のサインを書いて完成…という事で、これは今後お店に飾って頂ける事になるそうです。マスター曰く、本当はこれと同じ物をもう1つ作って、1つはミュージシャン方にプレゼントしたい…との事だったのですが、流石にそれは時間が足りないのだそうで、いやいや…、その気持ちだけでもう自分達は満足です!
メンバーのサインはお店の壁にも書きつつ、しっかりと軌跡を残していきます…。最後にはお店の方からの勧めで、実は御当地名物という乳茸(ちたけ)うどんという物を戴いたのですが、これが今日一番の味を醸し出していて、1日の締め括りに相応しい時間となりました!…なかなか乳茸というキノコはは採る事が難しようで、それ故、その料理というのも栃木県にほぼ限定されていて、結果的に、あまり有名にもなっていないそうです…。確かに、自分は初めて聞いた代物でした。
今回は宇都宮名物と言われる餃子は嗜む事は出来ませんでしたが、それ以上の収穫を得る事が出来たと思います。勿論、演奏もです(笑)…。初めてのライブ参加という状況にも関わらず、そのリラックスした雰囲気から、いつもの自分のようにステージに上がる事が出来たのには本当に感謝ですし、それが実は TRI4TH の魅力の1つなのかもしれませんね。
そんなこんなで、お店を出たのは24:00過ぎ…。帰りは車で送って貰って、結局深夜の2:30頃に帰宅…という感じになってしまいましたが、楽しい時間をありがとうございました!…またどうぞよろしくお願いします!
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com/
☆宇都宮 Obbligato の(宇都宮東口屋台村の)HP
…http://www.higashiguchi-yataimura.com/shop/obbligato/