先月、このブログになってからの新しい試みとして、“竹内大輔の『奢らせて頂きます!』”というシリーズ〔竹内大輔の『奢らせて頂きます!』1.(池田暢夫編)参照〕を始めさせて頂きましたが、あの時、隔月でお送りすると書かさせて頂きました。つまりは、奇数月にお送りする形になるかと思うのですが、では偶数月の連載するものとして、もう1つシリーズものをお送りしたいと思います。
それは、ずばり“鉄道さんぽ”…です(笑)。基本的には、自分が数ある路線の1つに乗って、それについて記事にするもので、微妙に“旅日記”と被る可能性も否めなかったのですが、こちらはあくまで“1つの路線”に絞って取り上げていく予定ですので、また違った感じになるのでは…と思っております。いつものように、末永く見守って頂ければと思います(笑)。
そして、今回がそんな記念すべき?第1回目となるわけですが、取り上げる路線は、千葉県の木更津から房総半島内部に向かって延びていくローカル線、JR東日本の久留里線を取り上げたいと思います。首都圏内にありながら、雰囲気はもう地方のローカル線そのものという感じで、首都圏内のJR路線では、未だに数少ない非電化路線でもあります。ゆえに、ここを走る車両というのも大変貴重なものばかりで、今の内に取り上げたい路線ではありました。初めて乗る路線ではありませんが、そんな久留里線の魅力を、少しでも知って頂ければ幸いです。それではどうぞご覧ください!
●日時…2010年2月19日 ●路線距離…32.2km、●駅数…14駅
東京に雪が降った2月19日の朝に、自分は久留里線に乗りに行きました。雪が降ったのは偶然ですが、昼前には止んでしまうという事と、元々久留里線の走る房総半島は雪が少ない地域でもあるので、きっと着く頃には跡形も無く消えている事でしょう。それでも、自宅から久留里線の起点である木更津駅までは、雪の為による列車の遅れからスムーズに行く事が出来ず、なんとか10:00前に木更津駅に到着する事が出来ました。自宅からは約2時間半の行程で(スムーズならば2時間ぐらいで着けます)、久留里線の朝ラッシュ時の時間帯には間に合わなかったわけですが(やはり路線を知るには、利用している人が多い時間を狙った方がよく分かるのです…)、この日を逃すわけにはいかなかったので、これから久留里線散歩を始めたいと思います。
久留里線は全線非電化で、いわゆるディーゼルカーと呼ばれる車両がここでは活躍しているわけですが、そんな特殊な事情から、ここには全国的にも珍しい車両ばかりが集められています。現在、久留里線で走っている車両は全部で3形式、キハ30形、キハ37形、キハ38形です。いずれも、20~40年くらい前は、大都市の非電化区間の通勤型車両として活躍していた車両ですが、路線の電化や、車両そのものが古い事もあって急激に淘汰されてしまい、気付くとここ久留里線に、全てが集結した感じになってしまいました。つまり、全国のJR路線でこれらの車両というのはここ久留里線にしか走っていなく、全てが孤高の存在となっているのです。言わば本当の意味での希少車両と言えるでしょう。しかもローカル線である為、車両の絶対数がそもそも少なく(日中は2両編成とかで走っているので…)、キハ30形が3両、キハ37形が3両、キハ38形が7両と、合計でも13両となっております。このうち、キハ30形(上写真参照)は特に古く、製造されたのも1963年~1966年頃なので、車齢からすると奇跡の現役車両と言えるかもしれません。
このキハ30形は、キハ35形という車両の両運転台付きバージョンとなっているわけですが(要するに、1両での営業運転も可能)、それがこの路線の事情によく合っているのでしょう。久留里線の他の2形式は、片方にしか運転台がないので、基本的に2両1組で運用されているのですが、時に3両、4両運転ともなる久留里線では、キハ30形のような、1両単位で独立できる車両が重宝されるのかもしれません。
この車両は、20年前くらいまでは、首都圏でも郊外に行けばよく出会える車両でした。具体的には、相模線、八高線、川越線等…です。もちろん、現在はこれらの路線は電化されており、通勤型のディーゼルカーはどんどん活躍の場が狭くなってきているわけですが、久留里線という路線があって、今まで生き永らえてきた…という見方も出来るでしょう。また、キハ30形は、首都圏内では珍しい非冷房車両でもあり、この時期では体感は出来ませんが、夏は、窓を開けながら自然の風を楽しむ事の出来る、今どき珍しい車両でもあります。そんな列車旅も良いのかもしれませんね。
せっかくなので、ここで久留里線を走る他の形式も紹介しておきましょう。まずは、こちらも3両のみの存在であるキハ37形です。元々累計5両しか製造されなかった車両でもあるので、当初から希少価値の高い車両ではありましたが、現在では更にその価値は高まっているかもしれません。しかし、車体にあまり特徴が少なく、活躍場所の狭さからも注目度は低く、地味な感じは否めないところでもあります…。久留里線では唯一の2扉車両でもあり(その分、他の車両よりも暖房の効きが良かったような感じがしたのですが…?)、ここでも異色の車両のような存在です。…ですが、今後は更に貴重になっていくに違いありません。
そして、久留里線の中でも絶対数が多い(…とは言え、計7両)のが、このキハ38形です。製造されたのは1986年~1987年なので比較的新しいですが、もう20年以上は経っている計算になりますね。元々は八高線に導入されましたが、1996年の一部電化により、ここ久留里線に移動してきました。当時はコストを下げて車両を造る傾向があった為、キハ35形の近代化改造車みたいな感じで造られたようですが、バス流用部分も多く、特に冷房装置(暖房装置もだと思います)は容量不足な感じが否めなかった記憶があります。とりあえず、久留里線の中では絶対数が多いので、一番見る機会が多い形式であると言えますね。
さて、まず木更津駅から乗ったのは、貴重なキハ30形でした。久留里線を走る車両は、全てがこの路線専用の塗装を纏っているのですが、キハ30形は最近の人気にあやかって、塗装を旧国鉄色に塗り替えられ、異彩を放っています。最近の車両の塗装は寒色系が多かったり、また、そもそもステンレス車両が多いので、塗装なんかは塗られない場合が多いのですが、旧国鉄の塗装というのは暖色系だったので、何だか車両独特の暖かみを感じたりもしてしまいます。列車は10:06に出発をしました。
走り始めると、車掌さんが検札にやってきました。この久留里線内では、殆どが駅員のいない無人駅となっているので、ここで切符をチェックしているのでしょう。また、首都圏内にありながら、当分 Suica 等を使えない路線にもなっているので、それらの確認も併せて行われているようです。久留里線は、起点の木更津駅ではJR内房線と連絡していますが、後は連絡するような駅はなく、終点の上総亀山駅まで、1本の盲腸線となっております。その意味でも、木更津駅発車後の切符確認は意味がありそうですね。
さて、木更津駅から3つ目の、東清川という駅で降りてみました。特に何の当てもなく降りたのですが、この鉄道さんぽでは、それぞれの駅間を歩いてみるという試みも、積極的に取り入れていきたい予定だったのです。…とは言え、この日は猛烈に寒かったのですが、一度決めた事を辞めるわけにもいきません…。もう、根性で歩く事に致しましょう。
東清川駅はもちろん無人駅で、特に車掌さんも切符のチェック等はしませんでした。先程の検札で確認済み…という事なのかもしれませんが、確かに、午前中の下り列車という事もあって、1列車にお客さんは10人くらいしか乗ってなかったので、全ての乗客を覚えられるくらいなのかもしれませんね。ここから、隣の横田駅まで歩いて行きました。
道順は、基本的に線路に沿って道路があったので、迷う事はまずありませんでしたが、意外に車通りは多く、しかも大型トラックの姿も結構目立ちます。それでいて、全部に歩道があるわけではなかったので、何だか危なっかしくてしょうがなかったです…。そもそも、この辺りを歩く人なんていないのかもしれませんね。大型トラックは何度も擦れ違ったものの、横田の集落に入るまで、擦れ違った人は皆無でした。
そして、途中で上り列車の撮影等もした為、普通に歩くよりは時間が掛かりましたが、およそ1時間10分くらいで横田駅に到着しました。こちらは、規模は小さいながらも町がある地域なので、先程の東清川駅程の荒涼感はありません。むしろ駅員もいる駅で、久留里線の中では比較的に大きい駅とも言えるでしょう。
ここで、次の下り列車を待ちます。久留里線は、日中は概ね1~2時間に1本の運転なので、先程東清川駅で列車を見送って以来、まだ次の列車が来ていないのです。一応、横田駅は駅舎があって、建物の中で列車を待つ事が出来るのですが、そこには特にドア的なものがあるわけではなかったので、室内ですら相当寒かったです…。ここで待つ事約15分…。自分以外には1人の学生っぽい乗客を乗せ、更に列車は奥へと進み始めました。
今度は、横田駅から4つ目の、小櫃(おびつ)という駅で降ります。もちろん、ここでも特に当てがあったわけではありません(笑)。ただ、久留里線の車窓風景というのは、大きく3つに分けられると思うのですが、最初は平野部を走り、次第に起伏が激しくなって山が近くに迫ってきます。…そして最後は山間地に入っていくのですが、この小櫃駅付近は、途中の起伏が激しくなってきそうな地域…とでも言いましょうか。
実はこの辺りは、お墓参りに行く時に、生まれてからこの方、車で何度も通ってきている場所なのですが、当たり前の事ながら、周辺を歩いた事はまずありませんでした。…なので、何となく不思議な感覚です。道自体はよく知っているのですが、歩くとまた違った風景に感じてしまうわけです。やはり、ゆっくりと周りの風景を見ながら進んでいかないと、本当に“通った”とは言えないのかもしれませんね。なかなか新鮮な時間だったように思います。
そして、隣の俵田駅まで歩いて、ここからまた下り列車に1駅区間だけ乗り、久留里線の中枢駅とも言える久留里駅に到着です。ここも小さいながら“街”という感じで、ここを終点とする列車も何本か設定されています。つまりは、ここからいよいよ山間部に突入していくわけですが、自分が今乗ってきた列車も久留里駅止まりで、次は約1時間後に発車との事でした。…という事ならば、また1駅自分は先に歩いてしまいましょう(笑)。確か車で通った時の記憶では、この先は道も険しくなってきたような気がしていたのですが、1時間駅周辺で待っているのも勿体無いです。やはり鉄道“さんぽ”なのですから、歩かないと…ですよね!?
しかし、この行程がまた、今までの2区間とは全然違っていました。傾斜を避けて通っているのか、線路と道路は大きく離れまして、そして道路の起伏の激しい事激しい事…(笑)。一応、ちゃんとした国道なので、歩きにくい道ではありませんでしたが、坂やカーブが突如多くなってきた感じはありました。小櫃川も蛇行し始め、緩やかな山ですが、ギリギリまで道路側に迫ってきている雰囲気もあります。
久留里駅の次の駅の平山駅までは、路線上では約3kmという距離のようでしたが、行程的にはもっとあったような印象がありましたね。山間部に入っていく感じが急に出てきたからだとも思いますが、予想以上に体力を消耗してしまいました。次の列車まで1時間弱…という時間制限もありましたし(それを逃すと、次の列車は更に約1時間半後…)、途中、駆け足になる区間もあったくらいです(しかも上り坂とかで…笑)。久留里駅を出てから、離れていった線路が再度見えてきた時にはホッとしたものですが、よりローカルらしい景色にも出会えた事ですし、今回は良しとしましょう…。そんな平山駅には、自分以外の乗降客はまるでいませんでした。
そして、このまま上総亀山駅まであと2駅、そのまま乗り通します。恐らく、この辺りの景色が一番変化に富んでいて面白いとも思うのですが、久留里駅止まりの列車がある為に、この区間は列車本数もぐっと減り、日中は2時間に1本くらいの運転になってしまっています。なので、気軽に途中下車するわけにもいかないというのが正直なところで、今回は終点まで行く事にしました。1駅区間も、今までより長くなってきた感もあり、いよいよ、川も山も間近に迫ってきています。そこを久留里線はギリギリで避けて?走っていくのですが、そのまま久留里線では数少ないトンネルを2つ抜けると、終点の上総亀山駅になります。ここは、自分が車で墓参りに行くルートからは外れた場所となるので、あまり馴染みの無い所ではありますが、一応今回で2回目の訪問となりました。
前に来たのは、もう10年以上も前で、季節は夏だったように記憶していますが、暑さと寒さの違いと言えど、殆ど前と雰囲気は変わってないように思えました。町の規模からすると、ここに鉄道の終着駅があるのは不思議な感じがするのですが、当初は(戦前ですね)この先も延ばす予定があったの事です。今は、そんな雰囲気は見る影もありませんが、本当に喉かな風景のように思いました。
ここで列車は折り返しの為、しばらく上総亀山駅に停車しているわけですが、その発車まで、あと約1時間20分もあります!…さすがにのんびり…という感じですが、そんなのんびり的な風景には、旧国鉄塗装の車両がよく似合うような感じもしました。ただ、さすがに自分には時間が無かったので、駅前にあったタクシー屋でタクシーを拾い、若干運転本数が多くなる久留里駅まで乗っていく事にしました。時間的には15分で、3000円くらいでしたが、途中には今まで歩いてきた道も通って行ったので、今回の散歩を少し振り返る時間にもなり、良かったと思います。…最後には、上総亀山駅に佇む、旧国鉄塗装のキハ30形の写真をお楽しみ下さい♪
こんな感じで、久留里線の“さんぽ”は終わりました。大急ぎで紹介してきましたが、沿線や車両の雰囲気など、大まかな感じで掴めて頂けたのではないかと思います…。今後もこのように、自分の気になる?路線等を取り上げていきたいと思っていますので(なるべく、山手線や中央線等のメジャーな路線は避けたいのですが…笑)、どうぞ楽しみにしていて下さい♪
…ところで、この企画をやり遂げた次の日、早速自分は足が筋肉痛になってしまいました…。行程は、道をほぼ歩いていただけにも関わらず…です。これは長期連載に繋げる為にも、まずは自分の体力を付けておかなければならなさそうですね(笑)!
☆久留里線の参考HP…www.kururisen.com/
いやー本当にお疲れさまです。私はこの辺りの養老温泉というところに行ったことがありますが(車で)夜は真っ暗ですごい山道だった記憶があります。そこを『さんぽ』しましたか(笑)。シリーズ楽しみにしてます!
…ではない…くらいでしょうか(細かくてすみません…笑)。
養老温泉、確かに近いですね!…ただ、あそこは小湊鉄道という
別の鉄道が走っていて、同じく非電化路線なので、久留里線に
負けず劣らずローカル度の濃い雰囲気がある地域です。
いずれそこの路線も取り上げるかもしれませんね(笑)!
移して演奏を行うのです。普段、Kuro では割りと静かに
演奏していますが、ここではバンド形式となり、盛り上げて
やっていく感じなのです。新鮮なライブが楽しめそうですよ!