この新ブログが始まって、今回初の旅日記となります。旅日記の番号ですが、こちらも以前の日記〔“竹内大輔の写真日記”(~2009)、旅日記 31.(フランス、パリ編…2009.7.22~7.28)参照〕の連番として綴らせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
今年初の旅行先に選んだのは、ベトナムのホーチミンでした。前々から個人的に行きたい場所ではあったのですが、なかなか実現しなく、今回は念願の…という言葉がピッタリな機会でもありました。ベトナムという国自体が自分は初めてで、また色々と衝撃を受けてきましたが、いつも通り、マイペースで読んで頂ければ幸いです♪
●キャセイパシフィック航空で、香港乗り継ぎのホーチミン入り!
東京からホーチミンに行く方法は幾つかありますが、最もポピュラーなのは、もちろん地元のベトナム航空や、日本の日本航空や全日空による直行便でしょう。これだと、日本から6時間程でホーチミンに到着する事が出来ます。しかし、この場合1つ難点があって、ホーチミンから東京への便は、全て深夜便になってしまいます。今回、自分の休暇は5日間とれたのですが、深夜便の場合、旅行4日目の夜に現地を出なければいけない事になります。そうなると、東京到着は5日目の朝6:00過ぎくらいになるのですが、何だか1日無駄にしている感じもしてしまいます。しかし、直行便の場合は、復路は全て深夜便…。飛行時間的には無駄が無いのですが、復路の便の時間帯選択の少なさは、旅行日程に制約を与えているに等しい事実だと思いました。
そんな時に目を向けたのが、乗り継ぎ便という選択です。何も、ホーチミンへの路線を設定しているのは、日本航空や全日空だけではありません。日本に近い国からでも、豊富な便が提供されているのです。直行便に比べ、一度は乗り継ぎ…というハンデはあるものの、それはそれで、もう1国行った気分にもなり、なかなか面白い経験になるのでは…という見方もありました。
ここで航空会社の選択として挙げられらのが、チャイナエアラインの、台湾は台北乗り継ぎ、そして、キャセイ・パシフィック航空(以下キャセイ)による、香港乗り継ぎです。どちらも、その航空会社本国の拠点空港の乗り継ぎになるのですが、こちらですと、実は復路にも日中便の設定があるので、5日目の朝にホーチミンを出て、東京にその日の夜に着く…という、5日間をフルに使える日程が可能なのです。日本~ベトナム間の移動で、往復とも日中の移動は、第3国の航空会社しか無い…というのが意外な感じですが、航空機の運用や空港の使用可能時間帯等の都合で、事実そうなっています。そんなこんなで色々練りましたが、今回はキャセイの香港乗り継ぎでホーチミンに入る事になりました!
実はこのキャセイですが、何気に自分は色々な旅行で使わせて頂いております。香港に行った時はもちろん、台湾の台北に行った時や、タイのバンコクに行った時にも使ってまして、今回のホーチミンへの搭乗回数も合わせると(乗り換え含む)、実は外資系の航空会社で一番利用している航空会社にもなるみたいです。これはつまり、キャセイの豊富な便設定にあるのでしょう。日本へは成田の他に、中部、関西、福岡、札幌への便があり(このうち札幌線以外は、台北経由の香港行きの設定があります)、他に北米やヨーロッパはもちろん、中東や南アフリカ、そしてやはり、現地に近い東南アジアのへの便も充実しています。そして後に説明しますが、これらの便から便への乗り継ぎが、香港の空港ではうまく接続できるように工夫してあるのです。要は、キャセイの乗り継ぎ便を選ぶと、乗り換えに要する時間を少なくする事ができ、結果、効率の良いルートが選べる…という事なのです。実際、今回の乗り継ぎ時間は、往路が1時間半、復路が1時間強でしたから、実は、そんなに時間のロスはしていないのです。また、香港という場所がアジア諸国的に見て、ちょうど真ん中辺りに位置している…というのも、乗り継ぎに便利な武器になっているのかもしれません。
まずは、成田から香港までが4時間半(復路は4時間)。旅行日程的には、まだ序章中の序章ですが、乗り継ぎ便というのは、そう簡単に目的地に着かない(着けない)楽しさ…というのもあったりします。いかに遠い国なのかが改めて分かると共に、その中継地として香港を訪れるというのも、また新しい楽しみだったりするのです(今回は、ホントに乗り換えだけの為に寄っただけですが…)。
機種は、キャセイの中距離便ではポピュラーのA330-300型(左上写真参照)で、もうキャセイの中では古い機種(リニューアル中ですが…)になってきましたが、それでもまだ機齢は10数年という感じでしょうか。座席には全てパーソナル・ディスプレイが備えられており、1人1人が別の番組を見る事が出来ます(古いタイプなので、映画の早送り、巻き戻し…という事は出来ません)。何気に“This Is It”がやっていたのが面白かったですが(笑)、あまり見る気になれず、ビールと機内食で時を過ごさせて頂きました(笑)。それでも、香港まではあっという間です…。到着間際になると、ディスプレイには、そこからの自社の乗り継ぎ便の出発時刻・搭乗ゲートまでもが掲載されていて、香港が如何に乗り継ぎ地点として機能しているかを示す指標にもなっていました。
自分が香港に着いたのは15:00前、ホーチミン行きの便は16:30の出発ですが、乗り継ぎに便利に出来ている香港国際空港(赤鱲角空港…チェクラップコク空港と呼ばれています)をもってすれば、余裕の乗り継ぎ時間だと言えるでしょう。実際、先程の機内ディスプレイには、15:55発の便の接続も掲載されてましたし、実際のところ、30分もあれば大丈夫かな…という部分もあります。ただし、空港内はシンプルなものの広いので(長い…というか)、ゲートによっては移動が大変ですけどね…。ただし、事前にゲートはチェックできます!
また、なにも東京からの便の接続が、たまたま良かったわけではありません。キャセイは同じ時間帯に、世界各国からの便を集中して到着させており(1日に3回ぐらい、そういった時間帯を設けてあるそうです)、例えばこの時間帯は、関西や中部からの便や、近隣アジアの国からの便が、同じくらいの時間に到着しております。そして、この1~2時間後に、また近隣アジア諸国や、ヨーロッパ、北米への便が出発していくのです。この事は何を意味するかと言うと、香港を経由すれば、どこの国からどこの国へも、スムーズにアクセスが出来る…という事なのです。例えば、日本からホーチミンへは、現在、成田と関西からしか直行便は出ていませんが、福岡や名古屋の人も、キャセイを使って香港を経由すれば、わざわざ成田や関西に出向く必要が無く、ホーチミンに辿り着く事が出来ます。そもそも、日本からは直行便の設定が無い、カンボジアのプノンペンや、ネパールのカトマンズ、南アフリカのヨハネスブルグ等にも便があり(まだまだ沢山ありますよ!)、これらへの乗り継ぎも良いので、やはり香港経由は、“使える”ルートなのです。こういった運航を行っている空港の事を、いま日本でも話題の“ハブ空港”と呼んでおり、キャセイでは昔から、こういった運航で世界中の人を運んでいるわけなのです。日本では現在、羽田・成田の“ハブ化”を目指す…という記事をあちこちに見ますが、こういったキャセイのような運航をしてこそ、ハブ空港であるのです。それが、今の日本の航空会社と言うと、日本から諸外国へ行く為だけのような運航をしており、確かに、どこかの国が、日本の航空会社で成田を経由して、また別の国に行く…というのは殆ど見た事がありません。日本は極東の国であり、旅の終着点、起点になるような所なのです。
話しが逸れましたが、香港のような空港を見ると、日本の目指すハブ空港って、何なのだろうと思ってしまうんですよね…。空港だけの造りを見ても、乗り継ぎ客に易しく出来ていますし、保税エリア(税関を抜けた先のエリア)の店舗も充実しています。そして、そこには世界中の人が行き交い、それが1つの文化を生んでいるかのようなのです。自分は香港という国自体が好きですが、香港の空港も負けないくらい好きですね。そして、この空港に寄る度に、香港市内にもまた行ってみたい…と思わせてしまうのです。
この空港は、成田以上に世界中から航空会社が集まってきます。その中には、日本では見られない航空会社も多々ありますし、もちろんお馴染みの航空会社も集まってきています。それゆえ写真撮影的には忙しくて仕方無いのですが(笑)、今回はシンガポール航空のA380-800型(左上写真参照)と、ブリティッシュ・エアウェイズのB747-400型(右上写真参照)をピックアップさせて頂きました。A380は、まだ世界に10数機しか飛んでいない、全2階建ての最新機種であると共に、世界最大の旅客機でもあります。成田空港でも見れますし、自分も何回か撮った事はありますが、ここまで近くに寄って撮れたのは初めてでした!…海外で見るお馴染みの航空会社というのも、また違った表情が見れて面白いと思うんですよね。…お陰で、ホーチミン行きの便にはギリギリの時間になってしまい、しかも地上誘導スタッフには相当煽らされてしまいました(笑)。うーん…、ある意味自分にとっては、乗り継ぎに危険な空港であるのかもしれませんね。
香港~ホーチミン便の機体は、キャセイでは少数派のB777-200型というものでした。キャセイではB777-300型という、これよりも胴体が数メートル長い機体が主流になっているので、ある意味今回の搭乗はラッキーと言えるでしょう。乗り継ぎ便ですと、片道だけで、このような複数の機体に乗る事が出来るので(結局、この後の帰りの便は全てA330-300型でしたが…)、自分としてはこれすら楽しみの1つになっているのです(笑)。まあ、飛行機好きの方以外では、あまりいない例かもしれませんが…(笑)。
便が変わっても、キャセイのグローバルなサービスは健在です。さすがに、日本路線のような日本語案内というものはありませんが(当たり前です…)、それ以外は今まで乗ってきた便と雰囲気は殆ど変わりません。お客さんの風貌にはもちろん変化が出てきますが、キャビン・クルーは基本的にアジア系が多いので、日本人にとっては馴染みやすい感じで目に映るのです。
さて、ホーチミンまでは約2時間半のフライトなので、距離的には東京~沖縄間…という感じですが、ちゃんとした国際線なので、免税品販売はもちろん、機内食も普通に出てきます。自分は先程の香港までの機内で満腹になったばかりなのですが、また同じ量くらい食事は出てきてしまいました(笑)。デザートにドラゴンフルーツが添えられていた感じが、いよいよ東南アジアかと思わせますが、頑張って全て食べさせて頂きました。これは、ホーチミンでの夕食には気を遣う事になりそうです…。
そうこう言っている間に、飛行機は高度を落とし始めました。外を見ると、段々と日も暮れてきて、空も赤く染まりつつある感じになっています。そして、大きな川(左上写真参照)が視界に飛び込んできました。後で地図を見たところ、ビエンホアという地域のドンナイ川…という事でしたが、この時点ではまだ“雄大な川”という認識のみです(笑)。
そして、いつの間にか市街地上空に入り、街中に大きく蛇行している川が見えてきましたが、これはサイゴン川というのは分かりました。今回自分の泊まるホテルは、サイゴン川に面している場所にあったので、その川の名前は覚えていたのです。いよいよホーチミンに入っていく…というのが実感されてきましたね。そして、遠くに(…と言っても、空港からの距離としてはそう遠くはないでしょう)ビル群が見えてくると、機体はホーチミンのタンソンニャット国際空港に無事着陸しました。何だか本当に、夕暮れ時の良い雰囲気で出迎えてくれた感じがありました。
そんなホーチミンの玄関口となる空港ターミナルですが、2007年に新しく建てられただけあって、とても近代的な造りをしていました。しかし、ここを見ただけでは、とてもベトナムとは思えない感じではあります。むしろ、香港の空港ターミナルが、そのまま小さくなったぐらいの印象かもしれません…。早速、自分の中では予想外の光景に出くわしたわけですが、この先もきっと、自分のベトナムに対するイメージは色々払拭されるのでしょう。ふむ…楽しみではないですか♪…さあ、いよいよホーチミン市内に入ります!
●メコンデルタに行く
ホーチミンに着いて、とりあえず1泊。まださすがに街の雰囲気には馴染めない感じですが、次の日には早速、メコンデルタという所へのツアーに参加する事にしてみました。メコンデルタというのは、ホーチミンから南西に約70kmの距離にある地域の事を指してまして、チベットから約4000kmもの長さを流れてきた、メコン川の下流に部分に属する場所でもあります。ここでの川幅は2kmにもなり、その間には幾つか中洲状の島が点在しているのですが、ここでのクルージングは有名で、メコン川やその島への観光、そして狭い水路のような所を船でのんびりと移動していく様は、ベトナムに来たら一度は体験しておきたい事でもありました。
これらの観光は個人でも行けない事はないようですが、やはりホーチミンからの往復や、現地で交渉という面倒さを考えると、ホーチミンから出発しているツアーに参加する方が得策と言えそうです。実際、ホーチミンにはこれらを扱っている旅行会社が数多くあり、それは本当にどこを使おうか迷ってしまう程なのですが、自分は、日本語ガイド付きツアーの中で、一番格安と言われている、“TNKトラベル”という旅行会社を通じて行く事にしてみました。これで、昼食付きで25$(約2250円)です…。英語で良ければ、“シン・カフェ”や、“キム・トラベル”という旅行会社が最も安いと言われていて、実際同じ条件で7$からあるのですが、同じ参加者が外人というのも困りますし、意味:が全く分からないのも嫌なので、自分は日本語のガイド付きのプランにした次第です。そして朝8:00、自分はホーチミン発の人となっていたのでした。
今回の、このツアーの日本人の参加者は、自分も合わせて8人という陣容でした。出欠?をしてからバスに乗り込みますが、随分とこの人数にしては大きなバスが停まっていて、これに乗り込めとの事です…。なかなか贅沢だなあと思っていたのですが、自分達は座席の後ろの方に座らせられ、前には欧米人を中心とした、別の団体が乗り込んでくるではありませんか。
成程、このツアーでは日本語ガイドも英語ガイドも、移動は同じバス1台で行う…という事なのですね。前の方には英語のガイドが別で乗っており、ツアーの解説もそれぞれのようですが、ハッキリ言って声は後ろまで届いてきます(マイク使ってますし…笑)。もちろん英語ガイドのツアーとして乗ってきている乗客の方が遥かに多く、割合にして5対1ぐらいな感じでしたが、英語ガイドの方の料金が気になる感じですね…。よく見ると、日本人と思われるツアー客も乗っており(英語ガイドで構わない人なんでしょうね)、何だか差がよく分からなくなってくる感じですが、後ろは後ろで快適なので、このままバスに揺られている事にしましょう(笑)。
ホーチミン市内は本当にゴチャゴチャしていて、そこを大型バスが抜けるのには、素人目にはかなり無理がある光景に思えたのですが、それでも強引に道を進み、そして大通りに出てやっとスムーズに走り始めた感じでしたね。急激に開けた感じもあり、これが郊外の風景なのかな…とも思いましたが、まだまだ工事中(途中段階)の道も多く、インフラ的にはまだまだな部分が目立っているようです。これは、自分で運転しろと言われても、断りたいぐらいですね…。
バスは国道をひたすら走り、いつしかホーチミン市内も抜けた雰囲気になってきました。そうなると、辺りは畑や田んぼだらけになり、農業をやっている人が多いという事を窺わせます…。実際、ガイドの人もそんな事を言っていて、まだまだベトナムの人達は、農業に頼っている部分が大きい…という事らしいのですが、その後に、住民は基本的に貧乏で、お金が無くて、欲しいものが買えない…等、とにかくベトナム人の貧困っぷりをやたらアピールしてきます…。何だか捻じ曲がった発想のようにも思えたのですが(笑)、後々調べてみると、ベトナムの男子というのは(ガイドさんはおじさんでしたが…)、うんちくを傾けて話す傾向にあるらしく、確かに納得してしまうような話し方でしたね。まあ、こういう部分からも、ベトナムという国を体験できるので、それはそれで面白い事なのかもしれませんね。
そろそろガイドの話しもしつこく感じてきた頃(これは、何も自分だけが思った事では無さそうな雰囲気でした…きっと、言葉の上手さ以外に、話し方にも問題があったのでしょう…むしろ英語ガイドの人の方は、話し方が上手いな…と思いながら聞いていたので)、バスはトイレ休憩に入りました。辺りには殆ど何も無いような場所に、その休憩場所だけがポツンとあるような場所で、ここは、いわゆるドライブイン…という事なのでしょうか。かなり喉かな風景ですが…。
バスから降りると、早速「サングラスを買わないか?」と、物売りの勧誘にあいます。ああ、アジアだな…と思いながら、そこを無視してドライブインに入りますが、意味不明な石像が置いてあったり、そんなに綺麗ではない泉が湧いてたりと、なかなか興味は尽きません(笑)。こういったツアーに参加した客だけを目当てとした場所のようにも感じましたが、軽い飲食が出来る休憩所もあったので、ベトナム・コーヒーと、変な短いバナナを買って、暫く時間を過ごしていました。この時、辺りは凄い暑かったのですが、やはりコーヒーだからと、ホットを頼んだのが失敗だったようにも思います。雰囲気は出ていましたが、更に暑い思いをする事になったのは言うまでもありません(笑)。
そんな胡散臭いドライブイン(笑)を出て、また暫くしまして、バスはメコンデルタの入り口となっているミトーという町に到着しました。ここからは皆でライフベストを着て、いよいよ船に乗り換え、メコン・クルーズに出発していくわけです。目の前には大河とも言えるメコン川が迫っており、本当に茶色に濁っています。確かに雄大な景色で、これが遥かチベットから流れてきていると思うと、感慨も一入でありますね。
しかし、本当に面白いのはこれからでしょう。船の乗り場からは遠くに、最近出来たと説明された、そんなメコン川を横断している大きく長い橋を望めたのですが、まず船はそれを背にしまして、いわゆる河口側に向かって進んでいきました。船は小さいのでよく揺れますが、これくらいの方が、より自然とお近付きになれるのかもしれません…。揺れ過ぎて、外の写真を撮るにもレンズが定められないくらいですが、それでも目に(カメラに?)焼き付けようと、必死で外の景色を脳裏に取り込んでいきます。
外の景色は、ありとあらゆるものが新鮮で、何が何だかよく分からないくらいでした。ガイドさんも、少しは説明をしてくれているようなのですが、船がうるさ過ぎで、正直何を言っているのかよく分かりませんし、こちとら船に揺られまいと必死なので(笑)、聞こえたところで殆ど耳にも入って来なかった事でしょう…。川幅の広い部分では、とりあえずはそんな時間が続いていった感じでした。
そんな雰囲気が少し変わり始めるのは、川の中側にある中洲状の島に近付いていった時です。船のスピード自体も落とし始めて、やっと、ゆったりな時間が過ごせるようになってた感じですかね。ガイドブック等の写真で見た時と同じように、すぐ傍にはジャングル地帯が迫ってきて、いよいよ“クルーズ”っぽくなってきた感じでしょうか。
これらの島は、殆どが果樹園になっているとの事でしたが、それを説明しているガイドさんの発音が良くないのか、どうしても“がじょえん”…と聞こえてしまうのが気になります。雅叙園…目黒か!…とか思いながら(笑)、どうやらここの島内で今回は昼食をとるらしいので、小さい船着き場のような所に船を泊め、ツアー客皆で島にゾロゾロと上陸していきました。何だか不思議な光景が続きますね(笑)。
島に上がっていくと、少し段差が付けられているのに気付きました。実はこれ、人工の堤防の役目を果たしてるとの事で、冗談抜きで、満潮の時はこの辺りまで川の水位が上がってくるらしいのです。現在の光景からは想像できませんが、改めて自然の凄さを感じてしまいますね。そのまま果樹園の中を突っ切って行くと、ちょっとした広場があり、建物もあって、その下には机や椅子が並べられていて、明らかに団体用に食事をとられる場所が作られていた感じでした。
若干萎える光景ですが、昼食はツアー代金に含まれているので、ここで少し腰を落ち着ける事にしましょう。しかし、飲み物だけは実費というのが介せません…。それでも、暑いので飲まないわけにいかなく(自分は缶ビールを頼みましたし…笑)、しぶしぶ全員に近い人数が飲み物をオーダーするわけなのですが、ここの食堂みたいな所での収入が、果樹園よりも遥かに入ってそうな気さえしてしまいますね…。まあ、ツアーにはよくある光景…という事で、細かい事は目をつぶっておきましょう。
お腹が一杯になり、一行は再度船に戻り、更に先へと進んでいきます。…という事は、またもガイドの長い話しか…という感じではあったのですが、気が付くとガイドさん、船の後ろの方で手製のハンモックを掛けており、出来あがるとそこで横になりだすではないですか!…さすがに一同絶句でしたが(笑)、これがベトナム式の現地発ツアーの光景なのかと思うと、もう笑うしかありません。自分達は今、大変貴重な体験をさせて貰っている…。こう信じて、次なる場所に着くまで、ひたすら待っている時間が続きました(笑)。
最初に船に乗ってから、川の中にある中洲を囲むようにぐるっと回ってきたので、今度は船の前方に、メコン川を渡っている先程の大きな橋を望めるようになってきました。川岸から中洲までも距離はありますが、更に対岸はその先にあるので、一体この辺りの川幅はどれくらいになるのでしょうか。そんな事を思わせる光景でしたが、不意に船は、そこから川岸に向かっていき、メコン川から枝分かれしている1つの小さな水路のような川へ向かっていきました。…これぞ、ディズニーランドのジャングル・クルーズのようで、いよいよ楽しくなってきたか?…と思ったのも束の間で、先程のガイドさんから、ここで降りろとの指示が出てしまいます…。ここには、ココナッツ・キャンディー工場があるとの事。なかなか団体行動でのツアーは、思うような行動が取れません(笑)。
さて、やって来たキャンディー工場…。しかし、そこの造りはお世辞にも立派な施設とは言い難く、はっきり言って簡素で、昔ながらの光景です。どちらかと言うと、“工場(こうば)”な感じでしょうか…。しかし、英語で言えば“Factory”という場所なわけで、成程、日本語の難しさを感じさせられましたね。とにかく、喉かな工場…という印象でした(笑)。色々と説明は受けましたが、さすがにキャンディーを買うまでには至らず、何だか時間を持て余し気味な雰囲気は否めなかったと思います。
そんな人達がいるからかどうか分かりませんが、ここでは蜂の巣(もちろん蜂付き)や大蛇を触らせてくれるというイベントが設けられてあります。皆、キャー!…とか言いながらも、記念撮影やら挑戦やら、全体的に楽しんでいた感じですが、何だか騙されているような気がしないでもないですね…(笑)。個人的に面白かったのは、外人さんのそれぞれのリアクション…という感じでしょうか。わざとおどけて写真に写ってみたり、強気なポーズを取ってみたり…。もしかしたらここが、人種のるつぼを垣間見える空間として相応しい場所なのかもしれませんね。何だか笑顔になってきてしまいました。
その後は、手漕ぎボート乗り場へと案内されます。先程の狭い水路をまた奥へと進んでいくのですが、ボートは更に小さくなって、そしてベトナムでよくある“傘”?を被せられ(笑)、正にボート漕ぎ体験が出来るわけです。ボートは、座る所が4人分で、もちろん、ちゃんと漕いでくれる人も1人か2人だけ乗ってくれているのですが、途中でオールを貸してくれたりと、なかなか大変な作業も体験できます。流石にヘビーで、汗が吹き出してしまうくらいでしたが、先程の昼食時のアルコールも抜けて、調度良いかもしれませんね(笑)。それでも、ゆったりと水の流れに任せて進むというのは気持ちの良いもので、やっと雄大な川である事を認識出来た瞬間でもありました。まさか、こんな川幅の狭い部分で気付くとは思いもしませんでしたが…(笑)。
そんな体験は5分程で終わり、ボートから降りて更に5分くらい歩くと、また小さな休憩所が現れてきました。ここではデザートが用意されており、更に辺りを見回すと、楽器らしき道具を持っている人が3、4人程スタンバイしていていて、自分達が揃うのを、今か今かと待っている感じでした。
そう、ここでデザート・タイム兼、音楽鑑賞…なのだそうです。一見マンドリンのように見える楽器や、中国の二胡のように見える楽器など、民族楽器的な雰囲気が強く漂っていましたが、確かにそのようで、曲もベトナムに伝わる民謡のようなものを演奏してくれました。
最初、女性の方が歌って、次に男性の方…というふうに続いたのですが、ここで先程から綴らせて頂いているガイドさんが突如(…という雰囲気でした)、「次は私が、歌います。この歌…私も好きだから」…と言うではないですか!
いきなり何を言い出すのか!…と思いましたが(笑)、もう既に役に成り切っているようで、最初に歌ってくれた女性の方とのデュエットが始まってしまいました。成程、どちらかと言うとミュージカル的なやり取りなのだと思いましたが、彼が作り出したこのシュールな空間は一体何なのでしょう…(笑)。そんな上手いとは思えませんでしたが、確かに気合いは入っている感じでしたね。自分としては、先程2番目に歌ってくれた男性が、このガイドさんが歌っている時に相当つまらなさそうに見ていたのが、気になって仕方ありませんでしたが…(笑)。
…これで、全てのスケジュールは終わりました。ここから歩いて10分程でバスの乗り場へと移動でき、後は先程のメコン川を渡る大きい橋を通って、ホーチミンへの帰路に着くだけです。確かに、盛り沢山なツアーでしたし、ある意味で盛り沢山過ぎる内容でもありました…。ただ、ベトナム“らしさ”を感じるには十分な1日になった事は確かで、自分はベトナムに初めて着いてすぐに次の日に行ってきたので、この後のホーチミン観光へ向けて、免疫を蓄えられた感じはしましたね(笑)。そして今、ここで当時を思い返しながらこの文章を書いてみても、ああ、面白い経験だったと言えるという事は、やはり貴重な体験をしたという事に間違いは無さそうです。まあ、やはりツアーって、ガイドによって大分印象は変わりますよね(笑)。これが今回と違う人だったら、また異なる印象を持つのかもしれません。…という事は、やはり人に勧められるべきツアーなのかな?…とも思ったりしたものでした♪