9月30日(1日目)
コンサートの日は、10月1日と2日に設定されていたので、ツアー1日目となるこの日は前日入り(一応、軽いリハーサルを行いましたが…)という名目となり、スケジュール的にも余裕な感じになっていました。東京から室蘭へのルートと言うと、勿論羽田空港から飛行機で新千歳空港までですが、その出発時刻も昼頃の便となっており、時間的にも無理の無いスケジュールが組まれていました。
故に…というわけではありませんが、自分は普段なら京浜急行で羽田空港へ向かうところを、敢えて東京モノレールで向かってみる事にしました。これは、10月21日に開業予定の(現在は無事開業しております)羽田空港の新国際線ターミナルを見ておきたかった為で、京浜急行ですとホームが地下なので、よく分からないと思ったからです。ただ、出発当日は結構強い雨で、外もよく見えなかったので、しっかりとこの目で確認した!…という感じにはならなかったのは残念でしたが…。まあ、いずれレポートする時が来る事でしょう(笑)。
…元々、余裕時間を持って空港に着くようにしていましたが、予想以上に早く着いてしまい、若干空港では時間を持て余してしまう事になります…。晴れていれば展望デッキに寄るのところですが(笑)、この天気ではなかなか厳しいところで、とりあえず空港内をブラブラとしていました。この点では、色々な施設が充実している第2ターミナル利用は嬉しいものです。
さて、出発時刻が近付いて、搭乗ゲートへと移動しました。今回利用する航空会社は、北海道に本社を置いている北海道国際航空…通称エア・ドゥ(Air Do)です。思えば、前の夢輝さんによるツアー〔竹内大輔の写真日記(~2009)、黒光由佳、北海道ツアー(2008.6.28~7.2)参照〕で北海道に行った時(今回は、それ以来の利用になります)も、この航空会社のチケットを用意されましたが、ひょっとしてお気に入りなのかもしれませんね…。
夢輝さんや北條さんも、同じ飛行機に乗っている筈なのですが、チケットが別なので近くには確認できず、とりあえず飛行機に乗り込みます。窓の外はまだ大雨で、生憎の出発日という感じでしたが、移動日なので、大して気にする必要は無いでしょう。
離陸して暫くすると、飲み物が用意されてきました。現在は全日空ですら、国内線の無料飲み物提供をやめてしまいましたが、格安航空会社(現在は全日空系列の会社になったので、そう捉えるのも若干微妙なのですが)とされるエア・ドゥには飲み物のサービスが健在です。そして、その殆どが北海道産のものを使用しているのも特徴と言えるでしょう。要するに、本当に北海道に特化した航空会社なのです。今でこそ、羽田~新千歳間の最安の値段はスカイマークに抜かれてしまいましたが、北海道の翼として、今後も頑張って貰いたいものだと思いますね。
さて、そんな頃には下の雲は切れ目が出てきて、先程の天気とは一転…、非常に天気の良い状態へとなってきました。確かに、この日から3日間、北海道の天気は晴れとなっていて、こちらこそが、1日目の本命の天気と言っても過言では無いでしょう。機内からは、かなり遠くの方ですが、これから向かう室蘭の町が見え(左上写真参照)、この後に着陸する新千歳空港の全景もハッキリと見えました。やはり、晴れている状態でのフライトというのは、無条件に心地良いものですよね!
こうして、無事に飛行機は新千歳空港へと着陸しました。手荷物受取の場所では、無事、夢輝さんや北條さんと合流し、改めて3人で室蘭へと向かいます。ここで、流石地元の夢輝さんは、空港から室蘭行きの高速バスがある事を紹介してくれ、スムーズにそのバス停へと案内してくれるのですが、残念ながら、室蘭行きのバスは行ったばかり…。約1時間ほど待たなければならなくなりました。しかし、余裕で時間を潰せるのが新千歳空港の醍醐味です。この空港は、これでもか…という程、お土産屋さんやレストランが充実しており、北海道を洗礼を味わうには十分過ぎる程の場所なのです。実際、北條さんはホエー豚丼等を平らげており、早速、北海道を満喫しているようでした。良いスタートです♪
…そしてバスの時間を迎えましたが、これが予想以上に混んでいて、よく利用しているという夢輝さん自身も困惑している様子でした。…と言うのは、いつもは4,5人くらいしか利用していなく、余裕で椅子に座れる感じなのに、この日と来たら、かなりの混雑状態になっていたからなのです。中には、恐らく韓国人、中国人観光客も何人かいたので、この時はたまたまだったのかもしれませんが、一番大変そうだったのは、このバスの運転士でしょう。何せ、乗客のスーツケースをバスの荷物室に入れる役目なのは、この運転士なのです…。確かに、4,5人くらいの乗客だったら問題は無いのでしょうが、この日は、目視でも50人くらいは利用者がいたのではないでしょうか。流石に5分程遅れて、バスは発車していきました。
バスの中では、ほぼ爆睡でしたが(笑)、途中の登別で、乗客の半分くらいが降りていった事は確認出来ました。道中、何だか太陽が眩しくて、バスの中も凄く暑かったです…。北海道は涼しいと思っていた自分達の心構えは、一体どこに行ってしまったのでしょう(笑)。
そんなこんなで、JRの東室蘭駅前に到着しました。前の北海道ツアーでも来た場所ですが、要するにこの辺りが、夢輝さんの地元だという事です。夢輝さんの母親とも落ち合い、そのまま次の日のコンサート場所?でもある、夢輝さんの出身校、東中学へと足を運ばせました。
…先に話しておくと、この中学校は、実は今年度で廃校になってしまうのだそうです。残念な話ではありますが、夢輝さんを今回の文化祭に呼んだのは、そういった計らいもあるのだと思います。それでも、今回の文化祭で50回目を迎えるのだそうで、なかなか歴史ある学校には違いありません。その最後の文化祭でもある日にコンサートをやらせて貰えるというのは、卒業生としても名誉ある事ではないでしょうか。自分も、参加させて貰って嬉しい限りでした。
さて、学校では既に文化祭の準備を終えているようで、至って静かなものでしたが、校長先生や教頭先生が揃って迎えて下さいました。校長室へと案内され、昔話に少々花でも咲かせつつ、コンサート場所にもなる体育館へと移動します。ここで若干のリハーサルを行い、殆ど問題も無い事を確認しました。実は、学校の体育館という場所は音が響き過ぎて、何だかんだで、マイク等を通したり、大音量を出すようなライブには厳しい場所ではあるのですが、今回はボーカルと生ピアノの2人のみ…という編成が功を奏したようです。これで、明日への準備は完璧と言えるでしょう。
この後に先生に案内されたのは、とある教室での展示でした。ここは、東中学校の変遷と示された内容になっていて、今までの学校の歴史を振り返るべく、残っているものの全卒業生の写真や文集、そして作品などを展示しているものでした。…という事は、夢輝さんの中学時代の写真がここにはあるわけです!…これは自分も北條さんも大喜びで(笑)、いとも簡単にその写真を見付けてしまいました(それくらい、今の面影があるという事ですね…)。そして、別の展示には“著名人の卒業生”と書かれ、タレントの安部なつみさん(同じ中学出身なのですね)と共に、夢輝さんも紹介されていました。しかし、当の夢輝さんはというと、かなりそれらの写真が恥ずかしいらしく(…でしょうね…笑)、直視出来ていない感じでしたが、それを自分や北條さんが面白がっているので、余計に調子が狂っている感じでした。どうやらここの展示は、夢輝さんにとって相当刺激の強いブースだったようです(笑)。
非常に愉快になったところで(笑)学校を後にし、そのまま夕食へとなだれ込みました。ここでは夢輝さんの弟さんとも合流し、夢輝さん馴染みのイタリア料理屋へと向かいます。…確かにお勧めするだけあって美味しく、シャンパンやワインも入って、皆、上機嫌状態でした。前菜、パスタ、サラダ、デザート…全て充実していて、次の日からの時間が非常に楽しみに感じられる夜だったと思います。この日は次の日に備えて、早く寝てしまいましょう。
10月1日(2日目)
この日の朝は、近くの食堂で朝御飯を食べる事から始まりました。せっかく北海道に足を運ばせたなら、一度は“らしい”食堂に行っておくべきだという計らいだそうですが、確かに、お店のカウンターの周りに、色々な食材が沢山置かれたこの場所は、東京ではなかなか見ないスタイルの食堂だったように思います。ただ、自分は○○定食的なものを頼んだものの、夢輝さんが注文したのは、うどん…でした(笑)。逆に、地元だとこんな感じなのかもしれません…。
この後、また近くの市場(近くにあるのが羨ましいですが…)に行って、この日の打ち上げの食材の仕入れをしておきます。何と言っても、ここでは海鮮物、特に毛ガニが素晴らしかったのですが、コンサートの前に、こんなに目移りしてはいけません…。とりあえず買い出しを済ませてから、早々と学校へと向かいました。
学校に入ったのはお昼前…。正に文化祭中…という東中学校でしたが、自分達のコンサートは13:00から予定されているという事で、時間的には余裕な感じでした。始まる前までに、色々な教室を見て回ろうかと思いましたが、それだとギリギリになってしまいそうなので控える事にもしておきました。…と言うか、教頭先生の提案で、コンサートが始まる前に、少しソロ・ピアノをお願い出来ないかと頼まれてしまったので、見てる場合でもなかったのです…。これには流石に驚きましたが、引き受けないわけにもいかないので(笑)、何だか不思議な気もしましたが、始まる20分くらい前で、もう生徒が殆ど体育館に揃っているという中、自分は1人で前に出て行き、何曲か弾いていたのです(笑)。教頭先生曰く、ジャズなんて良いですね~…、なんて言うので、その通り弾かせて頂きましたが、流石にポップスも織り交ぜさせて頂きました…。果たして、中学生にはどのように映ったのやら…(笑)。
さて、何だか長く感じた20分間でしたが(笑)、いよいよ夢輝さんを交えて、コンサートを始めます。颯爽と現れた夢輝さんでしたが、大きな拍手をもって迎えられていました。皆、生徒は釘付けといった感じでしょうか。コンサート自体の時間枠は30分も無かったので、曲数にしては全部で5曲ぐらいでしたが、宝塚時代の曲である“明日へのエナジー”や、皆が知っているであろう“君を乗せて”、“翼を下さい”…、そして、夢輝さんがこの日コンサートをやる事が決まってから、生徒達にも歌詞が配られたというオリジナル曲、“Flower Cathedral”等々、幅広い選曲で披露出来たのは良かったと思います。
そして、やはり生徒達的には、夢輝さんの中学校時代の話し等も聞きたいところでしょう…。これはMCで実現しましたが、反抗しがちな生徒だったものの(笑)、とにかく何かやりたいと思っていた頃…だったようです。卒業後はまず高校に行き、そして踊りもやりたかったという事で宝塚音楽学校に行くのは周知の事実ですが、生徒の中には、自分も宝塚に行けますか?…という質問も飛び出したぐらいで、それに「私が行けたんだから大丈夫!」と答えた夢輝さんには、本当に頼もしい限りでした(笑)。
最後には生徒代表の2名から花束を(自分も…笑)頂き、盛り上がりの中で終了しましたが、なかなか面白い体験でしたね。生徒達も、そのままジーっと見ているだけのような感じもしたのですが、ちゃんと聴いているのです。正直、照明が思いのほか明るかったので、あまり生徒達の表情を窺える事は出来なかったのですが、何かに燃える情熱は感じられました。中学校の最後の文化祭のコンサートに出演出来るという、ある意味で学校に軌跡を残せたのは、本当に良かったと思います。どうもありがとうございました!
この後は、この次の日に控えている本格的なコンサートの下見に行きます。場所は同じ東室蘭界隈にある、ホテル・サンルート室蘭内にてで、実は以前のツアーの時に宿泊させて貰っていたホテルでもあるのです。ここでは宴会場みたいな場所でコンサートを行うのですが、デザートやドリンク等が用意されるという事で、言わば“気軽なディナー・ショー”…という感じでしょうか(時間も17:00からですからね…)。音と動線を確認しつつ、明日に備えていきました。
あっという間に時間は過ぎて、もう夕食の時間になりましたが、この日は夢輝さんの弟夫婦の自宅に招かれ、家族皆で一緒に食事…という事になりました。勿論、食材の主役は、この日の朝に仕入れた?北海道産の物ばかりです♪…お酒も飲みつつ、腹も膨れつつ、本当に幸せな時間でした。そして、弟さんには小さい子供が2人いらっしゃるのですが、何故か上の子(3,4歳とかですが…)に絵本を読んで貰っていたような(読んであげたのではなく…笑)。お酒も入り、あまり詳しく思い出せない時間ではありました。さあ、いよいよライブ2日目となる次の日は、ホテルでのコンサートです!…気合入れていきましょう♪
10月2日(3日目)
ホテル・サンルート室蘭に入ったのは午後13:00頃でした。今までの流れから考えると、余裕の入り時間と言えそうですが、この日は事前にやる事も沢山です。会場に入る前のひと時の休息は何物にも変え難い時間だったと言えそうです。
会場に入ってセッティングへ…。こういう時に演奏者が少ないのは楽ですが(笑)、逆に2人だけという状況は、それぞれの微妙な立ち位置が重要にもなってきます。特に夢輝さんの方は、ステージ中に動きを大きく付けて歌う場面もあるので、その拘りは1つ1つ無視出来ないものなのです。リハーサルは、ほぼ最初から最後まで通した…という感じだったでしょうか…。この時点で自分は、結構やり切った感が出てしまいましたが(笑)、本番の為に余力は残していないといけません。ここでまた束の間の休憩を満喫しつつ、いよいよ本番という時間になりました。
ステージは17:00頃から始まりました。お客さんは16:00には会場に入って、スイーツや紅茶等の飲み物を頂き終えた頃でしょう。会場はもう満員で、ファンの方が大勢という感じですが、やはり地元からのお客さんも結構いらっしゃっているようです。今回は凱旋コンサートと言っても差し支えない状況ですが、どういった心境でこのステージを迎えているのでしょうか…。
まずは、夢輝さんがソロで歌う時には珍しい選曲とも言える、“すみれの花”からステージは始まりました。この曲は自分は参加しなかったので(オケを流しました)、夢輝さんのみの演奏でしたが、自分はピアノの前で、次の曲にいつでも行けるようにしておきます。そのままお馴染みの“イーハトーヴ夢”に繋げる為で、ゆっくりと聴いているわけにはいかないのです(笑)。こういった流れはもう慣れているので、全く心配はいりません。ステージの最初というのは緊張するものですが、この2曲で大分体も暖まってきたように思いました。
この後は“翼を下さい”や“君を乗せて”、“Jupiter”等、前日に演奏したものも含めて何曲か演奏をしていきましたが、この最初に挙げた2曲は、前日と結構異なったアレンジでやらせて頂きました。特に“君を乗せて”は、途中から4ビートになるようなアレンジを施したので、若干ジャズ風というか、オリジナルには無い雰囲気が感じられた事でしょう。この方向性は、意外にもここ2日間で決めたという、ある種閃きに近い感覚で取り入れていったのですが、その思い切りの良さが好評にも繋がったようです。この日だけの特徴性も出せて、正にアレンジのし甲斐があった曲になりました。
ステージも後半になってきて、“見上げてごらん夜の星を”や“アヴェ・マリア”等、この日のみに行われた曲へと突入していきます。これらは、やはりグランド・ピアノが本当に生きる曲で、自分も弾いていて大変心地良い瞬間でした。色々とMCを挟みつつ、衣装も刻々と変化をしているので、2人だけの1ステージなのに、様々な側面が感じられる時間が進んでいくようでした。言うならば、今までの夢輝さんの軌跡を、ダイジェストで披露しているような感じでしょうか。遠征して見に来て頂けた方は勿論、地元の方々も満足、納得のいくステージだったように、自分としても思えました。
最後の“Flower Cathedral”、“銀河鉄道999”という流れは前日と同じでしたが、この日は更にダブル・アンコールとして、“My Way”を演奏したのが特別でした。それぞれの思いを踏まえつつ無事にステージを終えましたが、ここでいきなりの花束を頂く場面へと移っていきました。その花束を持ってきてくれたのは何と、前日の弟夫婦さんの家で一緒に遊んでいた?子供2人ではありませんか!…しかも、かなりの正装姿での登場です。流石にビックリしましたが(笑)、嬉しかったです。良い思い出にもなったと思いました♪
この後は勿論、関係者で“大”打ち上げへと続いていきますが、改めて、夢輝さんを取り巻く人の多さに驚きました。お客さん方は勿論の事、地元室蘭市関係の方々や、それに纏わる人達等、皆今後を期待していますし、家族同然のように応援をしてくれています。直接ではないものの、自分としても有り難味を感じてしまうくらいで(笑)、これは、期待に応えなくてはと思うのは当然でしょうね…。
そういった方々の支えがあったからこそ、今回のコンサートの成功へと繋がりましたし、今後の活動にも繋がっていくのだと思いました。お陰で、自分も最初から最後まで楽しく、自分らしく演奏出来たと思います。どうもありがとうございました。またの機会を楽しみに、この町にも伺いたいと思います!
そして自分はこの後…、旅に出ます(笑)。
10月3日(4日目)
いよいよお別れの時です。ここで夢輝さん一行は東京に戻りますが、自分は予想通り?これから鉄道の旅へと繰り出します。せっかく北海道まで来たのに、ここで簡単に帰路につくわけにはいきません(笑)。東室蘭駅前がその出発地点となりましたが、ここに空港行きバスも発着していますので、夢輝さん一行や、その弟家族の方々(子供達も♪)も御一緒に、お疲れ様の言葉を告げられました。
さて、1人になった自分は、このまま縦横無尽に鉄道を乗り回しても良いわけですが(笑)、実はこの日は用事を作っていました。…と言うのは、これは来年の7月の話しになるのですが、自分のピアノトリオが北海道の伊達市という所で演奏をさせて貰える事になっていて、その主催者の方にお会いしようかと思っていたのです。伊達市というのは、ここ室蘭市から程近く、JRの鈍行列車でも30分程の距離です。事前に連絡はしており、東室蘭駅前まで迎えに来てくれるという話しもあったのですが、やはり自分は鉄道の移動が大好きという事で(笑)、自力で伊達まで向かう事にしました(ちなみに、その間に、まだ乗った事の無かった東室蘭駅~室蘭駅を往復しています…笑)。
さて、自分の乗った列車は、キハ150形という車両の1両編成で、JR北海道になってから登場した比較的新しい車両です。それにしても、この“1両編成”というのが北海道ならではで、今回の旅では何度も乗る事になるのですが、北海道の鉄道の旅の幕開けに相応しい編成ではありませんか(笑)。この路線は室蘭本線という路線で、札幌と函館を結ぶ特急街道の一区間でもあるので、特急が割りと頻繁に走る路線でもあるのですが(北海道の中では…です)、そんな特急なら15分くらいで走破してしまう距離を、鈍行列車でゆっくりと30分掛けて向かう…。良い時間の流れです。伊達紋別駅にはお昼前ぐらいに到着しました。
駅では、今回の主催者の方が待っていてくれました。メールでは何度かやり取りしてしまいましたが、一応初めましてという事で、挨拶もそこそこに車に乗り込みます。そこでまず向かったのは、湾が望める、国道沿いの道の駅でした。早速、「お腹空いたでしょ?」と言われてしまいます。勿論でございます(笑)!
写真のように、早速ウニ重(ウニ丼…ではないのです!)を注文し、いきなりの大満足状態になってしまいました(笑)。そういえば、今回のツアーではまだウニを食べていませんでした。この量で1500円という値段の安さに驚愕し(勿論、味も文句無し!)、もう旅のピークを迎えた感じにもなってしまいましたが(笑)、また車に乗り込み、少々走り始めました。
色々と伊達の街を案内してくれるのかな…と思ったのですが、どうやら向かっているのは洞爺湖の方で、「伊達にはそんなに見る所はありませんから…」と仰っています。あまりにハッキリと言っていたので面白かったのですが、そんなやり取りはなかなかどうして、飽きない時間を作り出してくれていました。
洞爺の街から脇道に逸れて、坂を上っていき、トンネルを潜るとそこは洞爺湖畔近辺でした。静かで、それでいて雄大だった洞爺湖でしたが、ここは火山活動が今でも活発に動いているところでもあります。実際、先程潜ってきたトンネルは新しいもので、それは10年くらい前の火山活動で、以前の山越えのルートの道が滅茶苦茶になってしまったから…というものでした。それでも、ここ洞爺湖は温泉地としても非常に有名で、確かに普通に温泉街が林立する土地でもあるのですが、よく考えるとクレイジーな街ですよね…。そして、そんな人間の逞しさを感じさせる場所として、その滅茶苦茶になったルートの道を案内されたのですが、何故逞しいかと言うと、そこがを逆に観光地みたいな感じにさせているからです(笑)。確かに、洞爺湖畔から順調に進んできた道が、先の方で大きな水溜りになってしまい、土地が陥没してしまっているのが分かります。更にその先には隆起してしまった道が見え、成程、大地の生命の凄さを感じたと同時に、その見学場所に露店等を出している状況にも感服致しました。なかなかリアルな一面を見せてくれる観光ガイドさんです(笑)。
そして、そのルートを別の角度からも眺めてみたのですが、未だに白い煙が上がっているところもある等、本当に活動は止まっていないという事がよく分かりました。倒壊した家屋も幾つか見えましたが、敢えてあのままにしているのだとか…。観光地化もしているのでしょうが、火山によって生まれた有珠山(昭和新山)がこの近くにありますが、あんな山がいつまた生まれてもおかしくないのそうで、それでも街を離れない洞爺湖の人達は、やはり逞しいと表現せざるを得ない感じです…。本当に色々な場所がありますよね。
さて、場所を変えましょう。「なんか鉄道好きみたいで」…と、いきなり切り出されたのには驚きましたが、「胆振線の跡地でも行きますか」と言うではありませんか。胆振線というのは、伊達紋別駅から北に抜け、函館本線の倶知安駅まで通っていた旧国鉄路線で、利用客が乏しく、1986年に廃止されてしまった路線でもあります。それにしても、なかなか伊達本来の施設を案内されませんが(笑)、こんなガイドも楽しいなと感じてきてしまった頃でした。
洞爺湖から伊達市に向かう途中で、その跡地はありました。どうやらサイクリング・ロードになっているようで、写真は、伊達紋別駅から1駅目だった、かつての上長和駅という所になりますが、喉かだと思う反面、天候が悪くなってきたので、また大地の活動の不気味さも感じてしまう事になりました。綺麗に整っていた施設ではありましたが、人も全くいませんでしたしね。
この後、やっと本来の目的?である、例の来年の7月に演奏する会場を案内させて貰える事になったのですが、そこは“だて歴史の杜カルチャーセンター”という所で、言わば小ホールのような場所です。市の施設であるので、少し堅苦しい雰囲気もあるのかなと思ったのですが、突然の訪問にも関わらず、皆温かく迎えて下さいました。ただ、肝心の会場ですが、この時何かの会議で使われてしまっていたようで、そそくさと入り、そそくさと出ていく…程度しか見る事が出来ませんでした(笑)。まあ、今じっくり見ても仕方無いので、これで良いのかもしれませんが、楽しみは後にとっておく事にしましょう。…この時、外では雨がぱらつき始めていました。
この後に連れて行って貰ったのは、いわゆるサラブレッド等がいる牧場です。伊達はそのような土地でもあるらしく、向かったのも、かなり大きな牧場でした。北海道らしい光景を目の前にしつつ車で向かっていると、いつの間にかその敷地内に入り込んでしまった…という感じです。雨が降ったり止んだりだったので、そんなにゆっくりと見て歩く事は出来ませんでしたが、伊達という場所のもう1つの側面を垣間見たような気もしました。
この頃には、雨も本降りになってきてしまうのですが、…それでは室蘭本線の駅でも見てみますか?と、鈍行列車しか止まらない駅を案内されました(笑)。一体どこまで、自分の好きなものを知っているのでしょうか…。それは、稀府(まれっぷ)という駅だったり、北舟岡という駅だったり…、途中で特急が通過するところも写真に収められたのは良かったかもしれませんね。しかし、駅構内まで付いてきて頂いた事には…もう感謝ですね…(笑)。
そんなわけで、そろそろ時間となってしまいました。雨はいよいよ強くなり、もう外に出るのさえ厳しい感じになってきてしまいました。何だか不思議な道案内ではありましたが、ある意味で伊達という街がよく分かったようにも思い、ありったけの感謝をしつつ、来年、是非ともよろしくお願いしますという事で、再度戻ってきた伊達紋別駅を後にしました。勿論、鈍行列車にてです(笑)。良い時間を過ごせました♪
今朝、東室蘭駅から通ってきた路線を逆戻りし、この日はこのまま苫小牧駅まで向かいます。勿論、途中では東室蘭駅を通ったのですが、まさかこの時間にまた自分がいるとは、弟家族も思わなかった事でしょう(笑)。ここでは列車の乗り換えをしたので、20分ぐらいは駅構内にいたのですが…。
ここから、乗った列車は特に混む事も無く、1つ1つ丁寧に駅を停車していき、苫小牧駅に着いたのは18:00過ぎくらいだったでしょうか。…とは言え、この時期の北海道は既に日も暮れて真っ暗で、駅の雰囲気はもう夜中という感じでした。偶然、上野駅行きの寝台特急“北斗星”号が入線してきて、駅の雰囲気に華を添えていましたが、郷愁を誘う時間でもありましたね。
さて、明日から怒涛の列車旅が待っています。この日は伊達で、思った以上に楽しく過ごしてしまい、何だか元気を貰ったような感覚さえ覚えました。ひとまずホテルでゆっくりと過ごし、また次の日にからに備える事にしましょう。部屋では缶ビールを開け、とりあえず、今日までの自分に乾杯です!
まだまだ続きます!