お店の入り口は目立たない所にありながらも、しっかりと、その存在感を誇示していました。お店は地下にあり、そのまま階段を降りていくと、なんと店内は靴を脱いであがるのだとか…。地下にあるお店では珍しいですが、中に入ってみるとリラックス・ムードが満点という感じで、テーブル席も用意されているものの、中には座布団までもが用意されていて、確かにこういったスタイルも悪くはないなと思いました。
また、今回は頂きませんでしたが、食事も出る所らしく、しかも結構拘りを持って作っているらしいので、長い目で見て、また来たくなるお店でもありましたね。ステージ上に置いてある、若干クラシカルなアップライト・ピアノも良い感じです。成程、鹿嶋さんとのデュオのライブにおいては、結構雰囲気もピッタリかもしれません。
今回は対バン形式となっており、自分達は4バンド中の4番目、つまり最後でした。殆どが弾き語りで出演する方々で、それにプラスして演奏者が何人か…とか、そういった感じで進んでいきました。ところで、このお店には、楽屋や客席に、さりげない感じで色々な本が置いてあるのですが、そのバラエティさと言ったらありません…。ざっと見回しただけでも、聖書、地球の歩き方(ネパール編とバンコク編)、妖怪大図鑑2巻・文庫版(水木しげる)、ブラックジャック(手塚治虫)、マイルスを聴け…等々、個人的には、どれもが見たくなるものばかり…。あっという間に待ち時間は過ぎていったものでした(笑)。
そして本番です。今回は、特に新しい曲ををやったわけではありませんでしたが、やはり自分が生ピアノという事で、随分雰囲気的には異なったライブになったと思いました。それは、自分達がよく取り上げる“月夜の浜辺”や“ヨイトマケの唄”、そして“糸”に関してもそうです。やはり深みが増すのは当然の事で、鹿嶋さんもそれに触発された歌声を披露しているようでした。
また、お店の雰囲気が“舞台”を作り上げているようなイメージがあり、久し振りにシャンソンの曲を2曲、“バラ色の人生”と“アコーディオン弾き”をやりました。これもまた、生ピアノでの演奏で…特に今回は、アップライトというのが逆に良かったのかもしれません。2人だけの演奏ですが、それが小ぢんまりとした“舞台”を演出しているように見えるのです。これはあたかも、シャンソニエに来てしまったかのような時間でした(笑)。
その他にはスタンダードを2曲、“Besame Mucho”と“I Let A Song Go Out Of My Heart”をやりましたが、これこそ、周りの雰囲気を吸収して演奏していったようなものなので、正にここでしか表現出来ないテイストに仕上がったように思いました。これらは即興性の強い選曲として取り上げ、今までにも何回か演奏した曲ではありましたが、それともまた違ったアプローチへと自然になっていき、弾いていても面白かったです。ここでもスリリングな演奏が楽しめるとは思いませんでした。
ライブを振り返ってみると、色々と詰め込んだ内容だったものの、充実した時間だったように思います。お店の雰囲気もまた良く、それらと上手く共存させられたのが良かったのかもしれませんね。なかなか良いお店に出会ったと思いましたが、実はそれは、ボーカルの平尾由美さんからの紹介でもあったのです。これまた懐かしい名前ですが(笑)、この日はわざわざライブにも見に来て下さって、実に何年振りかの再会を果たさせて頂きました(ちなみに、今回のライブの写真は、由美さんが撮影したものです…笑)♪…そのままお店にて、飲みの時間へと繋がっていくのは必然な流れだと思いましたが(笑)、最後には鹿嶋さんと3人でラーメン屋で締めたのが珍しくて面白かったです。
とにかく、楽しい時間でした。どうもお疲れ様でした!
☆鹿嶋敏行さんのブログ…blogs.yahoo.co.jp/kajimarl_to_the_world
☆池袋鈴ん小屋のHP…www.ringoya.org/