…今でこそ、ツアーを終えてから1ヶ月以上も経って、冷静に振り返る事が出来ますが、この記事では敢えて、当時の殆ど何も知らないままの自分に立ち返り、文章を綴っていきたいと思います。中国でライブというのは実は初めてではなく、これまでに上海で2回ほど行った事がありましたが、今回は初めて訪れる北京経由の、泰山という所での演奏です。それこそ自分の人生の中で聞いた事が無い土地で(笑)、殆ど予備知識も入れる事が出来ないまま、当日を迎えてしまいました。…後は、流れに身を任せた感じで(笑)、当時の雰囲気が伝われば幸いです。それではどうぞご覧下さい!
9月3日(1日目)
出発日当日、集合時刻は羽田空港に7:00というものでした。最近の羽田空港は国際化が進んでいるので、成田空港まで行かなくても良かったのは有難いですが、それでも相当早い時間設定での集合です。…と言うか、乗る飛行機の出発時刻は8:30発だったので、実はギリギリの集合時刻だったとも言えるのです(普通は出発2時間前集合)。現在の羽田空港の国際線ターミナルは、それこそ“仮”のような佇まいで、言わば地方空港ぐらいの大きさしかない代物なのですが、国際線の便数はまだ少ないので足りているのでしょう。しかし、今年の10月21日には新たな国際線ターミナルが出来る予定で、それがオープンすると、こちらの建物は使われなくなる可能性が高いです。無くなる前に、1度は足を踏み入れておきたかったので(笑)、今回は羽田空港発でラッキーでもあったのです。
空港までの京浜急行はいつも通りの行程でしたが、そこから空港巡回バスで国際線ターミナルへ向かうのは、なかなか自分にとって馴染みのないルートでもあります。最初で最後かもしれないので、しっかりと目に焼き付けておいたものです(笑)。もっとも、羽田空港第2ターミナル(主に全日空が使用しているターミナル)から国際線ターミナルは、バスで2~3分の距離ではあるのですが…(笑)。
国際線ターミナルに向かうバスがえらい混み様だったので、まさかとは思ったのですが、国際線ターミナル内も、かなりの人で溢れていました。国際線の便数はまだまだ少ないので、なんだかんだで空いているだろうと思っていたのですが、これは予想外でした…。この時間は出発便が集中していたのと、やはり建物が小さいせいもあったとは思うのですが、やはり羽田空港からの国際線に乗れるというのは、何よりも旅行者にとって魅力だという事なのでしょう。人は混んでいたものの、ターミナルが小さいので、搭乗手続き後もそんなに歩かないで、荷物検査、税関、そして免税売り場を経由して搭乗出来たというのは、有難かったかもしれません。
今回利用する航空会社は、中国の中国国際航空という会社です。中国で一番規模の大きい航空会社でもあり、日本で言えば日本航空のようなものでしょう。今でこそ、中国の航空会社は細分化されて、各地に色々な航空会社が誕生していますが、実を言えば、中国にはこの航空会社1社しかなかった時代もあったのです…。今からだと考えにくい状況ですが、それだけ中国の文化に根付いた航空会社だとも言えるでしょう。前に上海に行った時もこの航空会社で、実はあまり良い印象は持てなかったのですが、今回はどのような感じなのでしょうか…。ある意味楽しみでもあります。
飛行機はターミナルに横付けされてなく、バスで移動しての搭乗となりました。やはり現在の国際線ターミナルは、慢性的なゲート不足になっているようです。そのままバスで移動すると、遠くに割りと小さな飛行機が見えてきました。周りでは、まさかあの飛行機ではないだろうな…という声も聞こえていましたが、正にそれで、機種はエアバスA321という飛行機です。
A321は、現在日本の航空会社では運航されていませんが、過去に全日空が使っていた事があり、その飛行機と兄弟分のA320(若干こちらの方が胴体は短い)は日本でも沢山使われています。自分にとっては珍しい飛行機なので良かったのですが、ツアー・メンバーからすると、こんな小さいので大丈夫なのか…という様子でした。確かに、羽田空港に駐機してある飛行機というのは、ジャンボを始め、大型のものが多く、A321クラスの飛行機ですと、何となく地方に飛ぶようなイメージがあるのも否めません。特に、今回のボーカルの方は飛行機が大の苦手らしく、一番当たってほしくない飛行機に当たった…と、嘆きの念が窺えるかのようです。…とは言え、変更など出来る筈も無いですし(笑)、とにかくこれに乗って、まずは北京に向かわなくてはなりません。飛行機は10分遅れくらいで出発していきました。
北京までの経路ですが、今回は羽田空港発という事もあって、途中までは国内線を飛んでいるかのようなルートで飛んでいきます。離陸後は関東平野が一望できましたし、山梨県やアルプスの上空を飛びながら、兵庫県辺りで日本海へと出ます。そのまま進むと、今度は朝鮮半島(韓国上空)を横切り、そこを抜けると北西に針路を変えていきます。…と言うのは、東京と北京を直線で結ぶと、間に北朝鮮が入ってしまい、この上空を飛ぶ事は現在出来ないので、少し迂回して飛行機は飛んでいくのです。そんな理由もあり、羽田~北京は往路で約4時間は掛かるという、何気に中距離の路線でもあります。上海は2時間半くらいで着くので、意外にも北京は“遠い”ところでもあったのですね。
機内食(自分はオムレツを注文)では、飲み物は迷わずビールを頼ませて貰いましたが、これまた“燕京啤酒(ヤンジン・ピージィウ)”(啤酒は、中国語でビールという意味です)という、聞いた事の無いビールで、早速中国らしさを味わう事が出来ました。そう言えば、機内誌も勿論中国のもので、聞いた事の無い車のメーカーの広告とかがあったりして、車好きのサックス奏者でもある副田君と、何かと笑いながら見てましたね(笑)。勝手に、これで中国に対しての予習はバッチリだ!…と思いながら…(笑)。
さて、現地時刻の11:30(日本だと12:30)、飛行機は無事、北京首都国際空港へと到着しました。飛行機を降りた後、かなり遠くの場所で飛行機が着陸していく様子が見れたので、ここは相当大きな敷地内にある空港のようです。…さすが、中国国際航空の本拠地とも言える空港だけありますね!
これだけ広いと、ターミナル内を歩くのも大変そうですが、実際そうで(笑)、飛行機を降りてから空港の出口に着くまで、入国審査や荷物の受け取りはあったものの、それこそ1時間弱は掛かっていたように思います(ちなみに今回利用したターミナル3という建物は、現在、世界一の大きさの空港ターミナルなのだそうです)。国際線ターミナルは新しく、恐らく2年前の北京オリンピックに際して建てられた物だと思われますが、逆に、自分のイメージする?中国らしい雰囲気はあまり感じられなかったような気も…。上海の国際線の空港(浦東空港)も、近代的なものの、やはり中国らしさは感じられなかったので、今回の北京の空港は楽しみにしていたのですが、それには別ターミナルに移動する必要がありそうです。これは…違う機会にとっておく事にしましょう(笑)。
しかし、空港から一歩外に出ると、それこそ想像通りの中国の喧騒が待ち構えてくれました。今回はマイクロ・バスをチャーターしていて、それでの移動になったのですが、もう早速の渋滞です(笑)。特に、空港を出る時と、北京の市内が酷く、そして車の割り込みが半端ではありません…。車のクラクションも、日本よりずっと頻繁に鳴らしていますし、とにかく車の量が多い事多い事…。中国は自転車が多いとは、一体何の知識だったのか…。この喧騒に慣れるには少々時間が掛かりましたが、とにかくホテルに無事着いて、やっと一息つけます…。
…と言うのも間も無く(笑)、早速昼ご飯との事でした。あまり機内食から時間が経っていない感じだったので、そんなに食べられるかどうか不安ではありましたが、地元ではなかなか有名なお店という事で、期待しながら向かったものでした。
そして…期待以上でした。やはり本場の中華料理は、誰が何と言おうと美味しいです!…先程機内食でも出た燕京ビールが、今度は瓶で何本も出てきて、一気に自分達のテンションは上がりまくりです(笑)。それにしても、日本の中華料理屋でも、中国本土のような味付けで出てくる店は少ないような感じがしますし、何より食事の量からして違いますよね。一応、自分達は接待されて来ているので、豪華なものを提供して頂いていたのかもしれませんが、中国という所は、「まず、とりあえず」…といような頼み方はせず、最初に、前菜からメインまで、一気に頼んでしまうのです。そこには量の妥協は一切せず、どちらかと言うと多めに頼むのが基本だとか…。確かに、中国ではご飯を残して食べる方がマナーとされており、残さず食べると、逆に満足していない…みたいな意思表示になるようで、あまり良くないと聞きます。ここは中国方式で食べさせて頂きました!…勿論、満腹になったのは言うまでもありません。
満腹でビールも入り、そろそろ休みたいなと思っていた感じでしたが、ここで「連れていきたい所がある」と口を開いたのは、このバンドのリーダー、立川さんでした。立川さんは別件で何度も中国を訪れており、その軌跡は他のメンバーの追随を許さない程のものですが(笑)、ここで皆で移動する事になります。そして着いた所は、何やら怪しげなショッピング・モール…。
成程…、自分はピンときました。この雰囲気、東南アジア系にありそうな、いわゆる偽物商品などを沢山扱っているような場所ではないですか…。外観は立派な建物でしたが、中に入ると、所狭しと露天風なお店が並び、そこには洋服やら鞄やら、どこかで見た事のあるような財布やらアクセサリーやら…、本当に沢山揃っています。そして、明らかに激安な値段を提示していて、その前を歩くだけで「トモダ~チ、トモダ~チ♪」、「チョット見テミテ」、「オニーサン」、「チョー、ヤスイ、ホンモノ!」…等という、100%信用出来ないような日本語が飛び交ってきます…(笑)。ここは、冷やかしと割り切った上で楽しむのが良いと思うのですが、どうやら立川さんは、本気で掘り出し物的な商品を見付けようとしているらしく、かなり気合が入っている様子です。その気力たるや流石だと思いますが、自分には到底真似出来るものではありませんでした…。自分は副田君と、ドラマーの佐久間さんと共に行動していたのですが、気付くと副田君が店員達に拉致されていたりして(笑)、なかなか店内を物色するだけでも大変でした。中国が初という副田君にとっては、ある意味で良い洗礼にもなったは思いますが…(笑)。
…さて、小一時間ほど物色した後、自分達一行はホテルへと戻りました。立川さんの手には、それこそ色々な洋服や小物などが取り揃えてありましたが、恐らく相当な値切り術を使ったのだと見受けられます…(笑)。今回のホテルは、北京京倫(ベイジン・ジンルン)ホテルという、ニッコー・ホテル・チェーン系のホテルで、日本人に優しい造りとなっているのが特徴でした。色々な箇所に日本語表記がありましたし、恐らく日本人スタッフも常駐でしょう(あまり気にしませんでしたが…笑)。また、これは直接関係ありませんが、1人1部屋にも関わらず、ツインの部屋が用意されていたのは驚きでした。逆に、どう利用して良いのか分からなくなってしまいますが、これならゆっくりと寛げそうです。実際、この時間から夕飯までの約1時間半、自分は死んだように眠っていたと自覚出来るくらいです(笑)。
そして、個人的には大した時間も経っていない状況のまま、夕飯の時間になりました(笑)。しかし、これは会食という名に相応しく、恐らくかなり立派な場所での食事となっていたのではないかと思います。円卓の規模がまた大きいですし、お相手には、現地のテレビ局の方とかもいらっしゃていて、それは貴重な時間を過ごさせて頂きました。
ここで、今回のライブでも御一緒する、中国人アーティスト(日本でも御活躍されています)の amin(アミン)さんも合流されて、更に会食の人数は多くなります。amin さんは、元々は現地の泰山という所で合流すると聞いていたので、いきなりの登場には驚かされましたが(笑)、これで役者が揃ったという感じでしょうか。改めて、多くの方々が関わっているツアーに参加させて貰えている…という事を思えた時間にもなりましたね。
何だか、あっという間に時は過ぎてしまいましたが、ここでもまた満腹状態になってしまい、流石にもう動けない感じでした(笑)。…とは言え、この会食場所はホテルから徒歩20分くらいの距離に位置していた為、若干歩かなければならなかったのですが、この時に見れた北京市内の夜景がまた幻想的でした。車の交通量といい、人の多さといい、やはり中国だなと感じられたものでしたが、この時やっと、自分は中国の大都市にいるんだと実感出来た瞬間であったかもしれませんね。これから始まる中国的な刺激の前に、僅かながら慣れを感じられた時間でもありました。まずは大いに休む事にしたいと思います。
9月4日(2日目)
2日目のこの日は、いよいよ今回のライブ会場となる泰山に移動となる日です。…とは言え、北京を出てすぐに着くような場所ではなく、新幹線みたいな列車で4時間半掛かる場所だと言われていて、この日もある意味、全て移動で終わってしまう日となっていました。列車は北京南駅という、最近完成した新しいターミナルから出ているようで、その発車時刻は14:37発というものでした。つまりは午前中は丸々空いていたわけですが、この時間を利用して、皆で北京観光へと繰り出していきました。帰りにも北京は寄るのですが、ただ通過するだけらしいので、北京市自体を楽しむのは、実質今日が最後という事です。これはしっかりと、この目に焼き付けたいところでした。
この時、立川商店のボーカルであり、立川さんの実の弟さんであるマサさんの手には、どこかリカちゃん人形風なおもちゃが握られていました。…どうやら、昨日のショッピング・モールでゲットした一品のようです。家で待つ、愛する娘さんの為に買ってきたそうですが、どうしてもスーツケースには入らなかったようで(右上写真を見て頂ければ一目瞭然ですが…笑)、今後、常に手に持ちながらの移動となってしまったようです。その人形の容姿から、皆に“スカルノ”と呼ばれてしまう玩具…。この先、観光しても大丈夫なのでしょうか。
バスで向かったのは、もう北京観光の中心の存在と言って良い、天安門広場でした。意外にもホテルの前にある道から一直線という感じだったのですが、道も広いですし、これこそが中国のイメージと言うにピッタリの場所です。観光客は相当多く、その広場へは、何ヶ所か存在している荷物検査場を通らなければ入れない…という事実は初めて知りましたが、その検査は素人目に見ても適当にしか映らなかったので(笑)、特に混雑も無く簡単に入れたのは幸いでした(気になるスカルノは、バスの中に置いておけたので無事です…笑)。
天安門…と言うより、天安門広場は相当広く、お決まりの集合写真を撮りつつ、バスに引き返すだけでも1時間弱は掛かったような気がします。人が沢山いたせいもありますが、この日は結構暑く、特に早く歩けないのもネックだったように思いました。何せ、日を遮る場所が殆ど無いに等しかったのですから…。
天安門を後にし、立川さんに「実は、こちらの方に連れて行きたかった」と紹介されて連れて来られたのは、昨日に引き続きのショッピング・センターでした(笑)。ただし、昨日より更に地元感が強くなっており、あまり観光客といった感じの人がここにはいません。店員も、そんなに客引きをしてくる感じでもなかったので、ここは本格的な“市場”のような場所なのかもしれません。今年の初めに行った、ベトナムのホーチミンのベンタイン市場とビンタイ市場の関係を、何となく思い出しました〔旅日記 32.ベトナム、ホーチミン編(2010.1.31~2.4)参照〕。
ここでまた暫くの自由時間が与えられましたが、自分はと言うと、一通り店内に目を運ばせた後に、そのまま外に出て散歩をしてきてしまいました。こんな時自分は、どうも外の様子が気になってしまう性格のようです…(笑)。ショッピング・センターの前の道は、3~4車線もある立派な道路でしたが、少しその脇に逸れると、かなり古い感じの建物が建ち並んでおり、明らかにスラム街風な感じが早速飛び込んできました。この格差こそ、現在の北京市の街並みの象徴なような気もしましたが、これは今後はどうなっていくのでしょうか…。
そんなリアルな景色を体感しつつ、次に向かった場所は昼食処でした。ここは前々から、今回のツアー・スケジュールにも書かれてあった有名店(恐らく…)で、いわゆる北京ダックのお店です。結構由緒ありそうな店構えにも関わらず、玄関に置かれたマスコット・キャラクターみたいな物が微妙でしたが、北京ダックの味は、それはもう最高でした。早速、昨日に引き続き燕京ビールを頂きつつ、ここでまたお腹的にも満足感が漂ってしまいます。本当に、今日があと移動だけで良かった…(笑)。
あまりにも気分が良かったのか、お店を出た所で待ち構えられていた物売りのおじさんから、1つ1000円と言われていた腕時計を、箱ごとセット(20個以上は入っていた筈です…)で4000円で買ってしまったのは、ベーシストの山田さんです。後で聞くと、この中で正常に動いていたのは、たった1つだけという事でした(笑)。ただ、もはや動いていなくてもいいや…という気分でいられたのは、やはり中国という国の北京ダックのお陰かもしれませんね。面白いイベントに出会った…ぐらいの感覚で、気を取り直して、ついに北京南駅へと向かいました。
北京南駅は近代的で、巨大過ぎる駅でした。こういった大きなターミナルが、街中に最近出来てしまうというのも凄いですが、ここは北京市からも割りと近めの天津市を結ぶ、最新型の新幹線の起点駅ともなっていて、恐らく北京オリンピックの時に、天津市にもスタジアムがあった為だと思いますが、とにかく空港みたいな駅でした。
この、空港みたいな…というのは、強ち間違ってもいない表現で、この駅舎には、荷物検査を受けないと入れませんし、列車も、発車の10~15分くらい前にならないと改札が始まらず、それまで飛行機の搭乗ゲートのように、待合室で待機しなければならないのです。
ここで少し、自分の知っている限りの中国国鉄について触れておきましょう…。中国には私鉄というものは存在しなく、大都市圏を走っている地下鉄や路面電車等を除くと、この中国国鉄になります。中国という国は、長距離を移動する時に一番使われるのが鉄道で、その路線網は中国全土に及んでいます。総延長は86000kmを超え、アメリカに次いで世界第2位、その内、高速鉄道網(日本で言えば新幹線)の総延長は6500kmを超え、これは世界1位です。勿論まだまだその路線網は増えつつあります。当然、輸送人員も多く…と思うでしょうが、実はこれは意外に少なく、日本の6分の1程度だそうです。しかし、客の移動距離は総じて長い数値が出ており、これは、中国国鉄を利用する人の殆どが、長距離を利用するという事を示しています。要するに中国国鉄には、日本でいう通勤路線・近郊路線(東京で言えば、山手線や東海道本線)が存在しないのです。北京南駅の隣りの駅でも10km程は離れていますし、気軽に…という感じでは利用し難い感じです。基本的には予約が必要で、列車も長距離の直行運転が前提となっており、乗り継いで先の駅へ向かう…という風には一部のロカール線を除き考えられていません。今回の北京南駅発、泰山行き…という列車も、1日1本のみの設定でした(北京駅始発や、泰山を通り越して先まで向かう列車を含めると、もう少しあるようでしたが…把握し切れず)。
こう考えると、日本の鉄道システムとは異なった部分が多くある事に気付かされます。それは本当に航空機のようで、ターミナルの風景から列車の設定等、日本人にとっては飛行機に乗る感覚の方が、本当に近いかもしれませんね。ただ、これは現状なので、発展著しい中国が今後どのような展開になっていくかは、まだまだ予想出来ない部分も数多いです。
その最たるものが、中国国鉄の高速部門の車両達です。右上写真を見て、気付く方は気付くかもしれないのですが、これは日本のJR東日本の新幹線のE2系(東北新幹線“はやて”や、長野新幹線“あさま”に使用)という車両と、車内も含めて全く同じ形をしているのです。中国ではこの車両を CRH2 型と呼び、塗装だけは流石に違いますが(若干、東海道新幹線の塗装にも似ていますが…笑)一方で、またパクリか?…と思ってしまうかもしれません。しかしこれは日本の技術をそのまま中国に輸出…という形をとってあり、最初は日本国内で車両を組み立てられてから輸出していたのですが、今では技術の付与という事で、中国国内でもこの車両を造れる事になっているのです。驚くべきはその生産数で、既に親元の日本のE2系の全車両数を超えてしまっているのです!…これだと、世界から見ると、日本のE2系の方が中国のコピーだと言われてしまいそうな気もしますが、数字的にはこれが事実なのです。そして、この日本製の車両と中国の関係が、ドイツのシーメンス製車両 CRH3 型と、カナダのボンバルディア製車両 CRH1 型、フランスのアムストラム製車両 CRH5 型とも、大体同じような関係で中国は進めているのです…。よく分からなくなってきますが(笑)、要はドイツの新幹線や、フランスの新幹線と似たような車両が、前述の CRH2 型電車と同じ塗装で、中国全土を走っているという事です。これは凄い事で、流石中国という感じですが、今後もこれらの車両を紹介出来ればと思いますね…。ひとまず、自分達が乗ったのは、日本のE2系を基礎に造られた、CRH2 型という車両でした(全ての CRH 車両には“和楷”号と名付けられていますが、これは“調和”という意味だそうです)。
車内に入ってみると、これまたE2系にそっくりです。食堂車が連結されていたのは、日本には無い設備なので羨ましいですが、人が乗っていないのを見たら、本当に日本の新幹線の車内だと思ってしまうくらいです。しかし、やはり中国だなと思うのが車内の騒がしさで(笑)、乗客は皆、思い思いの声のトーンで喋っているので、何だか観光バスにでも乗っているかのような雰囲気です…。また、乗客1人1人の荷物が多いのも特徴でしたが、これはやはり長距離で乗る人が多いからでしょうね。こただ、の列車は北京南駅始発の泰山駅行きなので、この行程が約4時間半というのは、中国の列車では短い方かもしれません。中には2,3日かけて走る列車もあるくらいですから…。
改札が発車15分前くらいから始まり、ほぼ満席の状態だったので、乗客は皆列車に向かって一気に移動していった…という感じでしたが、列車は時間通りの発車となりました。走る列車の車内から改めて駅を見渡してみると、構内は広いものの、まだ列車の数は多くないようで、右上写真のようにガランとしている状態でした。恐らく、これからまた色々な路線が開通して、本数も増えていくのでしょう…。
駅を出て、早速車内アナウンスが流れましたが、その前に流れた短いメロディに、自分は1人で驚愕してしまいました。なんと自分の住んでいる最寄駅、東武東上線の成増駅の発車メロディ(池袋方面)と同じではありませんか!…まあ、成増駅(他の駅の上り方面も同じです)の発車メロディ自体が、どこから伝わってきたのかは知らないので何とも言えないのですが、こんな所でも聴く事が出来るとは予想だにしませんでした。…色々考えると、そもそも日本の車両を輸入しているので、こういったメロディも同時に導入しているのかもしれませんが、ちょっと面白い出会いでもありましたね。しかし、この驚きをどうメンバーに伝えて良いのか…。とりあえずは個人で楽しむしかないようです(笑)。
さて、暫くは北京市郊外…という感じの風景が続いていきましたが、徐々にその住宅地も少なくなっていき、いつの間にか田舎の風景になります。この車両は、形は新幹線と言えど、日本でいう在来線みたいな区間を走っているのか、昔ながらの客車普通列車とよく擦れ違います。それでも、どうやらスピードは200km/hは出しているようで、そのまま普通に駅を通過したりしているのには驚きました。まあ、恐らく列車の通過時には、ホームにはお客さんを入れないのでしょうが、なかなかスリリングな状況で走っているなと思います。
やがて、左の遠くの方から真新しい高架橋が近付いていき、それはやがて並走し始めました。恐らく、最近完成した北京南駅~天津駅間の高速路線でしょう。何回かそちらの列車と擦れ違いましたが、やはり向こうは速い!…こちらも200km/h近く出しているのですが、向こうの最高速度は300km/h以上に設定されているのです。車両はドイツ製の CRH3 型を使っているようで、あちらにもいつか乗ってみたいものですね。
並走は暫く続いて、ちょっと街中に入ってきたなと思うと、天津市に近付いてきた証拠です。ここで高速路線とは離れていきますが、自分達の路線は市内の脇を回るように走っていき、造り途中の駅をそのまま通過していきました。恐らく、先程の北京南駅みたいな巨大な駅が出来るのかと思いますが、現時点でこの列車は天津市の駅には停まらなかったのが(そもそもルート上に駅が無かった…)興味深いです。そもそもこの列車は、途中、泰山駅を除くと4つの駅しか停車しないので、天津という北京からわりと近い(それでも120kmは離れてますが…)場所には停車するという概念?が無いのかもしれません。
…さて、何だか鉄道さんぽみたいになってきたので(笑)、列車に関してはこの辺りに留めておきましょう…(笑)。ただ、それくらい自分にとっては刺激のある移動で、途中で眠ってしまうのが惜しいくらいでした(それでも4時間半という移動故、一部の区間では爆睡…)。終点の泰山駅に着いたのも、時間通りの18:50で、辺りはもう暗くなっている時でした。山に近い土地のせいか、少々霧がかっていたのが印象的な場所でしたね。
駅前は車と人でゴチャゴチャしていて、これぞアジアの地方都市という感じです。自分達用の迎えの車もあり、楽器などの思い荷物を持って、なんとか乗り込めましたが、車寄せの出口が狭いのか、駅から離れるだけに15分以上も要しました。しかし、やっと中国らしい部分が体験出来てきたかなとも思い始めている自分もいます…(笑)。何となく、外国の2日目というのは、こういった感覚に陥る事が多いですね。
…さて、この後の予定というと、“泰山音楽祭へ歓迎!”と電光表示板が出ていたホテルにまずチェック・インし、その後、次の日にライブをやるという開催場所への下見をしに行こうという事になりました。成程、どうやら泰山音楽祭というイベントに自分達は出るらしく(今更知るという…笑)、自分達は2日間やっている内の2日目に出演するという事で、着いたこの日は丁度1日目が行われている時だったのです。それは是非見ておきたいものでしたが、これがまたバスで30分以上も掛けて行くような所にあり、なかなか移動は大変でした。どうやら駅を挟んで、ホテルと開催地は真逆の方向にあったようで、行ったり来たりの道を進みます。
そして会場は予想以上の広さであり、予想以上の盛り上がりを見せていました。今回、協賛に泰山ビールというビール会社が付いているのですが、会場はそのビール工場の敷地内にステージが組まれ、そこで行われているのです。お客さんの数(というか、熱気)もすさまじく、ざっと4000~5000人という感じでしょうか。先程も言ったように、この日の泰山は少し霧が出ていて、それがステージの照明とも相まって、かなり幻想的な光景を作り出しています。明日のこの場所で自分達は演奏するわけですが、俄然楽しみになってきたというものですね…。今日はゆっくりと休みたいところです…。
しかし、そうはいきませんでした…。この後は泰山の方々との会食が用意されており、この場ではこの泰山ビールを飲まされ続け…また飲まされ続け、、、また乾杯だ乾杯だとなり、、、…結局、ホテルの前で耐え切れずにリバースしました(恐らく、帰りのバスが揺れ過ぎたんだと…思います…笑)。明日、自分は大丈夫なのでしょうか…。とりあえず、ホテルの部屋は1人分にしては広過ぎました(右上写真参照…笑)。
これは大ヒントですね!?
今後の展開 楽しみにしてます!
また行けたら面白いなあ♪
リバースで終了したところで、翌日ステージも気がかりですが、
もっと気になるのが(笑)「スカルノ」です。
今頃日本のどこかのおうちでの生活を
楽しんでいることでしょうね。
マサさんでしたが、ものの何分かで飽きられ、家のどこかで
眠っているそうです…。まあ、世の中そんなものです(笑)。
そのうちどこかのフリマで引き取られたり、
または気の変わった娘さんのもとで、
幸せに暮らしていることを祈ります。
中国の移動でスカルノ人形を運んでいたのは、結構自分だったり
したのです(自分は楽器は持っていかなかったので)…。
なので、実は個人的にも結構愛着があったりします。
…しかし何故でしょう。そんなに残念でも無いのは…(笑)。
彼女の現在の「不遇さ」がそんなに残念でもないのは、スカルノ
の表情に「私にお構いなく・・・オホホ」といったものがあるせい?
でも機会があったら、乗りかかった船(?)ですから押入れの中(推定)から救い出してあげてくださいまし。
せめて押入れにある時点で幸せなのかもしれません。
もしかしたら、もう家を後にしている可能性も…(笑)!?
ライブダイジェストの6:25あたりと9:30あたりに
発見しました。
部屋飲みでの、背中にピースサインを背負っている時は、
恐らく95%は眠ってたのでは?
ライブという、かなり良い思いをさせて頂きました♪
部屋飲みでのあの写真は…120%寝てますね(笑)。