アルバムの曲順通りにお送りするライブ…というのは、実は有りそうでなかなか実現出来るものではありません。御存知の通り、CD作品を自宅等で聴く環境と、ライブを聴く環境というのは大きく異なる為、そもそもCDの曲順を考える段階で、CDならではのベストのセットリストにさせているのです。実際、この企画通りに、事前にCDの曲順でリハーサルをしてみたのですが、ライブでやってみるとどうも流れが悪いような感じがしてきて、一時的に暗礁に乗り上げた状況になってしまったのでした。
しかし、それはライブならではの「流れ」を考えているからで、それを逆手に取って、1曲1曲の間にMCを挟んだらどうかという提案が出てきました。ライブでは空気の流れを優先させて、何曲かは曲を繋げてお送りする事もありますが、それを殆どせずに、敢えて全てにMCを挟み、選曲をするにあたっての話しや、曲そのものの話し、そしてレコーディングの話し等を盛り込んだライブにしてみるのです。普段のライブではあまりこういう事はしませんが、このリリース・ツアーで、しかも黒船の活動拠点である東京での公演とあらば、こういった進行も逆に価値のあるものになるに違いありません。そうして臨んだ今回のワンマンライブ。お客さんからも好評を頂き、しかも自分達にとっても改めて、アルバム内容を振り返る事が出来た時間にもなったと思いました。
アルバムの曲順という事は、今回のセットリストは以下になります。
1、SE ➡ To The North
2、Caravan
3、安里屋ユンタ
4、津軽じょんがら節
5、Promised Land
6、斎太郎節
7、塩道長浜
8、Transit 〜 interlude 〜➡いとぅ
9、Family
10、Birdland
11、ワイド節
1曲目の“To The North”は、前半をステージのSEとして使い、後半を生演奏で行うという試みで始めてみました。そしてそのまま“Caravan”に繋げる展開は、正にCDと同じ世界観を作り出す事が出来たと思います。また、“津軽じょんがら節”から“Promised Land”、“塩道長浜”から“Transit”も繋げる事は出来ましたが、あとは殆ど、曲間にMCを挟ませて頂きました。こうしたライブも本当に珍しいと思いますが、それはそれで新鮮でもありました。
“Transit 〜 interlude”では、今回初公開の奄美民謡“いとぅ”を挟ませて頂きました。これは、CDに収録されている“Transit”の曲のモチーフを生かしたアレンジで構成されており、CDを既にお聴きの方は驚かれたかもしれません。“いとぅ”の伏線として描かれた“Transit”という流れを、ここで表現する事が出来たと思います。
また、“Family”も黒船として演奏するのは初公開でした。この曲だけ島唄らしい歌い回しをしていない為、逆にCDの中ではとても独特な世界観の曲となっているのですが、意外にもこの曲は好評らしく(笑)、ついにライブで披露する事が出来て良かったです。今後、恒例の曲になっていくかは…まだ分かりません(笑)。
そうして最後に辿り着いた“ワイド節”。黒船結成当初から演奏している曲ですが、前CDをリリースした後にオリジナル・アレンジを施した曲に生まれ変わり、今回ついに作品として収録させる事が出来た、黒船メンバーにとっても大きな思い入れのある曲でもあります。恐らく今回のリリース・ライブをするにあたって、この曲が本編の最後に演奏されるのはどこかで頭の中にあったのではないでしょうか。いつもですとアンコール辺りに演奏されますが、本編最後というのは、この企画のライブならではでもありましょう。今回のアンコールでは、黒船最初の本格的な民謡アレンジ曲である“豊年節”をお送りして、東京公演の締めとさせて頂きました。大きな拍手、大きな歓声、どうもありがとうございました!
これまでに何度もお話ししていますが、黒船 3rd CD『Journey』は、クラウドファンディングによって制作費を募り、そして世に送り出す事が出来ました。皆様からの温かい支援によって出来上がったこの作品を大切にし、より多くの方々に届けられたと思います。この日のライブは、そんな支援者の方への感謝の気持ちを込めて、CD完成打ち上げへの招待もさせて頂きました。お酒や食事を頂きながら、黒船メンバーとお客さんとの貴重な交流の機会…。ファンの皆様からのダイレクトな声を頂きつつ、今後の活動に生かしていきたいと思います。改めて、どうもありがとうございました!
黒船、リリース・ツアーはあと名古屋公演を残すのみですが、ここで東京での新規公演も決定しました。12月6日(木)、池袋の Absolute Blue にてです。また皆様にお会い出来る事を楽しみにしています(予約は近日受付開始)。どうぞよろしくお願いします!
●黒船、CD『Journey』リリース・ツアー(名古屋編)
・11月5日(月)栄(愛知)DOXY
Open…18:30〜、Start…19:30〜
Charge…前売り4000円、当日4500円(T.C. 込み、飲食代別)
※Member≪黒船≫(B)関谷友貴、(Vo)里アンナ、(津軽三味線)白藤ひかり、
(Pf)竹内大輔、(Ds)佐々木俊之)
※Special Guset…(津軽三味線)武田佳泉(11月5日のみ)
※学生料金(2000円)設定(要、学生証)
☆黒船のHP…http://www.peaceofcake.net/kurofune/
☆黒船の(ユニバーサル・ミュージックの)HP
…https://www.universal-music.co.jp/kurofune/
☆渋谷 Loft heave のHP…http://loft-prj.co.jp/heaven/
Birdlandの中の三味線とベースで墜落していくようなフレーズのリフレイン、理屈じゃなく大好きです。熱気あふれるたくさんのお客さんと聴けて嬉しく。
もともとの黒船の旅立ちの元Last Waltzの場所から、また新たなるJourneyという日を感じました。
Birdland は黒船の楽曲の中でも難曲な内の1つでは
ありますが、すっかり自分達の定番にもなりました。
こうしてまた1つ1つ成長していくのだと思います。
新たな旅は始まったばかり。今後も楽しみです!