日にちが経ってしまい、更新のスピードが追い付かない昨今ではありますが(笑)、今年の夏に行われた、ボーカル・ギターのさばいばるいとうさんの UNIT によるツアーの記事を書いていきたいと思います。今回は、久し振りに行われた長いツアーでもありましたが、これはジャンベのミキヤが昨年度は高校受験で、なかなかライブが出来なかった事によるものでした。しかし、今年は晴れて高校に入学!…という事で、遮るものは何も無し(笑)。メンバー一同、気合いが入ってのツアーになったのではないかと思います。道中、自分は東京で用事があった為、一旦はツアーを抜ける…という変則的な感じにもなったツアーではありましたが、また色々と得るものもあったので、どうぞご覧下さいませ!
8月5日(1日目)
意外な程に、そのスタートはゆっくりとしたものでした。ツアー初日となるこの日は、滋賀県の近江八幡という所でライブで、言ってしまえば関西圏の場所でもあります。しかし、この日の朝は、9:00を過ぎてもまだ出発の兆しさえ見せません。結局、伊藤さんの車が自分の家に来たのは11:00過ぎぐらいでしたが、どうやら荷物の積み込みに時間が掛かってしまったとの事。確かに車を見ると、いつものハイエースでは無く(売ってしまったらしいです…笑)、普通の乗用車タイプ。これに、自分のキーボードやら、ミキヤのジャンベやら、しかもよく見たらPA機材やスピーカーまで積んでいるではありませんか!…ツアーの道中に、PAが置いていない場所もあるので、その為の用意という事ですが、それは積み込みにも時間が掛かるというものです。これに更に、自分のスーツケースが加わったわけで(笑)、もう車の中はパンパン状態になっていましたね…。改めて、ハイエースの容量の偉大さを知りました。
お昼近くにもなっていたので、道も若干混んでいました。そろそろお盆休みも始まる頃だったのかもしれません。特に東京を出るまでが酷く、どの道もどこかで必ず混んでいるという状況があり、色々彷徨ったあげく、高速に乗れたのはお昼の12:00を過ぎていました…。微妙に前途多難な幕開け…とも言えるかもしれません。
そんな状態とは裏腹に天気は物凄く晴れていて、気分は上々でした(笑)。この日のルートは中央高速経由で向かったので、周りには堂々たる山々もくっきりと見え(富士山だけは見えませんでした…)、旅気分も盛り上がります。流石に山梨県にも入れば渋滞という事は無く、走行は至って順調でした。そして、この車の狭さも、ある意味で丁度良い大きさかな…なんて考えられる余裕さえ生まれてきたものでした(笑)。
近江八幡に向かえる八日市ICに着いたのは、そろそろ日も傾きかけてきた17:00頃でした。特に悪い時間では無く、むしろ自分達にとっては素晴らしい到着だったように思います(笑)。しかし、このままお店に向かうのではなく、どうやら少し寄っていきたい場所があるとの事…。それは民族楽器を中心に売っているお店で、ミキヤの新しいジャンベを探しにいきたい…との事でした。確かに、ジャンベという楽器を売っている所というのは、簡単に見付けられるわけではない感じがありますが、それがここ近江八幡付近にあるというのも驚きです…。
そして行ってみると、大量のジャンベが出てくる事出てくる事…(笑)。自分は、ジャンベという楽器をこんなに一同に見た事はありませんでした。そしてミキヤは意外にも冷静に、叩きながら音のチェックをして、色々と吟味している様子です。ミキヤは現在使っているジャンベは、メインとなる大きめのものが1つと、少しソフトな音が出る、若干小さめなジャンベが1つ…。これに、甲高い音が出るような、鋭く遠くに抜ける系のジャンベが1つ欲しいという思いがあるようで、それをどうやら探しているようでした。数は沢山あるので、妥協は許しません。父親である伊藤さんとも相談をし、小一時間の試奏の末、ついに1つのジャンベを購入する事に到りました!…ミキヤの表情からすると、満足のいく音が出る楽器だったのでしょう。…これはこのまま自宅に送る事になっていて、今回のツアーでは使われませんが、今後が楽しみな展開になってくると思わせるに十分な買物でした。さて、何だか無我夢中な時間を過ごしてしまいましたが、お陰でこの日のお店に着いたのは夜の19:00近く…。当初の予定(確か17:00には着きたいとか言っていたような…笑)からすると大分遅れてしまいました。
この日のお店はピッコロ…というお店で、カレーを食べれるバー…とでも言いましょうか…。とにかくカレーが名物らしく、マスターの雰囲気からすると、バーというより居酒屋という感じでしたが(笑)、地元に愛されているお店だなというようにも感じました。ここは早速PA機材が無いので、車から全てを降ろしてセッティングから始めます。なかなか大変です(笑)。
そしてセッティングが済み、少々のリハーサルを行うと、すぐ様本番へと移行していきます。まあ、さばいばるいとう UNIT ツアーではよくある光景ですが(笑)、かなり無駄な部分を省いた時間設定です。実際、遅くなったのはこちらの責任ではあるのですが…(笑)。
この日は自分達の前に、地元のギター弾き語りの方が出演なさっていて、結構若い方のようでしたが、伊藤さんとも面識のある方のようでした。ほぼオリジナル曲を歌っており、自分達にも刺激を受けさせてくれます。こちらはツアー初日だけに、思いはそれぞれなのですが、やはり気合だけは負けたくありません。そんな事を思いながらも、自分達の出番がやってきました。
ステージの配置を見ても分かるように、限りあるスペースを利用してのセッティングになっていますが(笑)、これはこれでやり易い環境でした。PAからスピーカーまで、こちらの手作業でのセッティングになったので、ある意味手の届く位置で音環境を作れる状況だったわけです。やはり、お互いの音が聴きやすいと、それは演奏にも良い方向に反映されていきます。初日だから緊張…という面持ちは全く無く、1曲目からパワー全開でやらせて頂きました。そして、そのテンションは最後まで落ちる事無く演奏出来たのも良かったと思います。良い1日目を迎えられたのではないでしょうか。
パワーを出し切った演奏で、ライブ後は結構疲れた状態になっていたのですが、何故かこの後にお客さんやマスターの希望(リクエスト?)で、自分とミキヤで1曲、インストでお送りする事になってしまいました…。曲は、誰が言い出したか分かりませんが“Spain”で、意外な展開に、こちらがびっくりしてしまいました。まあ、演奏的にはいい感じだったのですが、ここで自分の力は全て尽きました(笑)。勿論、皆さんに喜んで頂けて良かったのは言うまでもありません。マスターには、ビールも奢って頂きましたし(笑)、結果的には良い夜になっていたのかなとも思います。
実は、この日の宿は決まっていなく、伊藤さん的には、何とかこのお店(お店のビルの上が、マスター一家の自宅になっています)に泊まらせて貰えれば…という思いがあったようですが、その思いは確か、今回のライブ後…というタイミングで叶えられたような気がしています。何ともギリギリですが、自宅に泊まらせて貰えるという事が分かってからというもの、更に自分達はテンションが上がった事を覚えています。シャワーも使っていいという事で、1度シャワーを浴びてからお店に戻り、お客さん方とお酒でも飲みながら夜な夜なお喋りでもして…。楽しい時間でした。この感じで今後もツアーを進めていけたら…と、強く思いながら床に就いたのは言うまでもありません(笑)。
8月6日(2日目)
マスターの自宅は広過ぎて、自分達3人が寝ても部屋は余る程でしたが、思い切き伸び伸びと休む事が出来ました。この日のライブは大阪にてでしたが、その前に琵琶湖は見ておきたい…という思いも出てきて、1日目然り、まだまだ心にも余裕の表れがあるようです。
これまで琵琶湖は、走っている電車や車の中から、もしくは遠くにしか見た事が無かったような気がしますが、今回はかなり接近しての眺望です。途中、琵琶湖大橋という、琵琶湖を横断する道も渡りましたし(割りと狭くなっている部分に架けられています)、なかなか観光もしているではないですか(笑)。この日もやはり天気が良く、特に滋賀県という場所は、いつも通過していしまっている県だけに、今回ゆっくりと出来たのは良い収穫だと思いました。これで心置きなく大阪に行けるというものです。
琵琶湖を満喫した後、高速道路で大阪へと向かいましたが、最近完成したらしい第2京阪道路という道は快適でした。これは、従来の名神高速や近畿自動車道の渋滞を解消する為に造られた高速道路で、全線開通が今年の3月らしいですから、本当に最近です。今回は大阪の中心地に行くので、この道路を使わなくても行けるのですが、以前よく訪れていた東大阪市との移動には、この道は大変便利だという事が分かりました。道は3車線でまだ空いてますし、何より距離的にも大幅なショートカットとなっているのです。京都から大阪への道のりは、距離的には大した事は無いものの、高速も一般道も、慢性的な渋滞が厄介な区間でした。確かに、この道は今までの車の流れを変えそうな気もします。今回はまず“試乗”?に近い感じで使わせて貰い、料金が区間によって細かく分けられているのが若干気になりましたが(笑)、いつかきっと大きく役に立つ時が来る…と思わせるに相応しい道でしたね。
さて、この日ライブをやらせて頂くお店は、「ら」というお店です。この UNIT で出演するのは初めてですが、自分は以前、ボーカル・ギターの Daddy 津田さんの“生前葬ライブ”にお邪魔させて貰っていました〔旅日記 34.余部編(2010.6.18~6.19)参照〕。こういった状況は今まで無かったので新鮮でしたが(笑)、お店の使い勝手が分かっているというのも、心に余裕が出てくるものですね。お店の狭さ、ステージの位置等は既に確認済みですし、マスターとも飲んだ仲でしたから(笑)、何ともスムーズにリハーサルは進んだものでした。お店が位置するこの辺りは正に繁華街の中で、若干怪しい雰囲気も漂っている所ではあるのですが、ミキヤを誘って外にラーメンを食べに行く等、やはり今回のツアーは、心身の余裕さが際立つものになっているのかもしれません。
そして本番が始まる前にお店に戻りますが、ここで、昔から大阪でライブをやる度にお越し下さるお客さん夫婦と、久し振りの再開。そして、その腕には小さな赤ちゃんが抱き抱えられているではありませんか!…何とも目出度い事で、第一子が誕生していたのです。そして、その顔がお母さんにそっくりな事…(笑)。もう、微笑まし過ぎて笑ってしまいました。伊藤さんは今日はこれが楽しみで仕方無かったらしいですが、この生まれてから何ヶ月という赤ちゃんを、このようなライブに連れてきても大丈夫なのでしょうか…。いや、どうやらライブには既によく連れて行っているようで(笑)、殆ど大丈夫との事。何とも逞しいお子さんであります。
この日は自分達の他に、“かわがらす”という3人組のバンドが出演していました。伊藤さんも既に一押しというこのバンド…。素朴な感じですが、何とも味わい深く、メンバーそれぞれに個性が表れている感じでした。音楽も喉かな感じで、大阪の居酒屋に相応しく…かどうかは分かりませんが、このお店には間違い無く合っている雰囲気の音楽でした。伊藤さんが一押しというのもよく分かる気がします。
こう考えると、自分達の演奏は、かわがらすとは全く対極的な部分もあったかもしれません。緩急も激しく突いてきて、伊藤さんも前に出ていく事出ていく事(笑)。ミキヤのジャンベの音も思いっ切りな感じがありましたし、こちらも自分達らしさを目指した結果ですね。最初から見てくれていたお客さん的にも、対照的なバンドが出演、演奏していて、面白かったのではないでしょうか。勿論、個人的にも相手のバンドから刺激を貰えた部分はありますし、色々な意味で良い夜だったのかもしれません。…それでも、先程の赤ちゃんを目の前にすると、やはり皆、表情が緩んでしまうのです(結局、自分達の演奏で泣くような事もありませんでしたし…笑)。この日の主役は、例の赤ちゃんだったかもしれませんね♪…楽しく過ごせた1日でした!
8月7日(3日目)
昨夜は、「ら」のマスターの事務所に寝泊まりさせて貰い、朝早くに車を走らせました。この日は、一気に九州の門司港まで向かわなくてはならず、渋滞の懸念も考え、早朝出発となったのでした。朝7:00をまだ回っていない大阪市内は、また昨日までの自分の印象と異なった雰囲気を作り出していましたが、遠い九州への旅立ちを誘うかのような、清々しい気分で自分達を送り出してくれました。
朝早く出たのが功を奏したのか、8月の1週目の土曜日にも関わらず渋滞は殆ど無く、道中は順調そのものでした。天気も写真のように晴れ渡っており、前日と同じく、普通にドライブを楽しんでいるかのような気分ではありましたが(笑)、それも仕方無いと思える程に夏真っ盛りな感じでした。
阪神高速から山陽自動車道に移り、広島県に入ってから宮島を望む場所で休憩…。その他にも何度かトイレ休憩等を挟みましたが、そのどれもが休憩の度に周りの景色を楽しむ…という感じだったので、正に休憩…と言うより休息でしたね(笑)。最後の中国自動車道に入ってからも基本的に過ごし方は同じで、その甲斐もあってか、この日のライブ場所である門司港のお店には、お昼過ぎの14:00頃には到着する事が出来ました。それでも大阪からは7時間弱の道のりではありましたが、思ったより疲れも出ていません。やはりこういった、どこか気を休めている時間があるというのは、ツアーにとって大切な時間なのかもしれませんね。
この日のお店は、門司港そわあるという、喫茶店風のお店でした。機材は殆ど無かったので、これから来る Daddy 津田さんの持ってくる機材待ちという感じになりましたが、そもそも今日は16:00入りくらいにしていたので、時間がかなり余っていたのです。…ならば…と、伊藤さんは徐にギターを取り出し、そのまま曲作りの時間へと突入してしまいます。…じゃあ、ミキヤも夏休みの宿題でもやっておけばと促し、自分はまったりとそのお店で過ごしていました。夏の土曜日の昼下がり…。伊藤さんのギターと歌声が聞こえてくる以外は、日常の暑い日の午後という感じです(笑)。
そんな空気を打ち破るかのように?Daddy さんは到着しました。現在の Daddy さんの自宅である大分(…の山奥)からの到着だったので、お疲れ様という感じですが、そのまますぐに機材セッティングに入るバイタリティは大したものです。自分達も協力し、15分程で完成したのは流石でした。まだまだ時間はあったので、マイペースと言うぐらいゆっくりとリハーサルをし、また本番までの間、まったりとした時間を過ごします(笑)。Daddy さんと伊藤さんは、自分達の音楽トークに花を咲かせているようですが…。
さて、お客さんもチラホラ入ってくれて、本番が始められる雰囲気になってきました。皆さん地元の方々でしょうか。聞くと、Daddy さんは月に1回、ここでライブ定期的にを行っているのだそうで、そういった事で知り合えたお客さんも何人かいるのでしょう。確かに、お店に対しても手慣れた感じが窺えたものでした。
この日から暫くは Daddy さんと一緒の行動になるという事で、出番も Daddy さんから先にやり始めていました。ほぼ、お馴染みのナンバーでしたが(笑)、やはり九州という Daddy さんの地元で見るライブというのは、何か違うパワーを感じさせてくれます。特に、自分が Daddy さんと初めて出会った門司港という土地で拝見する時は、更に違う何かを感じるのですが、気にし過ぎなのでしょうか…。途中からはミキヤもジャンべで(突然)加わって、半ばセッション的のような、楽しいライブが展開されていました。
では自分達も…と、力強い演奏を繰り出していきます。この時は、今まで身体を結構休めていたせいもあって、自分の思い通りに身体が動いてくれそうでした。これなら、より良いライブが期待できるかもしれません。…そんな時に新曲を持ってくる伊藤さんには恐れ入りますが(笑)、これも、まあまあ良い感じで出来たのではないかと思います。
ただ、やはり喫茶店という場所柄、そんなに大きい音でやれない環境だったのは勿体無かったような気もします。ステージも、特に横に広いわけではなかったので(逆に、縦は長かったですけど…笑)、伊藤さんも、もっと動きたかったのではないかと思ってしまいますが、皆の意思疎通は図れていて、良いライブになったのではないでしょうか。この日から九州でのライブが何日か続きますが、その最初の日として、それぞれの自信に繋がる事にはなったと思います。また次の日から頑張っていきましょう!
…とは言ったものの、実はこの日で、自分はいったん東京に戻る事になります(笑)。知り合いの結婚式〔ツアーを抜け出して、結婚式演奏の1日へ… 参照〕に出席、演奏する為で、日にち的には1日だけなのですが、要するに次の日の8日(日)だけ東京で過ごし、その次の日である9日(月)朝にはまた九州へ戻ってくるという行程です。…一応、ツアー的には8日もライブが予定されていたのですが、この日は残念ながら休ませて貰いました。
…というわけで、次の日の朝にすぐ飛行機に乗れるように、門司港から車で30分~40分くらいの場所にある北九州空港まで送って貰う事にしました。伊藤さんや Daddy さんは、自分を降ろした後、そのまま Daddy さんの自宅がある大分の九重町(約2時間の行程)まで行くというのですから、それも大変ですが、自分も、明日の飛行機は朝5:30発なので、気合を入れていかなければなりません。
この時点で、時間は夜の23:30を回っており、まあ、空港で夜を明かせば良いかなと思っていたのですが、先程のライブで張り切り過ぎたのか、急に自分は疲れが見えてきてしまいました。何とかなる…とも思っていたものの、次の日の朝の早さ、そして、その式は夜まで掛かるという予想…、更に、その次の日も朝が早く、またツアーが再開するという事を考えるに、やはり自分はホテルに泊まる事にしました。いったん空港に着いてからの判断だったので、なんだか回り道をさせてしまいましたが、後々考えるに、この時の決断は正解だったようにも思っています。
ホテルにチェックイン出来たのは24:00近く…。結果的に、3時間程しか眠れていませんが、横になって眠れたのは大きかったです。飛行機にも十分間に合い、この後の結婚式も楽しく過ごす事が出来ました。…そしてまた1日後には九州に帰ってきますが、いったんその結婚式当日の記事を読んでから先に進んで頂けると、より自分の動きが分かって?面白いかとも思います…。とりあえずはこの日までのライブ3日間、お疲れ様でした!
後半へ続く!