…さて、佐野厄除け大師では住職の方を始め、温かく迎えて頂きました。天気も良く…そして通された控え室の間では風通しが良い心地良い空間で、しばし時が経つのを忘れてしまいそうになりました。早速、お施餓鬼で出される食事を自分達も頂けましたが、これが予想以上に相当なボリュームがあり、お寺からの配慮が伺えます。ちなみに、佐野厄除け大師として名を知られていますが、お寺の正式名称は惣宗寺…。天台宗の寺院となっています。
この日は流れ上、入念なリハーサルを…というわけにはいかなかったのですが、流石、お施餓鬼にいらした方々も相当な人数で、これは確かに本堂コンサートと言っても差し支えない舞台を用意して下さったようにも思います…。自分はキーボードを使わせて頂きましたが、酒井さんのバイオリンはマイクを立てずに生音で挑戦。それでも本堂内は音が響く構造になっているのか、その音色は心地良く広範囲に届いていたようでした。
演奏時間は30分程でしたが、葉加瀬太郎さんの曲や『アナと雪の女王』の曲等、どこか耳馴染みのある曲を中心に、そして住職からの「明るい曲を希望」…という部分も受けつつ(笑)、バラエティに富んだ内容でお送りしていけたと思います。“情熱大陸”ではお客さん達の手拍子が積極的に聞こえ、とても感謝の時間を過ごせました。お客さんとしても、いきなり生演奏が入って驚かれたかもしれないのですが、とても笑顔で聴いて下さって、楽しんでいる雰囲気が伝わってきたのも良かったです。皆様お世話になりました。
…さて、演奏後、自分は酒井さんの御好意で途中まで車で送って貰える事になったのですが、通り道に自分が以前から行きたい所があるという我が儘を聞いて貰い、とある場所に少しだけ寄らせて頂ける事になりました。
ここがその現場です。何やら電車が停まっていますが、これは既に廃車された地下鉄日比谷線の車両で、ここで解体される運命にあるという状況になっています。そう、ここは鉄道車両を解体する現場であり、北館林解体所という名称の場所なのですが、東武佐野線沿線にある事から、東武鉄道の車両を中心に解体作業を行っている場所でもあるのです。写真のように、東武と線路が繋がっている日比谷線の車両も解体しているようですし、以前は銀座線の01系の解体も担当していました(ここまで陸送されてくるそうです)。東武鉄道は最近ダイヤ改正を行い、日比谷線と共に新車の投入ペースも上がっている事から、代わりに廃車されて解体される車両も増えてくる…という事でしょう。
こういった場所に自分は足を踏み入れるのは初めてでしたが、流石に衝撃的ではありました。廃車になった右上写真の300系という車両は、元々6両編成だったと思うのですが、今や先頭車両の1両が残るのみ…。この後の処遇はまだ分かりませんが、1両だけがポツンと残された状態はシュールでもあり、少し寂しさも感じました。
…とは言え、鉄道車両のリアルな一面を垣間見れたという意味では、こうした場所に来れて良かったと思います。惣宗寺での演奏もまた、まさか自分が佐野厄除け大師で演奏する時が来るとは思ってもみませんでしたし、それぞれで貴重な体験が出来た1日になりました。どうもありがとうございました。
☆佐野厄除け大師のHP…http://www.sanoyakuyokedaishi.or.jp/
☆酒井ありささんのブログ…http://blog.i-voce.jp/vocest/author/007/