その後、日本鉄道は両毛鉄道を吸収合併、1906年に鉄道国有法施行により国有化、そして1909年の名称設定時に両区間は統合され、小山駅〜高崎駅が両毛線となりました。更にその後の1931年に上越線が開業すると、新前橋駅〜高崎駅間は路線が重複する二重戸籍区間になりましたが、1957年に同線から両毛線が分離され、現在の小山駅〜新前橋駅間が両毛線となります。
路線的にはこれで現在に至りますが、近年のダイヤ改正で、車両と運用に変化が生じてきました。まず、今まで115系と107系が中心だった当路線に、急に211系が台頭してきました。211系は高崎線や宇都宮線(東北本線)での引退後、廃車を免れた車両が次の活躍の場を求めて大量留置、リニューアルがなされていたのですが、それが着々と準備が進み、いよいよ本格的な置き換えが開始されたようです。現在では115系や107系の運用は朝夕が中心で、日中以降は殆どが211系が行き交う路線となりました。
また、これは両毛線と言うより、上越線や吾妻線の話しなのですが、前述の通り、両毛線は小山駅〜新前橋駅間となっているも、列車は殆どがその先の高崎駅まで直通しています。そして、以前は上越線も吾妻線も、当たり前のように高崎駅始終着となっていたのですが、つい最近のダイヤ改正(2017年3月5日)で、日中の上越線と吾妻線の一部が、新前橋駅始終着に変更されたのです。つまり、高崎駅から上越線方面に向かうには、両毛線の列車で新前橋駅まで行き、そこから上越線列車に乗り換えなければならなくなりました。要は高崎駅〜新前橋駅間の列車本数削減政策で、確かに以前は、1時間あたりに両毛線列車3本、上越線1本、吾妻線1本と、計5本の列車は輸送過剰だったとも言えそうですが、今回のダイヤ改正では両毛線の本数も3本➡2本に減らされてしまい、この区間では大幅な減便が図られてしまったのでした。
上越線と名乗っている区間に、両毛線の列車ばかりが発着しているという印象になってしまいましたが、このエリアではどちらかというとダイヤの減便、縮小の傾向が顕著に表れており、利用者が減っているという事を如実に感じさせます。
そして、やはり車両の変化も大きいです。いずれは211系に統一させて、運用コストの低下を狙っているものと思われますが、ここにきて115系や107系が一気に希少価値の高い車両になってきました。一部では、107系の方が先に無くなるのではないかとも言われており、現在の両毛線を見ておくという価値は大きそうです。両毛線は小山駅が起点ですが、小山駅に向かう列車が下り列車として扱われており、今回は新前橋駅から“さんぽ”を進めていきたいと思います。それではどうぞ御覧下さい!
●日時…2017年4月16日 ●路線距離…84,4km ●駅数…18駅
お楽しみに!