行き交う車両は様々で、まずは風景が大きめの、技術的にも易しめな構図から(笑)カメラに慣れていきますが、即座に車両が大きめの構図へと移ります…。こちらの方がシャッターを押すタイミングもシビアなものとなり、カメラに馴染んでいく度合いが大きいからです。…そして、いよいよ目的の車両を撮影するタイミングがやってきました。
東武鉄道の6050系という車両です。東武日光線や鬼怒川線のローカル運用や、写真にあるように区間快速(快速)として、日光・鬼怒川方面から浅草駅までの長距離速達タイプの列車にも使用されます。写真としてもバッチリの構図を押さえられたと思います。
この車両、自分が鉄道旅を始めた時(小学生高学年〜中学生頃)には、東武が好きだったという事もあって、かなりの頻度でお世話になっていて、年齢的に、日帰り、そして夕方過ぎぐらいまでの帰宅が原則だった中で、栃木県や福島県の路線まで、よく乗っては撮ってはを繰り返していた…という記憶があります。その1つが野岩鉄道会津鬼怒川線という路線で、こちらは〔鉄道さんぽ 7.(野岩鉄道、会津鬼怒川線)〕で取り上げているので、御覧頂ければと思います。
さて、前述のように東武鉄道本線系統は4月21日(金)にダイヤ改正を行いますが、なんとこれら快速・区間快速列車が廃止されてしまう事になりました。以前、よく愛用していた者としては残念でならないのですが、近年、この快速・区間快速はダイヤ改正を追う毎に縮小、減便が続いていたので、廃止は少しは予想出来た事でもありました。
その実質的な理由は、左上写真の東武新型特急『Revaty(リバティ)』の登場です。この列車が4月21日のダイヤ改正でデビューするのですが、ダイヤが現在の快速・区間快速を踏襲するような形で運行すると発表された時には決定的だと思いました。東武の路線は、日光方面と鬼怒川温泉方面で行き先が分かれるのですが、この列車は始発駅を3両+3両で併結運行し、途中で東武日光方面と鬼怒川温泉方面へ3両ずつ分かれて運行します。これが正に、現在の快速・区間快速の運行の仕方(こちらは2両+4両という分け方で、後方4両は後に、途中駅で切り離して2両運転になります)と似ているのです。
この Revaty は特急として運用されるので、列車の置き換え対象としては、右上写真の300系という特急車両かのように思われがちなのですが(事実、300系は今回のダイヤ改正で引退となります)、ダイヤ構成上の変化としては、現在の快速・区間快速が特急に格上げされて置き換わった形となりました。
Revaty は特急列車なので、乗車するには特急券が必要です。なので、快速・区間快速利用者からすると、実質値上げしたという見方も出来るかもしれません…。そうなると、特に本数が少なくなる、路線の末端(東武日光駅〜下今市駅〜会津田島駅間)では、快速・区間快速列車が無くなった分、不便になりそうなのですが、ここでは Revaty は各駅に停車し、しかもこの区間内相互利用は特急料金不要との事でした(ただし、指定席は特急料金が必要)。一応、救済措置は取られているようです。
…とにかく、快速・区間快速は4月20日までの運行となります。この6050系は東武日光線の南栗橋駅以遠の急行・区間急行列車として、料金不要の速達列車としての使命も残しつつ、ローカル運用も併せて存命しますが、大幅に運用が縮小された事は確かです。…そしてこれは、浅草口にはもう姿を見せなくなる事も意味しています。そうなると、やはり撮影場所も浅草近辺に移動せざるを得なくなりますね。東京スカイツリーや、隅田川の桜との組み合わせもこれが最後となりそうです。
この快速・区間快速列車は、特別料金不要の列車としては、JRを除く私鉄では最長距離を走る列車でもありました。浅草駅〜会津田島駅は距離にして 190,7km。快速で約3時間半、区間快速では4時間弱になる所要時間を誇る列車で、こんな列車が現在まで、都心方面にも毎日のように走っていたというが、逆に凄かったのかもしれません。長距離列車は特急列車で…という現在の流れに、ようやく沿ったダイヤ改正となったのでしょう。自分としては、1つの鉄道青春時代が終わったかのようで寂しくはありますが、ダイヤ改正以降の変化を楽しみにしていきたいと思います。6050系快速・区間快速列車、お疲れ様でした!
おまけとして、今回、東京メトロ日比谷線の新型車両13000系(左上写真参照)にも遭遇しました。今後、徐々に従来の03系(右上写真参照)を置き換え、2019年度には置き換えが完了するのだとか。このように、世代交代は着々と進んでいると感じさせられた、今回の鉄道撮影でもありました。
☆東武鉄道のHP…http://www.tobu.co.jp/