これまで何枚もCD制作に関わってきましたが、今回のように異なる2つのバンドから始めるマスタリングは、とても興味深いものでした。…というのも今回は TRI4TH 側で2曲、カルメラ側で2曲、2バンドのコラボで1曲というアルバム構成になっているのですが、それぞれで別の環境で録られ、別の環境でミックスされたものだからです…。それらを1つの作品として並べた時に、どのような聴こえ方をさせるのが良しとされているのかは、エンジニアの腕の見せ所でもあるような気がしました。
TRI4TH サイド、カルメラサイド共に、自分達の録った音を改めてこのマスタリングスタジオで聴くわけですが、やはり大きなスピーカーで聴くこの楽曲達は迫力満点。そして、バンドそれぞれに個性が出ていたのも面白かったです。どうやら2つのバンドの音質を近付けていくというよりは、それぞれの音の良い部分を押し上げて、個性を出させる方向に持っていったようです。…とは言え、それぞれの曲を繋いで聴いた時に、特に違和感も感じなかったのは流石でした。
そして、曲と曲の間の時間を設定するのも、マスタリングの作業の1つでもあるわけですが、今回は特に、曲間によって次の曲の印象が随分と変わる事に驚きました。アルバムの収録曲順としては、それぞれのバンドの曲が交互に現れるように並べているのですが、だからこそ、曲間が重視されるのかもしれません。曲間を詰める方が、即座に次のバンドの音楽が流れてスリリングではありますが、間を空ける事で、次のバンドへの耳をフラットな状態から入れます。ここは好みもあるので難しいですが、メンバー皆でその都度確認を取りつつ、ついに最終決定へと繋いでいきました。…最後には改めて、出来上がった音源を1曲目から、曲間も含めて最後まで流し、スタジオ内も拍手に包まれました。ここに『HORNS RIOT』の誕生です。お疲れ様でした!
前述したように、これでCD『HORNS RIOT』の音源部門は終了し、後はリリースに向けての細かい準備を進めていくという感じになります。5月10日のリリースまで時間はありますが、この自分達の自信作を多くの方に届けるべく、引き続き頑張っていきたいと思います!…全てのインスト好き、ホーンバンド好き、ジャズバンド好き、踊れる音楽好きの方々にお勧めします。我々の“RIOT”を、どうぞ見届けて下さいませ!
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com
☆カルメラのHP…http://www.calmera.jp/
☆渋谷オーブライト・スタジオのHP…http://www.aubrite.net