会場に着くと、日産のギャラリー内に赤絨毯の豪華なステージが設けられていて、まるで新車の発表会でも行われるような雰囲気でした。これが授賞式というものなのかもしれませんが、TRI4TH はバンド結成11年目を迎えようとしている中でのニュー・スター部門…。初心、忘れるべからずという事でもありましょう。ますます身を引き締める思いと共に、この会場の雰囲気も思い切り楽しませて頂きました。
受賞ライブは13:00から始まりましたが、その前に今回の受賞者全員の集合写真を撮る事になりました。ピアニストの大林武司君や高木里代子さん、そしてボーカルの大橋美加さん等、豪華な面々が集合している中に、我々 TRI4TH も参加させて頂きました。バンドでの受賞は自分達だけのようでしたが、ジャズというジャンルにおいて、バンドというものが注目される事の難しさを感じたりもしました。
…とは言え、基本的にはどの受賞者の方も、ライブではトリオ編成やカルテット編成で行われる事が多かったので、バンド編成と言えばバンド編成と言えるステージだったのですが、その中でも2ホーンの5人編成である我々 TRI4TH は明らかに異色の存在だったと思います。授賞式でのライブなので、会場はホールの中のような、どこか厳かな雰囲気が流れており、当然、着席者を意識したライブを想定していたでしょう。しかし、自分達は今回の出演者の中では唯一と言っても良い程、スタンディングを意識したライブを展開していったのでした。それは現在の自分達の通常のスタンスと何ら変わる事は無かったのです。
今回の授賞のポイントは、新たなジャズへの挑戦という部分が大きかったようです。2ホーンというスタイルを崩さずに、ジャズへの敬意を払いながら、自分達流の“踊れるジャズ”を展開させていきました。1音目から会場の空気を変えていくべく、それは会場がホールから、あたかもクラブに迷い込ませるような変化でもありました。そう、ここからが TRI4TH のステージの始まりなのです!
与えられたステージ時間は20分で、3曲演奏する事は決めていました。しかし、これはいつもの TRI4TH からすると、余裕のある時間でもあります。通常の自分達のライブでは1曲が5分くらいを目安としているので、それぞれのソロもたっぷりと取れる事が分かっていました。だからこそ、1人1人のパフォーマンスにじっくりと視線を向けさせる事が出来たと思います。
“Sand Castle”でかっ飛ばし、“SNAKE”でかっ飛ばし、最後の“Dance 'em All”でもかっ飛ばしました(笑)。はい、全曲、全力系のライブです。これが TRI4TH の魅力を短時間で感じて貰う、最善のやり方でもあるのです。最初は空気の変化に戸惑っているお客さんもいらっしゃったかもしれませんが、最後には皆で盛り上がっている空気に持っていけたのは嬉しく、とても遣り甲斐のあるライブになったと思いました。いつもにも増して、トランペットの織田君のハイジャンプも生き生きとしていたように思います。皆様、お疲れ様でした!…初めて御覧になられた方にも相当なインパクトだったようで、会場で販売させて頂いた自分達のCDは完売してしまいました。どうもありがとうございました!
今年で結成11年を迎える事になる TRI4TH。何度も言っているかもしれませんが、自分がこのバンドに参加したのが5年前となるので、そろそろバンドの歴史の半分を一緒に経験する事になりました。多くのスタッフの方々に恵まれてきましたが、常に最終決定はこの5人で決めてきました。このやり方は自分にとっても初めての経験で、それが正しかったのか正しくなかったのかは分からないのですが、バンドの調子が良い時や悪い時を共に経験し、紆余曲折を経て辿り着いた今回の受賞は、少しですが、正しかったと思って良いんだという自信にも繋がったように思いました。勿論、その間には、沢山のお客さんや、関わって頂いたスタッフの方々の協力、助言があったからに他なりません。皆で獲られた賞だと思います。本当にありがとうございました!…これからも TRI4TH は駆け抜けていきます。どうぞよろしくお願いします!
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com
☆JaZZ JAPAN のHP…http://www.jazzjapan.co.jp
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