…こんな場所でした。雲仙岳の麓にある町、島原市の、とある旅館(民宿)にてです(笑)。この時は弾楽のツアー途中でもあり、前日、島原のお店でのライブをやり終えて、経費節約の為の宿を選んで泊まっていたのでした。…とは言え、この辺りはとても良い場所で、少し歩けば海も見渡せ、時の流れを忘れさせてくれるような雰囲気は悪くはありませんでした。しかし、実際に時間の流れを忘れてはいけません…(笑)。朝方に旅館を出発し、ここの雰囲気とは真反対の六本木という場所へ、自力で向かう事になったのでした(あ…、島原駅までは旅館の女将さんが車で送ってくれました…笑)。
恐らく島原城を意識している、立派な島原駅舎から乗るのは、小ぢんまりとした1両編成の島原鉄道のディーゼルカー。まず向かうは諫早駅です。島原鉄道に乗るのは今回で2度目ですが、東京に向かう為に乗るという、ちゃんとした仕事の目的があって(以前は、この路線に乗るのはそもそも目的だったので)使わせて頂くわけで、それによって乗車時の自分の感覚も、いつもとは変わる事に気付かされました。
ホームの向こうは海!…なんて駅も幾つか停まり、まさしく鉄道旅の醍醐味に触れているような感じもするのですが、心のどこかでは、早く目的地に着かないかな…と思っている自分もいるわけです(笑)。鉄道旅は、ローカル線という、自分にとっては非日常の環境を楽しんでいる部分も多いとは思うのですが、今、自分にとってこの路線は、六本木に向かう為の通勤路線という側面を持っているわけで、ある意味で日常の環境を僅かながら含んでいると思うのです。だからこそ、いつもの鉄道旅とは違った印象を受けるのかもしれません。…とは言え、それはそれで心境的には楽しんでいると思いますが…(笑)。
諫早駅からはJR大村線に乗り換え、大村駅へ…。駅から少し歩いて大村バスターミナルへと向かい、ここで長崎空港行きのバスに乗り換えるのでした。このルートも以前辿った事がありますが、バスターミナルに着いてみると、5分程前に出発している筈の空港行きのバスが、いま到着すると案内されるではありませんか。どうやら道路混雑の為に少し遅れていたみたいで、逆に早いバスに自分は乗れた事になりました。本来なら、バスターミナルであと30分ばかり時間を潰さなければいけないと思っていたところだったので、これはラッキーでした。お陰で、空港ではゆっくりと食事をとる事ができ、ビールまで進んでしまいました(笑)。
空港では、長崎ちゃんぽんのお店に入りましたが、実は前述の弾楽ツアーはまだ終わってはいなく、次の日に自分はまた長崎に戻ってくる予定にしていました。その意味では、いずれは長崎ちゃんぽんは食べる機会が来るだろうという事で、敢えての担々麺を選択(しかも、夏限定の冷やし担々麺!)。これが大正解で、暑い日が続く長崎のひとまずの締めを飾るのに相応しい味でした。ビールとの相性も抜群でした。
そして飛行機に乗り込みます。今朝、旅館を出たのが朝8:40ぐらいで、長崎空港を出発する便が12:20発だったので、ここまでで3時間40分が経過していますが、羽田空港に到着するのは14:05の予定だったので、やはり飛行機の速さを痛感します。離陸後も天気が良い状態は続き、窓からは諫早湾越しの雲仙岳や手前に多良岳(右上写真参照)を臨む事も出来ました。この景色を目に焼き付けた後は、自分はほぼ眠っていたと思います…。
そして、少し遅れて飛行機は羽田空港に到着。まだまだ新しい東京ゲートブリッジを臨みながら空港へアプローチしていく様は、寝起きにハッキリと東京を感じさせるに相応しい風景を披露してくれましたが、ここから六本木への道のりもまた、いわゆる日常の光景の中を進んでいく感じなのでした。
お店でメンバーと合流、そしてリハーサル、本番という流れの中で、この日に行うステージの流れの事を頭に叩き込んでおきます。ここでのイメージこそ本番に大きく影響するので、大事な時間でもありました。ある意味で頭の切り替えであり、環境の切り替えに対応していかなくてはなりません。そして本番の時間となったのでした。
言うまでもありませんが、自分達 TRI4TH はこの約1週間前の7月28日に、10周年ツアーのファイナルとなる代官山 UNIT でのワンマンライブ〔TRI4TH 10th Anniversary Tour LIVE@代官山 UNIT 参照〕を終えたばかり…。その直後の1本でもあったので、大事にしていきたいライブでもありました。遠征ツアーで蓄えた経験は勿論ですが、先日のワンマンライブを経て得たものも消化し、このライブにぶつけていきたいところです。また、この日は2マンライブという側面があったので、初めての自分達を見るお客さんへの意識も重要でしょう。今考えられる最大限のパフォーマンスをやらせて頂きました。
六本木 VaRiT は照明も綺麗なところで、ステージングにも大きく取り入れていきました。最近の自分達のライブは本当に派手になってきているので(笑)、照明とのコラボも大事にしてきたいものです。自分達だけのステージは40分程でしたので、先日の UNIT での魅力をギュッと凝縮させたのが今回のステージ…といったところでしょうか。自分達にとって重要な曲を厳選してお送りして、フロアとの一体感を楽しんでいきました。
そしてここで中塚武さんにステージに登場して貰い、中塚さんの曲を、今回の為にTRI4TH 流のアレンジを施したバージョンでお届けします!…曲は“Countdown to the End of Time”で、これまで中塚さんと対バンした時にも中塚さん自身のステージでやっていて、自分達の中でとても印象的に残っていた曲でもあったので、今回取り上げさせて頂いたのでした。
…この演奏後には、TRI4TH ホーンズの2人だけ残り、今度は中塚さんのバンドに2人が参加するという形でステージが進んでいきます。コラボレーションライブと銘打っているからこその展開で、ただの2マンライブでは終わらせない…という意気込みが感じられました。
そして、中塚さんの曲がまた驚愕で、TRI4TH ホーンズの2人もステージ上で[踊ろうぜ!]ならぬ、「踊らされてるぜ!」かの如く、大変そうな感じが目に飛び込んできましたが(笑)、とても盛り上がっていました。テクニカルであり、それを鮮やかにやってのけ、そして心にも響いてくる…。その後に中塚さんバンドのメンバーだけの時間が続きましたが、そのテンションは常に健在。あっという間に時間が経ってしまいました。
また、なんと中塚さんが自分達の TRI4TH のオリジナル曲である“Yellow Butterfly”をカバーしてくれていて、これまた複雑なアレンジをもって演奏して頂けたのでした。どこかで聞いた事のあるメロディだなぁと思ったら、自分達の曲だったと…と(笑)。これもまたコラボライブの醍醐味であったかもしれません。
さて、アンコールを頂き、中塚さんバンドのメンバーと入れ替わる形で、今度は再び TRI4TH の全メンバーがステージへと上がり、中塚さんをフロントに置いての演奏となりました。ここで注目すべきは選曲で、なんとフリッパーズ・ギターの“恋のマシンガン”をコラボ演奏させて頂いたのでした!…最後の渋谷系と称される中塚さんへの、敢えてストレートな選曲をしてみたのですが、中塚さん自身は実はリアルタイムで渋谷系は通っていないらしく、それは意外でもありながら、むしろガンガン通っていたトランペットの織田君がコーラス、そしてハモりとしても参加するという(上写真参照)、だいぶ面白い光景が繰り広げていました。…ある意味で、この日のハイライトだったかもしれませんね(笑)。
こうして、大胆にコラボしていったライブが無事に終了しました!…初めはどんな曲をコラボして良いのか、アレンジをどうしていけば良いのか…と、色々と悩まされる部分も数多くなったのですが、中塚さんと寄り添える事の出来る機会を設けて頂いて、とても幸せな時間でもありました。改めまして皆さんに感謝です。島原から移動してきた甲斐があったというのは、正にこの事ですね(笑)。どうもお疲れ様でした!…そして、また是非ともこんな機会に巡り会えたらと思います。どうぞよろしくお願いします!
…そして自分は、この次にまた長崎へと戻るのでした…。
☆中塚武さんのHP…http://www.nakatsukatakeshi.com/
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com/
☆六本木 VaRiT のHP…http://www.r-varit.net/