ステージはセゾンアートギャラリーの地下2階を利用して組まれましたが、まず建物に入って地下1階にはカフェ&バーのようなフロアが展開され、ここでは食事もでき、ライブ前後に自由に行き来してそれぞれの時間を楽しめるようになっていました。一見、コンクリート打ちっぱなしの無機質なフロアなのですが、バランス良く飾られたギャラリーと照明の雰囲気も相まって、何故だか温かみを覚えるような空気感がそこにはありました。
そこから地下2階への吹き抜け部分に目をやると、大きな正方形の書道紙が置かれているのが分かります。実はこれは書道家の竹内翠凰さんとのコラボ企画で、今回のライブの最初を飾る曲である“二月二十六日のタンゴ”の演奏中に、この巨大なキャンバスに字を書いて頂き、演奏の終了と同時に作品もタイムリーに完成する…というものだったのです。このスペースは客席の背後にセッティングされていたので、演奏ステージを見ているお客さんからすると一見確認出来なさそうですが、ステージ上にスクリーンが用意され、字を書く作業は全てそこに映し出されていたので、その心配は無用でした。それは演奏中の自分達も確認でき、演奏の熱量が上がっていくにつれて、筆にも力強さが垣間見えた気がした等、正に演奏と書道のコラボという時間でもありました。その完成品が右下写真のものになります。上下を逆にして御覧下さいませ。中央にある大きな字は“二二六兵に告ぐ”…と書いてあります。
さて、この“二月二十六日のタンゴ”の演奏中のイントロでは、小説家である永井紗耶子さんとのコラボも展開されていました。この曲をイメージした短い節を考えてきて頂き、演奏をバックに語って頂いたのでした。また、この時には“香りの演出家”である小泉祐貴子さんによる、独自の香りを客席に提供しており(Tsumuzi 君自身も、この香りを付けて登場していたようです)、Tsumuzi 君の思い描く世界を色々な角度から表現していく様が見て取れました。そして、それらの表現に自分達も刺激を受け、演奏のニアンスも変わっていくのを感じました…。独特な空間ながら、非常に面白い時間だったように思います。
勿論、演奏者側にもこの日はゲストをお呼びしてしまいました。それはフラメンコダンサーの伊集院史朗さんで、パルマを中心に、変拍子を駆使した難曲(笑)“ゲルニカの掟”ではその重厚なステップも披露してくれました。また、伊集院さんのハレオ(掛け声)に反応して、皆の演奏に更なる熱量が重なっていくの受け取られ、何だか心が涌き上がるものがありました。演奏と心というのもは強く繋がっているという事を、改めて感じさせられた時間でしたね…。
このように盛り沢山でお送りしていき、全2ステージたっぷり…という感じでしたが、その時間はあっという間に過ぎていった感覚でした。その中には次作である 3rd.アルバムへの想いを込めた曲も盛り込まれ、今自分達が表現したい事と、これから表現したい展望の部分が、程良く収められていたと思います。2月26日という自分達にとっては節目と捉えるこの日に、1つの芯の通った集大成を披露出来たのは、自分達にとっても今後の自信に繋がったのではないかと思いました。是非ともご期待頂ければと思います。
ライブ後には、ステージの最初に完成された書道作品をバックに、出演者全員で記念撮影を行いました(右上写真参照)。それぞれが異なるフィールドで活躍している方達ではありますが、こうして1つの同じ目的に向かって、個々の最大限の表現を展開する場所として、とても貴重な1日になったと思います。自分もその中の一員になれた事にとても光栄でした。またどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました!
☆Tsumuzi 君のHP…http://tsumuzi2013.wix.com/ernestocielorecords
☆表参道 SEZON ART GALLERY のHP…http://sezonartgallery.com