更新が遅くなりましたが、去る7月2日(金)、渋谷の Jz Brat にて、Generation Gap(以下 GG)というバンドのライブをやってきました。これまで何度も書いてますように、このバンドは今年で結成10周年を迎え、いつものホーム・グラウンドである横浜から、こちら渋谷に場所を移して、大々的にライブをやろうというものでした。また、いつもはサックス隊4人とリズム隊4人の計8人でライブをやっているのですが、今回はスペシャルという事で、更にトランペット2人とトロンボーン2人を加え、なんと総勢12人という、もはや大所帯と言って良いメンバーでステージに挑戦していくという事になっていました。…という事は、これまでの曲にも結構なアレンジを施さなければ形になる筈が無く、その準備は大変なものがありましたが、大成功の内に終える事が出来ました。ライブから2日経って、やっと落ち着いてきた部分もあり、少々当日を振り返ってみたいと思います。
この日、1ステージ目のライブは19:30からとなっていましたが、メンバーの入りは13:00という事になっていました。これは、いつもの感覚から言えば、かなり早い集合時間となっていましたが、今回は殆どゼロから作っていくライブという事もあり、余裕のある時間を確保しておきたかったのは当然と言えるでしょう。実際、ドラムは1段高い所にセットされ、ブラス隊の位置の確保や、アンプの置き場所等、確認しておく事は山ほどあったように思います。
セッティングが終わればリハーサルが始まりますが、ただ単に音を合わせるだけでなく、動線の確認や、これからのステージの流れの説明も把握しておかなければなりません。また、これは出演者だけではなく、お店のスタッフにも理解しておいてほしい部分もあった為、正にお店との協調感や一体感が問われる時間ともなっていました…。それだけ、このライブに懸ける思いが強かったわけですが、ここまで出来て、ようやく本番を待つ状態になれるわけです。色々あって、この日はここまでが特に長い時間のように感じました。
リハーサル後には、お店から賄いを頂けました。もちろん、出演者全員分以上のものが確保されており、これまでキツキツで確認作業を続けてきた自分達にとって、正に精神面でのオアシスにでも出会ったような心境で(笑)、これで相当リラックスする事が出来たものです…。また、こういった時間が、出演者同士のコミュニケーションを生む良き場にもなっており、その大切さをメンバーは何よりも強く知っている事でしょう。確かに、今までこのメンバーで、何回食事を共にした事やら…(笑)。さあ、いよいよ始まりです。
1ステージは確か2,3分遅れでスタートしたと思いますが、いつも10,15分押しが当たり前?の自分達にとっては、ほぼオンタイムのようなものでした。久しぶりのソエダ・ペプラーによるMCが入り、会場も盛りあがった?ところでリズム隊とブラス隊が入場し、後はメインのサックス隊を待つだけと言う状態にしておきました。
…と、サックスの4人を待つより先に、お店が暗転になりました。何が起きるかと思ってしまいますが、ここで客席の後ろを振り向くと、4人は2階席で、全てソプラノ・サックスで曲を吹き始めるではありませんか!…そう、この日の為に用意したソプラノ4重奏が、今回のライブの一番最初の曲となったわけです。いわゆるオープニング曲…という事になるのでしょうが、元々クラシックから始まった GG メンバーに相応しい、美しい音色を特に際立たせた、結成当初を思わせるようなオープニングでした。掴みは…相当オッケーではないでしょうか?…そしてこの曲が拭き終わると、リズム隊で“Keep On Dancing”のイントロを演奏し始め、改めて、10周年記念ライブの幕開けへと繋がったのです。これは、演奏する方もワクワクせざるを得ない演出で、今回のライブは絶対に成功すると確信したのも、正にこの瞬間からだったかもしれません。
もちろん最初からノリはバッチリでした。身体的には当たり前ですが、サウンド的にもブラスが加わる事で厚みが増し、音の深みがより強調されるというか、とにかく豪華絢爛?な GG という感じが、自分達のモチベーションを上げさせてくれました。そして、弾き慣れた筈の曲なのに、まるで新しい曲でもやっているかのような新鮮味を感じ、それは自分のプレイ的にも、新しい事を弾いてみたいと思わせるに十分な材料でもあったのです。また、改めてアレンジの大事さを感じる事にもなったように思いました。
あっという間に1曲が終わり、ここからはブラス隊抜きのいつものメンバーで、“Hangover”へとなだれ込みます。自分もグランドピアノからキーボードへと移り、GG のサウンドでは欠かせないエレピを弾き始めます。これは割りと最近の曲ですが、それでも初めて演奏してからもう2年は経っており、月日の流れの早さを感じてしまいます。これは、活動している年数の割りには新曲が少ないせいかもしれませんが(笑)、それならば…と、この次には新曲“Too Much Rest”という曲を持ってきました。これはドラマーの立山秋航が書いたものですが、これまた何と皮肉めいたタイトルでしょう(笑)。恐らく、そんな彼の強い思いがこの曲に詰められている筈です。曲は8分の6拍子と、GG では今まで無かった曲調となっていて、確かに色々な信念が渦巻いてそうな雰囲気でもありました。こちらはアレンジ云々ではなく、確実に新鮮さ抜群の曲です。また新たな GG サンドを表現出来たのではないかと思います。
そして、その次にはお馴染みの“Marrawah”、“今宵ナニ想フ”。これらは決まった曲の長さがあるものの、それぞれのソリストをフィーチャー出来る曲でもあり、改めて GG というバンドに集まった個性的な面々を見つめ直してくれる時間でもありました。この辺りは歴史ある曲でもありますが、一体今までに何回くらい演奏したのでしょうね(笑)。
さて、ここまでの曲達が終わると、再度ブラス隊を呼び込んで、1ステージのクライマックスへと突入します。曲は“Black Panther”、“Love Struck”と、2曲続けて演奏し、これらはどちらも激し目の曲でもあるので、演奏の正確さはもちろん、体力的にも考えなければいけない時間でもありました。途中にはブラス隊のソリやソロも入れつつ、止まる事の無い音楽がここには存在していました。…その中でも、ちゃんとメンバーそれぞれの印象が残っていたのは流石で、正に絶妙なバランスでのアレンジだったのに違いありません。
言うまでも無く、ここまでの演奏は常に熱く、もう怒涛の1ステージ!…という感じでした。逆に言えば、いつの間に1ステージが終わってしまったの?…という感覚もありましたが、これは見所が沢山…という状況を上回って、自分達が本当に楽しんでいたからではないでしょうか?こういった10周年目という節目のライブで、こういった状況を感じられる事がとても嬉しく感じた1時間でした。さあ、2ステージ目も頑張っていかないと…ですね!
2ステージ目に行く前に、ここで本日のオリジナル・カクテルの紹介がありましたが、なんと今回のカクテルは、自分のオリジナル曲であり、GG にも提供された“Hagatna”という名前が使われる事になり、ココナッツ系の味をした(何ベースかは忘れました…笑)ドリンクが、お店の壁のディスプレイにも表示されていました(左下写真参照)!…自分も少々飲んでみましたが、これはグアムを旅行した時〔竹内大輔の写真日記(~2009)、旅日記27.(アメリカ準州グアム編…2009.1.24~1.28)参照〕に作った曲でもあるので、南国風味のセンスが随所に施されており(まあ、ココナッツですからね…笑)、飲みやすい一杯でもありました。…何だか嬉しくなった…というか、変にテンションが上がった出来事でもありましたね(笑)。
さて、2ステージ目の始まりです。この時はステージに板付きの状態から始まったので、演奏直前に改めて客席を見渡してみたわけですが、本当に溢れんばかりのお客さん!という感じに、ただただ自分は驚くばかりでした…。100人近いキャパシティを持つ Jz Brat ですが、この日のライブは素晴らしい事にチケットが既にソールド・アウトとなっていて、いわゆる満席という光景だったのです。しかし、実際にその数を目の当たりにすると、やはり実感というものが急に湧いてくると言いますか…、とにかく本当に嬉しい事です。より気合いを入れて演奏していかなくてはですね!
1曲目は、イントロに大幅なアレンジを加えた“I Wish”。かなり初期の曲ですが、自分と GG の出会いの曲も、正にこの曲だったような気がします。普段ではそんなに演奏しない曲ではありますが、節目節目でその都度アレンジを加えてライブで披露されており、やはり GG にとって大きな存在の曲であるという事が窺えます。今回はもちろんブラス・アレンジになるわけですが、テンポが存在しないオープニングの辺りは、スリリングである以上に、間の取り方やテンポの作り方等、人間性が非常に表れる場面でもあり、その部分でも魅力的なアレンジでした。演奏中も色々とこれまでの思いが交錯してきたりして、こうしてまた20年目、30年目でも演奏したい曲でもありましたね。その時は一体、どのようなサウンドで自分達に姿を見せてくれるのか…。やはり楽しみな部分は沢山あるのです。
また1曲でブラスは抜け、次に自分達でやる曲は、リーダーの上杉君とギターの寺岡の共作であるという、新曲“Saxual Harassment”でした。まあ、サックスを捩った造語である事に間違い無いタイトルですが(笑)、これがバリトン・サックスがブリブリの難解曲で、リズミカル且つファンキーなナンバーに仕上がっておりました!…これが今後成長していく曲と思うと、もっと弾き込んでいきたいという気持ちも尚更です。…成程、まだまだ今後の展開が楽しみなのが GG なんですよね!
そして、お馴染みのナンバー“Tsugumi”、“Side By Side”へと繋げました。特に前者の曲は、それぞれのソロを思う存分楽しめる曲となっており、今回は飛び入り分も含めて、計5人のソロ(ベース⇒トランペット&トロンボーン⇒ソプラノ・サックス、アルト・サックス)を聴かせてくれました。これは流石に圧巻で、それぞれの楽器の可能性を、そして楽しみを限界まで見せてくれたというか(笑)、非常に面白い時間だったと思います♪…もちろん、アドリブというのは自然発生的にフレーズが生まれてくるので、この時の演奏は正に今でしか聴けないものだったわけです。こんな贅沢な時間もなかなか無い…そんな事を思わせたくれた時間でもありました。
その後は、改めてブラス隊の皆さん方をお呼びして、2ステージ目のクライマックスへ…というか、この日のライブのクライマックス…と成り得る“眠りから覚めて”と、自分のオリジナル曲である“Hagatna”で、締めさせて頂きました。これらも常に熱い演奏であった事は間違い無く、サックスのお馴染みのソリはもちろん、ブラス隊のソリ、続けてそれぞれのソロ、もう最後まで畳み掛けていく感じです。休む暇などありません(笑)。
しかし、やはり個人的には、“Hagatna”のピアノとドラムの掛け合いについて触れておきたいです。この日はドラムの秋航から、今日はもう引っかき回す!…との言葉を頂いており(笑)、とにかく暴れるソロというのを見せてやる!…ぐらいの勢いで挑んでいきました。そう言えば、今でこそ“掛け合い”…と書いていますが、自分は直前までドラムソロ…ぐらいに思っていたのは事実です(笑)。しかし、若干予想通り、自分にもソロを突然受け渡され、掛け合いという状況になっていったという次第です。
この時に考えていたのは、今までの展開には極力しない事、何をやってるんだか、よく分からない状況にする事…、後は、とにかく秋航を見てる事…。この3点くらいでしょうか…(笑)。もう、ソロが始まったら自分でも正直よく分からないのです。とにかく音に反応するというか、後は指に任せると言いますか、結局は素早い反射と判断力が大事な場面ではありました。そしてそれらの事はほぼ実行出来たように思います。また、こういう時に忘れてはいけない事に“適度な遊び心”というのがありまして、実はこの日のライブに一番必要なものくらいに自分では思っていました。それらの集大成…というと、少し言い過ぎかもしれませんが、自分では楽しい時間が過ごせたと思っています。環境にも反応するくらいの気持ちで曲に向かえたから良かったのかもしれませんね。
ここで本編は終わりですが、拍手が鳴り止みません…。GG が結成10年を迎えるにあたって、本当にお客さんに支えられてここまでやってきた。そんな思いが交錯する時間になりましたが、ここでサックス隊の4人だけで1曲、サックス・アンサンブルの“Song For Lovers”という、副田君の、言わばクラシック風のオリジナル曲を披露しました。…やはり、GG の原点はここにある。1ステージ目のオープニングでも書きましたが、GG とクラシックというのは、自分が思っている以上に切り離せない関係にあるのかな…と思いました。今後も、是非こんな曲を聴かせてほしいなと、素直に思っている自分がいたものです。
再度リズム隊を呼び込み、今までの10年、そしてこれからの10年という思いを込めて秋航が作曲した“Next 10 Years”という曲で、本当に最後の曲となりました。もちろん今回が初お披露目の曲ではありますが、やはり曲の持つ力というのは凄いですね…。タイトル通り、本当に、10年という節目を感慨深げに思えと言わんばかりの心境が頭を廻ったのです。
余談ですが、この日のステージは GG では初めての入れ替え制となっていまして、通しで予約すると、やはり値段もそれなりのものになってしまうという事態が発生していましたが、そこに対するメンバーの少しでも感謝の気持ちを…という事で、通しで予約をして頂いた方には、この日演奏した先程の“Saxual Harassment”と、この“Next 10 Years”の2曲が入ったCDを、無償で差し上げる!…という特典を付けていました。かなり太っ腹な内容ではありますが、要するにこの“Next 10 Years”という曲は、これまでに何度も練習し、そしてレコーディングとしても何度も演奏した曲でもあったわけなのです。
しかし、この時に演奏した雰囲気というのは、そのどの時とも違うものでした。アンコールで本当に最後の曲だったからなのか、曲調によるものなのか…分かりませんが、曲にはやはり自分では見えない力を持っているというのは本当だな…と思いましたね。そしてこの曲が終わって、GG は現実的に新たな10年を踏み出すのです…。多くの方に支えられ、今までやってこれた演奏活動でもありました!…この日に限らず、GG というバンドのライブに足を運んで頂いた皆さん、そしてライブ等、バンドの運営面で協力して頂いた皆さん、そして何よりメンバーの皆さんに、改めて感謝の意を伝えたいと思います。どうもありがとうございました。そしてまた、これからもよろしくお願いします!
ここからはもう、お疲れ&飲み会モードです(笑)。これらはあまり詳しく書いてもしょうがないので(笑)、この辺りに留めておきますが、自分が GG というバンドを手伝い始めたのは、2005年に行われた北日本でのツアー〔竹内大輔の写真日記(~2009)、2005年を振り返る(11月)参照〕からなので、もう5年目の付き合いとなります。こういった飲み会も、やり続けてもう5年か…と思いますが(笑)、GG の歴史はその倍の10年という歳月で、これにも驚いてしまいます。どちらにしても長い付き合いで、そして自分にとっても大きな存在である事は間違いありません。
よく聞かれますが、自分は GG では正式なメンバーではなく、あくまでもサポートという立場にいる人間です。それでも、皆はバンド・メンバーのように扱ってくれているので、ここまで楽しく、そして深い部分に身を置いて、ライブを続けてこれました。じゃあ、正式なメンバーになれば良いじゃないかと思われますが、この適度な距離感が、自分にとっては心地良いのです…。そして、その事も皆さんも分かってくれているからこそ、現在までライブを一緒にやってこれたのかなとも思っています。
常識的に考えれば、変な理由で続けているかもしれないですが、自分はそれが GG の何よりの魅力に繋がっていると感じますし、10年も同じバンドを続けられる所以はそこにあるのかな…とさえ思ってしまうくらいです。…はい、今後の活動も楽しみにしていて下さい!…次回ライブはお馴染みの 横浜 Hey-Joe にて、9月15日(水)に行います。ただ、ここまでずっと熱い文章を書いてきて何ですが、この日のライブが何をするのか、未だに全く予想出来ません(笑)。うーん、やはり GG は面白いバンドだ…(笑)。どうも皆様お疲れ様でした!
この後、朝4時まで飲み、その後は始発電車までの時間を潰しにジョナサンへと行くものの、何故か赤ワインを頼んで更に酔いが進み…。次の日1日、自分は家でぐったりでした。しかし、余韻に浸るには良い時間だったかもしれませんね♪…なんて、、、まだまだ GG にの流れには勝てません(笑)。
☆Generation Gap のHP…www.generation-gap.jp/
☆渋谷 Jz Brat のHP…www.jzbrat.com/
あの店は2度ほど行きましたが、料理も美味かったっけ。
写真、かなりイイ写りですね~(笑)
当日のキャメラマンがよかったのかしらん♪ワラ
ライブから3日間経った今も、まだ余韻が残ってます。
それほど、印象に残るステキなライブでしたぁ☆
また会場も綺麗でしたし、ピッツアもまいうーでした。
はい、また何か機会?でもありましたら…(笑)。
料理…は食べた事はないですが、賄いは美味しかった
ですから…結構美味しいのではないでしょうか?
>よぅこさん
そうですね、腕の良いキャメラマンに頼んだ甲斐が
ありました(笑)。当日は楽しんだと同時に、良き
思い出も得られた気がしました。これらの写真に
よって、それらの記憶が簡単に蘇られるのが良い
ですよね?…どうぞまたお越し下さいませ!
ドラムとピアノの掛け合いなんかサイコー!!
たけうち君の存在感ありありでなんか打ち上げ花火の後のような爽快感(^-^)たまりませんでしたよ♪
また、楽しみにしてるんで頑張って下さい!
腰ぬけになりました(笑)
本当に楽しくて楽しくて
たまらなかったです。
写真を見てまたいろいろ
思い出しています。
さすが「写真日記」!!
はい、花火を散らすような交戦で…(あ、火花を散らす…でした…笑)。
もう、集中力次第…という感じはあったかもしれません。確かに、
あれくらいになるライブというのは、GG 以外には見付かりません。
また、あのような環境も良かったのだと思います。また来て下さい!
>桂子さん
あら、お礼を言われてしまった…。こちらこそ、どうもありがとう
ございました!…腰抜けとはまた大変ですが、楽しんで頂けて
幸いと思っております。…そうです、写真を載せる事で、それまでの
思い出を簡単に振り返る事が出来る…。それこそが、この写真日記の
存在意義の1つでもあるのです。気付いて頂いて…さすが(笑)!