JR京葉線を走る車両というのは、現在、通勤型だけで、E331系、209系、205系、201系の4種類があります。このうち205系は、当初から京葉線に投入された、先頭車前面の形状が従来とは異なる車両と、山手線や南武線、埼京線、中央・総武緩行線から転入されてきた車両があるので、見た目には違う車両のようにも見受けられます。また、JR武蔵野線からの直通電車もやってきます。
しかし、今年の夏からはE233系という新しい車両が導入され、E331系以外は全て置き換え対象となっているらしく、車両のバラエティさから言えば少し単調なものになってしまうに違いありません…。そもそも、E331系は試験的要素の強い車両であるので走行する機会は少なく、基本的に京葉線は、E233系の路線…というようになってしまう筈です。
209系や205系の一部は、E233系の導入によって、他の路線に転属されるらしいのですが、今や首都圏の通勤路線では最古参の車両である201系は、これで間違い無く営業路線を引退となるでしょう。今やJR東日本では、JR中央快速線に2編成と、ここ京葉線に4編成が残るのみとなってしまいましたが、中央快速線では今年の10月に完全引退で、京葉線も、そろそろ終わりが見えてきた感じです。
つまり、色々とバラエティのある状態の京葉線に出会えるのは正に“今”であり、だからこそ、今回この路線を選んだという次第です。また、京葉線は珍しく、平日と土・日のダイヤが著しく異なっている路線でもあり、それぞれにしか運転されない列車・車両もあるので、基本の日にちを6月27日の日曜日とし(ピアノトリオのライブの前の時間に実行…笑)、6月14日の月曜日にも、ちらっと行ってきまし(笑)。色々と前置きが長くなってしまいましたが、そんな状況下の路線という事を、少しでも知って頂ければと思います!
●日時…2010年6月27日(予備日…6月14日)
●路線距離…43.0km ●駅数…17駅(西船橋への支線を除く)
京葉線は東京~蘇我間を結ぶ路線ですが、東京駅から京葉線に乗った事のある方は、その移動距離の半端無さに驚くかもしれません…。東京駅の東海道新幹線乗り場の近く、八重洲南乗り換え口からその通路は続き、約300m程の移動をし、そして更に地下深く潜っていかなければならないのです。特に、地下鉄丸ノ内線、JR横須賀・総武快速線からが遠く、恐らく、乗り換え時間が10分あっても、相当ギリギリな感じになってしまう事と思います。
これは、京葉線のホームが地下にあり、道路でいうと鍛冶橋通りという、かなり有楽町駅寄りな場所に位置している為ですが、それならば…と、有楽町駅から行ってみる道のりも紹介します(もちろん、いったん駅からは出なければなりませんが)。JR有楽町駅の国際フォーラム口を出て、そのまま国際フォーラムに向かって歩いていきます。そして、国際フォーラムの入口を右側に見つつ、そのまま東京駅寄りに進んでいくと、地下に進める入口(右下写真参照)が見えてくる筈です。ここまで、有楽町駅からは徒歩5分弱といった感じでしょうか。あとは地下に下りていくだけで、場所によっては、こちらからの方がスムーズと思う事もあるかもしれませんね。特に、地下鉄有楽町線からの乗り換えは、そう思いそうですが、地下鉄有楽町線を利用する人が京葉線に乗る時と言うのは、基本的にこの先の新木場という駅を使うというのが、皮肉と言えば皮肉です…(笑)。
さて、京葉線の東京駅ホームは2面4線あり、ここからは特急“わかしお”や“さざなみ”、そしてJR武蔵野線からの直通車両、そして快速や普通という種別もあるので、乗る時は注意しないといけません。今回は鉄道さんぽという事で、各駅停車で向かっていきたいと思います。
東京駅を出て次の駅の八丁堀駅は、地下鉄日比谷線と乗り換えられる駅で、快速も停まる重要な駅?なのですが、その次の越中島という駅は、京葉線だけの単独駅で、しかも普通しか停まらない駅(半分以上の列車が通過していきます)なので、乗降客数が非常に少ないです。調べてみると、なんと東京23区のJRの駅では、一番利用者数の少ない駅でした。そもそも、京葉線の列車の本数というのが、他の路線と比べると少なく、普通列車に至っては、1時間に4本しか運転されていないのです。つまり約15分毎…という事ですが、東京駅から2つ目の駅で、このような駅があるというのも不思議な感じはしてしまいます。ここまで地下駅であるので、地上からも目立たない駅ではあるのですが、都会から忘れ去られた場所…とでも言いましょうか(笑)。なかなか他では味わえない駅でもあります。
越中島駅を出ると地上に出て、開放感のある潮見駅に到着します。この駅は6月14日の平日に降りてみた駅だったのですが、越中島駅と同様、普通しか停まらない駅なものの、意外と利用者数は多かったように感じました。確かに辺りを見回してみると、以前は倉庫や鉄工所ばかりの場所だったのに、いつの間にかマンションや大型商業施設なんかも出来たりして、新しい街のような雰囲気を醸し出しておりました。ここで、JR京浜東北線から転入してきた209系500番台(左下写真参照)と、編成を途中で分割させる必要がある為に必ず201系を使う、貴重な平日のみの運転の通勤快速『成東・勝浦行き』(途中の誉田という駅で、行き先が2つに分かれる列車です…右下写真参照)を撮っておきます(この列車を写真に収める為に、平日という日に繰り出しました…笑)。
次の新木場駅は、地下鉄有楽町線や、東京臨海高速鉄道りんかい線等が乗り入れる、京葉線にとって乗り換え客の多い駅で、実際、朝の車内の混雑状況は、蘇我駅から来た列車はここまでがピークとなっています。自分も、基本的に京葉線に乗りに行く…と言ったら、有楽町線で新木場駅まで行く事が殆どです。乗り換えも簡単ですしね。それくらい、東京駅での乗り換えが面倒という話しでもあるのですが…(笑)。
ここからは暫く海沿いを走ります。お陰で風に弱く、よく“強風の為運転見合わせ”という文字をよく見ます。京葉線が運転見合わせになると、この辺りの代替路線は地下鉄東西線ぐらいしかなく、しかも近くても3~4kmくらいは離れているので、一気に陸の孤島となってしまうのが厳しい感じでしょうか。速さ的には便利なんですけどね。
葛西臨海公園駅、舞浜駅と、エンターテイメント施設のある駅が続きますが、舞浜駅はもはや平日でも賑わっていますね。言うまでもなく、東京ディズニー・リゾートの最寄り駅でもある為ですが、実はこの舞浜駅のホームの一番東京寄りは、京葉線の車両を撮る撮影ポイントとしても有名なのです(笑)!…上の写真を見ると分かりますが(どちらも205系という車両で、右が京葉線用205系です)、編成に障害物がまるで掛からないのがお分かりでしょうか。意外にこういった場所は都内近郊では少なく(一応ここは千葉県ですが…笑)、更に言えば、編成が少しカーブしているのが、写真写りを良くしてくれてると言いましょうか…(笑)。とにかく、自分がここを訪れた日曜日ともなれば、このポイントに6、7人は陣取ってましたね…。もちろん、目的の車両もあった為なのですが、これは後にお話ししましょう。
しかし、ディズニー関連の場所に行かずして、舞浜駅に降りた…というのは、今回が始めてかもしれませんね(笑)。何だか、いつもに増して、客観的にこの場所を見れた自分が面白かったです。今度この場所に来る時はいつになるのやら…(笑)。
…さて、先に進みましょう。次は新浦安という駅で、土日ダイヤでは、当駅で快速と普通列車の接続をとっています(普通列車が、後から来た快速列車の待ち合わせを行います)。この付近は住宅地ですが、場所によってはまだ東京ディズニー・リゾートが見える場所でもあり(特に、夜の花火とかは見れるでしょうね)ここから舞浜方面の線路を望むと、もしかしてディズニー・ランド(シー)をバックに列車が撮れるのではないか?…と思ってしまいます(笑)。そして、結果は左下の写真通り。…何気にディズニー・シーのプロメテウス火山がバックに入り込んでいるような…(笑)。これには相当な望遠レンズが必要ですが、ある意味京葉線らしい光景かもしれませんね。
新浦安駅を出ると、市川塩浜駅、二俣新町駅、南船橋駅と続きますが、この辺りは典型的な工業地域で、駅間も結構長い区間でもあります。市川塩浜駅を過ぎると、途中で西船橋駅方面に行く支線が分かれ、更に二俣新町駅にの先では、逆に、西船橋駅方面から来た支線と合流します。これは、高谷支線、二俣支線と呼ばれ、どちらも京葉線という扱いの路線なのですが、営業上はJR武蔵野線と案内されており、実際、京葉線に直通してきた武蔵野線しか、基本的にはここは通る事はありません。
要するに、路線図で見るとデルタのような形になっているのですが、面白いのは、このデルタの底辺となる京葉線上の、それぞれの分岐点の中間に、二俣新町という駅がある事です。先程も言ったように、この辺りは工業地域ですので、日曜日に利用しても、殆どお客さんは見かけないという状況で、路線状況上、武蔵野線はここを通らないので、何だか路線自体から忘れ去られた感が満載の駅でもありました…。遠くには、支線を通過していく武蔵野線の列車なんかも見え、特に悪い居心地ではありませんでした。こうした不思議な雰囲気を持った駅もあるのですね。
再び支線と合流し、南船橋駅へと着きます。ここは日中の武蔵野線との乗り換え駅でもあり、武蔵野線側から見ると、京葉線の東京方面へ行く列車と、こちらの南船橋駅に向かう列車に二分されているわけですが、本数的にはこちらの方が多いようです。…とは言え、元々の本数が少ない武蔵野線ですから(平日は1時間に5本、土日は1時間に6本の運転)、それが二分されてしまうと、更に本数が少ない事になってしまい、時刻確認は必須かと思われますね。
そして、新習志野駅です。ここは普通しか停まらない駅ですが、この先に京葉線の車庫(京葉車両センター)があり、ここを始終着とする列車も多いので、駅構内が広めに造ってあるのが特徴です。しかし今見ると、無駄に広い感じも拭えません…。それよりも不思議に思うのは、この駅のホーム形態です。この駅は、島式ホーム1面2線を単式ホーム1面1線2本が挟む、計3面4線のホームを持っているのですが、何故新浦安駅のような、2面4線のホームにしなかったのでしょうか。真ん中の島式ホームが、基本的には当駅を始終着とする列車が使うのですが、例えば当駅止まりの列車に乗ってしまった場合、ここから先に向かうには階段を介してホームを替えなければいけません。逆方面も同様です。路線上は、通過列車と当駅始終着列車が分けられて、分かりやすいのかもしれせんが、利用者にとっては不便この上ありません。どうも、旧国鉄の路線というのは、そんな感じの駅が多いような気がします。私鉄だったら、まず有り得ないような構内配置ですね。こうした、旧国鉄の遺産?も見られるのが、京葉線でもあるのです。
新習志野駅から次の海浜幕張駅までの間、車窓の左手に京葉車両センターが見えてきますが、早速、今後の京葉線の主力を担うE233系の姿が確認出来ました。しかも、その数は複数あるのが分かります。今度の夏まで、もう出番が待てない…といった感じでしょうか。この車両は、既に中央快速線、京浜東北線、東海道本線、常磐緩行線に投入されていますが、京葉線の赤色の帯を纏う姿というのは勿論この時に初めて見たわけで…、なかなか新鮮な感じで良いなと思いました。いつ頃この車両に完全に入れ替わってしまうのかはまだ分かりませんが、京浜東北線の例(現在、既に前者がE233系の路線です)からしても、それは本当にあっという間かもしれませんね…。
さて、そんな思いで海浜幕張駅に着きました。この駅では終日折り返し列車が多数設定されていて、この先は快速、普通を含めて1時間に計4本のみの運転となっております。最初に言ったように、京葉線は平日と土日ではダイヤが大きく異なっているのですが、それは特に快速の本数に表れていて、平日は1時間に2本の運転ですが、土日はその倍の、1時間に4本の運転です。やはり、沿線周辺に東京ディズニー・リゾートや、ここ幕張メッセ等がある為ですが、普通はどちらも1時間に4本の運転なので、この海浜幕張駅を境に、平日は快速2本と普通2本、土日は快速4本が、終点の蘇我駅まで運転されているのです(快速も、この先は各駅に停車をしていきます)。そろそろ東京から大分走ってきたなあという感じでしょうか…?
この駅で一旦降りつつ、先程紹介しそびれてしまった、京葉線のみに走っている貴重な車両、E331系(右上写真参照)について紹介しておきましょう。この車両、見た目はそんなに普通の車両と変わらないと思うかもしれませんが、よく見ると大きく異なっている部分が多々存在しているのです。
まず駅の列車案内表示板を見た瞬間に、この列車が来たかどうかはすぐ分かります。…というのは、京葉線の通勤型列車は全て10両編成なのですが(武蔵野線は除く)、この車両は何と、14両編成なのです。何故この車両だけ?…と思うかもしれませんが、実は列車の全体の長さは同じなのです。…どういう事かと言うと、つまりは1両あたりの長さが短く、そしてそれらは、前面と7両目~8両目の間を除き、台車が連接台車となっているのです。
言葉で説明するより、上の2枚の写真を見た方が分かるかもしれません。普通は、1つの車両につき、前後に1つずつ台車があるのに対し、この車両は、1つの台車の上に前後2両分の車両が載っかっているのです。こういった台車を連接台車、そして車両を連接車と言い、日本ではあまり採用例が無いのですが、有名なところですと、小田急電鉄のVSE車〔竹内大輔の写真日記(~2009)、町田 Herbie Xmas Live、2009!参照〕を始めとしたロマンスカー車両の一部、後は路面電車に少々…という感じです。そして、国鉄→JR保有の鉄道車両に限ってみると、営業運転を行っている例はこのE331系が初となり、かなり試験的要素が強い車両である事も分かると思います(この写真、1編成のみの存在です)。
…故に、運転中の姿を見かけるのは本当に少なく、基本的に土日(もちろん祝日も含みます)のみの運転で、その運用も基本的に決められています。逆に言えば、運用さえ知っていれば乗り(撮り?)狙える車両でもあり、今回、この車両目的の人も結構いたように感じられました…。恐らく、今の京葉線の土日における日常風景なのかもしれません。先頭車両は、ロングシートとセミクロスシートを自由に換えられる機能を持っている車両でもあり、かなり個性的な車両でもあるのですが、どうやら試験期間は今年までらしいので、今後ちゃんとした量産車が出てくるのかどうかはまだ分からない状態です。そんな状況で、普通にE233系の登場が決定ですから、本当に今後がどうなるのか、全く読めない車両でもあるのです。もしかしたら、乗るのも見るのも今のうちなのかもしれません…。
さて、海浜幕張駅を出ると、後は終点の蘇我駅まで、いわゆるニュータウン風の車窓が続いていきます。検見川浜駅、稲毛海岸駅と停まり、一時期は終点だった千葉みなと駅を過ぎて、左手から外房線が合流してくると、終点蘇我駅です。路線上では終点ですが、特急列車や一部の電車には、この先、外房線、内房線に直通する列車も多数設定されています。
ここまで、快速列車なら東京駅から約45分という感じでしょうか。以前は通過駅がもっと多かったので40分ぐらいでしたが、快速と普通の混雑平均化という名目で、本数の削減と若干のスピードダウン(快速の海浜幕張駅~蘇我駅間の各停化)が行われて、このような状態になっているのです。それでも、当駅から総武線快速経由で東京駅に向かうと、約50分は掛かってしまうので、やはり京葉線は“使える”路線なのかもしれませんね…。特に、この先の外房線、内房線沿線の人には、一気に都心を近付かせた路線とも言えそうです。今後E233系ばかりとなった京葉線はどう映るのか…。まだまだ興味は尽きない感じですね!
最後に、葛西臨海公園にある風景の写真でもどうぞ♪…実は京葉線は、自分が思っている以上に色々な側面のある路線なのかもしれません。ディズニー・ランドに行くだけの為に使うのではなく、是非“今”の京葉線の良さを味わいに、乗りにいらして下さい!
何だかんだで5分ぐらいで通過しましたが(笑)。
そうです、要するに台車とは、車両の車輪の
事を指しています。こうして、知らぬ間に
鉄道用語を覚えてしまうのも、鉄道さんぽの
1つの目的だったりして…(笑)。いやいや、
こてでは洗脳になってしまいます…。また
次回の路線を、楽しみにお待ち下さいませ!
>にーにさん
そうですね、確かにあそこから武蔵野線で1本で
東京へは行けますが、恐らく1時間に2本ぐらいしか
無かったような気がします。南船橋経由もありますが、
こちらは少々時間が掛かるという事で、なかなか
難しい選択でもあるんですよね。自分もそれは直面した
事のある問題だったので、懐かしく思いました(笑)。