レコーディングは、目黒区に位置するスタジオメックという場所にて行われました。真ん中に広いブースが設けられ、そこにドラムの場所とし、それを囲む形で幾つかのブースに分かれているという、コンパクトながら使いやすいスタジオでした。勿論グランドピアノも置かれていて、現在の TRI4TH サウンドを生み出すのに十分な環境で、レコーディングを行う事が出来たと思います。エンジニアは、TRI4TH を始め、メンバーが関わるバンドのレコーディングの半分以上を担う(…と思います…笑)、お馴染みの速水さん。自分達も安心して演奏に打ち込む事が出来るわけです。
レコーディングは今回も3日間が設けられ、全部で10曲程の収録曲が予定されていました。この曲数は、過去に同じ日数で録った曲数(前回は15曲!)からすると、随分と余裕を持ったスケジュールかと思うかもしれませんが、今回のレコーディングでは積極的にオーバーダビング(最初に録音した音声に対し、再度同じ音声等を重ねて録る手法)を駆使した結果、1つの曲に掛かる時間も増え、これでもギリギリの作業だったように思います。…故に、時間は掛かりましたが、新たな TRI4TH サウンドが期待出来るかもしれません。
分かりやすいところですと、バンド編成で完成させた楽曲に、織田君はバルブトロンボーン、藤田君はバリトンサックス等を使用し、管楽器の厚みを生かしたサウンドを再現させてみた事でしょうか、トランペットとテナーサックスの2管が TRI4TH の基本サウンドなわけですが、これらに1本、もしくは2本の管楽器を重ねる事で、予想以上に重厚な雰囲気を作り上げる事が出来るのです。これらは、アイデアを出した自分達としても、いざ録音して聴いてみないと雰囲気は分からない事でもあるので、お試し要素も大きかったのですが、見事にハマりました。
そして、クラップやボンゴのサウンドも取り入れてみます。そもそもは曲のノリを出す為に入れてみた部分も大きかったのですが、特にボンゴは、曲の雰囲気やビートを変化させる要素にもなったりするので、こちらも新しいサウンドの一部と言っても良いのかもしれませんね。タカオさんが大活躍の時間でもありました(笑)。
エレクトリックなサウンドにも挑戦してみます。これらは効果音という要素が大きかったかもしれませんが、さり気なく入るものや、あからさまに主張してくるもの等(笑)、それぞれに味付けセンスが垣間見られ、聴く側への刺激となってお届け出来るのではないかと思います。これらの音色にも注意して聴いてみると面白くなるかもしれません。
また、これらはオーバーダビングとは異なりますが、織田君がフリューゲルホルンでメロディをとってみたり、いつものソプラノサックスとピアノのデュオ曲も挟んだりして、曲調に変化を付けていきました。実は今回のアルバムは、相当勢いのある楽曲ばかりが収められていまして、それは今まで一番なのではないかと思うくらいなのですが(笑)、その中にこうした音色の変化は必須です。…とは言え、あまり柔らか過ぎる雰囲気にもならないのが今回の特徴かもしれないのですが、良いバランスに仕上がるような気がしています。これらは、演奏していて既に手応えを感じているからなのです。
そして今回の試みとして、Chihiro さんによるボイスを重ねてみた事はとても大きなスパイスとなりました。歌として入れているわけではなく、ナレーションのような、呟きのような感覚をもって、曲中に英語の言葉を吹き込んで貰っているのです。これがまたメンバーの予想を遥かに越える出来映えで、これによって自分達の今回の作品に1つの指針が通ったと言いますか、作品全体の雰囲気がギュッと締まる事にも繋がった気がしました。とにかく、聴いてワクワクすると思います。
こうして無事に終了したレコーディングですが、今回の作品のリリース時期はもう決まっています。それは今年の10月で、Playwright からのリリースとなります。今後、メンバーのアー写やPVの撮影にも移行していく筈で、いよいよリリースに向けて、録音以外の準備が動き始めてきています。本当に自分も楽しみです♪…新たな TRI4TH サウンドを追求しつつも、これまでの TRI4TH サウンドもしっかりと残っており、自分達を知っている方でも御存知無い方でも、無条件で楽しめるのではないでしょうか。とにかく10月が待ち遠しいですが、もう暫くお待ち下さいませ。まずはレコーディング、お疲れ様でした!
☆TRI4TH のHP…http://www.tri4th.com