場所は、いつも本番前に寄らせて貰っている蕎麦屋…というのも考えたのですが、実行した日がお店の定休日と重なってしまっていました。では、場所を吉祥寺に関係する所…という事で、焼き鳥屋として有名な、いせや総本店を丸本さんに選んで頂きました。芸能人やミュージシャンにも愛好者が多いというこのお店。お互い、自分達もそんな登場人物の1人になれたら良いなと思いつつ(笑)、またまた深い話しをしてきたのでした。どうぞ御覧下さいませ!
●日時…2015年5月25日 ●場所…吉祥寺 ●お店…いせや総本店
竹内(以下、緑で表示)「はい…、ではお願いします。」
丸本(以下、赤で表示)「よろしくお願いします。…ゴチになります(笑)。」
「いえいえ、お蕎麦屋もやってたら、行きたかったですけどねー。」
「ね!…あそこで飲む…いうのも…、まあ、オツだよね(笑)。」
「ははは(笑)。いつもライブ前に行ってるから、居られて1時間ぐらいですもんね。」
「そうそう。しかも俺は、そんなに飲めないし…。」
「でも、自分の周りのミュージシャン括りで言うと、ライブ前に必ず小一時間ぐらい、
言うならばサシ飲みみたいな状態になって話す人なんて、他にいないんですよね(笑)。」
「そうだよねえ。」
「そうなんですよ、そして月に1回必ずですし。」
「これ(『奢らせて頂きます!』)って、だいぶ前からやってるよね?」
「そうですねえ…、5年くらい前からやってますね。今回で30回強ぐらいです。」
「そう。だから、これを始めてた時に、へ〜…っと思ってて、
それで、俺もいつか順番が来るのかなあと思ってて…。」
「お待たせしましたね(笑)。」
「でも俺、毎月一緒にしてるから…(笑)。そりゃそうだよなと思って。」
「そうなんですよね。今みたいな状況が、特に珍しくないというか…。」
「そうそうそうそう。他はやっぱ、バンドメンバーというか…?」
「そうですね。まあ、そしてなるべくタイムリーな人を取り上げたい気持ちはあります。」
「ほうほう。」
「例えば、今度何か一緒にイベントやる人とか、CDを近々リリースする…とか。」
「プロモーションの一環というか…(笑)。」
「…プロモーションになるかどうかは分からないですけど(笑)。」
「その、こういう取り組みをやり始めたのを見て、何で?…っちゅったらおかしいけど。」
「…でも、その時はもう知り合いでしたよね。」
「知ってる知ってる。」
「2010年ぐらいからやり始めたから…。」
「だって2007年だから。」
「おおー。」
「俺と大ちゃん(丸本さんは竹内の事をこう呼びます)、何やかんやで。」
「じゃあ、8年経ってるんですか(笑)?」
「あっははは、そうよね(笑)。凄いねー。」
「経っ…てますねー(笑)。」
「2007年の10月からだから。」
「おー。…もう、今日は丸本さんが、そういうのは既に調べてきてくれてる
だろなって思ってて、敢えて自分では調べてこなかったんですよ(笑)。」
「毎月、ライブの選曲をする時に、今までのセットリストを見てたりするから…。」
「なるほど。凄いですよね。全部まとめてありますもんね。」
「そう。だから、もうライブも50回以上やってるのかな。」
「我ながら、凄いわー(笑)。」
「そう、それで大ちゃんって、一人っ子…よね?」
「そうですね。」
「一人っ子で、ピアニストだから…、何て言うか、ある意味で我が道を行けるというか。」
「まあ、環境的にもね。」
「来る物拒まず、去る者追わず…みたいな(笑)、そういうスタンスが何となく
感じられたんだけど、それで自分から扉を開けるような行動に出てたから…。」
「あー、なるほど。」
「…そう、その時に、あれ!?…って思ったのを覚えてる。」
「…まあ、敢えてやり始めた…ってところはありますよね(笑)。」
「ね!…敢えてだよね?」
「今までそういう機会は無かったし、ヘタしたら避けて通ってきてたかもしれないし。」
「やっぱ…そうだよね?」
「はい、このままで良いのかな…、みたいな(笑)。」
「はははは(笑)。なるほど、それは貴重な意見を…(笑)。何でかなとは
思ってたけど、具体的な何か大きな事があったって事ではないとは思ってて、
それこそ今みたいに、このままで良いのか…何となく?…みたいな。」
「まあ、何となく…と言えば何となく…ですかね。」
「そうね。そのスタンスは人それぞれだし、変わってくるから。」
「まあ、その…ブログを新しくして、ちょっと定期的な企画ものをやりたい
…というのと、まあ自分的に、今までの殻を破ってみたいな…という。」
「おー、人との関わりを…。それで、どうだった?
…って、俺が質問ばっかりしているけど…(笑)。」
「はは(笑)。でも、もう1つの理由として、ミュージシャンって、普通の
お客さんからすると、ステージ上の人であったり、ライブハウス内の人でしか
ないじゃないですか。でも、楽屋での話しとか、普段もっと面白い部分とか
あるのに、これを伝えない手はないな…と思って、こういう企画になったんです。」
「はいはい。」
「なんか、サシ飲みでもしないと出てこない話し…ってあるじゃないですか。
それを見せられないのは勿体無いなと思ってて。それでブログも新しく
したし、自分もサシ飲みとか殆どやってこなかったから、丁度良いと思って。」
「あー。」
「そう、だからそこに『奢る』はどうでも良かったんですよね(笑)。
…まあ、そうした方が企画的に面白いかなと思いまして。」
「うんうん、…いや、面白いよ。なんちゅーの?
『えっ!?』って思う企画よ、積極的だし(笑)。」
「ははは、積極的(笑)。…まあ、奢った方が続けられるとも思ったんですよね。」
「あー…。」
「ただのサシ飲みだと普通過ぎて、続けなくても良いか…みたいな考えになりそうで。」
「なるほどね…。よく…考えたね。」
「まあ、結果的に続いてますしね。2010年から始めて、前々回で31回目になって
6年目に突入したんですけど、その時にミキヤ(伊藤樹明君)ってやつを誘いまして…。」
「ああ、あの子供の時から知ってるっていう…。」
「その時に、ミキヤが20歳になって、お酒を飲めるようになったんですよ。」
「あー、そう…。」
「そう。だから、とりあえずミキヤを誘うまでは続けようと思ってて。」
「ほぉー、ブチなあれが一杯あるねぇ。」
「1つの目標はそれでした。それもあって続けられたかもですね。」
「そうだね、やはりそういう具体的なものがあるとね…。」
「まあ、そんなミキヤも、また3ヶ月ぐらいニューヨークに行くみたいですが。」
「ミキヤ君?…それを言ったら、大ちゃんと始めて対バンした時、俺、見てるからね。」
「あ、そっか!…対バンしたんですもんね!」
「それこそ、その時は、子供っぽくて…」
「だって、2007年ですもんね、12、13歳とか?…そりゃそうだわ(笑)。」
「そう、だからその子がニューヨークに行くなんて、もうそんな歳になったか…と。」
「はは、そうですね。むしろあいつ、めちゃめちゃ酒を飲むんですよね。
テキーラを美味しく感じてきた…とか、ウイスキーはロックが良い…とか。」
「はは、面白いね(笑)。」
ーーーーーこれからのライブーーーーー
丸本「来月がワンマンで、7月が広島…。」
竹内「そうですね。広島とか…急に決まりましたよね(笑)。」
「初め、夏の3連休が7月のそこぐらいしかなくて、
広島に帰るなら、そこしか無いねーと話してて…。」
「なるほど。」
「大ちゃん、この連休の土曜日、空いてないやろかーって、駄目元で聞いてみるかと。」
「はは(笑)。」
「そして、ほほー!…出来るーと。」
「でもホント、7月の週末はそこだけ空いてたんですよ。後は殆ど地方に行ってて。」
「ラッキーだったね。」
「ね。またライブのついでにどこかに行きたくなってしまいます(笑)。」
「あと、今年こそ新潟でのライブをやりたいと思ってて。」
「おー、いいですね。」
「そう意味でも、今回の順番は俺がピッタリだったね(笑)。」
「ははは、トピックありますもんね(笑)。」
「あ、じゃあ、今回大ちゃんが『丸本さん、いってみようか』…のタイミングっていうのは。」
「今回ですか?…まあ、広島もあるっちゃありますし…、ワンマンが近い…からですかね。」
「でも、これがブログに挙がるのは、何ヶ月後とかなんだよね(笑)。」
「はは、そうですね。…実際、もっと掛かるかもしれませんが(笑)。」
「それこそね、大ちゃんのツアーの時のブログもあるし。」
「そうなんですよね。丸本さんの始めての広島ツアーのブログなんて、開催の1年後に
やっと完成しましたし〔丸本達也、広島ツアー(2013.12.23〜12.24)参照〕(笑)。」
「あれも凄い記事だったよね。可部線とか乗りに行ってて…。」
「そうそう、『鉄道さんぽ』も兼ねましたね(笑)。
今、広島のJR線に新しい車両が入り始めたんですけど。」
「ほうほう。」
「あのエリアって、JRの車両は大体が中古車両で占められてたんですけど、
ついに新型車両が投入される事になりまして…。色が赤いんですよ(笑)。」
「!?…それはまさしく…(笑)。」
「ね。絶対にそうなんですよ(笑)。赤いラインが入ってるんですよ。」
「あー、そう(笑)。」
「いわゆる、広島地区にしか走らない車両になるみたいで。
可部線も含めて、旧型電車を全部置き換えるみたいです。」
「へー。…というか、それを知ってるのが凄いよね(笑)。
じゃあ、広島に来たなら、これに乗らないと…だよね。」
「乗らないと…ですかね(笑)。でも、まだまだ数が少ないみたいで。
今から計画的に乗り方を考えるか、もう少し行き当たりばったりにするか…。」
「1日あれば結構乗れそうだよね。」
「そうですね、前回が正にそうで、あれで可部線とか、広島電鉄も全線乗れたので。」
「呉線とか良いんじゃない?」
「そうなんですよね。まだ乗った事の無い線なので。結構候補的には上位です(笑)。」
「呉線から海越しに見える島が、俺の生まれた島だからね。」
「あー、そうですよね。」
「島から遠くに呉線が走っているのが見えて、凄い都会だなと思ってたんよね(笑)。」
「はははは(笑)。」
「あれ、気のせいなのかな。ガタンゴトン、ガタンゴトンって聞こえた気もするんだよね。」
「あー、でも、島が凄い静かな場所だったら、聞こえそうですよね。」
「そうよね。静かな海だしね。」
「うーん、島に行っても良い気がしてきたな(笑)。宇品から。」
「あははは(笑)。いずれにしても、1日だけだと勿体無いよね。」
「そうなんですよね。更にもう1泊して、連休の最終日に帰るのも有りなんですけど、
東京行きの飛行機の値段が結構高くなっちゃうみたいで…、微妙なんですよね。」
「電車だけで帰るのは有り?」
「……。検討しましょう(笑)。」
「あはははは(笑)。」
ーーーーー島の人ーーーーー
丸本「生ビールで良い?」
竹内「そうですね。あ、あとモツ煮をもう1つ下さい!」
「…美味しいよね。」
「美味しいですよね。」
「いま思い返すと、凄い所に住んでたなと思うもんね。」
「あー、そうなんですね。」
「子供の頃、夏休みとかあるじゃん?…早朝にラジオ体操で学校に集まってやった事が
あるんだけど、何かの時に間違えて、1時間早く行っちゃった事があるのね。」
「あー、はいはい。」
「…で、1時間じゃ帰るのも面倒臭いから、学校の裏の海のところで遊んだりしてて。
それで、日頃から静かな所なんだけど、朝方だからもっと静かじゃない?当然。」
「ふんふん。」
「それで俺、かなり辺境な所で生きてるんだろうなと思った記憶があるよ(笑)。」
「ふーん…(笑)、子供ながらにして。」
「子供ながらにして…。やっぱり子供って、自分中心じゃん、ある意味。そこが
世界のセンターだぞ!…ぐらいに思って当然で、そうあるべきというか。」
「そうですね。」
「…なんだけど、あれっ?…って思って(笑)。ちょっと中心の感じじゃ
ないぞって。…なんかその時が、少し大人になった瞬間かもしれないよね。」
「へー。それって、幾つぐらいの時ですか?」
「小学校の時。なんかそれを今、思い出したね。」
「確かに、大人ですね(笑)。」
「それでね、思い返したらアラン島もね、子供の時に映画でね、『アランの男』
かね、それこそ白黒の映画で、うちにもDVDがあるんだけど、それが
水曜ロードショーでやってて、それを見た時に、俺はまあ子供だったから、
もう寝なきゃって感じだったけど、それがね、ホントにつまらん…のね(笑)。」
「あははは(笑)。そうなんですか!」
「ストーリーも何も無いし、一応ドキュメンタリーなんだけど。」
「はいはい。」
「あのー、スーパーやらせたっぷりのドキュメンタリーって噂があって…、」
「えー(笑)。」
「要は、普段生活している感じで…って言われて撮ってる…みたいな。」
「なるほど。」
「…で、その映画の端っこを見た時に、『これってどういう所なん?』…って
親に質問したのかな。それで、俺が住んでた所が江田島の切串って所なんだけど、
『切串みたいな所よ』…って言われて、その形容詞も自分ではよく分かって
いないんだけどね、実は。客観的なものが無いから。他、知らんし…みたいな。」
「まあ、そうですよね。」
「それが俺の中でね、思い出した…っていうか。」
「最近…って事ですか?」
「最近というか、曲を作ったり、アラン島に行ったりした後。」
「ふーん。」
「あれ、もしかして、そういうあれでアラン島に惹き付けられたのかな…って。
ね…不思議なものだよね。向こうの人達も皆、辺境にいるわけで…。」
「アラン島は人口はどれくらいなんですか?」
「それこそ200人くらい。でも、アラン諸島は
3つ島があって、もっと大きな島もあるんだけど。」
「へー。」
「それで、アイルランド人って、言葉が雄弁らしいのね。」
「おー、そうなんですか。」
「詩人とか…。言葉のリズムとかも独特だったりするらしいんだけど、
だから喋り方で、お前はアイルランド人か…って分かるような。
それで、ジョン・ミリントン・シングっていう劇作家が住んでいた
アラン諸島の1つのイニシュマーン島に、俺が旅行で行った時に、
泊まったB&Bの隣りにそのシングのコテージがあって。」
「おお。」
「これって、そうよね?…と思って興奮してたわけ。それで、
その事B&Bの人に伝えたら、『ジョン・ミリントン・シングの
コテージも、お前の事を片目で見てるよ』…って言うんよ。」
「あははは(笑)。」
「勿論、英語でだけどね。なんか、ポカーンとせざるを得なくて。」
「詩人的に言ってくるわけですね。」
「そうそう。だから、そういった雄弁さの部分を、噂では聞いて
いたけど、実際にこういう事か…というのを感じられたんよね。」
「いいですね。身をもって体験した感じで。」
「そう。結局、そこでは1泊しか居なかったけど、“スランチェ”
(丸本さんのオリジナル曲)が出来たからねえ。」
「甲斐有りですよね。今や代表曲ですものね。」
「代表曲代表曲(笑)。」
ーーーーー代表曲ーーーーー
丸本「ちなみに、代表曲で言うと…。」
竹内「はいはい。」
「“まわっているのは”とか、“スランチェ”は代表曲っていう感じが
あって、それこそ敢えてリハーサルもしないじゃん?…その方が
本番ならではの楽しみを味わえる事もあるから。…で、その次に
大ちゃん的に、これ、イイなあ…って思う曲っていうのは…(笑)。」
「おーー…。そうきますか(笑)。」
「そう…きます(笑)。」
「でも、“まわっているのは”と“スランチェ”だと、自分的に全然違う位置付けというか…。」
「あー…。」
「その、“まわっているのは”って、自分が手伝う前からあった曲じゃないですか。」
「あ、なるほど。」
「それで、“スランチェ”は自分が共演しながら出来た曲だから…、」
「そうだね、そうだね。」
「だから“まわっているのは”は、自分的に“つかまえ手”とか、“ハーフムーン”の括りですね。」
「でも、“つかまえ手”も“ハーフムーン”も、大ちゃんが初めてよ?」
「え、そうなんですか?」
「そうそう。大ちゃんが、初めてそれらの曲を弾いた人よ。」
「あれ、勝手に昔からある曲だと思ってました(笑)。」
「まあ、自分1人で作って歌ってた…というのはあるけど、
自分以外で弾いたのは大ちゃんが初めてよ。」
「“酔いどれ男”は?」
「あれも古いけど、それも自分1人でしか歌ってないから。」
「ふむふむ。」
「でも、それらと“スランチェ”はやっぱ違うと。」
「そうですねー、ちょっと違いますね…。」
「なるほどねー、なるほどなるほど…。ま、そりゃそうだよね。
まあ、“スランチェ”なんて、大ちゃんが作ったようなものだけど(笑)。」
「いやいや、そんな事ないでしょ(笑)!」
「(笑)。編曲もしてくれるし。」
「まあまあ(笑)。でも、アラン島に行ったからこその曲だと思いますしね。」
「…で、この前調べてビックリしたんだけど、2008年とか2009年って、
年に1回か2回ぐらいしかライブをやってないんだよね?…で、何ヶ月振り
ぐらいとかにライブをやるから、凄く気合いを入れて、大作っぽいものを
書きたがる傾向にあったのね(笑)。今は毎月だから、毎回大作を作って
いたら、ステージングで他の曲と並べる時に、並べられなくなっちゃう…。」
「そうですよね。」
「全部ステーキ…みたいな(笑)。…で、さっきの質問で言ったら、
これは結構面白いな…と思う曲というか、何かあったら…。」
「あれ、面白い曲?ですか?…代表曲次点みたいな感じではなくて?」
「あ、いやいや。単純に、好きな…という感じで良いんだけど。」
「あー、まあ好きなので言ったら、色々ありますけど…(笑)。」
「うんうん。」
「えーと、“優しい人には敵わない”、“こゝろ”。」
「おーーーー。」
「メインでは無いですけど、“ワスレンサンナ”。ただ自分が好きなだけですけど(笑)。」
「おー、大ちゃん、昔からそれ、そうだったよね。それって…どういう所が…。」
「いや、分からないです(笑)。」
「はははは(笑)、イイね、それ!」
「あはは(笑)。特に理由は…無いんですよねー(笑)。個人的過ぎますかね。」
「いえいえ、勿論、勿論。」
「“Fifteen”は、これ、来たな…って思いましたけどね(笑)。メインになり得る。」
「あー、なるほどなるほど。」
「気持ち的にもね。」
「特に今年はね。」
「そうですね(笑)、ドラマがありますものね。」
「くっくっく(笑)。」
「そんな感じかなあ。あ、あと、“パッセイジー”とか…、でも、メインな感じではないか。」
「そうだね。いや、メインじゃなくて良いのよ。逆に、
メインじゃなくて、何か良いのがあるのかな…って。」
「はいはい。」
「“パッセイジー”は…、面白いよね(笑)。」
「面白いですよね。何か、ドキュメントみたいな…(笑)。」
「ドキュメントみたいだし、自分でも、あの曲を作りながら、この
話しはどこに行くんだろう…みたいな感じがあるじゃない?…でも、
やっぱりある程度は良い話しにしていきたいじゃない(笑)。」
「…でも、まあイイ感じに(笑)。なんか、こんなやつ、いるよなぁ…みたいな。」
「大ちゃんも、旅行とかで、こんなやつ会った事ある?」
「いやー、無いですよ、実際。でも、なんか、街のどこかにいる気はするんです。
それこそ、映画の1シーンに出てくる人…みたいな。恐らく重要な登場人物では
ないんですけど、その特徴ある人のお陰で、ストーリーが豊かになる存在というか。」
「そうそう。俺も、映画に出てくるやつみたいな感じを
想像しとったんだけど、正にそんなやつだったから(笑)。」
「その豊かな感じにさせてくれるのが、この曲の魅力かもしれないですね。」
「おー、凄いね…。」
「“魚が跳ねても”とか、演奏していて楽しい曲ではありますけど。」
「おーーー。あれ、大ちゃん、ライブのやつを録音したのがあるじゃん?」
「あ、はいはい。」
「あれ…、凄いよ…。」
「はは(笑)、ありがとうございます。」
「“魚が跳ねても”も変わった曲だよねえ…。」
「そう…でしょうね(笑)。」
「変な話し、俺も毎月新しく曲を書くじゃん?…よくこんなの書けたな…って。」
「そうですね。他にこういうタイプの曲も無いですしね。」
「不思議だよねー。曲を書く時に、昔の曲を掘り出して、ギターで1人で
歌ってみたりするんだけど…、よく書けたなと(笑)。大ちゃんも、ない?」
「まあ、あるような無いような…(笑)。昔の曲の方がシンプルだったかなー
…と思う時はあるますけど。最近の曲は、ひと癖加えようとしてるというか。」
「それは、俺もあるかも…。」
「今でも、シンプルな曲は書こうと思えば書けるんでしょうけど、それは既に、
敢えてシンプルにしよう…って思ってますからね。たぶん、昔は意図的で
なく、結果的にシンプルになってたんですよ。そこが難しいですよね…。」
「なるほどねー。…なんかパッと思ったのは、思い切り好きなように複雑に作って、
後からアレンジをシンプルにしていく…っていうやり方もあるかもしれないね(笑)。」
「あー。まあ、思うのは、前に作ったシンプルだった曲を、今の自分
だったらどのようにアレンジするのかな…って見てみる事はあります。」
「おー。」
「…って、思ったりするんですけど…。経験があるじゃないですか。今まで何度も弾いて、
人前でのライブでも何回も披露して…。それが邪魔して、うまく出来ないですね(笑)。」
「なるほどね。プレーンな感じで見れないというかね。」
「そうですね。今までの記憶が邪魔してるというか…。」
「なるほどなるほど。」
「あのー、先月、トリオの新しいCDアルバムを出したんですけど、その中で1曲だけ、
1番最初に出したアルバムから抜き出している“Monte Fiesole”って曲があるんですよ。
その曲だけソロピアノでやってて、そして今回はもっとシンプルに弾いてるんですね。」
「なるほど。」
「アドリブとかもやらず、テーマを弾いて終わり…みたいな。」
「おー。」
「それはつまり、今まで話してた一連の、自分なりの答えみたいなものでして…。」
「あー、そうか…。なるほど、そういうアプローチか。」
「そもそもが自分の曲の中でもシンプルな方だったんですけどね。より…みたいな。」
「なるほどー。」
ーーーーーつまり、究極は…ーーーーー
丸本「あの…、何だったっけなあ…、誰かの俳句でね。」
竹内「俳句!?」
「そう、俳句(笑)。言葉は忘れてしまったんけど、何たらの…何たらかんたらで…」
「おお…、かなり朧げ…(笑)。」
「なんか、畑かどこかに案山子がポツンと立ってて…とかいう言葉で、
一番最後が、何たらかんたら、ジャズもなし…っていうんよ。」
「ジャズもなし?…面白い。…え、調べたら出てくるのかな。」
「なんか女優の人が、『俳句王国』って番組でパッと出した
俳句だったんだけど、なんか格好良かったんよね。…で、俳句を
出し合った人がお互いの寸評もするんだけど、それもまた上手いのよ。」
「なるほど。」
「それで、その寸評の中に、ジャズは人生…って言葉が入ってて。」
「おー。」
「その、物悲しい雰囲気の案山子って、言わば生命体じゃない感じだけど、
それに付けた形容詞的な言葉で『ジャズもなし』ってのがズバっときて…。」
「そうなんですね。気になりますね…。」
「…だから、どういうふうな姿勢で、どういうふうな気持ちで、
日々を生きているかっていう気持ちを反映させて表現するのが、
そのプレイする瞬間なわけじゃない?…ジャズの人とかって。」
「まあ、そうですね。」
「…だから、俺の勝手な意見で言うと、その…論理的理屈的にアカデミックな
アプローチでの音の解釈っていうのは、大ちゃんからしたら、もう分かるよ
…って感じだと思うけど、それをどう消化して返せるようになるっちゅうか…。」
「ふむふむ。」
「技術…とかじゃなくて、真剣白刃取りじゃないけど(笑)、そういった部分?
…っていう意識がどれくらいあるのか?…大ちゃんの中で、というか。」
「はいはい。」
「…で、これは歳を重ねていくと、その意識が増えていくんじゃないかなって。
理屈の部分はもう身体が知ってるから良くて、後はどう返すかっていう所。」
「そうですね。」
「…で、上から目線になってしまうけど、この前に見たリハーサルとか
ライブとかで、大ちゃんが前と違う音になった!…って思ったんよね。」
「あー、前に言ってくれましたよね(笑)。そう、その時は、全然自分では意識
してないですよー…とか言ってたんですけど、丸本さんに言われてから、
ちょっと意識するようになってきたんですよね(笑)。俺、ちょっと前と
変わってるかも!って…(笑)。ここ1ヶ月…ぐらいですかね。」
「おー(笑)、そう。本当に、あのリハの時は、うわっ!!…ってなったから。
…まあ、これはジャンルを超えたという話しになるのかもしれないけど。」
「そうですね。もはや音楽のジャンルがどうたら…という話しではないですよね。」
「その、ジャンルを超えたという話しで俺が思っている事は、、、究極はね…。」
「はい。」
「……(笑)。これ、ちょっとオフレコに…、」
「ええっ(笑)!!?…あれ、そうですか?」
「ははは(笑)。いや、いいんやけど…。俺が思うに、いいなーと思う
プレイヤーの人。もう、上手いとかそういうのではなく、、、愛がある。」
「あ…。なるほど。」
「そこだけなんよね。…言ってもね、やはり、ああ、愛があるな…って人がいい。」
「それ…、全く同感ですね。だって俺、その事をたまに人に言ってますもの(笑)。」
「え…っていうと?」
「なんか、演奏を一緒にやるメンバーに、あまり上手くいってない感じの
時とかに、『つまりは、愛が無いんだよな〜』…みたいな事です。」
「え、それ、大ちゃんが言うの?」
「そうですよ。むしろ、つい先日も言ってたかもしれない(笑)。」
「…そうだよねー。それって、要だよね!?」
「結局、全部に通じるんですよね。出てる音は勿論なんですけど、バンドへの
向き合い方だったり、後は曲作りとか…、その言葉が一番しっくり来るんです。」
「そうそう。…でも俺、これを言ったの初めてじゃん。」
「そうですね。オフレコ覚悟で(笑)!?」
「くっくっく(笑)。…でも、これって、言われた側はどうしようもないよね(笑)?」
「確かに。ポカーンってなっちゃいますかね(笑)。」
「全否定された…みたいな(笑)。解決にもならないし。
後は3年ぐらい籠って、解決の糸口を見付ける…と。」
「ははは(笑)。」
「…で、それを、まあ大ちゃんは前から思ってかもしれないけど、そこは全面に
出すっていう感じでやろう…ってふうには俺は思ってなかったから…。」
「はいはい。」
「だけど、大ちゃんの中で何となく、やはり…そこ…じゃろ
…という覚悟みたいなものを、俺は感じたのかもしれん。」
「あー、はいはい。なるほど。」
「どう?…鋭くない?」
「え…(笑)。あ…まあ、そうなんですかねぇ(笑)。」
「だから、分かっているけど、それを口に出してわざわざ言うのもどうか
…って感じではあるじゃん?…でも、それを敢えてスッとストレートに
出せる…っていうの変化は大きいんじゃないかと俺は思うんよね。」
「うーん…、イイですね。分かる気もします。」
ーーーーー締まって良かったーーーーー
竹内「いやー、いせや、良かったですね。」
丸本「ね。しかも今回、いい話しが出来たし…。」
「はははは(笑)。どっち企画なんだか…っていう(笑)。」
「俺なりにね、構えちゃいけない…っていうのがあって。」
「はいはい。」
「…でも、身のある話しにはしたいじゃん?」
「まあ、そうですよね。」
「しかも、飲みながら…なんていうのは初めてだったし。ここまでのは。」
「はい。ちょっと踏み込んだ感じが…良かったですよね。本当は、
来月がワンマンだし、今度は広島も行くから、そういった話題で
今回を締めようかと思ったんですけど、もう十分締まりましたね。」
「いやー、それはね。内容的な部分を勿論話したかったのもあるけど、
今回のような事を話せたというのは…やはり大きいねえ…。」
「そうですね。全部繋がってきますよね。ワンマン然り、広島行き然り。」
「繋がってく繋がってく。」
「お互いの情報やスタンスの共有と言いますか。」
「…で、万が一よ。俺がさっき、究極は愛ですよ…って言った時に、大ちゃんが
『え、何言っちゃってるんですか、そうですか?』って言ってごらん!?」
「あはははは(笑)。」
「締まらんじゃろ(笑)?」
「(笑)。は…恥ずかしい…みたいな。」
「愛の事を言う途中まで、良い流れで話せてる…って思ってたからね。」
「確かに。それで最後に意見が合わなかったら、、、」
「ガラガラガラ…って崩れるからね(笑)。」
「いやー、そしたら綺麗にまとまって良かったですね。丁度2時間ぐらい経ちましたし。」
「ワンマンライブをやった感じだね。」
「ホントですね。どうもお疲れ様でした。バッチリでした!」
☆本日の注文品
・生ビール(500円×7点)…3500円
・自家製シューマイ…360円
・煮込み(350円×2点)…700円
・ミックス焼き鳥…640円
・なめこ汁…500円
計5700円!…奢らせて頂きました!!
☆丸本達也さんのブログ…http://tatsuya.blog.jp
☆いせやのHP…http://www.kichijoji-iseya.jp
いせや総本店さんの歴史に、しっかりと刻まれたのは間違いないです☆
早く書き上げるつもりなので、楽しみにしていて下さい!
楽しみにしています^^
仕上げなければいけない記事も多々ありますが…笑)!
まだまだ続きが楽しみです。
編集されてるであろう部分も想像しつつ、味わっちゃいました。
小学生の夏の朝に、少し大人になった瞬間を感じた丸本さん。
「コテージもお前の事を片目で見てるよ」って言ったアラン諸島のB&Bの方。
世界は詩人だらけです…!
CDでソロ“Monte Fiesole”を聴く時、この対談、思い出し必須です。
ちょうど一年前かぁ、懐かしいですね。
それにしても、テープ起こし、僕はお喋りなんで、大変でしたでしょう^ ^
日本中を飛び回る忙しい日々の中、よくそんな時間があるなぁ、と本当に感心しております。
楽しく読ませていただきました!
ご苦労様&ありがとう*\(^o^)/*
後半は、そろそろ酔いも回ってきていますからね(笑)。
この1ヶ月後にワンマンライブ、そして広島ツアー、
新潟ツアーを敢行出来た事を考えると、なかなか充実した
1年を過ごせていたのかもしれません。感慨深いですね。
>丸本さん
ようやく完成出来ました。時間掛かってしまってすみません。
読み応え…ありますよね。良い(酔い?)時間を過ごせました。
こちらこそありがとうございました!…またやりましょう(笑)。