都内から下田までは、黒船メンバーで出発。自分以外は日帰りで向かうものの、1台の車で皆で移動していく様は、遠征ツアーでも行っているような気分になりました。…とは言え、下田までは車で約3時間半〜4時間の道のり。そんなに簡単に行ける所でもないのですが、今年は恐らくそんなに活動が出来ない黒船にとって、このように一緒にいられる時間というのも貴重です。道中、色々な話しで盛り上がったものでした(笑)。
下田には予定よりだいぶ早く到着し、金目鯛を堪能したり、正に黒船(!)との対面も実現する事が出来ました。今回は野外での演奏だった為、天候に少し不安がありましたが、何とか自分達のステージには雨もやんでくれそうな気配がありました。直ぐさま祭りを楽しみたいですが、ここからは長丁場となりそうなので、少し身体を休め、本番に備えたものでした。
下田の街には出店が出揃い、確かにお祭り気分があちこちに溢れていました。黒船祭は全部で3日間行われ、この日はその内の2日目だったのですが、天気のせいもあってか、まだまだ人が来ても良さそうな感じではありました。まあ、あまり混み過ぎても大変ではありますが(笑)。この開国市のテーマとして、幕末にタイムスリップ!…というものもあるらしく、たまにお侍の格好や、海軍服を着た外人の方等を目にします。そして、それに扮装した観光客も多く、街の通りは人種の坩堝みたいになってましたが(笑)、それが開国市の雰囲気にそのまま繋がっている気もしました。自分達の出演するステージが組まれている“きずな広場”は、ビアガーデンさながらのようになっており、ここが正に発信地でもありましょう。黒船グッズ(バンドの方)も受付ブースに控え、いよいよ本番です!
自分達のステージは17:00から始まりました。それまでもこの場所で別の演奏は行われていたようですが、ここからはバンドらしいグループでの演奏となっており、サンセットライブ…という位置付けもなされていました。黒船祭で、自分達が名付けた黒船というバンドが出演する…。そういった状況に感謝し、この参加によって、更にここから黒船祭を盛り上げていく!という気持ちでライブに臨んでいったものでした。
ステージ時間は約40分を用意されており、今回は“豊年節”や“よいすら節”等、奄美民謡の曲を中心にお送りしていきました。その中には、最近新しくやり始めた“黒だんど節”も含まれ、下田の街にボーカルの里アンナさんの島唄が響いてきます。そして“Summer Breeze”もインスト枠として演奏…。恐らく今年は夏に黒船ライブをする事は厳しそうなので、せめて夏を感じられる今に、取り上げておきたいところでもあったのでした。こちらは津軽三味線の白藤ひかりさんのサウンドを、下田の空に響かせていきます。
最後には、黒船リーダーであるベースの関谷君のオリジナル曲、“A Night in Bali”で締めていきます。急に曲調が海外っぽくなりますが(笑)、日本と海外の接点に貢献した下田という場所には丁度良い締めになったのではないでしょうか。それぞれのアドリブ演奏にも注目させ、自分達黒船らしい演奏が出来たのではないかと思いました。
さて、この黒船のステージ中に、どこかで自分の名前を呼ぶ団体?がありました。何だろうと思ってステージの斜め前方を見ると、弾楽のメンバーと、下田を地元とする方同士でのグループがワイワイやっているではないですか(笑)。…やけにテンションが高いなと思ったのですが、どうやら弾楽では今日既に1〜2回のステージ(ここではなく、街中の路上で組まれたステージで行われていたそうです)をこなしており、自分達より更にお祭り気分が深く?浸透していたのでしょう。そんな弾楽の“きずな広場”でのステージは19:30〜。まだ時間があったので、下田の食に舌鼓を打ちつつ、ビールで乾杯しながら街中の雰囲気を楽しんだのでした。
そしてこの間には、“KAIKOKU”と名前が付けられたバンドのステージ(右上写真参照)が始まります。よく見ると、メンバーの半分以上は知り合いの方で(笑)、ここで出会うのも面白いものだと思いましたが、更に下田の街を熱く盛り上げていました。ついつい自分としても、お酒が進んでしまうのです(笑)。
そろそろ辺りも暗くなり、弾楽のステージが始まります。この時点で、夜までに東京に戻らなければならない黒船メンバーは、先に帰路の道へと着いてしまいましたが、残された責任を引き継ぎ?この日2回目のステージに臨みました。客席の目線より高い場所に組まれたステージは、自分達のようなタップダンサーがいるバンドにとっては、その動きを全て披露させられるという点で有利で、お客さんも早速、目が惹き付けられたのではないかと思います。タップサンダーの丹精君も、いつも以上にノリノリで、いつも以上に動きを付けてタップを刻んでいるようにも思いました。
曲は、ジャズの4ビートの曲から、皆で手拍子をして盛り上がれるラテンの曲まで、やや短いステージながらも変化を付けてお送りし、あっという間に終わってしまった感じでした。皆さんのノリも良く、手拍子は勿論、声も掛け合ったりして、陽も暮れたこの空間に、灯りと共に更に熱いものを感じさせてくれたと思いました。そもそも弾楽というバンドは、町興しも活動の1つと捉えている部分もあり、こういった場所でのライブというのは願ったり叶ったりでもあった事でしょう。静岡を拠点にしているという背景もあるので、伊豆の南端である下田に来れたのも嬉しい限りでした。どうもありがとうございました!
…こうして、黒船祭での自分の参加するステージは全て終了しました。黒船メンバーの中では唯一下田に残されてしまった自分でしたが、この次の日には弾楽メンバーの丹精君と、フルートのいづみさんとのライブが熱海で行われる為、そもそもこの日は東京には戻らないスケジュールにしていたのでした。そして更に次の日の1日掛けて関西に移動し、TRI4TH の関西ツアーへと繋がっていくのです。
そう、つまりこの黒船祭の日は、自分にとっても遠征ツアーの“幕開け”となった瞬間であり、大事な1日目でもあったのです。そんな初日をお祭り気分で迎えられた事に有り難く思いつつ、ライブの余韻を楽しみ、これからの1週間に思いを馳せるのでした…。本当にお疲れ様でした。また黒船祭に戻って来れる事を願いつつ、良い時間を過ごせた事に感謝します!
☆下田黒船祭、開国市のHP…http://dietter.com/kurofune/
☆黒船(バンド)のHP…http://www.peaceofcake.net/kurofune/