実は、この時の関西旅行は直前に決めたものでもありました。たまたま連続した2日間の日程が空き、どこかに行こうかなと思って航空会社のサイトを調べていたところ、ジェットスターで成田空港〜関西空港間が5000円台であったのを見付けたのです。勿論即決し(笑)、後の予定は現地に行って決めようと思いました。
…こうして、特に何も考えないまま向かった関西旅行。結果的に大阪から京都に向かう事になるのですが、開花状況は満開に近く、ゆっくりとその桜を満喫する事が出来ました。今年分も昨年に思いを馳せ、綴っていきたいと思います。どうぞ御覧下さいませ。
●直前でも安いジェットスター
今回の旅行の切っ掛けになったのが、格安航空会社であるジェットスターの安さでした。この日程が決まったのは、出発する2、3日前ぐらいだったと思いますが、前述のように成田空港〜関西空港間が5000円台。他の行先も似たような値段ではありましたが、関西は何度も行っている場所でもある為、桜というのものだけに焦点を合わせるなら、こうした慣れた場所の方が有利です。成田空港10:00発の便に乗り、一路関西空港へと向かいました。
成田空港からの離陸ですので、巡航高度に達した後に東京湾を横断するようなルートになるのですが、この日の天気は非常に良く、羽田空港を手前にし、東京23区エリアがよく見渡せる光景が広がっていました。この分でいくと、富士山もアルプスの山々もクリアに見えそうですが、実際に期待は裏切りませんでした。やはり、飛行機からの景色は何度見ても飽きません。関西空港までの1時間半は、退屈いらずでした。
フライトはほぼ快晴という空模様だったものの、関西に近付くにつれ、少し雲が出てきたような天気になってきました。まあ、それでも晴れとは言えるような状況だったのであまり気にしないとして(笑)、ここからどこに行くかを決めなければなりません。通常?行き先を決めていない場合、本来なら先程の機内等で少しは考えておけば良いのですが、ついつい外の景色が気になり過ぎてしまう性分の為(笑)、未だに結論は出ないまま関西空港に到着してしまいました…。ひとまず大阪中心地である難波に出て、そこまでの電車内で検討する事に致しましょうか。しかし選んでしまった列車が南海電鉄の特急ラピート。レトロフューチャーをコンセプトとした独自のデザイン車両は、外観も車内も、気になってしまう事ばかりです。これでは、まだまだ目的地が決められないではありませんか…(笑)。
●石清水八幡宮、そして淀川河川公園背割堤地区
…とは言え、難波に着く頃には、1つのプランが浮かび上がっていました。それは、大阪府と京都府の境に位置する淀川河川公園背割堤地区という所で、住所は京都府八幡市になるのですが、近くには石清水八幡宮もあるので、合わせて見る事も出来そうです。難波駅から地下鉄で淀屋橋駅へ向かい、京阪電鉄で八幡市駅へ。乗り換えが沢山で大変ですが、こういった関西私鉄の旅もなかなか良かったりするのです。
まずは、山の上に位置する石清水八幡宮に向かいましょう。意外と小さな駅だった八幡市駅を降りると、そこに横付けされているようにケーブルカー乗り場があります。京阪鋼索線という、これも京阪電鉄の路線の1つとなっています。以前の京阪電鉄の特急車両の塗装がケーブルカーに施されており、京阪の路線である事を主張しているかのようです。
所要時間は3分程度なので、わりと小規模のケーブルカーに入ると思いますが、それでも歩いて登る事に比べたら有り難い存在です。石清水八幡宮の大事な足でもあり、初詣客で賑わう1月中に、1年の利用者の半分が占めてしまうのだとか…。そう考えると、この時というのは桜の時期とも相まって、わりと乗客は多い方だったように思いました。
そうして石清水八幡宮へ…。初めて立ち寄った場所でしたが、赤い色の社殿が印象的な、非常に重厚感のある建物でした。日本三大八幡宮の1つにも数えられており、関東の鶴岡八幡宮との共通点を見出だしつつ、意外と桜が少ない事にも気付いてしまいました(笑)。八幡宮の総本社である、大分県の宇佐神宮にこの気持ちは取っておくとして、直ぐさま下山(笑)。桜の名所へと自然に足を運ばせてしまいました…。
山の上からの景色でも分かるように、ここは木津川と宇治川、そして桂川が合流して淀川になるという地点で、その川に挟まれた細長い背割堤が例の場所というわけです。その植栽された桜並木の長さは1、4kmにも達し、しかも満開に近い状態でもありました。歩いて回るには丁度良い規模かもしれません。早速ビールを片手に、散策開始です♪
この時点で、時刻は16:00頃になっていたので、人の流れもピークを越え、そろそろ帰り支度をしている人も多かった感じではありましたが、桜の具合は最高でした。午後になると風が少し強くなってきたせいもあり、花びらがどんどん散っていってしまっていたのですが、その桜吹雪もまた春の儚さを演出してくれています。ただ歩いているだけでも、何かのドラマの1シーンに巡り会えたような気分になれます。勿論、自分はエキストラ役ですが…(笑)。
ビールを飲んでいたら、少し肌寒くなってきてしまいました…。時刻は17:00と、そもそも、まだここに来てから1時間ぐらいしか経っていない筈でしたが、何だか場所を移動したくなりました。腹ごしらえも出来たので、もう充分でしょう(笑)。今来た道を引き返し、改めて八幡市駅へと向かいます。途中では、川を渡る京阪電車を見たり、遠くに見えた先程の京阪鋼索線を眺めたり…、いつの間にか焦点が、桜より電車になっている事に気付かされました(笑)。
…さて、この後はどうしましょうか。今現在、この地点の桜が散り始めという状況を見るに、ではもう少し北側に進んだら、更に満開度の高い桜が見れるのでは…という発想に至りました。そうなると、やはり京都方面に足を向けた方が良さそうです。京都も桜の名所で沢山の場所なのは確かです。折しも、京阪電鉄は京都の街まで通っている路線。考えは決まりました。
京阪電鉄で四条河原町駅を降りると、そこには鴨川沿いに並ぶ桜の姿が…。これはなかなか期待出来そうです。ひとまずこの日の夜は京都の食を堪能しつつ、桜の堪能は次の日に取っておく事にしました。
●モーニングはイノダコーヒーにて
最近の京都での朝は、イノダコーヒーに行く事が多くなっています。イノダコーヒーは関東にも支店を構えていますが、本店・本社は京都であり、特に本店の建物は町屋をイメージしたものになっており(左下写真参照)、ここで頂く京の朝食(右下写真参照)は外せません。
朝から京都らしい雰囲気を、視覚からも味覚からも味わえ、そして特に時間等は気にせずに、ゆっくりと過ごします。なかなか贅沢であり、この時間で本日の予定を立てていくのも良いかもしれません。…かと言って、お店で何かをしているわけではないのに、この時点で満足してしまうわけですが(笑)、そんな時間を過ごしに、きっとまた足を運んでしまうのでしょう。
●京都の桜は、美でした
イノダコーヒーを出て早速、見頃と言われる桜を見に足を運ばせましょう。せっかく京都に来ているので、神社仏閣系の場所に行きたいと思いますが、既に街中を歩いているだけでも、満開の桜が目に飛び来んできました。流石は京都!…という事ではないのかもしれませんが(笑)、そう思ってしまうのですから不思議です。どこを切り取っても京都らしいと思えるから…なのでしょうか。
まず最初に足を運んだ場所は、京都御苑を通っての護王神社(左下写真参照)。足腰の守護神として知られており、境内には猪を象った、狛犬ならぬ狛猪が置かれていました。ここの桜は僅かという感じでしたが、京都にしては小ぢんまりと規模だったのが逆に好印象でもありました。
そして、次に向かったのは平野神社(左下写真参照)です。京都の桜の名所としても広く知られていますが(神紋も桜です)、成程、その桜の品種の多さが、沢山の人を惹き付けて止まない部分なのかもしれません。
境内は満開の桜で溢れていました。そして、場所によっては色々な種類の桜がある事に気付かされます。それは、ある程度植物に詳しい人でないと分からない…というものではなく、明らかに見た目から異なる桜が存在し、そしてそれは開花の時期も若干異なるのだそうです。特に有名なのは魁(さきがけ)桜というもので、この神社が発祥の桜の品種なのだとか。その名の通り、開花時期が他のものに比べて早く、この桜が咲き始めると、都のお花見が始まると言われているのだとか。
全体的には、桜のピークは若干過ぎて、少し散ってきた様子が見られた感じでしょうか。それでも、前述のように開花時期の異なる桜が多数存在する事から、どこかしら見頃の桜が見られるというのは、他にはない珍しい環境なのかもしれません。流石に人出は多く、皆、珍しい桜に目を奪われている感じでした。
外国の方も多かったように感じましたが、やはり有名なのでしょう。時間が経って、少し風が出てきたせいもあり、満開の桜から溢れる桜吹雪は本当に印象的でした。まるでアニメを見ているような光景でもありました。何だかんだで、神社そのものより、桜の印象が残ってしまった感じしたね…(笑)。
こうして平野神社もだいぶ堪能しましたが、あと1ヶ所くらい立ち寄る時間はありそうです。そんな3ヶ所に向かったのは、世界遺産としても名高い仁和寺(左下写真参照)でした。真言宗御室派の総本山でもある場所ですね。
本当は、国宝である金堂を含め、見ておかなければならない場所がここには沢山存在していたわけですが、今回はあくまでも桜を見る事に重点を置いていた(いつの間に?…笑)為、そんなに長居はしなかったように思います。それにしても、やはり雰囲気は抜群の場所で、季節を変えて特に秋頃等に寄ってみたら、どんなに綺麗なのかと思いましたね。その時には建物を中心に、もっとじっくり見て回ろうと思います(笑)。
●桜の締めは、嵐山電鉄
色々と、桜をテーマに神社仏閣を巡ってきましたが、やはり自分らしい旅の基本として、鉄道と桜という組み合わせも忘れてはいけません(笑)。そんな希望?を叶えてくれるのが、この近くを走っている京福電気鉄道(嵐山を通るので、嵐電と呼ばれています)です。特に北野線の方は付近に桜のトンネルと呼ばれる鉄道名所があり、仁和寺からも割りと近かったので、こちらも寄ってみる事にしました。
それは宇多野駅(左上写真参照)〜鳴滝駅間にあり、右上写真のような感じになります。これは素晴らしいですね。電車も、普段は1両編成のところを、この時期は2両に増結されて走っており、沢山の観光客に配慮していました。また、桜の区間は夜になるとライトアップがなされるのだそうで、今回は無理ですが、いつかは見てみたいものだと思いました。本当に今回は、桜に堪能された旅になりましたね。
ふと思い立って向かった、関西の桜旅。やはり京都の位置付けが大きかったですが、こんなに堪能しても、また見たい、足を運びたい…と思ってしまうのですから、京都の魅力は本当に壮大なものなのですね…。勿論、春だけが京都の魅力ではありません。また違う時期に、新たな魅力を探して旅を続けていきたいと思います!
☆ジェットスター・ジャパンのHP…http://www.jetstar.com/jp/ja/home
☆イノダコーヒーのHP…http://www.inoda-coffee.co.jp
☆石清水八幡宮のHP…http://www.iwashimizu.or.jp/top.php
☆護王神社のHP…http://www.gooujinja.or.jp
☆平野神社のHP…http://www.hiranojinja.com
☆仁和寺のHP…http://www.ninnaji.or.jp
☆京福電気鉄道のHP…http://www.keifuku.co.jp