寝台特急の廃止、臨時化というのは確かに寂しい感じはありますが、ここは新たに開通した路線に目を向け、これからの発展を期待したいと思います!…その2大トピックと言えば、やはり北陸新幹線と上野東京ラインでしょう。どちらも、日本地図が塗り替えられるぐらい…というと大袈裟かもしれませんが(笑)、乗客の流れは明らかに変わっていくと思われる路線でもあり、それに伴う付加価値も非常に大きなものになるかもしれません…。北陸新幹線の最速種別である新幹線『はくたか』号は、東京駅〜富山駅間を最速2時間8分、東京駅〜金沢駅間を最速2時間28分で結び、これまでのルート(それが前述の北越急行ルートですが…)よりも1時間以上も短縮されます。この事実を聞くだけでもワクワクしてきてしまいますが、車両も“日本一豪華な新幹線車両”と言われるE7系(JR東日本所属)、W7系(JR西日本所属)が用意され(両者に仕様の違いはありません)、今回のダイヤ改正の目玉としてその魅力が放たれています。
3月14日当日。開通したての北陸新幹線に乗りたいところでしたが(笑)、流石に時間の都合上厳しかったので、同じくこの日開業された上野東京ラインを探索してみました。せっかくなので、E7系とのコラボ写真も撮っておきます(左上写真参照)。さて、この上野東京ライン、名前の通り上野駅と東京駅を結ぶ路線…のように解釈されがちですが、意味はもっと広く、上野駅と東京駅を経由し、JR宇都宮線(JR東北本線)、JR高崎線、JR常磐線から、JR東海道本線を相互直通運転する列車の系統路線名…というのが正しいでしょう。これはJR湘南新宿ラインと同じ考えで、路線名というよりは、系統名を名乗っているというわけです。…なので、上野駅〜東京駅間はの正式路線名は、現状もJR東北本線のままです(…とは言え分かりにくいので、こうは案内されていませんが…)。
それまで東京駅止まりだったJR東海道本線、そして上野駅止まりだったJR宇都宮線、JR高崎線、JR常磐線が相互直通運転を始めるのですから、その乗り入れ区間は相当な範囲に及んでおり、実際、静岡県の熱海駅から栃木県の黒磯駅まで、片道4時間以上掛けて走行する列車も登場する等、その運行は非常に複雑になっているだろうと予想されます。車両に掲載されている停車駅案内もだいぶ細かくなっていました(右上写真参照)。JR常磐線に関しては品川駅までの片乗り入れとなっているので、割りとシンプルかもしれませんが、こちらは特急列車も日中を中心に乗り入れるので、インパクト的には大きそうな気がします。実際、東京駅で見るJR常磐線E231系(左下写真参照)や、特急『ひたち』号E657系(右下写真参照)はなかなか新鮮な光景ではありました。
上野駅〜東京駅間は3、6km。この内の半分くらいは既に留置線があった関係で、実際新たに建設した区間は2kmにも満たなかったとは思いますが、土地の余裕が全く無い所に新たに線路を築くというのは、大変な孝治であったと予想されます。元々、この区間には東北本線用の線路があり、列車も設定されていたのですが、用地を東北新幹線用に転用させる事から秋葉原駅〜神田駅間で線路が分断。その後、東北・上越新幹線の東京乗り入れが実現しました。
その状況で更に新路線を開通させなければならなかったのです。前述の通り、特に用地に余裕が無い区間が秋葉原駅〜神田駅間で、ここは新幹線の真上に、更に高い高架橋を造る事でクリアさせました。東京駅を出て暫くすると、上り勾配になって真下に新幹線を追いやり、そして秋葉原駅の手前で新幹線を横に見ながら下り勾配になっていく…という感じです。…この間、電車に乗っていたらあっという間ですが、相当な難工事であったに違いありません。
そして上野駅に入ります。東京駅のJR東海道本線の雰囲気は、もう完全に中間駅になってしまっているような感じでしたが、上野駅はまだまだ終着駅感が残っているような気がしました。…というのも、まだ多くの上野駅始発列車が残っている事と、北行きの3路線同士が漂わせる広い駅構内によるものなかもしれません。それまでのJR東海道本線からの列車が、ここで3方向(大宮駅までは2方向が同じですが)に分かれるのですから、乗客案内をしっかりしないと間違えてしまいそうです。そして直通運転区間が長きに亘っている為、もしも寝過ごしたら、とんでもない事にもなりかねませんね…。JR宇都宮線で上野駅で降りようとしていたら、寝過ごして熱海駅まで来てしまった…とか、今後本当にありそうです。注意して頂きたいですね。
さて、上野駅では、今回のダイヤ改正から見られる光景を発見しました。右上写真がそれなのですが、E231系とE233系が併結して運転されていました。これまでは無かった事なのですが、こちらも今回のダイヤ改正を象徴する姿かもしれません。とにかくファン心理をくすぐられる光景です(笑)。
この日、自分が上野東京ラインを探索していた時間は1時間にも満たなかったのですが、もうこれだけの話題を挙げてしまいました(笑)。新たに開通した区間は短けれど、その内容や効果は壮大なものがあるという何よりの証拠でしょう。北陸新幹線と共に、大いに注目していきたい路線であるのは確かなようです!
☆JR東日本のHP…http://www.jreast.co.jp